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ソラジオトーク from OKAYAMA

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ポッドキャスト限定配信&復活のソラジオトークソラジオトーク from OKAYAMA特別編「30年前の7月 木星に彗星が衝突!」@美星サイエンスカフェ30年前の7月 シューメーカー・レヴィ第9彗星が木星に衝突!この出来事から、太陽系の惑星に天体衝突が起こりうるとして宇宙を監視するという重要な仕事のはじまり。今回は、美星スペースガードセンターの方が不定期で行う美星サイエンスカフェへ伺いました。美星サイエンスカフェでは、スペースガードの仕事内容であったり宇宙・天文に関することを解説していただけます。カフェでゆったりしながら、宇宙の話を聞いて、楽しいひとときを。美星スペースガードセンターイベント情報は、こちら日本スペースガード協会①美星スペースガードセンターの仕事について (2:25頃~)日本スペースガード協会 二村さん②木星に彗星が衝突! (21:10頃~)日本スペースガード協会 奥村さん美星町のお食事処「星の郷」https://biseikankou.jp/gourmet/05-08.html
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ。石垣島天文台研究員の早津です。
今回のテーマは、「石垣島天文台の研究員のお仕事」についてです。
さて、梅雨入りを迎えた石垣島ですが、島の気候は比較的過ごしやすく、固有種のヤエヤマヒメボタルが見頃を迎え、石垣産の果物、パインやバナナなどが旬を迎えています。私が石垣島に研究員として暮らし始めて1年と9ヶ月が経ち、魅力たっぷりのこの島に日々心癒されながら、石垣島天文台ライフを満喫しております。
私の仕事は石垣島天文台にある「むりかぶし望遠鏡」をつかった科学観測のオペレーションや、チリにあるアルマ望遠鏡をつかった研究です。研究以外にも教育活動や広報普及活動も業務に入っています。
様々な活動を通して、どうしたら石垣島天文台の研究員になれますか?どんな仕事をしているんですか? と嬉しい質問を何度かいただいたことがあります。ですので今回は、エピソードを交えながら、
○石垣島天文台研究員のなりかた
○研究員の仕事で楽しかったこと
○自分の研究について
の三つについてご紹介したいと思います。
○まずは、石垣島天文台研究員のなりかたについてです。
前回のオーディーで、石垣島は「空の良さ」「地理的な良さ」「施設の良さ」
三拍子揃っている、日本からの天文観測において普遍的な価値をもった島ということをご紹介しました。
その「施設の良さ」について、VERA石垣島観測局とともに重要な役割をになう石垣島天文台では、八重山星の会職員と国立天文台職員が常勤しています。
私の雇用枠は、国立天文台天文情報センター特任研究員になります。
求められるスキルは、
・天文学関連分野の博士の学位またはそれと同等の能力・経験を有すること
・天文学研究および教育・広報普及に関する知識と経験を有すること
となっております。
研究員以外にも運用支援、事務、装置開発、望遠鏡整備など色々な石垣島天文台への関わり方があります。
また、石垣市や琉球大学も、石垣島天文台運営機関の一つです。
他の天文台では趣味として星空案内人などの資格を取得し、
天文台職員になった方もいるそうです。
天文学はいろいろな興味と繋がることのできる学問だと思いますので、
お仕事にするかどうかに関わらず、例えばこのラジオの時間を少しのきっかけにして
「宇宙って面白いなぁ」と興味を持ち続けていただけましたら幸いです。
では、次の話題です。研究員の仕事で楽しかったことについて。
以前、「天文台では1日にどんな仕事をしていますか?」とお尋ねいただきまして、
そこからご紹介したいと思います。
何時に何をします、みたいなものを言いたかったのですが、
本当に日によるし、時期によるのでなんとも言えません。
大体締め切りに追われています。
論文や観測提案や次の職の応募や発表や研究費申請など、あります。
研究会を主催して研究者に来てもらうこともありますし、
発表しに国内や海外に出張することもあります。
夜に観測ができそうなら遅めに出勤して、メールチェックや最近でた論文のチェックをしたり、
リモートで共同研究者や友達の研究者と議論や教科書を読む会をしているので、その準備をします。
それが研究活動そのものになったり、研究の準備になったりします。
あとはモニターのメンテナンス、ミーティング、観測準備と観測を行ったりします。
そんな生活の中で、もちろん楽しいことばかりではないですが、一番楽しいのはやっぱり研究だと思います。
研究については次の話題で話すとして、色々な業務をやれるのが石垣島天文台の研究員の特徴的なところだと思いますので、それをいくつか紹介します。
まず、ただ楽しい仕事はモニターを作る時のドリルをつかった穴あけです。
あのDIYなどのドリルです!
前回のオーディーでも南十字星モニターについて少しご紹介しましたが、
モニターは研究員によって自作されています。
先代から受け継いだノウハウを継承しつつ、湿気や老朽化と戦いながら、
不具合の起こらないようメンテナンスしております。
他にも、美ら星研究体験隊という、高校生との小惑星探査のイベントはとても思い出深かったです。
参加する前は、2泊3日の研究体験とはいうけれど、
お膳立てされたプログラムをやって帰っていくだけなのだろうと、正直言って甘くみていたところがあったのですが、
高校生たちの「絶対見つけてやる!」という熱意や、総意工夫には本当に良い刺激を受け、しかも実際に候補天体を見つけるという快挙を成し遂げました。
私も夜通し興奮しながら観測のお手伝いをし、教育活動の奥深さを肌で感じた濃い経験でした。
あとは東京工業大学と連携している「ガンマ線バースト」という宇宙空間で起こる爆発現象の即時観測も、稀有な体験でした。
アラートが発令されたのは、一般の方向けの観望会が終わって、望遠鏡を終了しようとした時でした。その頃はまだ科学観測のしかたを覚えたてで、しかも休日だったので上司もいない状態で、ものすごく緊張しながら観測したのを覚えています。
今までの研究ではリアルタイムで天文現象を追うことがなかったので、
後日ちゃんと観測されていることが確かめられた時ははじめて味わう達成感がありました。
○最後に、自分の研究について簡単にご紹介します。
石垣島天文台の研究員には、個人研究の時間が勤務時間の50%、割り振られています。
その時間を使って、宇宙の隠された歴史を知るために研究しています。
大まかにはいろんな観測事実と理論から説明できているのですが、
宇宙の進化とともに、どんな種類の銀河がどんな割合で生まれて、現在の宇宙に至ったか、という銀河形成の変遷や星形成の歴史に関してはまだ議論の余地があります。
なので新しい観測装置や解析方法を試すと、
例えば
「実はあの時代にこんな種類の銀河が暗躍して、その後の歴史に重要な役割を果たしたのではないか?」のような、
ヒントみたいなものがたくさん見えてきます。
人類の歴史と似ているかもしれませんが、ざっくばらんには、そんな感じの研究をしています。
前回のラジオでご紹介した南十字星の中には、コールサックと呼ばれる可視光で暗く見える部分があります。
この暗く見える部分は星間ガスや星間ダストです。
※星間ガス(Interstellar gas)とは、宇宙空間に漂う水素やヘリウムを主体とした気体のことである。その密度は、水素原子が数個程度という希薄なものであるが、高密度に集積すれば、星雲として恒星が生まれる母胎にもなる。 ※星間ダストとは、宇宙空間の星々の間には、無数の小さな固体微小粒子が漂っています。 それらは、「星間塵」あるいは「星間ダスト」と呼ばれ、小さいものでは数ナノメートル以下のものまであります。
このような小さな領域は遠方銀河では細かく調べることはむずかしいです。
ですが、可視光では暗く見えている領域
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ鏡野観光局地域おこし協力隊 川北です。
今夜は、「鏡野町」についてお話をします。
鏡野町は
鳥取県境に位置します。山に囲まれた町内を岡山三大河川の吉井川が流れていて、
キャンプやスキーを始めとした豊かな自然の中で体験体感できるアクティビティが
数多くあります。
岡山市内からは車で約1時間20分。
温泉があって、滝があって、紅葉もあります。「うーんっ」と深呼吸をすれば、身体が柔らかい空気で満たされる、自然豊かな小さな里山です。
ここ鏡野町には
地球に接近する小惑星や、地球の軌道上にある使い終わった人工衛星やロケット、
その破片などの「スペースデブリ」(宇宙ゴミ)の観測を行っているレーダーによる観測施設「上斎原スペースガードセンター」があります。
鏡野町で星空観察会を行っていますが、観察会の時にも流れ星のようにみえる
人工衛星は、空が暗くなった時間帯6時~8時ぐらいの間でしょうか?
人工衛星は、太陽の光を反射してみえるため
流れ星と間違えてしまうこともあるくらいです。
ちなみに雷は秒速340m。
問題:人工衛星は次のうちどのくらいの速さで地球をまわっているでしょうか?
正解は、②番の秒速8kmです。これは、1時間半くらいで地球を一周できるスピードです。
①番は、月や他の惑星へ行くロケットのスピード
③番は、飛行機の速さになります。
ここ鏡野町では、
4月から星空観察会を定期的に行っています。
空の暗さと自然を生かしたアクティビティも現在企画中です。
鏡野町では、奥津湖カヤック体験・サップ体験・トレッキング・キャンプ場・温泉など、自然を体験しながら1日楽しむことができます。
世界的にも珍しいウランガラスをテーマにした妖精の森ガラス美術館があります。
ごく微量のウランを着色材としてガラスに加えると
黄色や緑色の色彩を持つ透明なガラスとなり真っ暗な中で
紫外線ランプ(いわゆるブラックライト)で照らすと緑色に妖しく輝き蛍光を発する特徴をもっています。吹きガラス体験などさまざまなツアーがありますので、
詳しい内容は新しくなった鏡野町HPをご確認ください。
1日の最後にここ鏡野町で星空を眺めてみませんか?
ここからはトークでお届けします。
Q 川北さんはなぜ星を観光の一つとして考えたのですか?
A もともと星が好きでして、自分がこの街でできることは何だろうと考えたときに、ここのきれいな星をテーマにして何かやりたいってなりました。
4月から正式に星空観望会を体験できるようになりました。
Q ちなみに好きな星って?
A 木星ですかね。デカい・明るい・望遠鏡で見ても綺麗の三拍子です。
あとすばるも好きです。名前の由来にもなっているので。
Q 星をみていて印象的なできごとって?
A 空気が澄んでいて、今日いつもに増してめちゃくちゃ星綺麗だなって日があるんですよ。そんな日に星を見れたらうれしいですね。あと流れ星が好きです!
Q 鏡野町の星の見え方を教えてください。
A 鏡野町は山々に囲まれ標高も高く空気も澄んでいるため都市部に比べて比較的多くの星を見ることができます。
Q 実際に行った星空観察会の様子を教えてください。
A 実際に行った星空観察会ですが、
星空観望はどうしても天気に左右されてしまいます。
空の暗さや、周りの環境は、とてもいいのでぜひ見に来てほしいのですが、
1回目は、春の星をみながら、天気は、晴れていました。
2回目は、ゴールデンウイーク期間に行いましたが、きれいにみえました。
Q 今企画中のこと可能な限り教えてください。
A 今、お月見とカヤックを組み合わせて…みたいなことを考えています。
Q 今後も定期的に星空観察会を行っていくのですか?
A 定着するように毎月新月前後の週末に観望会を行っていく予定です。
かがみの旅とくらしHPhttps://www.kagamino.holiday/様々な体験プランがありますので、チェックしてみてください。
以上解説は、鏡野観光局地域おこし協力隊 川北でした。
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ。石垣島天文台 研究員の早津です。今回のテーマは、「石垣島天文台」についてです。まずは石垣島についてご紹介します。石垣島は、沖縄本島から南西へ約410km、飛行機で1時間ほど行ったところにある東シナ海に浮かぶ八重山諸島の島のひとつです。島の大きさは、県内で1番は沖縄本島、2番はおとなりの西表島についで、3番目です。南北の長さは約35kmで、南の島の魅力がたくさん、コンパクトに詰まっている島になります。白い砂浜と透明度の高い海が有名で、特にマンタとの遭遇率はとても高く、世界中から多くのダイバーが訪れることでも有名です。ですが、石垣島の魅力は星空にもあります。ラジオ放送でご紹介したように、石垣島は、2018年に日本で初めて星空保護区に認定。いわば星空版世界遺産に認定されるほど、自然のままの夜空が残っています。石垣島のガイドブックには美しい星空について特集が組まれ、石垣島天文台もよく紹介されています。また、ジェット気流や偏西風の影響が少ないため、星は瞬きが少なく、さらに緯度が24度と低いので、全天88星座のうち南十字星を含めて84の星座が観測可能です。冬場は一等星なら21個全て見ることができます。ぜひ、観光の際は、星空を眺めていただきたいです。以上の事から、石垣島は「空の良さ」と「地理的な良さ」をもつ、天文観測の好適地です。なので、この小さな島に国立天文台所属の観測施設が二つもあるのです。ひとつは20m電波望遠鏡があるVERA(ベラ)石垣島観測局。もう一つは、九州沖縄最大口径の可視望遠鏡、むりかぶし望遠鏡を有する石垣島天文台になります。石垣島は「空の良さ」「地理的な良さ」「施設の良さ」三拍子揃っている。日本からの天文観測において普遍的な価値をもった島ということになります。ちなみに「むりかぶし」とは、八重山地方の方言で「すばる(プレアデス星団)」を指します。2006年の竣工時に市民からの公募で名付けられました。105cmの一枚鏡をもつ、むりかぶし望遠鏡は、400kmはなれた沖縄本島の蝋燭の光を捉えられるほどの高い感度をもっています。石垣島天文台では、一般の方向けに夜の観望会や昼間の施設公開を行なっています。夜の観望会は現在、土日祝日に、実際にむりかぶし望遠鏡を使用して行なっています。昼間の施設公開では、ドーム内まで見学いただいて、むりかぶし望遠鏡で撮影した画像や映像をご案内したり「宇宙シアター」という3Dメガネを使用して宇宙を立体的に感じていただく上映会も行っております。8月に石垣島へのご旅行を検討している方は、石垣市が主催する南の島の星祭りをチェックしてみてください。2024年は、8月10日(土)です。また高校生向けの「美ら星研究探検隊」も2024年8月7日~8月9日にあります。むりかぶし望遠鏡やVERAを使って研究体験をする2泊3日のプログラムです。昨年度の高校生たちは小惑星候補をみつけて、天文学会のジュニアセッションで成果を発表しました。私も微力ながら観測のお手伝いをさせていただき、とてもよい思い出になりました。なかなか石垣島は遠くて来られない、という方はぜひ石垣島天文台の南十字星モニターを眺めてみてください。↓アクセス先↓石垣島天文台 南十字星モニターリアルタイムの石垣島の南の空の様子がご覧になれます。夏は画角を変えて天の川モニターになります。モニターのメンテナンスは私の仕事なのですが、実は二週間後の31日も放送のお時間をいただいておりまして、その際に南十字星や研究員の仕事について少しご紹介したいと思っています。また東京都東久留米市のラジオ「くるめラ」でも二ヶ月に一回のレギュラーコーナーを担当させていただいています。次回は2024年7月10日(水)10時にご視聴いただけます。広報・教育・研究の各方面において運営をつづける石垣島天文台ですが、その継続的な業績を讃えられ、令和4️年度と5年度2年連続で天文学の賞をいただきました。これからもスタッフ一同一層励んでまいりますので、進化し続ける小さな天文台、石垣島天文台にぜひ一度訪れてみてください。それでは、31日の放送でまたお会いしましょう!以上解説は 石垣島天文台 早津でした。
ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ
変光星と星の誕生を主に研究しています。岡山理科大学の福田です。
今回のテーマは、「変光星と若い天体」でしたね。
放送分で解説したように、
光り輝く星、恒星。
この恒星の中でも明るさが変わる星があります。
これを変光星と呼んでいて、今までに223万個以上の変光星が発見されています。
まず、太陽がどのようにして誕生したのかをお話しします。
太陽は分子雲と呼ばれるガス雲が重力によって集まり、収縮して誕生したと考えられています。
ものが集まってくると、圧力と温度があがっていきます。
この状態で光っている星を前主系列星といいます。
その後、重力収縮がさらに進み、中心の温度がさらに上がると、中心部では水素の核融合反応が始まります。この状態の星を主系列星と呼びます。
現在の太陽も水素の核融合反応で光る星で、主系列星に分類されています。
先ほど、太陽の誕生の説明をしましたが、おうし座T型星はこのような天体の代表例です。
変光星には色々な種類がありますが、その種類に応じて、代表星の名前に型をつけて、なになに型と呼んでいます。つまり、おうし座T星を代表とした変光星の種類を、おうし座T型星と呼んでいます。
おうし座T星は、おうし座にある変光星で、ヒアデス星団のV字型を型作る最も北の星の近くに位置します。
年齢は、数百万年の非常に若い天体で、地球から471光年の距離にあります。
おうし座T型星 前主系列星は大変面白い特徴を持っています。
地球や木星など惑星を育む円盤の構造が存在し、最新の電波望遠鏡でその姿が調べられています。
ジェットと呼ばれるガスの噴出現象も観測されています。
おうし座T型星自身も様々な理由で、星の明るさを変化させます。
太陽も現在の状態になる前はいろいろなことが起こったと考えられます。
さて、ここからは、さまざまな種類がある変光星の中で、重要な天体についてご紹介します。
天文学の歴史上、もっとも重要な変光星の型は、問題の選択肢にあったケフェウス座デルタ型星です。
ケフェウス座デルタ型星はセファイドあるいはセファイド変光星ともいいます。
この変光星では星自身が周期的に膨張と収縮を繰り返す「脈動」によって、その明るさが変化します。
脈動の周期と、天体の真の明るさに関係があることが発見されたため、銀河系近傍の銀河の距離を測定することに使われました。
ハッブル=ルメートルの法則として知られている、宇宙膨張の法則は、
こういった脈動変光星の観測によって発見されたのです。
最近、宇宙は加速膨張しているといった話を聞いた人もいるかと思います。
宇宙の加速膨張を調べた研究も変光星を用いて調べられました。
その変光星はIa型超新星と呼ばれる天体です。
Ia型超新星の正体は連星系をなす白色矮星の爆発で、爆発の仕方がいつも同じであるため、
その明るさもいつも同じであると考えられています。
このことから遠方の銀河の距離を測定することに、Ia型超新星が使われました。
ただ、このIa型超新星となる直前の状態に関しては、まだ研究途中でよくわかっていません。
2つの白色矮星が合体して爆発する説。白色矮星の隣の星から質量が降り積もって爆発する説があります。
もう一つの選択肢にあったアンドロメダ座Z型星は将来Ia型超新星をおこすかもしれない変光星です。
アンドロメダ座Z型星の光を調べてみると、高温の星雲と、低温の恒星といった、
熱い天体と冷たい天体の両方の特徴が見られます。
2つの特徴が共存していることから、共生という言葉が使われ、共生星と呼ばれています。
共生星は、白色矮星と巨星からなる連星であることが知られており、Ia型超新星へと進化する候補天体として、現在注目されています。
星は一つ一つ距離が離れていて、それぞれ特徴を持っており、様々な観測をすることで、新たなことがわかってきます。
岡山理科大学で一緒に学んでみませんか?
以上解説は、岡山理科大学の福田でした。
ソラジオトーク from OKAYAMA今回は、番組リスナーの方より質問がありました。「宇宙の果てってどうなってるの?」この質問をしました。岡山理科大学 福田先生京都大学岡山天文台 戸田先生宇宙の果てってどうなっているのでしょうか?あくまでイメージとしては、無限に広がる?だとか、真っ暗?狭くなっていく?など色々な想像があるかと思います。結論としては、調べる方法が現段階では無い。約138億光年の距離が観測可能な宇宙の果て。宇宙の果てがどうなっているか?はわからない。とのこと。しかし、宇宙は広がり続けている。広がり続ける環境・状況にあるとのことです。この「宇宙の果て・広がり続ける」には、宇宙空間にあるいまだ正体不明の物質「ダークマター」「ダークエネルギー」を知る必要があるようです。また、我々の住む地球は、天の川銀河・銀河系・太陽系・我々の銀河などと呼ばれるのですが、銀河自体は広がっていない。銀河同士がぶつかっていることもある。という話も。質問をくださったリスナーの方、回答になりましたでしょうか?番組への質問・メッセージは、番組HPへお願いします。
ソラジオトーク from OKAYAMA実際の日食の見え方について京都大学岡山天文台 戸田さんにうかがいました。日食とは、太陽・月・地球が一直線上に並んだ時に月が太陽を隠す現象です。日食の種類は、3種類。部分日食太陽の一部が月によって隠れる現象皆既日食月が太陽全体を隠す現象金環日食月が太陽を隠すが、太陽の方が月より大きく見えるため輪っか(リング)のように見える現象。ここまでは、みなさんがよく知っている内容だと思います。皆既日食時は、月によって全体が隠されますが、全体が隠れたときに月のまわりから白く刷毛ではいたような線が見えてくる。これは、太陽のコロナが見えているそうです。写真を撮り忘れるくらい、非常にきれいだそうです。この現象は、伝えるなら暗い空が吸い込まれていっているかのよう。普段みる日食の図(絵)は平面でみることが多いかと思います。図のみをみると1カ月(約27日)に1回 月は地球を公転しているため12回日食があるのでは?同様に、月食も12回ある?しかし、月の軌道は、太陽の軌道に対して傾いているため太陽・月・地球と一直線に現象になるのは、年に2回から3回。計算上は、年間5回おきることもあるようです。また、月は地球の約4分の1サイズであるため、地球全体を月が隠すことはありません。日食現象を見られる地域が限られるということです。Q. 地球からみると太陽は固定されている?A. 固定されているように見える。太陽を中心に公転しているから。ただ、太陽は、銀河をまわっている。Q. 太陽系以外に惑星ってあるの?A. あります。太陽系外惑星といいます。恒星(自ら輝く星)のまわりを回っている惑星を今探している。また、我々が住む地球は、太陽系ですが、恒星(太陽)が1つの系は、少数派だそうです。京都大学岡山天文台 戸田さん ありがとうございました。
ソラジオトーク from OKAYAMA今回は、京都大学岡山天文台 戸田さんの日食旅行の話を聴きました。出演は、京都大学岡山天文台 戸田さん・宙の学校 校長 かわいじゅんこさん・FM岡山 青山です。2024年4月8日 皆既日食を見にアメリカ合衆国に行った戸田さん観測地は決めずに行きたいところ(見れるところ・晴れそうなところ)へ行く!日食を見に行っている仲間と情報交換をしながら結果:アーカンソー州で日食を見ました。※雲量とは、雲におおわれた部分の空全体に対する 割合。今回の日食は、メキシコ~アメリカが見れました。金環日食 2023年10月15日 アメリカ北西岸からメキシコ湾、中米、ブラジルなどで見られた。1800Kmキャンピングカーで走ったそうです。ポイント!日食の現象があるときは、海外ではホテル代が高くなる。2019年7月3日 皆既日食(南太平洋~チリ、アルゼンチン)高台にあるホテル・屋上がテラスになってるところで見たそうです。観測地まで行く道中で知り合いに偶然ばったり!現地での出会いも楽しい!日食の縁。どこに行っても毎回、今回が最高!日食の見え方がどこにいっても違うのがまたいい。次回の日食2026年08月13日 スペインへ行くかも? 皆既日食岡山県で見れる日食情報!2956年8月27日皆さん健康に気を付けて、長生きしましょうね!岡山県で見れる日食情報!2956年8月27日!京都大学岡山天文台 戸田さん・宙の学校 校長 かわいじゅんこさんありがとうございました。
ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ
岡山理科大学 長尾です。
今回のテーマは、「暗黒物質」でしたね。
放送分で解説したように、
宇宙のなかで、私達の身の回りにある物質と同じ種類のものは実は少数派。
宇宙にはその約5倍、暗黒物質と呼ばれる目に見えない正体不明の物質が存在していることがわかっています。
暗黒物質の存在は、1930年代に銀河団の運動から提唱され、その後も多くの観測から確かめられてきました。
では、暗黒物質は、「何物なのか」というと、残念ながらわかっていません。
私達の体は小さく分解していくと細胞、分子、原子…と分解できていきますが、
暗黒物質は原子とはまったく違った性質をもっています。
そのため、その正体は未発見の素粒子ではないかと考えられています。
宇宙の歴史の中で、暗黒物質は非常に重要な存在です。
宇宙誕生直後のわずかな揺らぎが宇宙全体の暗黒物質の濃淡を作り、それが重力によって周りのガスを集めながら大きく成長していきました。
宇宙ができて10億年ほど経った頃、それが銀河団や銀河など今の宇宙にある基本的な構造になっていったと考えられています。
暗黒物質がなければ銀河団も銀河も私たちも生まれていなかったのです。
そのため、暗黒物質は私達のお母さんと言われることもあります。
さて、暗黒物質は未発見の素粒子でできていると考えられていますが、
そもそも素粒子とは、なんでしょうか?
私達の体や身のまわりのものは、分解していくと分子、原子、原子核…と小さい単位に分けられます。
分解していって最後に出てくる、これ以上分解できない粒子のことを素粒子と呼びます。
ちなみに、人間の身体や身のまわりのものは、
分解してくとクォークと呼ばれる素粒子に辿り着きます。
宇宙にある物質はすべて、細かく分解していくと素粒子に辿り着くので、
素粒子が何種類存在するのか、どのような力が働くのか、
どのような性質をもっているのかを調べることは、実は宇宙を研究するうえでとても重要です。
みなさんに身近な素粒子といえば、さきほどお話した身の回りの物質のもととなっているクォーク、それから、星や太陽から届く光も、実は光子と呼ばれる素粒子です。
また、電気の正体である電子も、もっとも身近な素粒子です。
素粒子の1つ、ニュートリノは、これまでに2つのノーベル物理学賞を日本にもたらして話題になったので、聞いたことのある人も多いかもしれません。
実は、日本出身で、素粒子に関する研究でノーベル物理学賞をとった人はこれまでに7人と非常に多く、日本の得意とする分野の1つなのです。
暗黒物質が宇宙に存在することはさまざまな観測結果から確かなのですが、
やっぱり実際に捕まえて、直接その性質を調べてみたいですよね。
これまでに3つの方法で、暗黒物質粒子を捕まえようという試みが行われてきました。
1つ目は、宇宙から地球にやってくる暗黒物質が実験室の検出器に当たって出すわずかな信号を捉えるというもの。
暗黒物質は極めてすり抜けやすいのですが、ごくまれに原子などに当たり、そのときの反応を利用して暗黒物質を見つけることができるのではと期待されています。
これが一番直接的に暗黒物質を見つける方法で、検出のための様々な技術が研究開発されています。
2つ目は、宇宙にある暗黒物質粒子が崩壊したりぶつかったりするときに出る特徴的な宇宙線を、天文観測衛星で探す方法です。
このときに出る宇宙線のエネルギーは、暗黒物質粒子の重さによって決まるので、暗黒物質を見つけるだけでなく重さについてもヒントが得られるでしょう。
3つ目は、粒子加速器を使って暗黒物質粒子を作る方法です。
粒子加速器とは、粒子を加速してぶつけることで新しい素粒子を作り出すことができる装置です。世界最大のものは直径8.6kmの円形、だいたい岡山県でいうと岡山駅から中庄駅を直径とする円くらいの巨大な装置です。
ちなみに、日本で初めて粒子加速器を作ったのは岡山県出身の仁科芳雄博士で、
その後の物理学に与えた影響の大きさから日本の物理学の父とも呼ばれています。
宇宙からやってくる暗黒物質をつかまえるにはごくわずかな信号を捉えなければいけないのでご家庭では難しいのですが、宇宙からは暗黒物質以外にも、陽子をはじめとする宇宙線や電磁波、ニュートリノ粒子、重力波など様々なものが地球にやってきます。
このうち宇宙線は、地球の大気に当たってたくさんの二次宇宙線を地上に降らせます。
実はこの二次宇宙線は、ご家庭でもわりと簡単に見ることができます。
ドライアイスと消毒用アルコールを使ってつくることができる霧箱という装置を使うと、
装置中の霧に二次宇宙線が当たって、線香の煙のようにふわっと白い線が見えます。
インターネットで検索すると霧箱の作り方はすぐ出てきますので、ぜひ挑戦してみてください。
二次宇宙線には様々な素粒子が含まれていますが、地上まで辿り着くものの多くはミューオンと呼ばれる、電子の仲間の素粒子です。
宇宙から降ってくるミューオンを利用して、レントゲンのように火山やピラミッドなどの内部構造を調べる研究も最近はさかんになっています。
以上解説は、
岡山理科大学 長尾でした。
ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ
鳥取市さじアストロパーク 織部です。
今回のテーマは、「彗星について」でしたね。
放送分で解説したように、
彗星と聞くと皆さんはどんなイメージがありますか?
ハレー彗星とか、ヘール・ボップ彗星とかの名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。彗星は「ほうき星」とも呼ばれ、主に氷でできた天体です。太陽に近づくと、熱で溶けて、尾っぽを引いたりします。写真で見ると、流れ星と似ているので、夜空をすーっと流れていくイメージがありますが、天体なので星空の中で止まっているように見えます。
「彗星のごとく現れる」という言葉の通り、太陽に近づくと急に明るくなって発見されたりするので、どのくらい明るくなるのかなど予測することがとてもむずかしい天体です。
昔、彗星は地球の空気の中での現象であると考えられたり、太陽に近づいたら二度と戻ってこないと考えられたりしていましたが、ニュートンが万有引力の法則を発表すると、彗星の軌道が計算され、76年ごとに同じような軌道でやってくる彗星があることを発見。
エドモンド・ハレーは、ハレー彗星は、次に1758年に現れると予言しました。
そして、その通りに彗星が現れたことから、彗星の中には周期的に太陽のまわりをまわっているものがあることがわかり、ハレーの功績にちなんで、その彗星は「ハレー彗星」と呼ばれるようになりました。
ちなみに次回にハレー彗星が現れるのは2061年です。ぜひ見たいですね。
新しく発見された彗星が、次に地球の近くへ帰ってくるのを世界で最初に観測すると「検出」と呼ばれますが、鳥取市さじアストロパークでは、これまでに5つの彗星の検出に成功しています。
4月にポンス・ブルックス彗星が見ごろとなりました。
1812年にフランスのポンスが発見、その後、1883年にアメリカのブルックスが発見した彗星が、同じ彗星であることがわかり「ポンス・ブルックス彗星」という名前になりました。
約71年で太陽のまわりをまわる周期彗星で、地球の軌道に対して大きく傾いた軌道を描く「ハレー型」とされる彗星ですが、このタイプの彗星はどのように生まれたのか、まだよくわかっていません。
ポンス・ブルックス彗星の見ごろは、残念ながら終わってしまいました。3月から4月中旬にかけて、日本をはじめ世界各地ですばらしい画像が撮影されていますので、インターネットで検索していただくとご覧いただけると思います。
およそ3等級となりましたが、西寄りの低空だったため、直接目で見てもわかりませんでしたし、望遠鏡で見てもぼんやりと見える感じで、画像とのギャップにちょっとがっかりされた方もあるかもしれませんね。
彗星が目ではっきり見えることはなかなかなく、日本から見えた大彗星は1997年春のヘール・ボップ彗星までさかのぼり、もう27年も前のことになります。
実は今、地球に近づきつつあり、明るくなるかもしれないと期待されている「紫金山・アトラス彗星」という彗星があります。今年2024年10月に目でも見えるくらいに明るくなるのではと期待されていますので、楽しみにしたいですね。
さて、鳥取市さじアストロパークで世界初観測の「検出」となった、パンスターズ彗星についてです。
この彗星は2018年に発見され、周期5年ちょっとで太陽のまわりを周っています。
2023年12月下旬に再び太陽に近づき観測できるようになると軌道計算から予想されていましたが、11月15日、さじアストロパークの103cm望遠鏡での観測で、この彗星が再び戻ってきている様子を確認し、これが世界初観測、「検出」であることが認定されました。この彗星の観測は2023年6月からはじめ、定期的に観測を続けました。そしてやっと11月15日、とらえることに成功しました。明るさは20.6等で、肉眼で見える最も暗い星6等星の100万分の1に近い、かすかな輝きでした。
多くの彗星は、長い楕円軌道で太陽のまわりをまわっていて、「周期彗星」と呼ばれます。周期彗星が新しく発見されると、太陽に近い間だけ観測されますが、太陽から遠く離れると暗くなり、観測できなくなります。そして再び太陽に近づくと観測できるようになりますが、これまでの観測期間が短いため、計算から予想される位置の精度悪く、場合によっては再観測されることなく、行方不明となる場合もあります。
そのため、新発見された彗星が次に太陽付近へ戻ってきた時に再び観測に成功することを特別に「検出」と呼び区別しています。検出されることで、軌道がより正確に計算できるようになり、以降、行方不明になる可能性が小さくなるのです。
鳥取市さじアストロパークでは、これまでに4つの彗星の検出に成功しています。今回は5例目の検出となりました。
紹介しますと
串田・村松彗星
ミュラー彗星
ヘリン・ローレンス彗星
シューメーカー彗星
そして今回紹介したパンスターズ彗星です。
鳥取県の美しい星空、そして国内有数の望遠鏡103㎝反射望遠鏡により、世界に通用する観測をおこなうことができるのです。
ぜひ機会がありましたら、鳥取市さじアストロパークへお越しいただき、美しい星空を堪能いただければと思います。
以上解説は、
鳥取市さじアストロパーク 織部でした。
ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ
人と科学の未来館 サイピアの月の女神「クロテミス」こと黒住です。
今回のテーマは、「月面にあるクレーター」でしたね。
放送分で解説したように、
月面にあるクレーターには、天文学者、科学者、宇宙飛行士などにちなんだでつけられた名前が数多く存在します。
日本人の名前にちなんで名づけられたクレーターはシオリでした。
このシオリですが、日本初の月面着陸をした「ムーンスナイパー」こと月探査機SLIM高精度のピンポイント着陸を目指すことから、月探査史の新たなページのシオリとなるようにという願いを込めて名付けられました。
月には、はっきりと観測できるクレーターがおよそ1600個あり、さらに小さいクレーターは7000個以上確認されています。
さて、月の不思議
地球から月の裏側を見ることはできません。私たちがいつも見ているうさぎの模様は、月の表側です。月の裏側はなぜ見えないのか?月は、地球の衛星。地球のまわりを一回り公転しています。地球は、太陽のまわりを公転している。惑星です。地球と月はそれぞれ、公転しながら、自らも回転します。これを自転といいますが、月は同じ周期で自転・公転を繰り返しているため、常に同じ面を地球へ向けていることになります。月の自転公転周期は、約27.3日で、地球のまわりを一度公転する間に正確に一度1回自転をしています。そんな月の満ち欠けは約29.5日。ちなみに地球が太陽の周りを1周するのは、365.25日です。
地球が一回転するのは、23時間56分です。公転は、1年の長さ。自転は、1日の長さですね。
ここからは、満月色々な呼び方を紹介します。
通常よりも大きく見える満月を「スーパームーン」と呼んでいます。
スーパームーンとは、月が地球に接近することで、通常よりも大きく、かつ明るく見える満月のことです。
さらにその反対の通常よりも小さく見える満月を「マイクロムーン」
スーパームーンとは反対に、月と地球との距離が最も遠くなるときに見られます。
スーパームーンとマイクロムーンとでは大きさが14%、明るさが30%異なるようです。
アメリカの先住民族ネイティブアメリカンは、12ヶ月の満月に、時期に合った名前を付けて、農作業や狩猟の時期に必要な季節の移り変わりを知ることに役立てていました。
代表的なものを紹介します。
1月の満月は「ウルフムーン」と呼ばれています。
1月は狼が空腹でいつもより遠吠えがよく聞こえる月という意味です。
2月の満月「スノームーン」
大雪が降ることが多い月なのでこう呼ばれています。他にも穀物が取れにくく生活が厳しくなることから「ハンガームーン(飢餓月・きがづき)」と呼ばれることもあります。
3月の満月「ワームムーン」
だんだんと暖かくなり、虫たちが活動を始める時期だからです。季節は春へと向かい、様々な動物たちが目を覚まします。
4月の満月「ピンクムーン」
「ピンク」とは野生のシバザクラやクサキョウチクトウのことで、北米では春になると山や丘がピンク色に染まるそうです。日本では、桜が満開の時期ですね。
5月の満月「フラワームーン」
さまざまな花が咲き始める5月の北米では、アネモネ、スミレなど次々に花が咲き始め、月明かりが花畑を照らします。
6月の満月「ストロベリームーン」
月が赤く見えるからというわけではなく、イチゴの収穫にのぼる月のこと指しています。
7月の満月「バックムーン」
「バック」とは雄鹿のこと。雄鹿の象徴である角が7月頃になると生え変わることにちなんで命名されました。枝角と呼ばれる雄鹿の角は、毎年生え変わります。
8月の満月は「スタージョンムーン」
日本語では「チョウザメ月」。8月になると北米の湖や河川で盛んにおこなわれていたチョウザメ漁が最盛期を迎えます。
アメリカ先住民は、チョウザメを魚の王様と考えていたようです。
9月の満月「ハーベストムーン」
北米では農作物をこの時期に収穫(=Harvest・ハーベスト)するからです。秋分に近い満月をそう呼ぶため、ハーベストムーンは10月になることもあります。
10月の満月「ハンターズムーン」長い冬に向けて肉を蓄え始めるための狩猟が始まります。
10月は月明かりが強いため、その光を頼りに、ハンターたちが獲物を狩ります。
11月の満月は「ビーバームーン」
北米に生息するビーバーが、冬を越すために巣作りを始めることからこう呼ばれています。
12月の満月は「コールドムーン」
文字通り寒さが厳しくなり、本格的な冬の到来するころです。日本でも、冬の夜の冷たくさえわたった光の月を「寒月」と呼び、季語にもなっています。
身近な天体 月ですが、
もし、お手元に財布があったら5円玉を取り出して試してみてください。満月の夜、5円玉を親指と人差し指ではさんで、腕を約55cmくらいでしょうか?しっかりのばして、その中心・真ん中の穴をから月をみてみましょう。
ちょうど5円玉の中心部分にすっぽりと月が収まります。
5円玉は、よく神社などで、いいご縁がありますようになど、願掛けとして使われることがあるかと思います。
5円玉のデザインは
農業のイメージとして、イネが描かれていて、その裏側をみてみると林業のイメージで木の芽。
水産業のイメージの水、穴のまわりのギザギザは工業をイメージした歯車を示しています。
つまり、日本の繁栄・安全を願う硬貨ということになります。
その中心部分に月を入れてみるとどうなるでしょうか?
日本では、月の神様・ツクヨミがいます。
ツクヨミは、すごく優しい神様で、私たちの運(ツキ)の神様でもあります。
ですので、5円玉にお願い事をするのも私たちの生活の中では、なかなか粋なことなのかもしれませんね。
以上解説は、今夜の月はきれいですね。
人と科学の未来館 サイピア 黒住でした。
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ
井原市観光交流課 の磯村です。井原市美星町の星空保護の取り組みについての話です。
岡山県南西部に位置する井原市美星町は、
“晴れの国”岡山らしく、晴天率の高さ、大気の安定、夜空の暗さなどが優れており、
美星町は、天文ファンや天文学者の間で星空観測の好適地
「星の郷(さと)」として親しまれてきた。
1980年代からは星空を観光資源として生かすようになり、
1988年には国から「星空の街・あおぞらの街」に選定。
1989年 日本初となる『星空を守ること』を目的とした光害防止条例を制定。
「光害」とは、人工的な光により夜空が過剰に明るくなり、天体観測に弊害が起きたり、生態系への悪影響やエネルギーの浪費など、さまざまな問題が生じることを指します。
平成元年(1989年)
美しい星空を守る井原市光害防止条例 前文を紹介させていただきます。
井原市美星町には、流れ星の伝説と、その名にふさわしい美しい星空がある。
天球には星座が雄大な象形文字を描き、その中を天の川が流れている。
更に、地平線から天の川と競うように黄道光が伸び、頻繁に流れ星がみられる。
また、夜空の宝石ともいえる星雲や星団は、何千年、何万年以上もかかってその姿を地上に届けている。
これら宇宙の神秘をかいま見ることができる環境は、井原市民のみならず全人類にとってかけがえのない財産となっている。
しかし、宇宙は今、光害によってさえぎられ、視界から遠ざかって行こうとしている。
人工光による光害の影響は、半径100キロメートル以上にも及び、人々から星空の美と神秘に触れる機会を奪うだけでなく、過剰な照明は資源エネルギーの浪費を伴い、
そのことが地球をとりまく環境にも影響を与えている。
また、過剰な照明により、夜の安全を守るという照明本来の目的に反するのみならず、動植物の生態系にも悪影響を与えることも指摘されている。
近隣には主要な天文台が設置されているとおり、井原市美星町の周辺は天体観測に最も適した環境にあり、これまで『星の郷づくり』に取り組み、天文台も建設してきた。
そして、今後も多くの人々がそれぞれに感動をもって遥かなる星空に親しむよう宇宙探索の機会と交流の場を提供することが井原市及び井原市民へ与えられた使命と考える。
このため、我が井原市民は、井原市美星町の名に象徴される美しい星空を誇りとして、
これを守る権利を有し、義務を負うことをここに宣言し、この条例を制定する。
以上が光害防止条例の前文となります。星空保護について市民が主体となって取り組んで行こうというい想いが強く感じられる宣言文であり美星町が星空保護区認定への活動の原動力になっているのではないかと思います。
条例の制定後は、光害対策型のモデル照明の設置をはじめ、
イベントやシンポジウムを通した星空保護の啓発活動などが継続的に行ってきました。
適切な照明で空を暗くしようという動きは、
当時の社会状況にあって珍しい取り組みでした。
しかし、2010年代 町内の防犯灯として白色LED灯が普及しました。
そんななか、「照明のLED化によって町全体が明るくなり、星が見えにくくなっている」という危機感にも似た声が美星町の方から聞かれるようになった。同時に、そこから星空保護区認定に向けた取り組みをスタートしていっきました。
まず認定を受けるには、白色LED灯を全て「光が上方向へ漏れない照明」へ交換する必要がありました。
街灯の交換するための財源の確保は課題でしたが、美星町観光協会が呼びかけてクラウドファンディングを実施したところ、目標金額に対し、約3倍の資金が集まりました。
屋外照明の基準をクリアする必要があるため、
上部への光漏れがないこと(上方光束比ゼロ)、色温度を(ライトの色を)電球色(オレンジ色)にすること(3000K以下)、※K=ケルビン(色温度を指す単位)色温度が高い「青色」色温度が低い「赤色」この条件に合致しながら必要な明るさと住民の安全性も確保できる照明器具を開発を
井原市とパナソニック社とが共同で開発し、その際にはプレス発表を行うなど、メディアでも広く取り上げられ、新たな環境問題への対策として公民連携での取り組みとなり大変評価をされました。
2016年頃に星空保護区認定を目指して動き始めてから、実現に至るまで約5年半。
2021年には、世界の天文学者・環境学者らが中心となった世界最大のNPO団体「ダークスカイ・インターナショナル」により星空の保護に力を入れてきた美星町は、「星空保護区®(コミュニティ部門)」の認定を受けました。
星空保護区としては日本では3例目、コミュニティ部門ではアジア初の認定となりました。
世界の都市部では、新たな環境問題としてその認知が広がっています。
まさに美星町の取り組み全体が評価された形。
星空保護区の認定は美星町民にとって「地域の誇り」である。
ここまで、星空保護区認定までの取り組みとなります。 ここからは、認定を受けた後の取り組みを紹介。
井原市美星町は、星空保護区の認定を受けたことで、地域の知名度が上がり、観光業の活性化にも繋がりました。鉄道会社や旅行会社などと連携し「星空観光」としてパッケージ商品を生み出したり、市有ペンションを活用したワーケーション事業を実施しました。
2022年9月~11月には、倉敷市と福山市から美星天文台まで運行する「星空特等席」バスツアーを実施し、美星町の星空ガイド「星の郷、美星マイスター」が参加者へ星座や神話の説明を行ったり、
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ解説は、ブライアン・メイ博士をこよなく愛する 宙の学校 校長 かわいじゅんこさん今回のテーマは、「春の星空・星座」春は、夜も少しずつ暖かくなってきて、真冬の星空観察より少し長く外にいられますよね。そんな、春の星空を楽しむための星空案内です。今頃の夜(3月末)の21時くらいの南の空には春を代表する星座たちが姿を現しています。そして、その空をぐるっと見渡すと、春にはたくさんの目印があって、星座が探しやすいのです。一つは、「春の大三角」そして、もう一つは?というのが、今回の問題でした。答えの前に、探していきましょう!まず、方角を確認して北を向きます。東よりの空に大きなひしゃくの形・北斗七星が見つかります。このひしゃくは柄の部分がまっすぐではありませんよね。カーブを描いています。このカーブに沿って線をのばしていくと一つ明るく輝く黄色い星にぶつかります。この星は、うしかい座の1等星「アルクトゥールス」。日本では、「麦星」と呼ばれていたこともあります。実った麦のような色のアルクトゥールスは、「麦秋・麦焼」と呼ばれる麦の収穫時期に日が沈むと南の空高くに輝いています。黄金に輝く麦畑と麦星。みてみたいですよね。さらにカーブをのばすと今度は白い星が。これは、おとめ座の1等星「スピカ」です。おとめ座は、誕生日の星座ですね。自分の星座を見つけられると嬉しいものです。さらにこのままカーブをのばしていくと、4つの星が台形を作っています。この台形、3等星ばかりですが、周りに明るい星がないからか、不思議と目立ちます。ここは、からす座です。このながーーく続いたこの曲線を「春の大曲線」です。今度は、南の空に目を向けると、特に目立つのは、はてなマークを左右鏡面反転したような形に並ぶ星たち。「ハテナ」ではなく、「ナハテ」マークなんて言ったりしてます。ここは、しし座の頭から胸にかけての星です。一番下の点の部分が1等星の「レグルス」そこから東(左)に向かって長四角の胴体とその先の三角形がしっぽになります。このしっぽの先の2等星は、「デネボラ」。春の大曲線で見つけた「アルクトゥールス」「スピカ」「デネボラ」で「春の大三角」になります。この三角形をデネボラとアルクトゥールスを結んだ線で線対称にするとひし形ができこれが「春のダイヤモンド」トランプのダイヤの形です。そのとき、てっぺんにあたる星が「コル・カロリ」という「りょうけん座」の3等星。チャールズの心臓という意味の星で、英国王のチャールズ1世に捧げられたという説が有力です。また、この星は、白と紫の星の二重星で、小さな望遠鏡でも楽しめる星なので、ぜひ探してみてください。さて、春の星座の一つ「かに座」を探してみましょう。暗い星で構成されている星座なので、なかなか見つけにくいですが、明るい星を頼りに探します。先ほどみつけた「しし座」。そのナハテマークを「ししの大鎌」と言います。これは、西洋の草刈り鎌に似ていることから由来。獅子は、西つまり右を向いています。その視線の先に二つの明るい星があります。「ふたご座」の「カストル」「ポルックス」です。下の1等星ポルックスとしし座の胸の部分にあるレグルスを結んで、ちょうど真ん中くらいに小さな台形。ここがかに座の甲羅部分があります。そして、その甲羅の中には、「プレセペ星団」という星の集まりがあります。双眼鏡でも楽しめますので、お持ちの方はぜひ見てみてください。「プレセペ星団」かにの甲羅の中にあるので、「かにみそ星団」と勝手に呼んでいます。月のない夜、暗い場所であれば、肉眼でも見ることができます。しし座とかに座を見つけられたら、今度は、この二つの下にある星座を見つけましょう。ここには、一番大きな星座が横たわっています。「うみへび座」です。かにみそプレセペ星団の下には3等星2個と小さい星がいくつか見えますが、その辺りがうみへびの頭。さらに下にはオレンジ色の2等星、うみへびの心臓にあたり「アルファルド」といいます。ここまで、見つけることができますが、夜の21時この時間は、まだうみへびの全身は見えていません。夜の23時くらいにようやく全身が見えるほどの大きさなのです。うみへび座は88星座の中で一番大きい星座です。全て(全身)が見えてきたとき、頭は南西、しっぽの先は南東という大きさ。これまで紹介したしし座。かに座、うみへび座には、共通点があります。それは、みんな「ヘルクレス」に退治されてしまった化け物。ということ。その中の一つのお話。うみへび座というのは、「ヒドラ」といいます。ヒドラは元々、9つの頭を持つ化け物で、ヒドラを退治しろ!とヘルクレスは命令を受けます。ところが…。ヒドラの首を切ると、そこから2本首がはえてくる。どんどん増えていってしまう。恐ろしい化け物。そこで、退治方法を考えました。もう一人甥っ子を連れてきてたいまつを持たせて、「首を切ったら、すぐに焼き焦がせ!」首を切っては、焼き。切っては、焼き…。どんどん首が減っていきます。その様子を陰から見ていたある生き物が…。それは、ヒドラの親友・大きなカニ「カルキノス」カルキノスは、大親友のヒドラがどんどん首が減っていくのをみて居ても立っても居られない。カルキノス「大変だ!ヒドラを助けないと!!この大きなハサミで!」ヒドラの元へ。ヘルクレスの足元に来た時「プチッ!」踏まれてしまいました。勇気あるカルキノスの行動が称えられ星座になりました。そのあと、ヒドラも退治されてしまいました。ヒドラも星座になりました。二人仲良く星座では、近くに並んでいます。どこにいるか確かめてみてください。そして、春の夜空は、「宇宙の窓」とも呼ばれています。これは、なぜなのか?私たちが住んでいる「天の川銀河」の話からしていきたいと思います。私たちの銀河系(天の川銀河)は、形としては、どら焼きに似ています。丸いカステラの間にあんこが挟まってます。どちらかというと、真ん中が盛り上がっていて、この形が銀河系だと思ってください。私たちのいる太陽系・地球があるのは、中心からすると少し端っこの方。この端っこの方から中心(あんこ)部分をみたとき星がたくさんみることができます。そこが、夏の天の川になります。ということは、反対をみるとあんこの薄い部分が冬の天の川になります。横からどら焼きをみたとすると中心部分(あんこ)に向かってみると夏の天の川・反対側が冬の天の川かわ(カステラ)部分が上下二枚重なってところ・ほとんどあんこがないところの部分を見た時が春と秋になります。春は、遠くの銀河がたくさん見える時期、「宇宙の窓」と呼ばれるわけです。とくに、しし座のしっぽのあたりやおとめ座の肩のあたりには「おとめ座銀河団」「おとめ座超銀河団」というのがあり、たくさんの銀河があります。ただし、肉眼でこの銀河をみることはできませんが、でもそこには、多くの宇宙が広がっている。そして、つながっている。ちなみに、天の川銀河の直径は「約10万光年」です。おとめ座超銀河団の直径は「2億光年」です。その中に、およそ100の銀河群と銀河団があり、想像するだけでも果てしない。そんな想像力を働かせながら、春の星座・星を楽しんでみてください。解説は、ブライアン・メイ博士に会ってきた(コンサートで)宙の学校 校長 かわいじゅんこさんでした。
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ南十字星の見える島々、八重山諸島の星空ガイド 宮地さんによるすばる(むりかぶし)の話昔、八重山諸島の農家の人たちは大変貧しい暮らしをしていました。この状況を天の王様がみていて「たくさんの星の中で八重山諸島を治めるものはいないのか?」星々はだれも手を挙げなかった。「そんな大変なことはできません。」王様はそれを聞いて非常に怒ったそう。「南の七つ星、おまえはどうだ?」南の七つ星は、「いやいや、私はできません。」王様は、「なぜだ?それなら組踊(沖縄の伝統「くみおどり」)を南の空でしていなさい。」「北の七つ星、おまえはどうだ?」北の七つ星は、「いやいや、私もできません。」王様は、「なぜだ?それなら組踊(沖縄の伝統「くみおどり」)を北の空でしていなさい。」すると小さな星が手を挙げて「王様、それなら私にやらせてください。」それは、すばる(むりかぶし)でした。すばる(むりかぶし)は、小さな6つぐらいの星が集まった星王様は、「おまえみたいな小さな星にそんなことができるのか?」すばる(むりかぶし)は、「八重山諸島を治める仕事をやってみます!」すると王様は、「関心なやつだ!じゃあ、東の空からのぼり、天の真上を通って、西の空へ沈んでいきなさい。」すばる(むりかぶし)は、「はい、わかりました!」翌日から、すばる(むりかぶし)は、東の空からのぼり、天の真上を通って、西の空へ沈んでいきました。そうすると、農家の人たちは、毎日見える星をみて、「この星がここにきたら、きびの種をまこう。この星がここにきたら、田植えを始めよう」この、すばる(むりかぶし)を見ながら農作業をするようになりました。すると、計画的に作業ができるようになり島は、豊作となり、島は、潤いました。島の人たちは、仕事が終わる夕方になると「すばる(むりかぶし)さんありがとう。」という歌を歌いながら家に帰っていった。宮地竹史さんは、これまでに本を出していて本:沖縄の美ら星 四季の星ガイドエッセイ:星の旅人-沖縄の美ら星に魅せられてこちらにも、沖縄の星や民話などの紹介をされています。ぜひ、チェックしてみてください。感謝の気持ちを込めて、「みーふぁいゆー(どうもありがとう)」
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ今回は、石垣島天文台 元所長 現在は、八重山諸島星空ガイドをされている 宮地さんです。 石垣島天文台について望遠鏡の口径は、九州・沖縄エリアでは、一番大きい、直径105cmの反射望遠鏡望遠鏡の名前・愛称を募集して決めました。むりかぶし望遠鏡…八重山諸島では、地域の方の生活のなじみのあるすばるを「むりかぶし(群れ星)」と昔から呼んでいて、その愛称がついた。直径105cmの反射望遠鏡を使うと400km先のロウソクの光がみえるそうです。星でいうと、20等星までみれる。※人の目だと6等星ぐらいまでみることができる。八重山諸島は、晴天率がよく、大気の揺らぎが少ない。そのため、星がよくみえるということになります。西表石垣国立公園は、2018年3月 国際ダークスカイ協会による「ダークスカイ・パーク」に国内初となる認定を受けました。石垣島天文台ができたときに、視察にて、国際ダークスカイ会員の方に認定の打診を受けたそうです。島々では、星がきれいに見ることができる。【さそり座の話】八重山諸島で、南十字星や、ケンタウルス座α、β星をみることができ、しばらくするとさそり座がのぼってくるをみて感動したそうです。さそり座の赤い星「アンタレス」を八重山諸島では、酔っぱらいのお爺さんというそうです。泡盛(沖縄のお酒)を飲んで顔を真っ赤にしているおじー(おじいさん)で天の川で、魚釣り(うなぎ)を釣っている という。さそり座の特徴として、さそりのしっぽの部分が、釣り針の形に似ていて「いゆちゃーぶし」「つりばりの星」という呼び方をしている。つりばりの先が天の川へ入っているように見え、天の川の黒い筋(暗黒星雲)がうなぎのように見える。昔は、今夜もあのおじーは、うなぎが釣れるかね?といいながら歩いていたとのエピソード。沖縄での星・星座の呼び方天の川…てぃんがーら北極星…にぬふぁーぶしすばる…むりかぶしさそり座…いゆちゃーぶしアンタレス(酔っぱらいのおじー)…びたこりぶしケンタウルス座…はいがぶし・ぱいがぶし沖縄では、北=にし 南=はい・ぱい 東=あがり 西=いり太陽があがる=東 太陽が沈む(水平線に入っていく・日の入り)=西八重山諸島では、2月に種まき 6月には稲刈り・漁にでる(カツオ)シーズン 星をみる習慣があったようです。石垣島では、北緯24度となっているため、本土とは、10度程度差がでる。本土でみる水平線の下の10度分見ることができるため、春から秋にかけて、1等星 21個全てみることができる。【カノープス=見ることができれば、長生きできる(中国のエピソード)】石垣島では、10度分広くみることができるため、結構高い位置にカノープスをみることができる。岡山県からカノープスをみようとすると、四国山脈の辺りの水平線ギリギリのところ星好きの方からすると、見えたり見えなかったりするため「土佐のおうちゃく星」なんて言ったりすることも。沖縄の方が長生きなのは、カノープスがいつでも見ることができるからかもしれない。7月7日は、海開きならぬ星開き8月10日辺り(旧暦の七夕)ライトダウン(1時間程度)をして星を見る 星祭りお話は、石垣島天文台 元所長 現在は、八重山諸島星空ガイドをされている 宮地さんでした。
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ今回は、いい今日と、いい未来を照明から パナソニック 山田さんの解説です。Q.山田さんの部署では、どんなことを専門にされていますか?私の部署では、照明器具を用いてどのような光環境を作ることができるか。
つまり照明設計の手法の研究を専門にしています。
Q.光環境をつくる照明設計とは、いったいどんな仕事なんでしょうか?
照明設計は、建物がもつ機能に合わせて、照明器具の台数や配置を検討し、適切な光環境、簡単に言うと明るさになるように設計することです。
Q.具体的な例をいくつかありますか教えてください。
オフィスは白っぽい光で明るいイメージがあるかと思いませんか?一方、カフェなど暗っぽくて落ち着いたイメージがありますよね。空間によって必要な照明の色や明るさが変わってきます。そうした、光や照明の技術開発をしているのが、照明設計という仕事です。Q.照明器具の勉強というのは基本どういった分野で学ぶものですか?
基本的に照明は、建築物に付随するものですので、大学などでは主に建築学科にて照明工学という学問で学びます。それ以外に照明そのものである照明器具に関しては様々な部品から作られており、電気の知識や機械の知識が必要にもなります。
Q.LEDについて教えてください。
LEDとは、Light Emitting Diodeの略で発光ダイオード、いわゆる半導体に電気を流し、発光させております。特徴としては今まで使用していた蛍光灯よりも高寿命、高効率つまり電気代が安いということですね。照明は、約60年周期で変わっていると言われており、エジソンが発明した白熱電球から蛍光灯そして現在のLEDへと進化してきました。何十年か後はLEDに置き換わる新たな照明が生まれるかもしれませんね。
ここまで、照明についてお話してきましたが、放送分の「光害」について振り返りをお願いします。
今回のテーマは、「光害について」でした。
放送分で解説したように、光に害と書いて「ひかりがい」と読みます。
これは、照明の設置方法や光を照らす範囲が不適切で景観や周辺環境への配慮が不十分なためにおこるさまざまな影響をいいます。
井原市の方々からの要望で開発した光害対策型のLED防犯灯・道路灯は、
2020年1月に国内で初めてダークスカイに「星空に優しい照明」に認証されました。
「星空に優しい照明」の認証は、光害問題に取り組む米国のNPO団体であるダークスカイが認証するもので、主に、星空を見えにくくする上方への光の漏れが一切ないこと(上方光束比0%)、青色光が少ない電球色である3000K(ケルビン)以下の色温度であることが求められます。
Q.上方向へ光が漏れるというのは、上方光束比0%。これは、どういった状況なのでしょうか?
基本的に照明は、下方向に照らして、屋外であったら道路や歩道などを明るくします。言ってしまえば上方向への光は不要な光で、上方向へ光が漏れるというのは、不必要に夜空を明るくして天体観測に影響を与えたり、マンションなどの住宅への差し込み光となり安眠を妨害するなど、自然や生物へ悪影響を与える状況になりかねません。Q.光の色の影響について教えてください。
照明器具は、色々な色の光が混ざって白色に見えます。それは色温度の違いによって光の色が異なって見えます。色温度が高いほどつまり青白い光の方が、大気中への散乱が起こってしまいます。一方で色温度が低いつまりオレンジ色の光は散乱が起こりづらいです。これは身近なところで言うと、夕日が赤い現象と同じですね。夕方は日中に比べ、太陽と人間の距離が長く、青い光は散乱してしまい、オレンジ色の光だけが人間に届くのです。まとめますと色温度が高い白い光は夜空を明るくする可能性があり、色温度が低いオレンジ色の光は夜空を暗く保持します。そのため光害を抑制するためには低色温度の照明が望ましいです。
パナソニックが開発した本製品は、先ほどのダークスカイの規定を満たしております。
パナソニックが作った防犯灯・道路灯を設置し、
岡山県井原市美星町は、2021年11月にアジア初の認定となる
「ダークスカイ・コミュニティ」になりました。
Q.ちなみに次はどこ?色々な自治体・全国でパナソニックが開発した防犯灯・道路灯を設置し、夜空を守る活動の検討が広まっている状態です。美星町の活動は、非常にいい例となっています。懸念として、上方向の光は、壁を照らしたり、顔を照らしたり、そういった要素もがあります。防犯灯としては、安全につながる光となります。上方向への光が無くなってしまうというのは、安全性から少し劣る。この照明器具をつけるためには、そのエリアの方々の理解が必要になります。美星町の方たちは、星空を守りたいという、誇りがあり、導入に至ったわけです。Q.「ダークスカイ・コミュニティ」は星空版世界遺産ということですね!
はい、先ほどのダークスカイが認定する星空保護の認定制度は、認定される地域によって色々な種類があるのですが、ダークスカイ・コミュニティは、光害に対しての優れた取組が実施されており、周辺地域への模範となる町や市といった自治体単位が認定対象です。
まちの名前にふさわしい美しい星空環境の保護活動に参加することができました。
星空保護区についてですが、日本で初めて星空保護区に認定されたのは、
沖縄県にある「西表石垣国立公園」で「ダークスカイ・パーク」の認定を受けました。
その次に、東京都の離島である神津島は「ダークスカイ・アイランド」の認定を受け、
今回紹介した、岡山県井原市美星町は、「ダークスカイ・コミュニティ」の認定。でした。Q.さて、ダークスカイプレイス・プログラム 星空保護区認定制度ですが、他には?星空保護区にはリザーブ・アーバンナイトスカイプレイスなどといったその地域の種類によって分かれたカテゴリーがあります。
基本的に星空保護に力を入れている町や市といった自治体であったり、自然公園や施設の認定が多いです。
Q.そして、昨年2023年は?
福井県大野市の南六呂師エリアが、国内4番目の「星空保護区」に認められました。市街地に近くても暗く美しい夜空を保つ地域が対象の「アーバン・ナイトスカイプレイス」の認定で、この部門ではアジアで初めてとなります。
すごいですね!全国でこういった活動が広がるといいですね!
はい、これからもパナソニックは、温かみのある光で、落ち着いた夜の景観を演出し、人の暮らしと星空が共存するまちづくりへ貢献していきます。
そういえば、蛍光灯が今後2027年に製造が禁止となります。
今後LEDに代えていかないと、使えなくなります。
Q.蛍光灯がつかえなくなる?
基本LED照明は、本体ごと代えるものが多いです。LED化に伴い工事が必要になるケースが多いです。そのためなるべく早めのLED化のご検討をお願いします。
冒頭でお話したように、照明設計を考えた商品づくりを今後していきます。
我々が環境に配慮し、生物との共存をしていくことで、ひとりひとりが地球の環境問題に参加していくことが重要になってきます。
これからの活動期待しています!以上解説は、いい今日と、いい未来を照明から パナソニック 山田
FM岡山 青山がお伝えしました。
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそライフパーク倉敷科学センター 石井です。今回のテーマは、「倉敷市内に落ちた隕石・富田隕石」の話でした。これまでに日本国内で発見された隕石は、54個。ちなみにおよそ100年前大正5年4月13日 当時の富田村 現在の岡山県倉敷市玉島八島に隕石が落下しました。「富田隕石」と呼ばれるこの隕石は、日本国内で確認された54個の内のひとつです。この富田隕石 実物をライフパーク倉敷科学センターにて展示しています。隕石は、秒速数十キロという速さで地球の大気へ飛び込むため、激しく燃え上がり熱で溶けた黒い層で表面が覆われているのが特徴です。石質隕石に分類される富田隕石にもこうした隕石独特の特徴が色濃く残されています。日本国内に落下した隕石を最も多く保存、展示している施設は、東京都 上野公園にある「国立科学博物館」です。国内に限らないのであれば、「国立極地研究所」の南極隕石ラボラトリーが南極で発見された隕石を1万個以上保有しています。氷で真っ白な南極でもし石が転がっていたらほぼ確実に隕石ということでとても見つけやすいのです。さて、H-Ⅱロケットエンジン(LE-7)についても解説したいと思います。よく、H-Ⅱロケット・H-ⅡAロケット・H-Ⅲロケットいろいろ聞くかもしれませんがHの文字は、液体水素・液体酸素を燃料としているロケットで元素記号でいうところの”H”ということです。H-Ⅱロケットは、1990年代に運用されていた人工衛星打ち上げ用の2段式ロケットです。はじめて国内の技術で開発された純国産ロケットで、その全長は50メートルにおよび2トンの静止衛星を打ち上げる能力を持っていました。ライフパーク倉敷科学センターでは、その心臓部にあたる第1段のロケットエンジンLE-7の実物が展示されています。LE-7は、液体水素・液体酸素を燃料として、ジャンボジェットのエンジン4機分もの大きな推力を生み出します。日本の科学技術の傑作とも言われています。そして、日本の新たな主力ロケット H-Ⅲロケット2024年2月17日 鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられました。激しさを増す宇宙ビジネスをめぐる国際競争において今後の日本の宇宙開発を担う”切り札”として対抗していくことが期待されます。ここからは、補足とトークになります。H-Ⅱロケットエンジンの燃料として使われる液体水素・液体酸素、それぞれどのようにして液体となるのか?まず、酸素(O2)は、空気中に約20%含まれている気体です。ちなみに窒素(N2)は約78%・アルゴン(Ar)約0.9%・二酸化炭素(CO2)約0.03%となります。ここで聴きなじみのない”アルゴン”アルゴンは、完全不活性(ふかっせい)の特徴を持っていて電球・金属の溶接・ワインの封入ガスなどに使われています。ほかに、不活性ガスでは、ヘリウム・ネオンなどといったものが少し聴きなじみがあるかもしれません。液体酸素酸素の沸点は、-183℃酸素を-183℃よりも低い温度まで冷やすと液体になります。逆に、-183℃よりも高い温度になると気体になります。液体水素水素の沸点は、-253℃水素を-253℃よりも低い温度まで冷やすと液体になります。逆に、-253℃よりも高い温度になると気体になります。H-Ⅱロケットは純国産にした理由として・日本に宇宙ロケットを開発できるほどの技術があることを示すため・国産化することでコストカット↓↓後継機H-ⅡAロケットでは、50号機の打ち上げを最後に退役となった。7号機から40機連続で打ち上げ成功。打ち上げ成功率は、約98%↓↓H-Ⅲロケットへバトンタッチ日本は、20年の間に50機 年間に3回打ち上ればいいほうといった感じだった。H-Ⅲロケットでは、コストカット・量産を目指していると思います。H-Ⅱロケットは、基本2段+サイドにブースター(打ち上げの初速をつけるため)真ん中は、液体水素・液体酸素を燃料としていてブースターは、固定燃料。打ち上げ後、1段目が切り離される。1段目・2段目は同じロケットエンジン・燃料も同じ。2段目の役割としては、軌道を変えたり・軌道修正などをするため。さらに、地球の重力を振り切って惑星や小惑星に向かう場合は、3段式や4段式が多い。もしくは、人工衛星側に重力を振り切るような機能を持たせている場合もある。以上解説は、ライフパーク倉敷科学センター 石井さんでした。
ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ星空を守る人 国立天文台 平松です!今回のテーマ、「最近急激に増えて天文学者を悩ませているものは」についてでした。私は、国立天文台 天文情報センター周波数資源保護室に所属する天文学者です。専門は星形成・電波天文学で、現在は「天文学の観測に適した環境を守る」という仕事を進めています。最近急激に増えたと言えば、人工衛星です。人工衛星とは、主に地球の周り(軌道上)を公転しながら、いろいろな役割を果たしている人工物を指します。天気予報に使われる気象衛星ひまわりはおなじみですね。皆さんが普段使っているスマホの地図アプリやカーナビで自分の場所がわかるのは、測位衛星のおかげです。その他、通信衛星や放送衛星などが活躍しています。人工衛星のなかには、肉眼で見えるものもあります。太陽の光を反射することで星のように輝いてみえるのです。この人工衛星、最近では毎週のように打ち上げられていて、その合計はおよそ1万機。何千機もの人工衛星を組み合わせて、地球のどこでもインターネットに繋げるようにしたり、将来的には携帯電話と通信したりすることが考えられています。こうした仕組みを、衛星コンステレーションと呼びます。コンステレーションとは、星座を意味する英語の単語。たくさんの人工衛星がグループになって一つの役割を果たすので、この名前がついています。人工衛星の数は今後もどんどん増えていき、2030年ごろには今の10倍、10万機になるともいわれています。多すぎる人工衛星が様々な問題を引き起こすこともあります。そのひとつは、人工衛星の光が天体観測の写真に写りこんでしまうこと。天体写真に写りこんでしまったら、とっても遠くの星の光がかき消されてしまうかもしれません。さらに、人工衛星が出す電波によって、遥か彼方の宇宙から届く電波の観測に悪影響が出てしまうかもしれない、と心配されています。もちろん、人工衛星は今の私たちの生活になくてはならないものです。能登半島地震でも、通信ができなくなってしまった場所で人工衛星を使った衛星通信が活躍しています。便利な人工衛星が活躍しながら、天文観測も続けられる。そんな、ふたつが共存できる環境を作るために、人工衛星を運用する企業の方々とも相談を続けています。例えば、天文学者の世界的な集まりである国際天文学連合では、人工衛星から天文学を守るための新しい組織を作りました。天文学者だけでなく、人工衛星を運用する企業の方たちも参加していて、どうやったら天文学への影響を減らせるか議論をしています。また、世界の電波の使い方を決めている国際電気通信連合でも、衛星コンステレーションから電波天文学を守るための議論が始まりました。世界のいろいろな人たちに受け入れてもらえる国際的なルールを作ることも、私の仕事のひとつなのです。国立天文台では、いろいろな望遠鏡やスーパーコンピュータを使って宇宙の謎に挑んでいます。ホームページ、X、フェイスブック、YouTubeなど、いろいろなところで情報をお届けしていますので、ぜひチェックしてみてください。国立天文台https://www.nao.ac.jp/国立天文台のSNSアカウントX(旧twitter) https://twitter.com/prcnaojInstagram https://www.instagram.com/naoj_pr/Youtube https://www.youtube.com/user/naojchannel
以上解説は、星空を守る人 国立天文台 平松でした。
ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ
星取県 星空環境推進室長 田中です。
今回のテーマ、「星空がきれいな都道府県」についてでした。
放送分で解説したとおり、
環境省などによる「星空の見やすさ」全国調査で、
何度も1位に輝いた場所が、鳥取市佐治町にある
公開天文台「さじアストロパーク」です。
ちなみに、
2008年から2017年までに実施された20回の調査で、
鳥取市にある天文台「さじアストロパーク」が1位になった回数は
11回でした。
この全国調査、
正式には「全国星空継続観察」と呼ばれるもので、
全国で20カ所以上の定点観測地で星空を写真撮影し、
夜空の暗さを測定するものです。
さじアストロパークには
口径103cm反射望遠鏡やプラネタリウムがあり、
星や宇宙に関する展示コーナーも充実しています。
本格的な天体望遠鏡を備えたコテージもあり、心ゆくまで天体観測ができます。
星取県では19ある市町村のすべてで『天の川』を見ることができ、
県民の誰もが星空に親しむ環境にあるといえます。
美しい星空を守りたい。
そういった思いで星取県は、2017年、鳥取県星空保全条例を制定しました。
県の全域を対象とした星空保全条例の制定は、都道府県レベルでは初めてのことです。
条例は、
星取県の「美しい星空が見える環境」を「県民の貴重な財産」として
保全することを目的としており、
強力なサーチライトで夜空を照らすことに制限を設けているほか、
星空が特に美しく見える区域を「星空保全地域」に指定し、
屋外照明の基準を定めています。
また、「星空保全地域」は県内に7地域あり、
さじアストロパークがある鳥取市佐治町もその一つです。
「美しい星空に手が届きそう」そんな環境を楽しんでほしいという思いで、
2017年から鳥取県は「星取県」を名乗っています。
さて、「晴れの国おかやま」も、星がよく見える「天文王国」です。
天文王国おかやまと星取県の間をつなぐ、一人の人物がいました。
世界的アマチュア天文家で、「天体発見王」とも呼ばれた本田實(みのる)さんです。
本田さんは、1913年に現在の鳥取県八頭(やず)町に生まれました。
鳥取県八頭町は、県の東南部に位置し、江戸時代から栽培されている花御所柿が有名です。
本田さんは、10歳ごろから星や天体観測に興味を持つようになり、
自作の望遠鏡で星の観測をスタート。
1941年には、全国初の民間天文台である岡山県倉敷市にある倉敷天文台に着任しました。その後、太平洋戦争に出征しましたが、
戦地で新しい彗星を発見したのは有名なエピソードです。
復員してからは、星が見えにくい満月の夜と雨の日を除き、休むことなく天体観測を続け、生涯において、なんと彗星を12個、新星を11個発見しました。
これは当時の現役観測者の世界記録でした。
1990年8月26日の夜、本田さんは倉敷天文台で観測データの整理中に
永眠しました。
本田さんは、ふるさとの八頭町と倉敷市、両方の名誉市民として顕彰されており、
天文王国おかやまと星取県の架け橋となっています。
中国山地を挟んで、鳥取側、岡山側の双方から星を見つめ続けた本田さんは、
星取県と天文王国の可能性を早くから見抜いていたといえるのではないでしょうか。
鳥取県には、美しい星空に象徴されるような自然と調和した暮らし、
人と人との絆、ゆったりと流れる癒やしの時があります。
まるで手が届きそうな満天の星空の下、
日本一の鳥取砂丘や中国地方最高峰の大山、雄大な日本海が広がり、
豊かな自然に恵まれています。
星のように輝くコメの新品種「星空舞(ほしぞらまい)」の栽培も盛んです。
また、星取県から宇宙産業の創出にも取り組んでいます。
ポッドキャストをお聞きの皆さんも、ぜひ一度、星取県にお越しいただき、ゆったりと星空を見上げてみてはいかがでしょうか。
以上、解説は、星取県 星空環境推進室長 田中でした。
ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ
美星天文台 前野です。
今回のテーマは、「おすすめの流星群」でしたね。放送回の振り返りとして
流星群と呼ばれるものは年間で112個あり、
その中でも私のおすすめの流星群は、8月の「ペルセウス座流星群」と12月の「ふたご座流星群」です。
どちらも十分暗くなったころに見え始め、夜空が暗い場所では1時間に数十個の流れ星が期待できるためです。
さて、
夜空には様々な天体があります。
今の時期(2月頃)の一番星は木星で、日没後に空の高い位置で明るく輝いています。
南東の空には冬の大三角の星があります。
オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、
そして、こいぬ座のプロキオンの3つで正三角形を作ります。
シリウスは星座の星でもっとも明るく、白く輝いています。
ベテルギウスはオレンジ色をした星です。とても寒い時期ですが、空気が澄んだ日が多く、また、明るい一等星も多いため、夜空はとても賑やかです。
さて、今回は星の一生について、お話をします。
星といって思い浮かべるのはどんなものでしょうか?
金星や木星は都会でも見える明るい星で、太陽の周りを回る惑星です。
望遠鏡を使うと、形や表面の模様を観察でき、
美星天文台の夜間公開でも、輪っかのある土星や縞模様が見える木星は人気が高い天体です。
惑星は自分で光っているわけではなく、太陽の光を反射しています。
このような惑星は岩石やガスが集まっただけのものです。
このため、惑星には寿命はありません。
一方、星座を形作る星は、全て太陽のように自ら光を発する、恒星です。
ここからは、恒星(こうせい)のことを単に、星と言うことにします。
星が光輝く主なエネルギーの源は、星の内部で起きている水素の核融合反応です。
太陽を始めとする星は、そのほとんどが水素でできていて、その水素を燃料にしています。このため、燃料となる水素がなくなってくると、星として寿命を迎えることになります。
ただ、星の重さによって、燃料の消費の仕方が異なります。
重たい星ほど燃料の消費が激しく、明るく光る反面、寿命は短くなります。
短いと言っても、数百万年、数千万年ですので、私たち人間からすると気が遠くなるような長さです。
逆に、軽い星は燃料をそれほど消費せず、そこそこの明るさで、寿命は長くなります。
寿命は数億年や数十億年、百億年にもなり、宇宙における時間の長さを感じられそうです。
私たちの太陽は比較的軽い星です。
太陽は、宇宙の中ではごくありふれた存在です。
寿命は100億歳程度と考えられています。
現在、46億歳の太陽はあと50億年ほど輝き続けるはずですので、
何も心配はいらないですね。
ここからは、太陽のような、軽い星の最期について、お話します。
星は丸い形をしています。
これは星の内部で起きる核融合反応のエネルギーで外側に向かう放射の圧力と、
中心に向かって働く重力が釣り合っているためです。
(天体が大きくなる、つまり重たくなると、すべての物質がもつ引き合う力も大きくなり、複雑な形を保つことが難しくなるため、星は丸いのです。)
ただし、 太陽や地球よりもさらに小さく、重力の弱い小惑星は、丸くはなくじゃがいものようないびつな形をしたものもあるのです。寿命が近づいた星はこのバランスが崩れて、だんだんと大きく膨張していきます。
このとき、表面の温度が下がることによって、星の色も赤くなっていきます。
赤い色をした大きな星、という意味で、赤色巨星と呼ばれます。
(ちなみに星の表面温度の高い順に青色→白色→黄色→赤色となります。)
誕生日の星座の一つ、おうし座には、
一等星アルデバランがありますが、この星が今、まさにこの赤色巨星の状態です。
太陽の数十倍の大きさにもなっています。
望遠鏡で見ると、さぞ大きく見えるだろう、と思われるかもしれませんが、
残念ながら遠くにあるため、望遠鏡で拡大しても点にしか見えないのです。
(距離でいうと、地球からはおよそ67光年離れています。)
宇宙のスケールの大きさを実感します。
赤色巨星はその後、宇宙空間にガスを放出していきます。
遠くから望遠鏡で観察すると、雲が球形に広がっているように見えるため、
(惑星のような丸や輪をもつような形にみえるため)惑星状星雲と呼ばれます。
そして、白く小さな星だけが残り、これは白色矮星(はくしょくわいせい)と呼ばれます。
次に、
大きな重い星の最期について、お話します。
オリオン座のベテルギウスなどが代表的な天体です。
重い星も、軽い星と同様、寿命が近づくとだんだんと大きく膨張していき、表面の温度が下がることによって、赤くなっていきます。
ベテルギウスは太陽の直径の700倍程度もある、赤色超巨星(せきしょくちょうきょせい)とも呼ばれる天体です。
そして、このような星は最期に大爆発を起こします。
超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)です。
そのエネルギーは凄まじく、非常に明るく輝きます。
仮にベテルギウスが超新星爆発を起こすと、満月並みの明るさになると言われています。
街の中でも、また、昼間の青空の中でも星が光って見える、ということになります。
その後は次第に暗くなっていき、ついには肉眼では見えなくなります。
このため、いずれはオリオン座の形も変わってしまうのです。
そんな気になるベテルギウスの爆発ですが、
いつ最期を迎えるかは正確には分かっていません。
今日かもしれませんし、明日。もしくは、数千年後や数万年後の可能性もあります。
ただ、宇宙の長い長い時間の中では、あとわずか、とも表現できそうです。
超新星爆発のときには、大量のガスやチリが宇宙空間にばらまかれます。
中心には小さく密度の非常に高い星、中性子星(ちゅうせいしせい)や、ブラックホールができます。
ここまで、星の一生について、説明してきました。
やはり宇宙はスケールの大きな場所です。
ところで、星が最期を迎えると、それでお終いなのでしょうか。
実はそうではなく、星は最期を迎えて宇宙空間にガスやチリを放出しますが、
またそのようなガスやチリが集まって、新たな星の材料になることがあります。
そして、星の内部や星の爆発のときには様々な元素が創られます。
私たちの体を作る炭素や窒素、酸素、身の回りにある鉄や銅、金などは全て星が創ったものです。
最近の研究では、
金などの金属は、非常に密度の高い中性子星同士が合体するときの
一瞬の爆発によって生まれたとも考えられています。
これらが、長い年月と広い宇宙空間の中で再び集まり、
星が誕生するときに星の中に取り込まれていきます。
私たちの太陽や地球も、そのようにして、
およそ46億年前にガスやチリの中から誕生する際、水素を中心に、
炭素や酸素、様々な金属などの元素が交じり合ってできたのです。
このようにして考えると、星の最期は “新たな星” が生まれるきっかになり、
私たちは星から生まれた、“星の子” とも呼ばれる存在とも言えます。
肉眼では、星は小さな点で光っているだけにしか見えませんが、
望遠鏡を使うと、星が最期を迎えている惑星状星雲や新たに星が生まれている、
オリオン大星雲などを観察できます。
星にも一生があり、そして、私たち生命や地球も
宇宙にある様々な星のおかげでできたことを考えながら、
星空を眺め、望遠鏡を覗くと、
きっとこれまでと違う見方ができるかもしれません。
以上解説は、美星天文台 前野でした。