Discover服部幸應の『食育の時間』
服部幸應の『食育の時間』
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服部幸應の『食育の時間』

Author: JAPAN FM NETWORK

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最近話題の『食育』。食文化の改善のため、『食育』の必要性を訴え続けてきた服部栄養専門学校校長・医学博士の服部幸應が、「食」にまつわる幅広い知識や常識を『食育』という観点からたのしくわかりやすくお話します。
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文部科学省が「スーパー食育スクール」を指定することになりました。 食育に熱心な小・中・高校を全国から50校程度指定し、大学や企業と連携して 食育プログラムを開発します。食育のモデル校が誕生することになります。 「平成25年度版食育白書」が発表されました。 白書によりますと、「食育に関心を持っている人」は74.2%。 「食生活で関心のある事」では、1位「食の安全性について」94.5%。 2位「生活習慣病予防のための食生活」91.8%。 「普段の食生活で心がけていること」は、 「野菜を食べること」92.4%。次いで、「食事の前に手を洗う」 「朝ごはんを食べるなど規則正しい食生活」さらに「食事を楽しむこと」と続いています。 白書では、食生活へ関心がある人や食事に気を使っている人が多いという結果でした。 8年目にしてようやく、食育の成果が表れてきたのではないかと思います。 一方、進まないところは、年齢で言うと20~30代の男性。 「主食・主菜・副菜の3つをそろえて食べることが1週間で何回ありますか」という質問に 「ほとんど毎日」と答えたのが25.7%。4人に1人しかきちんとした食事をしていません。 また、朝ごはんの欠食率も改善が見られず32.4%。これでは良い仕事はできません。 この他、改善が見られない点は、 「メタボの予防・改善のための適切な食事・運動を継続的に実践すること」など。 今回の食育白書では、特集として「食育の環」が取り上げられています。 今、ようやく市町村単位での「食育推進計画」が進み、 食育を地域経済や食文化、環境整備などと うまく結びつけて進めるところが増えてきました。 「生産から加工・販売・食文化、さらに、食卓からリサイクルへ」。 また、「子どもから高齢者、そして次の世代へ」と、循環してつながるのが「食育の環」。 このような地域のつながりを強める食育の在り方が、今、注目されています。 <食のカッティング・ボード> 「保護者の食育」 今、子どもへの食育は、学校・地域社会・民間などで進めていて、やり方もいろいろあります。 ただ、食育の基本は「家庭の食卓」にあります。 食のしつけは、親から子へ、家庭の食卓で教えるべきものです。 ところが、今、家族の時間の使い方がバラバラで、そろって食事をすることが減っています。 親子での食事が減り、「団らんの場」がなくなると同時に、大切な「しつけの場」も減っています。 そんな中、しつけをする方のおとうさん・おかあさんが、 「テレビを見ながら…」「携帯でメールをしながら…」…こういうご家庭が多いんですね。 96%の家庭が食事中にテレビをつけて、親子でいっしょに見ています。 テレビがついていると、しつけはできません。 その上、大切な食事に何を食べたか さっぱりわからない。 欧米では、食事中テレビを見ている家庭は32%。これは下層階級の家庭です。 携帯電話は、食卓に持ち込まないようにしましょう。 このところ、「家庭の教育力が落ちている」と言われますが、まさに食育もその通り。 しつけ以外の「バランスの良い食べ方」にしても 親のほうの知識がなくて、偏った食事をしているお子さんが多い。 これまで食育の指針では「家庭に対しては一律に進められない」という理由で 保護者への食育は後回しになってきました。 つまり、ライフスタイルや家族の形態、家族関係が様々となり、 一辺倒に指導できないというわけです。 保護者の方へ食育をうまく伝えるにはどうしたらいいか、 食育にたずさわる方は、検討していただきたいと思います。
6月22日・23日、広島県広島市で第8回食育推進全国大会が行われました。 今回は、その模様をお届けします。 会場の皆さんへのインタビュー「あなたのまわりの食育、進んでいますか?」に続き、 パネルディスカッション「つくる人、売る人、食べる人、みんなの力でつなげる・広げる食育の輪」から、 食育の成功事例を発表されたお二人のお話をご紹介します。 お一人目は、広島県呉市のお医者さんで、市民に「減塩」を呼び掛け、 「減塩サミット」の代表を務める日下美穂先生。(3分頃~) お二人目は、新潟県立大学で、健康的な「食環境作り」の指導・研究をされている村山伸子先生。(10分30秒頃~) 食育の成功事例を参考に、皆さんのまわりでも食育を進めましょう!
6月は、「食育月間」です。 政府は、毎年、「食育推進全国大会」を開催しています。 今年で8回目。今回は、内閣府と広島県が主催です。 6月22日(土)、23日(日)の2日間、 会場は、広島市南区文化センター、県立広島産業会館、広島大学などです。 食育に関する色々なシンポジウムやワークショップ、 トークショーや出展ブースなどがたくさん出ます。 食育の事例が多く紹介されていますので、 食育を知りたいという方、そして、食育を指導される立場にある方、 この全国大会で、食育の最新事情を仕入れていただきたいと思います。 私は、22日午後2時20分から、広島市南区民文化センターでのパネルディスカッションに登壇します。 4月30日、政府から6月の食育月間で取り組むべき「重点事項」が発表されました。 1「食を通じたコミュニケーション」家族の共食で生まれるコミュニケーションを通じ、 食事のマナー、食文化、食習慣の知識を習得すること 2「バランスの取れた食事」生活習慣病の予防や改善のため 3「望ましい生活リズムの育成」早寝早起き朝ごはんなど生活りズムを向上させること 4「食を大切にする気持ちを育む」食に関する体験、環境への配慮、食料問題への理解 5「食の安全」。安全性への意識と関心を高める、食に対する判断力や食を選ぶ力をつけること 中でも1つ目の「食を通じたコミュニケーション」は大切です。 家族の共食、一家団らんの食事は、子どもの人間性を育む大きな役割があります。 共食への環境整備と共に、食育を指導する方は、「その場で教えておしまい!」とならないよう 家族そろって、楽みながら進めていかれる方法を考えてほしいと思います。 <食のカッティング・ボード> 「良く噛んで、味わって食べよう!」 日本人は世界でも屈指の「早食い民族」。 お昼ごはんの平均時間は10分~20分程度。3食合わせても1時間10分というデータがあります。 時代とともに、かむ回数も減っています。 1回の食事で、弥生時代は3990回、戦前は1460回、現在は620回。 その背景には、やわらかく口当たりの良いものがごちそうであるという風潮があります。 よく「1口30回噛みましょう」といわれますが、30回も噛むと口の中に残っていません。 ただ、それくらいの気持ちで、良く噛みましょうということです。 良く噛むことは、意識すればできます。逆に、意識しないとできません。 噛むことの効果は、歯の健康(歯周病などの予防)、血糖値の上昇を防ぐ 食べ過ぎ、メタボを防ぐ 脳の血流が良くなり、ストレスの軽減、記憶力のアップ、老化防止 よく味わえて味覚も発達、ガン予防(消化器官の負担を減らす)などいろいろあります。 特に、お子さんをお持ちの方は、小学校入学前までは一品、小学生以上なら二品程度、 噛みごたえのある献立を用意してほしいと思います。 アゴの発達が悪く、歯並びの悪い子が増えています。 「良く噛んで、味わって食べる」これを意識して、健康的な食べ方を身につけて下さい。
農林水産省のデータでは約52%の人が「野菜不足」を感じています。 現在、日本人の野菜の平均摂取量は、1人1日277.4gです。 厚生労働省の目標値は、1日350g以上。70gほど足りない計算です。 今から25年ほど前の昭和60年と比べると、 野菜を食べる量が2割も減っています。 かつては、野菜を煮炊きして食べていました。火を通すと野菜のカサが減ります。 今は、サラダなど生で食べることが増えました。 「国別」の野菜の摂取量(2005年のデータですが) 韓国1人1日602g イタリア497g フランス326g アメリカ314g 日本 277gですから、アメリカよりも野菜を食べていません。 日本人の野菜不足は、若い人の方が深刻です。 20代~30代の摂取量は、目標値の7割程度。 野菜を食べない理由は「調理に手間がかかる」「買っても食べきれない」「外食が多いから」。 特に、小さいお子さんをお持ちのおかあさんは、 小さい頃から野菜をしっかり食べるという食生活を身につけさせましょう。 野菜を食べる理由 1.野菜は、ビタミン、ミネラルの供給源。これらは健康維持に欠かせない栄養です。 2.ポリフェノールやカロテノイドなどのフィトケミカルが含まれ   健康効果が期待されている 3.肥満予防 4.最近はガンを予防することもわかっています (緑黄色野菜を食べない人ほど、胃がんにかかりやすい) 野菜70gといいますと・・・ トマトは大きいもの2分の1個分。ほうれん草は2束。ビーマン2個。 ブロッコリーは4房、もやし1つかみ、アスパラ3本、キャベツは1枚分。 野菜を選ぶ時は、地元の旬のものを!「地産地消」でお願いします。 <食のカッティング・ボード> 「健康食の情報に要注意!」 ○○ダイエットや○○を食べると体に良いなど、こんな情報が溢れています。 たしかに、データやエビデンス(=科学的根拠)が取れているものもありますが、 1つのもの、同じものばかりを食べるのは、偏食です。 偏食をすると、食事のバランスが悪くなり、健康でいられなくなります。 昔は1日30品目と言われていました。 同じものばかりを取り続けると、万が一のリスクも高くなります。 たとえば、 ●肉や魚など、動物性のタンパク質が体に良くないといって食べない人 ●朝食は野菜ジュースだけ ●サプリメントで栄養をとる ●今人気の「低糖質(低炭水化物)ダイエット」 これらは、果たして体に良いのでしょうか? 答えは、本編をダウンロードしてお聞き下さい。
新生活のスタートは、朝ごはんから! 朝ごはんを食べないと、脳がエネルギー不足となり、午前中の作業効率が落ちます。 子どもの場合、学習の効率が下がる、運動でのケガが増えるなど。   先月発表された「国民健康・栄養調査」によりますと、 朝ごはんを食べない子の割合は、 1歳~6歳の平均で7.15%。7歳~14歳で5.65%。中学生高校生で11%。 さらに、20代の男性は 34.1%。20代の女性は 28.8%。 朝ごはんを食べない年代のピークは、20代です。 朝ごはんを食べるためには、その分、早く起きないといけません。 そして、早く起きるには、早く寝ることが肝心です。 今、小学生の消灯時間の平均は10時45分。もっと早く寝ましょう。 最近は、朝ごはんを食べていても、内容が菓子パン、ヨーグルトやプリンだけ、 果物だけ、冷凍食品で済ませるという‘偏った朝ごはん’も増えています。 栄養バランスの悪い食事は、体調不良の原因となります。 理想的な朝ごはんは、 1.温かい飲み物があること 2.ごはんやパンなどの主食を食べること 3.卵や豆類、乳製品などタンパク質のおかずを食べること 4.野菜や果物で、ビタミン・ミネラルをプラス 朝ごはんは「食事の大黒柱」。きちんと食べて出かけましょう! <食のカッティング・ボード> 今回は「生鮮食品の摂取状況について」。 野菜・果物・魚介類・肉類などの生鮮食品。 最新の「国民健康・栄養調査」によりますと、野菜・果物・魚介類の摂取が減っています。 野菜の平均摂取量は、1日277.4g。前年比 -18.4g。 「1日350g野菜を食べましょう!」と運動を続けてきましたが、 改善させるどころか、減ってしまいました。 果物の平均摂取量は、1日110.3g。前年比 -22.1g。 魚介類は、1日78.6g。前年が102.9gでしたので、-24.3g。 タンパク源の取り方として、日本人は魚から取ることが体に合っています。 肉類の摂取量は、増えています。 1人1日平均80.7g。前年比プラス6.7g。食べ過ぎに注意。 年齢別では、20代~40代の「野菜」「果物」「魚」の摂取量が少なくなっています。 また、20代が最も「生鮮食品」を買わない年代です。 買わない理由のトップは、「価格が高い」こと。 さらに、所得の低い世帯は高い世帯に比べて、野菜の摂取が少ないという結果も出ています。 外食、中食の広がりで、食材そのものを買う機会が減っています。 健康を維持するためには、鮮度のよいものを選び、作って食べることが大切です。 毎日の食事で「どんなものを選んだら、安心か危険か健康になれるか」 これを意識していただきたいと思います。
「食育って何をすればいいんですか?」 こういう質問をいただくことが今もよくあります。 食育は、 1.どんなものを食べたら安全か・危険か・健康になれるか、食べ物を選ぶ力を養うこと 2.食の伝承を家庭における共食の中で育むこと 3.食料問題、環境問題など これらを学校教育、家庭教育、社会教育の中で進めていくことです。 これまで家庭では、一家の団らんの席で、食のしつけが行われてきました。 家族で食卓を毎日囲むという家庭は43%もいます。 ところが、週に2,3日程度が23%。1年間で10日間あまりという家庭が9.8%。 これが段々増えていることが、問題です。 子どもが孤食をしていては、親から習う機会もありません。 ぜひ、この団らんの時間をもっともっと増やしたいと思います。 食育は、今、学校で習っている子どものほうが進んでいます。 子どもが家に持ち帰った時、家の親御さんが知らないというのは、問題です。 本当は、最初に親御さんに教えるべきものでした。 今後、親御さんに教えるシステムを考えていかなければならないと思います。 <食のカッティング・ボード> 今回は「牛肉」。 2月1日から、牛肉の輸入規制が緩和されました。 政府は、BSE対策が世界的に進んだと見なし、これまでの「月齢20カ月以下」から 「30か月以下」に拡大しました。 実際、2月中旬から、規制緩和で入ったアメリカ産の牛肉を並べているスーパーもあります。 アメリカ産の他、カナダ産、フランス産の「月齢30カ月以下」の牛肉も入ってきます。 また、オランダ産だけは、オランダからの要望で「月齢12カ月以下」のものが 入ってくる予定です。海外では、子牛は豚肉のような味がするとして好まれます。 牛肉を食べるメリットは、 肉には、脳を刺激して幸福感をあたえる「アナンダマイド」という物質が含まれています。 女性は50代、男性は60代から、牛肉を少し多めに食べたほうがいいと思います。 肉はプロテインスコアが100。植物性の豆腐などは68。 体を維持するためには高タンパクなものが必要です。ただし、脂肪は避けること。 今後、日本国内に、海外からの安い牛肉が多く出回るようになります。 日本の牧畜が苦しい思いをすることは避けられないと思います。 TPPへの参加も加速していますので、 選食力=食を選ぶ力を養うことが、益々必要となります。
皆さんのまわりで「食育」は進んでいますか? 食育は、平成17年に「食育基本法」が公布され、平成18年4月から 「食育推進基本計画」に基づき、国民運動として進められています。 現在は、第2次の基本計画推進中。ここには「共食」が重要課題として挙げられています。 かつてイギリスでは多くのニートが生まれました。英国病といわれる社会問題の1つです。 私は、この英国病が日本にも入ってきているのではないかと感じました。 ニートが増えた一因に「共食」が失われたことが挙げられます。 その後、イギリスでは「共食」を推進し、30年かかり今、ニートが減ってきています。 日本は30年遅れで「食育」という形で、この問題にようやく気づき始めたところです。 「食育」という意識がお住まいの地域にありますか? 市区町村により食育の窓口は、農政課や農務課、産業振興課、保健所など様々です。 食育を扱う人は、もっともっと意識していただかないと国民運動にならないと思います。 また、皆さんも関心をもち、地域へ意見を言うことも大切だと思います。 <食のカッティング・ボード> 今回は「減塩について」。 塩分の摂りすぎが体に良くないことは、もう ご承知ですよね? 高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、慢性の腎臓病などになります。 日本では、今、5000万人が高血圧症といわれています。 日本人の塩分摂取量は、成人男性で1日11.9g、成人女性で10.1g。世界ナンバー1。 これに対し、厚生労働省の目標は、男性1日9g未満。女性7.5g未満。 実はこの目標、 欧米の先進国と比べると、まだまだです。 たとえば、WHO(世界保健機関)の目標量は、1人1日5g未満。男女の区別なし。 減塩には、調味料とだしを工夫することをお勧めします。 調味料は、酢1対醤油1で。酢の酸っぱさが塩味を増強されてくれます。 また、だし5・醤油3・酢2。これは何にでも使えて便利です。 ソフトドリンク類にもナトリウム(塩分)が含まれていますので要注意。 調理済み加工食品は、加工食品の中の塩分を塩味にして食べましょう。 日本の医療費は今年38兆円。来年は39兆円。 要介護、医薬品、透析にかかる費用が増えています。これを他に回せるといいですね。
体に良いという栄養素を耳にする機会が増えました。 「ポリフェノール」は、植物が光合成で作る糖分の一部が変化したもの。 植物の色素や苦み、アクなどに含まれ、カテキン、アントシアニン、ルチン、 カカオマスポリフェノール、クルクミンなど、6000種ほどあるといわれています。 赤ワインに含まれるポリフェノールがきっかけとなり注目されました。 白ワインのポリフェノールは赤ワインの1/10、ロゼは半分、ブドウジュースは1/3~1/5。 ポリフェノールは熱に強く、加熱して食べるのがおすすめです。 「リコペン」はトマトの赤い色素成分。強い抗酸化作用があり、トマトが赤く熟すに従って 含有量が増えます。熱に強く、油を使った調理法で吸収率が高まります。 トマトジュールやケチャップ、ピューレ―など加工品を使うのも手軽です。 「アスタキサンチン」は、鮭やエビ、カニなどの魚介類が持つ赤い色素。 魚自体が作り出しているのではなく、魚のエサになるヘマトコッカスという藻が 作り出しています。抗酸化力が強く、脂質異常症や高血圧など血流を改善。 鮭ならオレンジ色のサーモンより、色の濃い紅鮭のほうがおすすめです。 近年、5大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)に加え、 「食物繊維」が第6の栄養素として注目されてきました。 最近は、上記の栄養素などが「第七の栄養素・ファイトケミカル」と呼ばれ、 注目を集めています。ファイトとは、ギリシャ語の「植物」。 ファイトケミカルは、複数を組み合わせると機能性が高まります。 サプリメントで摂るよりも、野菜や果物をまんべんなく食べることをお勧めいたします。 <食のカッティング・ボード> メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)について。 現在、40歳以上の中年男性の2人に1人、中年女性の5人に1人がメタボか メタボ予備軍といわれています。 内臓脂肪というのは、本来、誰にでもあって、ホルモンの分泌など大切な役割を果たしていますが、 多すぎると「死の四重奏」(肥満・糖尿病・高血圧・高脂血症)を引き起こす元凶となります。 どうしたら内臓脂肪を減らすことができるのか、本編をお聞き下さい。
今年は食べ物の価格が上がり続けました。 アメリカで起きた大干ばつで、トウモロコシや小麦が打撃を受け、国際価格が上がりました。 2007年~2008年の食糧危機が再来するのでは?という声も広がりました。 この先、日本の食卓への影響も避けられません。 油がすでに値上がりし、さらに、豆腐・味噌・しょうゆ・マヨネーズなどの 日常食品の値上がりが予想されています。大震災の影響で魚の価格も上がっています。 そんな中、この秋、食品のロスをもっと減らそう!という動きが始まりました。 たとえば、賞味期限が製造から6カ月の食品の場合、 お店への納品は、製造から2カ月以内。賞味期限まで残り2カ月=賞味期限まで製造から 残り3分の1を過ぎたものは店から撤去。これが業界の慣習でした。 これを見直し、緩和しようという検討会が今年秋、スタートしました。 また、今年10月から、生食用の牛肉に新しい基準が施行されました。 生のブロック肉を密封して、表面から1㎝以上を60度で2分以上加熱。 熱を通した部分を規定の施設と器具で削り取り、牛刺しやユッケに加工するというものです。 現在、基準が守られているか、厚生労働省が調査中です。 来年には、アメリカ産牛肉の輸入規制緩和で、新しい条件でのアメリカ産牛肉が輸入される 見通しです。TPPの問題もあります。 食の情報収集は、安心・安全な食育につながりますので、 常に関心をもっていただきたいと思います。 <食のカッティング・ボード> 「日野原重明先生による講演~食べて元気!」 服部栄養専門学校の学園祭のゲストとして、日野原重明先生が登場! その講演の一部をご紹介いたします。 日野原先生の食生活、食べ方の極意をお聞きください。
一家団らん、家族そろっての食事、昔は当たり前でした。 ライフスタイルが変わった今、家族がそろって食事をする機会が減っています。 その影響を一番受けるのは「子ども」です。 食事は、家族のコミュニケーションの場。その中で子どもはしつけをされ、マナーを学び、 規範意識が育てられました。 1年の食事の回数は、365×3=1095回。 現在、朝ごはんまたは晩ごはんを家族といっしょに食べる共食の回数は、週9回です。 1週間の食事の半分も家族そろって食べていません。 つまり、本来は年1095回あるしつけの場が、半分以下に減っているのです。 箸が正しく持てない、音を立てて食べる、食べ方がきたないなど、 孤食では注意をしてくれる人もなく、人に迷惑がかかることもわかりません。 さらに、家族がそろっていても、テレビを見ながら、携帯電話のメールやゲームをしながら。 これじゃ何を食べたかわかりません。 最近の親御さんの関心の高いことは、「親子関係の築きかた」だそうですが、 子どもとの関係やコミュニケーションの取り方に不安を感じている親が多く、 しつけに自信が持てないことの現れだと思います。 さらに、家族そろって食べないと、子どもの健康にも影響がでます。 食の正しい知識が身につかず、肥満・やせ、味覚異常や偏食からくる情緒不安定にもつながります。 「しつけは共食から」。これをお願いしたいと思います。 <食のカッティング・ボード> 「遺伝子組換え作物について」 遺伝子組換え作物というのは、GM作物と呼ばれ、遺伝子が操作された作物のこと。 バイオテクノロジーの一種で20年ほどの歴史があります。 食糧増産技術というわけですが…、 今、日本では、除草剤に強い大豆やナタネ、害虫に強いジャガイモやトウモロコシなど、 86品種が食品として許可されています。ただし国内では栽培されていません。 輸入で認められているということです。 この遺伝子組換え作物、食べても大丈夫なのでしょうか? 心配な点は、目的の遺伝子がどこに組み込まれたかを確認できませんので、 働いていない「休眠遺伝子」がいつ目を覚ますか、 突然、人にとって有害なものとなる可能性があるのではないか、と言われています。 日本では平成15年にできた「カルタヘナ法」に基づいて、 遺伝子組換えの西洋ナタネや大豆の追跡調査が行われています。 輸入港の陸揚げ地点から半径5キロ以内を、こぼれ落ちた作物が影響を及ぼしていないか 調査します。 今年9月に発表された最新結果では、ナタネの場合、17港のうち8港の周辺で ‘組み換えられた遺伝子を持つ西洋ナタネ’が育成していました。 大豆は、10の輸入港のうち1つの港の周辺で‘組み換えられた遺伝子を持つダイズ’が 育っていました。 たとえば、日本は大豆の95%を輸入にたよっています。 主な輸入元のアメリカでGM大豆栽培面積の割合は93%。ほとんどがGM大豆です。 また、GMトウモロコシの栽培面積は83%。日本は世界最大のトウモロコシ輸入国で そのうち90%がアメリカ産です。つまり、日本の飼料用穀物のほぼ全量がGM作物といっても 過言ではありません。 対象作物は、大豆(えだまめや大豆モヤシを含みます)、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、 綿実、アルファアルファ、てん菜の7つ。食品としては32品目が指定されています。 食育の1つに「食べ物を選ぶ力を養おう!」というのがありますが、 まさに今、これが問われているわけです。
味覚の秋。正しい味覚を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか? それには「8歳~12歳が勝負!」といわれています。 8歳~12歳は、様々な味覚を覚え、スタンダードな舌を作る時期なのです。  ところが、今、味覚障害が増えています。 味覚障害というのは、食べ物の味が薄く感じる、微妙な味の違いがわからないなどの症状。 特に子どもは、「コ食」などの偏食に注意し、加工食品の利用頻度に気をつけましょう。 大切な味覚を「子どものうちから養おう!」という試みがあります。 フランス生まれの「味覚の授業」。昨年から日本でも本格的にスタートしていました。 日本では「味覚の一週間」といいます。 地域のシェフやパティシエが小学校を訪れ、子どもに味覚を整理して教えます。 具体的には、甘い、しょっぱい、すっぱい、苦いの4味。 授業の効果は、味わって食べるようになる、食べ物への関心が高くなる、 味を表現することを覚えるなど。 「味覚の一週間」、今年は10月22日~28日の1週間で、 全国65校ほどの小学校で授業が行われる予定です。    <食のカッティング・ボード> 今回は「日本人の米離れ」について。 日本の食料自給率Upのためにも「お米を食べましょう」と何度も申し上げてきましたが、 「お米を食べる理由」は、それだけではありません。 ‘健康のため’にも、お米を食べていただきたいと思います。 日本人が摂っているお米の量、農林水産省のデータでは、 昭和40年1人年間111.7㎏でした。 平成22年では59㎏、そして、最新データの平成23年度は57.8㎏。 この57.8㎏を1日にすると、158.3g。これを‘炊いたご飯’の状態にすると、 1人1日「茶碗2杯分」しかご飯を食べていないことになります。 パン食は、洋風のおかずやバターなど、高カロリー・高脂肪で、肥満の原因に。 和食が減ると、根菜・海草・キノコなどに含まれるミネラルと食物繊維の不足、 みそ汁・漬物・納豆など、発酵食品を食べる機会が減り、日本人の長い腸には 好ましくない状態となります。 結果的に、ご飯を食べる量が減ると、生活習慣病のリスクが高まることになります。 健康でいたいなら、まずはご飯を食べること、これが肝心です。
内閣府が毎年発表する「食育白書」から、人々の食生活への意識を垣間見ることができます。 「今の食生活に満足している」人は、87.5%。 他の生活面での満足度(収入・所得40%、レジャーや趣味60%、住環境80%)と 比べると、食生活への満足度が高いことがわかります。 ただ、問題はその中身です。 「今後の食生活で力を入れたいこと」は、 1位「栄養バランスのとれた食事の実践」58.4%。 2位「食品の安全性への理解」、3位「食品廃棄の削減」。 健康でいたいことから、食事バランスを気にする人が多いようです。 最近は、「家族や友人と食卓を囲む機会を増やしたい」 「自分で調理する機会及び家族で調理する機会を増やしたい」という意識を持った人が 増えています。 5歳児の家庭では、父親と食事をする機会が少ないこともわかりました。 「家族といっしょに食事をすることは重要だ」と答えた人は、9割に達するものの、 「家族との食事に自分のスケジュールを調整しようと思う」人は、4割。 行動の難しさが表れています。 「食品を選ぶ時に重視すること」は、1位「鮮度」2位「価格」3位「安全性」。 安全性を重視すると、高くつくのが現状です。 <食のカッティング・ボード> 今回は「最新データ・日本の食料自給率」について。 2年連続で4割を切った日本の食料自給率。 国は、『不測時の食料安全保障マニュアル』を用意していますが、その中身とは?
内閣府から、「できることから始めよう!食育ガイド」が発行されました。 これには、今後の食育の進め方が詳しく書かれています。 A4判30ページ。「食べることは生きること」という序文に始まり、 ライフステージごとの食育のポイント、食べ方や食べ物について、 食品表示、災害時の備えなど、書かれています。 また、自分の適正体重の計算方法も紹介されています。 「共食」については、 共食とは、単に「いっしょに食べる」だけでなく、 「どんな食事にするか皆で考えること」から始まって、 「買い物」「料理」「配膳」そして、「食事の後片付け」まで、 食事のすべてプロセスに家族がかかわることが、「共食」と定義されています。 これまでは、農業体験なども重視されてきましたが、 今回からは、「食べること」という食育の原点に重きが置かれるようになりました。 この食育ガイドは、内閣府食育推進室ホームページ (http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/guide/index.html) からダウンロードできます。 <食のカッティング・ボード> 今回は「食べものでアンチエイジング!?」。 アンチエイジングは、日本語にすると「抗加齢療法」。 2012年の上半期ベストセラーを見ても、アンチエイジングに関する本が並んでいます。 食べ物や食べ方で、アンチエイジングはできるのでしょうか? 高齢者がアンチエイジングを期待してサプリメントを取る効果は? そして、「アンチエイジングは腹七分目」。 一体どれくらいがいいのでしょうか? アンチエイジングブームについても、一言、申し上げます。
6月16日(土)17日(日)の2日間、 神奈川県横浜市で第7回食育推進全国大会が開催されました。 大会では、講演会やシンポジウムの他、228団体による食育活動の展示、 東日本大震災の被災地復興応援ブースも設けられました。 2日間の来場者は3万6800人。 入場制限も出るほどの大盛況でした。 前半は、来場者の「声」をご紹介します。 「あなたのまわりの食育。進んでいますか?遅れていますか?どんな様子ですか?」  「これからのもっと食育が必要なところはどこですか?」 会場からは、様々な答えがかえってきました。 詳しくは、本編をダウンロードしてお聞き下さい。 後半は、私・服部幸應とさかなクン、キャスターの内田恭子さんによる 「鼎談」の一部をご紹介します。 こちらも本編をダウンロードしてお聞きください。  来年の食育推進全国大会は、広島県で開催予定です。
和食を‘世界無形文化遺産’へ登録しようという動きがあります。 和食は、実はずいぶん前から、世界の注目を集めていました。 そのきっかけが、1977年、アメリカで発表されたマクガバンレポートです。 そこには、アジアに健康的な食生活を送っている民族がいると記されています。 これが日本に該当すると言われています。 海外では「和食」のお店も増えています。3万2千件ほどあります。 しかし、日本人が関わっているのは、たった7%。 これを正しく指導しようというJROという組織もできました。 世界無形文化遺産への登録は、すし・天ぷら・お刺身などではなくて、 ‘ごはんにみそ汁、お浸しや煮物’など、日本の普通の食卓に上るようなものを 「和食」と定義しています。 ところが、肝心の日本はどうでしょうか? 農林水産省の資料によると、「和食」つまり「日本型食生活」を実践している人は18%。 2割にも満たない現状です。 和食を健康的にいただくコツに「塩分」があります。 塩分をだしやスパイス・ハーブなどでカバーするようにすると、塩分が控えられます。 また、今の時代、多くの人が「外食産業」に頼っています。 料理人は、塩をきかせないとおいしくないといいますが、お店を利用した時に、 「ちょっとしょっぱいよ」という一言が、外食での減塩に繋がります。 職人さんにも意識してもらい、皆がやらなきゃいけないと思う事が大切だと思います。 <食のカッティング・ボード> 「水」の問題について。 先月、水道水からホルムアルデヒドが検出されて問題になりました。 日本の下水処理能力をご存知ですか? 東京では1995年に100%になりました。ところが、まだ30%台の地域もあります。 地域格差が大きく、平均で約72%。 では、地球は「水の惑星」と言われていますが、 地球上の水のうち、私たちが使える水はどのくらいだと思いますか? 97.5%は海水、淡水は2.5%。その中でも0.004%の水しか使えません。 世界の人口は、増え続け、2025年には80億人になるといわれていますが、 その半数の40億人が水不足に直面すると言われています。   作物も育てられなくなり食料不足も起こります。 また、日本は「水の豊かな国」といわれていますが、 今、その水を外国からの投資で買われてしまっています。 水源地を含む森林が買収されています。 欧米では、このような所有や売買を規制している国が多いそうですが、 日本も早く手を打たないと大変なことになります。 水は地球の中をぐるぐる循環しています。 「今、自分が使っている水は、今度は自分の口に入る」という意識を持ち、 大切に使いましょう。
内閣府による「食育に関する意識調査」によりますと、 東日本大震災後、「食品の安全性への不安が広がった」と26.1%の人が答えています。 特に30代の女性では44.2%という半数近くが不安を感じているという結果です。 一方、「家族といっしょに食事をする頻度」は15%増えています。 国の施策として食育がスタートして今年度で7年目となりました。 5カ年を1単位とした「食育推進基本計画」も2期目の2年目を迎えています。 私も国の食育推進評価専門委員の1人として、先日、見解を述べました。 学校の先生方、生産者の方、企業の方、それぞれをどうつないでいくか、 また、農林水産省、厚生労働省、文部科学省の報告もばらばらで、つながっていない状態です。 今後は、情報を交換し、手を組んでいく体制作りが必要だと申し上げました。 2期目の「食育推進基本計画」の重要課題の1つが、 「ライフステージに応じた間断のない食育の推進」。 子どもから高齢者まで、継続しながら食育を進めていくこと、 中でも、子どもを育てる親・お母さんは、子どもの精神状態に大きな要素を持っていますので、 それを意識してほしいと思います。 国や全国の地方自治体が、どのような食育を進めているか、 それを知る機会として、今年も「食育推進全国大会」が行われます。 今年は、神奈川県の横浜市で6月16日(土)17日(日)の2日間。 みなとみらい地区のパシフィコ横浜とヴィアマーレというホールの2カ所に分かれて 行われます。私は16日のパネルディスカッションでお話しします。 いろいろな食育の進め方が紹介されていますので、どうぞお越し下さい。 <食のカッティング・ボード> 今回は「家庭菜園のすすめ」。 ご自宅の庭やベランダで、植物を育てていますか?その中で食べられるものはありますか? 作物を育てることは、物を作るプロセスを自分の目で確かめ、 物事の順番をわきまえていくという感覚につながりますので、 ぜひ、栽培に取り組んでみて下さい。 「ベランダ菜園」や「市民農園」など、日本でも増えつつありますが、 ドイツには、クラインガルデン(=小さな庭)という市民農園制度があります。 猫の額ほどの大きさのところで、家族が食べる分の野菜を育てています。 これらの作物は、ドイツで収穫される野菜の3割に該当します。 日本もこのようにできるといいですが、なかなか難しい状況です。 二十四節季の暦では、「立夏」を迎えています。 中国には こんなことわざがあります。「立夏には土地をすべて耕せ」。 まさに今、土地を耕して、作物を植える季節。 ご家庭で少しずつでもいいですから、食べられるものを育てましょう!
ある雑誌の調査で、小学5,6年生に聞きました。 「疲れやすい」と答えた子は58%。「体がだるい」と答えた子は53%。 最近は、低血糖症、低体温症、骨粗鬆症の子どももいます。 低体温症は、離乳食の時期に原因があるといわれています。 そして、「朝ごはんに野菜料理が一品もない子」は91%。 「晩ごはんに野菜料理が一品もない子」は47%。 野菜が必要な理由は、ビタミンと食物繊維の補強のためです。 野菜不足の他にも、子どもの食の問題は、「おやつの食べすぎ」「甘いものの食べすぎ」があります。 この結果、「カルシウム不足」「ビタミン不足」が起こります。 まずは、親が子どもの食事に配慮し、日常の食生活に力を入れることが大事です。 最近は、「○○ちゃん、何が食べたいの?」とオーダーを取る親もいるようですが、 「これを食べなさい」というのが、本来の親の姿。 親は子どもを指導するという立場に立って、ものを決めてほしいと思います。 嫌いなものをなくすのは、親の腕の見せ所。 食べやすい形にしたり、においを消したり、他のものと混ぜるなどして 好き嫌いをなくしてあげましょう。 子どもの体に良いものを選んで、健康な体作りをすすめて下さい。 <食のカッティング・ボード> 今回は「食品を囲む化学物質ついて」 食品添加物は、天然のものが400品目、化学合成のものが380品目ほどあります。 1人1日23品目を食べ、多い人で年2㎏、少ない人でも800g食べています。 調理済み加工食品に使われていることが多く、 カタカナやアルファベッドで表示されているもの、また「酸味料・保存料・着色料・酸化防止剤」など 働きがまとめて書いてあるものも食品添加物です。 食品添加物は厚生労働省が基準を決め、何種類もの添加物をかけ合わせる実験が行われていますが、 結果が出るまでに5年10年かかることもあります。 1つ1つは安全でも、いくつか添加物が重なった時がこわいということを 覚えておいて下さい。 農薬は、500品目ほどあります。 最近は、低農薬や有機栽培も増えてきました。 有機農法はお金がかかりますので、その分、国が面倒をみてもいいと思います。 また、農薬を使っている所と使わない所が隣接すると、使っていない所が大変な目にあいます。 横並びで農薬を使わないところが増えれば、害虫なども分散でき、望ましいわけです。 化学物質は、体に及ぼす影響が否定できない以上、厳しい目でチェックすることが必要です。
日本がTPP(環太平洋経済連携協定)に参加することで 日本の食料自給率は、現在(平成22年度)の39%から14%に落ち込むという試算があります。 世界では新興国の需要増が見込まれ、 日本はこの先、今のように食料を手にすることが難しくなるでしょう。 日本の農業を支えていくために、「戸別補償制度」の見直しも重要です。 たとえば、ドイツなどでは農家1軒に付き一定金額を補償し、 さらに7割を国が買い取り、残り3割を自由競争で売れるようになっています。 他に仕事をしなければ生活できないという兼業農家が95%の日本。 これを何とかしなければなりません。 政府は、まったく準備をせずにTPPへの参加を表明してしまいました。 これからは、国内での調整、また世界との調整が課題といえるでしょう。 <食のカッティング・ボード> 今回は「食べ物の大量廃棄について」。 日本は世界で一番食べ物を輸入に頼っている国です。 日本の食料供給量は、年間9200万トンほどと言われています。 その一方で捨てられる量は、およそ2000万トン。2割強を捨てていることになります。 今年、世界の人口が70億人を超えました。 そのうち1割が飢餓に苦しみ、もう一方の1割が飽食で糖尿病などに頭を痛めています。 ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境活動家ワンガリ・マータイさんが、 今年9月、惜しくも亡くなりました。 彼女の活動の1つ、MOTTAINAIキャンペーンは日本が伝えていくべきものです。 FAO(国連食糧農業機関)から、日本は2025年までに食料の廃棄を半減するよう 求められています。 食料も‘省エネ’しなければならない大きな問題です。
食べ物を選ぶ時、それはどこでとれたものですか?どこで作られたものですか? 食品表示をきちんと見ていますか? 信頼できるお店で買っていますか? 食品添加物について勉強していますか? 以上のようなことを意識して選ぶことが大切です。 食品表示は、安心・安全な食べ物を選ぶ大切な情報です。多いに活用しましょう。 そして、食の情報にいつも耳を傾けることも必要です。 食の安心・安全を見極め、健康と命を支えていくこと。これが食育です。 <食のカッティング・ボード> カッティング・ボードとは、まな板のこと。食にまつわる問題を取り挙げ、検証していきます。 今回は、「生活習慣病について」。 生活習慣病にならないための食生活のポイントは? ・3食規則正しく食べる ・夜遅くの食事は避ける ・野菜を積極的に食べる ・清涼飲料水は控えめに ・お酒は適量を。週2回肝臓を休める「休肝日」をつくる 現在、生活習慣病のがん・心疾患・脳血管疾患で亡くなる人は、死因の6割を超えています。 また、生活習慣病に対する医療費は、医療費全体の半分を占める勢いです。 今後、さらに増える見通しです。 食育には、生活習慣病の予防と医療費の増大を食い止めようという目的があります。 大人のあなたにも、食育が必要、というわけです。
みなさんに「食育って何ですか?」と聞くと、2つの答えに分かれます。 1つは、「親子料理教室でしょ!」。もう1つは、「農業体験でしょ!」。 でも、それだけではありません。 食育とはどんなことなのか、わかりやすく3つの柱にまとめました。 1.安心安全健康になれる食を選ぶ力=「選食力」を高めること。 2.衣食住の伝承とともにとぎれた食のマナーやしつけを見直すこと。 3.食料問題・環境問題など、食にまつわる問題を理解すること。 この3つの柱が食育の基本です。食育の範囲はとても広いのです。 <食のカッティング・ボード> カッティング・ボードとは、まな板のこと。食にまつわる問題を取り挙げ、検証していきます。 今回は、「日本の食料自給率について」。 あなたは、日本の食料自給率、答えられますか?
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