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PLENUS RICE TO BE HERE

PLENUS RICE TO BE HERE

Author: J-WAVE

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Description

この番組は作家・文献学者の山口謠司が、日本の食文化を通して全国各地で育まれてきた“日本ならではの知恵”を紐解くポッドキャストです。(FMラジオ局 J-WAVE 81.3FM では毎週月曜日から木曜日 15:10〜15:20にオンエア中。)



567 Episodes
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お伊勢参りの帰りに、必ず立ち寄りたくなる街・松阪。目当ては、松阪牛のすき焼きです。訪れるのは、明治16年創業の老舗「和田金」。白い砂糖、たまり醤油、昆布だし――そこに一枚の松阪牛をくぐらせるだけで、祝いのような一皿が生まれます。牛はストレスをためないよう大切に育てられているとか。そんな話を聞きながら味わうすき焼きは、体だけでなく心までほどいてくれます。やがて訪れる、満腹の眠気。座布団に身を預け、「どうぞお昼寝して帰ってくださいね」と言われる幸せ。すき焼きを食べて、もー、ねんね。松阪で過ごす、のんびりとした一日は、牛のように穏やかで、やさしい時間そのものです。
伊勢神宮に行く前に、四日市に立ち寄りました。四日市は、そうめんの産地でもあります。もうひとつ「伊勢水」と呼ばれる香り高い「ごま油」が特産品となっています。そうめんと伊勢水は切っても切れない関係にあります。そうめんを細く引き延ばす工程で「伊勢水」を塗りながら延ばしていきます。これによって滑らかな喉ごしになり、また味が劣化するのも抑えてくれると言います。四日市の方言に「ぎなぎな」という言葉があります。「ぼちぼち」「ゆっくり」「なんとか」という意味です。意外に腹持ちの良いそうめんを食べて、「ぎなぎな」やっていくのもいいと思います。
伊勢神宮をお参りする前に赤福で「ぜんざい」を食べました。「ぜんざい」は「善哉」と書きます。この「善哉」という名前、一休さんが語源と言われています。禅宗の僧たちが弟子を「素晴らしい」と褒めるとき使った言葉です。ある時、禅宗の僧侶だった一休さんが、初めて小豆の汁を食べた時、「善哉」と言ったことでこの名になったとも言われています。つぶあん、こしあん、汁あり、汁無しなどぜんざいとおしるこの間には、さまざまな地方色があり、「ぜんざい」と聞いて思い浮かべるものが違うのもおもしろい食べ物です。そして、プレナスでは、「禅と食」のオンライントークイベントを、2月14日土曜日 午後2時から開催します。曹洞宗・長光寺の住職・柿沼忍昭さんに「禅」における「食」の考え方について、わかりやすく解説いただきます。参加費は、無料です。お申し込みは、プレナスの公式ホームページにある「ニュースリリース」からどうぞ!https://www.plenus.co.jp/files/optionallink/00003174_file.pdf応募締め切りは、2月13日(金)まで。
伊勢神宮は、内宮に天照大御神、外宮に豊受大御神が祀られています。お参りの順番としては、外宮から内宮へと言われています。豊受大御神は、お食事の神様で、天照大御神にお食事を作って差し上げているんですね。この外宮から内宮に行く途中にあるのが「おかげ横丁」。ここで食べたくなるのが「伊勢うどん」、ふわふわで、弱い歯の人でも食べられる「柔らかさ」です。美味しいお出汁の醤油を絡めて食べる優しいおうどん。一生に一度は「お伊勢参り」をしたいと思って齢を重ねて来た人たちでも、安心して食べられるように、柔らかい「伊勢うどん」が生まれたのかも知れないですね。
桑名の海で育った海苔は、同じ“海苔”という言葉では語りきれない味わいを持っています。その海苔で包まれた「はまぐりの磯辺揚げ」は、まず磯の香りが立ち上がり、次の瞬間、静かな深みが口の中に広がります。桑名の海苔は、揖斐川・木曽川・長良川、三本の川が運ぶ森の養分と、伊勢湾から太平洋へと続く潮の流れが出会う場所で育ちます。上流の森では、式年遷宮に用いられる檜が、何百年もの時間をかけて育てられ、その恵みが川を通って海へ届きます。
桑名七里渡し公園には、伊勢路に入る入口である「一の鳥居」があります。この鳥居は、20年ごとに行われる伊勢神宮の遷宮で建て替えられた鳥居が移築されたものです。ここから伊勢に向かう東海道には、「はまぐり」を商う店が並んでいます。今回、桑名のはまぐりを食べて一週間たった今もなぜか元気。内側から充実している感じです。内側からゆっくり滋養が満たされていくのを実感します。元気というのは、自分で自分を励まして力を持つことだと、伊勢路の入口のはまぐりは教えてくれました。
桑名の名店「蛤料理 うえむら」で焼きはまぐりをいただきました。3つ並んで出てきた焼きはまぐりは、生でもなく焼かれすぎてもいず絶妙なころあい。1つはバターをのせて、もうひとつはスポイトで醤油を2滴たらして、最後はその両方で。はまぐりで思い浮かべるのは「蜃気楼」の「蜃」という漢字です。これは巨大はまぐりの化け物を表します。この「蜃」が気を吐いて見せるのが「蜃気楼」なのだそうです。「うえむら」の焼きはまぐりのおいしさは、まさにこの「蜃気楼」にやられたようなおいしさでした。
揖斐川、長良川、木曽川の三本の川が、伊勢湾に向かって流れています。その河口の近くで獲れる蛤は「ヤマトハマグリ」と呼ばれて、とても美味しい。今回は「蛤料理・うえむら」で、人生初の「蛤のフルコース」を頂きました。伊勢湾の海水と真水が混ざり合う汽水で育った蛤を使った料理の数々、期待を超えた驚きの美味しさでした。さらにびっくりしたのは、その蛤の大きさ。まるで「カスタネット」のように打ち鳴らせるぐらいのサイズでした。
冬の北陸、福井は日本有数の米どころ。福井は「越の国」に連なる土地で、名だたる銘柄米・コシヒカリが生まれた場所。今も農業試験場では、新しい品種が次々と育てられ、米は静かに進化を続けています。そんな福井にある大本山・永平寺では、坐禅、読経、朝粥、掃除――一つひとつの所作を丁寧に行う修行の中で、感謝と集中が積み重ねられています。祈りとは、願うことではなく、目の前の現実をまっすぐ受け取ることなのかもしれません。毎日を磨き続けるという“静かな進化”もまた、人を育てます。
富山県を流れる庄川で鮎を食べました。鮎の旬といえば夏ですが、冬の鮎「子持ち鮎」も絶品です。北アルプスの雪解け水が産んだ清流の「藻」を食べて育った鮎はいつ食べてもおいしいです。炭火で焼いて、水辺に生える「蓼(たで)」の葉を擦り下ろした「蓼酢」でいただきます。独特のピリッとした爽やかな辛さが、鮎のホクホクの卵を引き立てます。北陸の冬のおいしさです。自然をたくさん残している庄川に行くと本当にハッピーになります。
2026年から「ブロッコリー」が「指定野菜」になりました。「指定野菜」とは国民の食生活に不可欠で消費量が多い野菜を国が定めたものです。石川県加賀市は、 「ブロッコリー」の北陸最大の産地。「カガッコリー」という愛称で親しまれ、春・秋・越冬栽培でほぼ一年中出荷されています。これから春にかけて「越冬カガッコリー」が旬を迎えます。雪の下で育つことで甘味が増すそうです。70年代の減反政策への対策で地域に根づいたブロッコリー。「県ジンプロジェクト」を立ち上げ、名産品のブロッコリーでお酒のジンを作ることにしました。今年の前半にはできる予定です。
北陸の冬の空には、稲妻が光り、雷鳴が轟く、、、この現象、「ブリ起こし」と呼ばれています。ちょうど、この頃、日本海側を回遊しているブリが獲れ始めるとか。ブリ(鰤)は、師走12月になって、脂が乗り始めて美味しくなることから、魚へんに「師」と書きます。では、なぜ「ブリ」と呼ぶのか?一説には、江戸時代の本草学者である貝原益軒が、脂が多い魚という意味で「アブラ」から「ア」が抜けて「ブラ」そして「ブリ」になったとも言われています。では、寒ブリで有名な富山県の「氷見」の語源はどこから来ているんでしょうか?
発芽したばかりの野菜「スプラウト」。シャキシャキとした食感とみずみずしさは、サラダやお浸し、寿司のネタとしても親しまれています。日本では平安時代、発芽野菜は「さわやけ」と呼ばれ、『うつほ物語』には“さわやけの汁”として登場します。玄界灘に浮かぶ能古島では、昭和40年代から高品質な「かいわれ大根」の栽培が始まりました。潮風と土地に育てられた能古島のかいわれは、数日経っても食感を失わない力強さを持っています。玄界灘が育てた発芽野菜。種から芽吹いたばかりの“元気”は、時代や海を越えて、人の暮らしを静かに支え続けています。
ふぐの名産地といえば、やはり下関を思い出しますが、玄界灘に浮かぶ能古島(福岡県)も絶品の「ふぐ」を味わえます。下関や北九州の一部では「不遇」につながり縁起が悪いとされ「ふく」と呼ぶことも。文豪の志賀直哉もふぐが好物で、弟子の福田蘭童が料理した「ふぐ」を食べて娘さんの口が痺れたという驚きのエビソードも語られています。「ふぐ刺し」の美しい盛り付けの方法やふぐ鍋が「てっちり」というのは、「当たると死ぬ」鉄砲が由来だとか、話に事欠かないふぐ。寒い時期、ますますおいしくなる「ふく」を食べて「福」をたくさん取り込みましょう。
玄界灘に面している長崎県・平戸には「スボ」という名産品があります。ストロー(かつては藁)でまかれた"かまぼこ"のことです。食べるときには、周囲のストローを剥がして楽しみます。新鮮な玄界灘の「飛び魚」が原料に使われます。玄界灘で船に乗ると、「飛び魚」の大群が弾丸のようにビュンビュン飛んできます。生きてる魚の強さを思い知らされます。これがスボになって体内に入っていくのだと思うと元気いっぱいになります。
新しい年のはじまり、寒い季節に恋しくなるのが、鍋を囲む時間。火を囲み、同じ鍋を分け合うという、人の温もりを感じさせてくれる一皿です。今年は60年に一度巡ってくる「丙午」の年。江戸時代の火事と恋の伝説、八百屋お七の物語から、かつては“火”と結びつけて恐れられた年でもありました。しかし今では迷信として語られ、私たちは改めて火とどう向き合うかを考える時代にいます。江戸時代から続く、出初め式に込められた祈りのように、今年一年、火を大切に、慎重に扱いながら、あたたかな食卓と穏やかな日々を重ねていきたいものです。
今日は「七草がゆ」の日です。邪気を払い、万病を除くことができます。正月で疲れた胃腸を休めるごちそうでもあります。お正月には書き初めをした方もいると思いますが、私は先日、知り合いのお店で「お品書き」を書くのを手伝いました。献立の内容に合わせて、そのイメージの書体で書き上げたのですが、とても楽しいものでした。七草の「せり・なずな・こぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」もひらがなで優しく書くと、気持ちまで優しくなっているような気になります。自分がこれから食べようとしているものを書くのもある楽しさがあります。
年末年始に故郷に帰ってふるさとの味を楽しんだ方もいらっしゃるでしょう。ふるさとの味というものは、変わらない味ではなく、離れてみて初めて輪郭がくっきりするものだと思います。年末に故郷で食べた「大村寿司」という押し寿司は、すでに東京の味に慣れてしまった私には、ものすごく甘いものでした。食文化は日本の遺産です。そしてそれは、一人ひとりのふるさとの味でもあります。
「おせち料理」召し上がりましたか?お正月三が日は、神様もお休みなので竃に火を入れない。ということから、お正月は大晦日に作った「おせち料理」を食べて過ごすようになりました。料理に多く砂糖が多く使われているのも、長く保存できるように考えられた知恵なんですね。そして、日本には、昔から「ハレ」と「ケ」という考え方がありますが、「おせち料理」は、お正月という特別な時に食べる「ハレ」の食べ物、一方「ケ」は「日常」を表す言葉で、「ケ」の食べ物といえば、「ごはん」「お味噌汁」といった日常食になります。
12月31日、大晦日(おおつごもり)。おそばをたぐりに参りましょう。東京都内には「砂場」という有名な蕎麦店がありますが、実は江戸発祥ではなく、大阪が発祥です。大阪城築城の際の資材置き場の砂場の近くに店があったことからその名になりました。谷崎潤一郎もおいしいと褒めたお店です。砂場の「ざるそば」は蕎麦の実をみがいてその中心の部分を卵と水であわせて練り上げています。「もりそば」は蕎麦の実全体を使っています。それぞれの味わいがあって楽しいものです。そばは歯で切らず去年から続くいいことをそのまま来年に持っていきましょう。
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