「でたらめ」
Update: 2022-10-28
Description
きまって君は、右側を歩く。理由を聞いたことはないけれど。ガードレールのない道の車道側を歩かせたくなくて、僕が右に寄ると「いいのっ」と繋いだ手だけ強く握り返してくる。
和食?中華?イタリアン?今の気分を聞けば大体いつも本気で悩み、項垂れる彼女は例えるなら「遊園地」かな。
一つに決められない…いや違うな、魅力的などれもこれもを全て詰め込みたくて、なんとか最後は形にしてしまう。嫌いなものや見たくないものはそこには一つもなくて、夜にはキラキラした電飾が彩られる。僕はそういう彼女の世界が好きで、そこに迷い込みたくて、いつも探していた。ほんとの君は、どこにいるかなって。
僕は、君にとってどんな場所かな。そんな風に聞いたところで、「実家…かな!」とか返ってきそうだから絶対聞かないけれど。
いつも二人はサイコロのように。どちらかが1なら、その片方は6に。いつも7を出せる二人でいようね、なんて話してた。
いつも君は、頑張ってる。知ってるよ。
5の時、自分で6にしなくていいんだよ。
少ない数字を無理矢理転がって、塗り替えようとしないでいいんだよ。
僕は知ってる。2の自分をなんとか転がして、結局1になってしまう時の君も。
君が2なら、僕が5に。
君が1でも、僕が6に。
君が自分を許して、少ない目を愛せた時、
その裏側に僕が居たらな。居れたらいいな。
でたらめで、いいんだからさ。
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