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プラネタリウム 一夜語 Podcast

Author: 一夜語(ひとよがたり)

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Description

一夜語(ひとよがたり)は、島根県の博物館で投影しているプラネタリウムのライブ投影(生解説)。
夕暮れから夜明けまでの一夜を、星空に潜む不思議さに触れながらお過ごしいただいています。

このPodcastでは、そんなプラネタリウムでお伝えしている折々の星空案内や天文現象、星にまつわるトピックスなどを、ひと月に2度ご紹介しています(毎月12日、27日更新予定)。
星座の探し方などは少なめですが、夜空を見上げるきっかけとして、星々を感じる一助として、お耳に届けば幸いです。プラネタリウムの投影時には赤ちゃんや小さな子がおとなしく耳を傾けてくれることも多くありますので、お子さまの寝かしつけにも効果がある、かも知れません。
縁あらばいつの日か、プラネタリウムの空の下でお会いしましょう。

https://www.hitoyogatari.com/
41 Episodes
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2025年11月前半から後半にかけての星空案内です。0:36天頂付近に見つかる秋の四辺形。西側の星を結び下におろすと、みなみのうお座のフォーマルハウト、東側の星を結んで下に伸ばすと、くじら座のディフダが見つかります。この星はデネブ・カイトスと呼ばれていましたが、現在の正式名称はディフダです。そして二つの星と秋の四辺形の間に、今年は土星がやってきていて、秋空に三角を作っています。くじら座と秋の四辺形の間には、うお座も見つかります。「たのしみはまれに魚煮て児等皆がうましうましといひて食ふ時」橘曙覧7:4011月18日に、しし座流星群がピークを迎えます。2001年には一時間に千個以上ともいう流れ星が見られた流星群です。母彗星であるテンペル・タットル彗星が約33年で太陽を巡るのにあわせて大出現を繰り返しています。今年は数は多くないものの、明るい流れ星を見るチャンスはあります。いしいしんじさんの「プラネタリウムのふたご」という作品では、主人公の双子の名前がテンペルとタットルです。冬間近の夜長、本を読みながら宇宙を旅する彗星を思い浮かべてみては。プラネタリウム一夜語ご意見やご感想はこちらへ#秋の四辺形#橘曙覧#しし座流星群#プラネタリウムのふたご
2025年10月後半から11月前半にかけての星空案内です。0:35午後7時ともなると空は真っ暗。見上げた天頂をはさみ、西寄りに夏の大三角、東寄りに秋の四辺形が見つかります。秋の四辺形は別名ペガススの四辺形、天馬の体を作ります。ただ、おへその星アルフェラッツは隣のアンドロメダ姫の頭の星です。ペガサスはひっくり返って飛んでいるため、頭は南西のほうへたどり、鼻先の星がエニフ。このあたりには、88の星座の中で2番目に小さな「こうま座」があり、また望遠鏡を使うとM15という見事な球状星団も観察できます。一般的にはペガサスですが、星座の名前としてはペガスス座と少し違う表現になります。6:472025年は11月2日が十三夜、後の月(のちのつき)です。十五夜とあわせて二つとも見るべきとされるお月見の日。続く5日が満月で、スーパームーンと呼ばれることでしょう。地球に近いところで起こる満月とされますが、定義がないため、一年に複数ある場合もあります。すっかりと冷たくなった空気の中、澄んだ白い月を眺めてみては。プラネタリウム一夜語ご意見やご感想はこちらへ
2025年10月前半から後半にかけての星空案内です。0:32今年の中秋の名月は10月6日です。旧暦の8月15日、十五夜です。旧暦の7月一か月間は「仲秋」、7~9月の秋の期間の真ん中である8月15日が「中秋」、よって、名月は「中秋」の字が使われています。もう一つのお月見が後の月、今年は11月2日で、どちらかしか見ないのは片月見などといって避けるものといいます。3:45宵の東空に昇ってきたエチオピア王家の人々。5つの星がぎざぎざに並んだ王妃カシオペア座は見つけやすく、北極星探しもできます。王のケフェウス座は目立たないながら、望遠鏡で見るとザクロ石のように赤く見えるガーネットスターがあります。王女アンドロメダ座にはアンドロメダ銀河。私たちの銀河系と同じく、数千億ともいう星やガスが集まった渦巻円盤の大集団です。その距離は約250万光年、これでもお隣の銀河。長い時をかけて届く淡い光を秋空に探してみては。プラネタリウム一夜語ご意見やご感想はこちらへ#中秋の名月#エチオピア王家の星座
2025年9月後半から10月前半にかけての星空案内です。0:379月22日に土星が、続いて24日には海王星が衝となります。地球から見て両者は太陽と反対の方向にあり、見かけ上も同じあたりに位置しています。土星の公転周期は29年半ほど、海王星は約165年です。このためこの先土星は海王星と位置が離れていきますが、再び海王星に追いつくのが36年後の2061年。この年はハレー彗星が帰ってくる年でもあります。4:469月23日は秋分の日。春分の日や秋分の日は昼と夜の長さが同じ日ではありません。日の出、日の入り時に太陽が地球の大気によって浮き上がって見える大気差、そして、日の出と日の入りの定義によって、昼のほうが長くなります。また、一年も春分、秋分で均等に分けられているのではなく、冬側の秋分~春分の日数の方が短いのです。これは地球の軌道が楕円で、1月初めころに太陽に最も近づき、このあたりの公転スピードが速くなるためです。日本の冬の時期、太陽に一番近いのは不思議な感覚ですが、四季は地軸の傾きによって生じています。正月明けの冬の太陽を見たときには、本当は夏よりも太陽が近いことを思い出してみては。プラネタリウム一夜語ご意見やご感想はこちらへ#土星#海王星#秋分の日
2025年9月前半から後半にかけての星空案内です。0:392025年9月8日に皆既月食が起こります。8日の未明なので、7日の晩から準備をしましょう。欠け始め(部分食のはじまり)は午前1時27分頃、皆既(かいき:地球の影(本影)にすべて隠されている状態)となるのが2時半です。1時間23分ほど皆既が継続し、その後月の光は戻っていきますが、夜明けも近く、月も西の地平線へと沈みゆき見づらくなっていきます。次に日本でみられる皆既月食は来年3月3日の日没後、その次は2029年、新しい年が幕を開けた直後、元日の未明です。7:48土星が見ごろとなってきました。南東の空で並ぶ明るい星二つのうち、北側が土星です。今年は約15年に一度の土星環消失の年。幅の割に大変薄い土星のリングを真横から見る位置にきて、細い線が刺さったような姿で観察できます。土星らしくないものの、珍しい姿ですので、ぜひ機会を見つけて観察してみては。プラネタリウム一夜語ご意見やご感想はこちらへ#皆既月食#土星環消失
2025年8月後半から9月前半にかけての星空案内です。0:368月中旬から下旬の夜明け前には、明るくよく目立つ金星、木星が見え、8月19日に西方最大離角となる水星も低いところに見つけられます。そして20日、21日頃には細い月も加わって、「月、水、木、金」と平日の曜日の天体たちが集います。日々の位置関係の変化が肉眼で楽しめるので、早起きをしてご覧ください。3:41今年の旧暦7月7日、伝統的七夕の日は8月29日です。空高くに織女星・ベガと牽牛星・アルタイルが向かい合い、その中を流れるのが天の川。天の川の正体はたくさんの星の光、私たちの太陽系を含む2000億以上もの恒星が大きな集団を作る銀河系を中から見ている姿です。渦を巻いた円盤型の銀河系の、その中心から少し離れたところに太陽系があります。銀河系は回転しており、太陽系が一周するのにかかる時間は2億~2億5千万年ほど。これを1銀河年といいます。長い時間をかけて巡る太陽系の姿を想像しながら天の川を眺めてみては。プラネタリウム一夜語ご意見やご感想はこちらへ#伝統的七夕#天の川#銀河鉄道の夜#銀河年
2025年8月前半から後半にかけての星空案内です。0:45お盆のころに多くの流れ星がみられるペルセウス座流星群。今年は13日の明け方がピークとされます。夜半ころには東の空からペルセウス座が昇りますが、星座がわからなくても流れ星は空のどこにでも現れるので大丈夫。月明かりはあるものの、なるべく暗いところで観察すると、普段より多くの流れ星を見ることができます。くわえて、12,13日の明け方、東の空では明るい木星と金星が接近して見えます。日ごと位置関係が変わるので、早起きして毎日観察すると良い自由研究のテーマになるかも。5:25さそり座の心臓は赤い一等星のアンタレス。戦いの神アレスの名が含まれており、アレスは火星を示すことから、火星に対抗するもの、あるいは火星に似たもの、といった意味合いがありあます。どちらも赤い色が特徴ですが、火星は惑星で大地の色、アンタレスは恒星で表面の温度がそれぞれの赤さの理由です。アンタレスの表面温度は星としては低めの3~4000度ほど、星の寿命の最後の段階で、大きく膨らみ表面の温度が下がっています。宮沢賢治の銀河鉄道の夜では、蠍の火として登場。バルドラの野に棲む蠍が真っ赤な火になって、今でも燃えているといいます。物語をたどりながら、夏宵空を散歩してみては。プラネタリウム一夜語ご意見やご感想はこちらへ#ペルセウス座流星群 #銀河鉄道の夜 #蠍の火
2025年7月後半から8月前半にかけての星空案内です。0:37宵涼みがてら空を見上げると、明るい一等星を手がかりにいくつもの星座を見つけることができます。天頂をはさんで西にうしかい座のアークトゥルス、東にはこと座のベガ、どちらも0等級の輝きです。ベガは、わし座のアルタイルとはくちょう座のデネブとともに夏の大三角を作ります。南の低い空には赤味がかったアンタレス、さそりの心臓。西の低空にはおとめ座のスピカ。これらから、てんびん座やへびつかい座、ヘルクレス座などをたどることができます。6:05準惑星の一つ、冥王星が衝を迎えます。とはいえ明るさは15等級なので、望遠鏡を使ってもまず見ることはできません。冥王星は1930年に発見され、2006年に惑星の定義が定められるまで惑星に数えられていました。かつては9つの惑星だったのです。また、その楕円軌道により1979年から1999年までは、第8惑星・海王星の平均距離(45億㎞)より太陽に近いところを回っていたので、惑星を「水金地火木土天冥海」と覚えている方もいるでしょう。現在はやぎ座に位置し、248年の時をかけて星空を巡る冥王星に思いを馳せてみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年7月前半から後半にかけての星空案内です。0:377月7日は七夕。旧七夕(伝統的七夕)は今年ずいぶん遅く、8月29日です。織姫星(織女星)と彦星(牽牛星)はどちらも恒星、太陽系からの距離はそれぞれ25光年、17光年あり、二つの星の間も15光年ほども離れています。一晩のうちに近づくことはありませんが、昔の人はたらいに水を張って星を映し、揺らめく水面に二人が近づく姿を楽しんだという話もあります。織姫星のベガ、彦星のアルタイルに、はくちょう座のデネブを加えると夏の大三角です。大きな翼を広げて天の川を飛ぶ白鳥は、雨の日に二人を渡してくれる存在かも知れません。6:007月上旬は日没後の西の低空で水星を見つけられます。暗くなったころには同じ西空に火星の姿も。今年は今の時期、宵の内明るく目立つ惑星がありません。けれど夜更けころには東の空から土星が、夜明け前には明けの明星・金星が姿を現します。宵、夜半、明け方と、自分の生活スタイルにも合わせて折々の星空を楽しんでみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年6月後半から7月前半にかけての星空案内です。0:412025年は6月21日が夏至です。北半球側が太陽のほうに向いているので、北極圏では白夜に。同様に日本でも、北の方ほど昼が長くなります。札幌と那覇を比べると、1時間半ほども札幌のほうが昼が長いのです。3:086月下旬から7月上旬頃は、日没後の西空で水星観察のチャンスです。空が暗くなってきた日没後30分頃で高度が10度ほど、西側が開けたところで観察してみてください。水星は自転周期が長く、公転周期は短いため、水星にとっての一日は6か月ほどにもなります。昼夜の温度差が激しい惑星です。6:41さそり座とおとめ座に挟まれたてんびん座。おとめ座を正義の女神とみるならば、その持ち物といえます。人の心、正邪をはかる天秤です。また、かつて秋分点がこのてんびん座の近くにあったので、物の均衡をはかる道具としての天秤がここに置かれたともいいます。あまり目立たないながら、いわれをたどると面白いてんびん座の星々を梅雨の晴れ間にたどってみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年6月前半から後半にかけての星空案内です。0:40うしかい座の一等星アークトゥルスは、麦星と呼ぶ地方があったといいます。七十二候の一つ、麦秋至(麦の時至る)は今年5月31日~6月4日となり、今が麦の刈り入れの時期。このころ頭上高く輝くのがアークトゥルスなので、麦星です。オレンジがかったアークトゥルスの色は、表面温度が4,000度ほどであることを示しています。おとめ座のスピカは2万度ほどもあり、こちらは青白い星。色の対比が美しいので春の夫婦星の見方もあります。恒星は長い時間をかけて位置が少しずつ変わっていきますが、アークトゥルスは西暦55,000年頃になるとスピカのすぐ近くに並ぶと計算されています。5:25うしかい座の東隣にあるかんむり座T星。約80年の周期で新星爆発を繰り返しており、昨年からその兆候が現れたとということで、爆発間近と考えられています。冠のなかほどにあるのがアルフェッカという2等星で、T星が新星爆発を起こすとこの星と同じような明るさになると考えられています。爆発後は急速に暗くなるとされているので、もし起こればすぐに見ることをお勧めします。いざ爆発が起こった時にどれか見分けられるように、普段のかんむり座の形を夜ごと確かめてみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年5月後半から6月前半にかけての星空案内です。0:36北斗七星の星には、水を入れる側の端からドゥーベ・メラク・フェクダ・メグレズ・アリオト・ミザール・アルカイドと名前がついています。ミザールをよく見ると、アルコルという4等星がすぐ近くに並んでいるのがわかります。目試しとして使われていたという話もある肉眼二重星です。3:00一つの星だと思っていたのに、望遠鏡で観察すると二つに分かれて見える、といった星を二重星と呼びます。明るさや色の差があったり、同じような星が双子のように並んでいたり、組によっていろいろな面白さがあります。実際にお互いの周りを回りあうのは連星と呼ばれています。8:00宵空に残る火星は月の次に人類が向かう天体です。太陽系の8つの惑星のうち、木星以遠はガス惑星で大地がなく、水星や金星は過酷な環境。火星は大地があり、人類が降り立つことは可能です。月に比べてずいぶん遠いので、まだしばらく先の話になりますが、いつか人類が火星に到達する日を夢見ながら夜空を眺めてみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年5月前半から後半にかけての星空案内です。0:394月30日には月と木星が並び、5月3,4日には月と火星が近いところに見られます。また、5月4,5日あたりは火星がかに座のプレセぺ星団のすぐ近くを通っていきます。双眼鏡では火星と星団が一緒に見られるでしょう。ゴールデンウイークは宵空をお楽しみください。3:19かみのけ座は「宇宙ののぞき窓」と呼ばれることも。私たちの銀河系の円盤に対して垂直な方向、銀河北極があり、銀河系の仲間の星に邪魔されずに遠くが見通せるからです。このあたりには銀河系外の別の銀河がたくさん観察できます。銀河の姿は大変淡いので、空の暗いところでの観察がおすすめです。8:33空に高い北斗七星。端の2つを結んで5倍伸ばすと北極星が見つかります。北斗七星は周りの星をつなげておおぐま座となり、北極星も小さなひしゃくを作ってこぐま座になります。おおぐま座の足元には2つずつの星が3組、てんてんと動物の足跡のように並んでいます。かわいらしい足跡を皐月の空にたどってみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年4月後半から5月前半にかけての星空案内です。0:40この春から明けの明星となった金星。4月末には最大光度となります。午前中のうちに南にやってくるので、すっきりと晴れた日には、昼前に青空の中に見つけられるか挑戦してはいかがでしょう。金星の明るさの理由の一つは0.78という高い反射能。金星を覆う厚い大気が太陽の光をよく反射します。金星表面上では90気圧にもなる二酸化炭素が主成分の大気は、その温室効果によって昼夜問わず460度という高温の世界を作り出しています。5:35西の空に傾いてきた火星は反射能0.16。赤さびを多く含む大地が広がっています。5月のゴールデンウイークのころには、かに座のプレセぺ星団に並んで見えます。3日から6日頃にかけて日々、星団との位置関係も変わって見えるので、双眼鏡でご覧ください。なるべく空の暗いところがおすすめです。7:54黄道12星座のなかで一等星をもつのは5つ。今は西の空に残るアルデバラン(おうし座)、ポルックス(ふたご座)、南から東側のレグルス(しし座)、スピカ(おとめ座)の4つを見渡せます。このあとアルデバランが沈んだ後、東からアンタレス(さそり座)が昇ってくるので、入れ替わってまた4つ。今の宵空は一等星を持つ星座を一番多くみられる時期といえます。自分の誕生星座があれば探してみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年4月前半から後半にかけての星空案内です。0:383月29日が新月、4月上旬は次第に満ちていく月が宵空に見えます。よく晴れていれば3月31日頃から細い月が西の空に現れますが、春の三日月は光っている膨らんだ側が下になり、お皿のようです。月の通り道である白道が地平線に対して垂直に近いからで、高さもあってよく目立ちます。秋になると白道が横たわり、三日月はバナナのように立てた形で低いところに見えるようになります。3:044月13日は満月、これは今年一番地球から遠いところで起こる満月です。これをマイクロムーンと呼ぶこともあるようで、地球に近い満月のスーパームーンと対になっています。定義がないため正式な用語とは言えませんが、距離が異なるのは確か。月までの距離は平均で38万㎞あるものの、近い時には36万㎞を切り、遠い時には40万㎞を超えます。記憶だけで比べるのは難しいことですが、写真に撮るなどするとこの違いを確かめることはできます。5:36宵空に見える明るい惑星は火星と木星だけになりました。木星も少しずつ見ごろが終わりかけていますが、火星は星空の中を東へ東へと位置を変えていくので、夏が始まるころまで宵の空に残ります。東の空から昇ってくるのが、うみへび座。お正月の頃くらいしか気にされない今年の干支であるヘビを、この春の空でたどってみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年3月後半から4月前半にかけての星空案内です。0:35西の空に傾き始めた冬の星座たち。ベテルギウス、プロキオン、シリウスを結ぶ冬の大三角の中を流れるのは、冬側の天の川。天の川は星空を一回りしているので、どの季節でも夜のうちには見ることができます。天の川の正体は銀河系という渦巻円盤の形をした星々の大集団。太陽系は中心からずれたところに位置していて、中から周りを見渡すと円盤部分の星が集まって帯状に見え、これが天の川となります。冬側の天の川は縁の方を見ているので夏側に比べ淡いのは確か。月明りや街明かりを避けてご覧ください。5:23ふたご座の兄の星カストルは、望遠鏡で見ると2つに見える二重星です。重力的に結びついた連星という組ですが、なんとこの2つの星はそれぞれがさらに連星になっています。加えて、少し離れたところに別の連星があり、この連星は先ほどの連星同士の組の周りをまわっています。連星が二組、さらにもう1組の連星で合わせて6連星。肉眼でこれを見ることはできませんが、どんな世界が広がっているか、春の宵空で想像してみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年3月前半から後半にかけての星空案内です。0:45宵の明星は3月半ば過ぎには日暮れ後の空から姿を消します。20日過ぎに内合(ないごう)となり、これを境として日没後の西空から夜明け前の東空に移るので、今年の春以降は明けの明星となります。この内合の時には地球と太陽の間をすり抜けていくわけですが、ぴったり重なると太陽面通過(日面通過)という現象が起こります。太陽面上を黒い金星の姿が通過しますが、大変まれな現象です。2004年、2012年に見られたものの、次は2117年、まだ90年以上先のこと。人によっては一生見ることができないこともある現象です。4:40木星がおうし座の角あたりで輝いています。近くには赤い瞳のアルデバランという一等星。このおうしの顔はまばらに星が集まったヒアデス星団という星の集まりです。散開星団(さんかいせいだん)という種類の天体で、おうしの肩あたりにあるプレアデス星団も同じ散開星団です。プレアデス星団の方が遠くにあるので小さく固まって見えます。また、ヒアデス星団のほうが星団としての年齢が上なので、時間経過とともにばらけてきたこともあり、同じ種類とはいえ見え方は異なっています。7:27プレアデス星団の和名はすばる。このすばるの星々が半月手前の月に隠される「すばる食」と呼ばれる現象が3月5日に起こります。双眼鏡で見ていると、月の光っていない夜の側にすばるの星が次々に隠されていくのがわかります。午後10時ころから夜半に月が沈むまでと時間はかかるので、じっくりご覧ください。恒星は遠くにある点と考えることができるので、隠れるときには一瞬で消えます。普段は気づかない、星空に対する月の動きを感じてみては。⁠プラネタリウム一夜語⁠⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年2月後半から3月前半にかけての星空案内です。 0:37 日暮れ後の空では宵の明星・金星がよく目立っています。2月15日が最大光度で、条件が良ければ昼の青空の中でも見つけることができるほどですが、この先は徐々に太陽に近づいていきます。天頂近くには木星、東の空には火星も。火星は地球との距離が離れていくため次第に暗くなっていきます。 2:52 南の空に見えている冬の大三角。オリオン座のベテルギウスと、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで作る逆さまの三角形です。シリウスは-1.5等級と星座を形作る恒星の中では現在の地球から見て最も明るい星。2番目に明るいのは、りゅうこつ座のカノープスですが、南に低いため東北以北では見ることができません。北緯35度付近では高度が3度ほど。南の空がよく開けたところで時間を定めて探してみましょう。なかなか見られないため、南極老人星、見えれば縁起のよい星として知られています。 6:50 冬の星座は一等星が多くきらびやかですが、今年は木星と火星も加わり一層豪勢です。このうち、木星や火星は太陽系の惑星で自分では光らない天体。星座を作る星は恒星で太陽と同じく自ら光る天体です。惑星の世界は光の速さで数分~数時間程度であるのに対し、恒星の世界は年単位。一様に見える星空の中に、さまざまな距離からやってくる星の光を感じてみては。 ⁠プラネタリウム一夜語⁠ ⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年2月前半から後半にかけての星空案内です。 0:39 日暮れ後の空でよく目立つ金星。2月15日に最大光度となります。その明るさは-4.9等級、このくらい明るいと昼の青空の中に見つけることもできます。スマホのアプリなどで位置の見当をつけ、太陽光が直接目に入らぬよう物陰に隠れるなどして、青空の中に目を凝らすと白い光の点として見えます。この日に限らず、前後しばらくは観察チャンスの時期で、今は太陽の東側にあり昼以降に南の空で見つけることができます。空が澄んでいることも必要なので、よく晴れた日には挑戦してみてはいかがでしょう。 04:26 おうし座の肩のあたりにあるプレアデス星団。宵空では頭の真上近くにやってきています。肉眼でもぼんやりと光がにじみ、6つくらいの星が数えられるので六連星(むつらぼし)の名前も。和名で最も有名なのは、すばるです。統ばる、一つに集まる、といった意味からきた言葉で、平安時代の清少納言も「星はすばる・・」と枕草子に記しました。 08:14 星雲や星団を集めたカタログに、フランスのシャルル・メシエが作ったメシエカタログがあります。頭文字をとり、Mを付けて表記するもの、たとえばプレアデス星団はM45です。一部該当がないものもありますが、1から110まであるメシエカタログ、その中にはウルトラマンの故郷があるとされるM78も含まれます。オリオン座の三ツ星の近くにあり、反射星雲に分類される天体です。惑星があるような天体ではありませんが、宇宙のどこかにはそんな星があると想像しながら冬空を見上げてみては。 ⁠プラネタリウム一夜語⁠ ⁠ご意見やご感想はこちらへ
2025年1月後半から2月前半にかけての星空案内です。 0:35 日没後の南西の空には宵の明星・金星、ほど近いところに土星が見えています。1月中旬から20日過ぎにかけては、金星と土星が並びあい、日々位置関係が変わっていく様子もわかります。金星は-4.5等級ほど、土星は1等級ほどで、その差は150倍以上にもなります。また土星は今年、環を横から見る位置にきて、環が見えなくなる土星環消失となります。およそ15年に一度のことなので、次の土星環消失は2039年です。 4:04 東の空で目立つのは木星、おうし座の一等星・アルデバランと並び、色味の違いも楽しめます。まだ低く昇ったばかりの火星、こちらは赤みがかった色。今はふたご座のカストル・ポルックスの兄弟星と並び、さながら三つ子のようでもあります。 5:33 今年は宵空に4つの惑星が見えていますが、来年の同じ時期には火星と金星は見えなくなっています。太陽系の各惑星はそれぞれ回るスピードが異なり、星空の中での動きも違います。トラック競技で例えると、地球と横並びになってから、次に追いついて並ぶまでにかかる時間が会合周期。遠い惑星は動きが遅くて会合周期が1年に近く、ほぼ翌年でも同じように見えます。けれど地球に近い惑星は地球とスピード差がそれほどないため会合周期が長く、火星では2年2か月もあります。一年たつと、見えている位置がずいぶん変わってしまうのです。 9:40 東側に広がるのが冬の星座たち。明るい一等星が多く、冬の大三角、冬の大六角(冬のダイヤモンド)などの目印も作れます。今年はここに木星、火星の輝きが加わっているので、なお賑やかです。 12:23 1月20日が大寒、一番寒い時期です。1902年1月25日には郷里・旭川で日本の最低気温-41℃を記録しました。ただ次の二十四節季は2月3日立春です。暦では確かに春が近づくころ、凍てついた空の星の輝きを楽しんでは。 ⁠プラネタリウム一夜語⁠ ⁠ご意見やご感想はこちらへ
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