【作曲練習】きょうの3分ベースライン。1音を選ぶ試行錯誤。
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最近つくったベースラインを紹介します。練習練習。ベースをつくったことはいままであまりなかったせいか、どんなラインができあがってもいつも新しい発見がある。楽しいです。
前半はオーソドックス、後半は派手に
ごりごりマイナー調Emキーの曲です。最初はコードのルート音から1音ずつ上行していきますが、4小節目終わりぐらいから動きを見せはじめ、そのあとはかなり派手にあっちこっち移動するようにつくってみました。

意識したポイントは、コードチェンジのときの進行を半音で行うこと。4,5,6,7,8小節のコードチェンジは全部半音上行か下行になっています。
あとは5小節目のEmは3rdの音を連続して使って、不安定感が出るように。次の6小節目で一気に下行して、7,8小節で下からむくむくと盛り上がるように。
こんなことを考えてつくったのですが、実際はどう聴こえるのでしょう。ほかの楽器との兼ね合いもあるとは思うけど。
7小節目の思考回路
迷ったのは、7小節目。このフレーズをどういう考えでつくったかを説明します。
- まず、ここの基本コードはCなので、1拍オモテはC音だ。
- 8小節目の最後は一番の山なので、そこに向かって盛り上げたい。
- そこで、下行は一気にベースの最低音Eまで下がることにした。
- 下行が短6度の跳躍だったので、上行は半音を使おう。
- この小節のコードはCだから、その構成音のどれかを、3拍オモテで踏んでおきたいな。
- よし、3拍オモテは(食ってはいるけれど)G音にしよう。
- そうすると、E音の次はF、F#、GとすすめばOK。
ここで次の小節の1拍オモテの音を考えます。
- コードはDだからやっぱりD音かな。
- 7小節目の3拍オモテでG音まで上がってきた。
- 8小節目1拍オモテのD音までの5度をどうつなごう。
- D音の直前は半音進行でいくと、C、C#だ。
- これだと4拍オモテもコードトーンのC音を踏めるし。
つなぎの音をどうするか
ここまででできたフレーズはこれです。あと1音ですね。

でもこの3拍ウラの1音がとても難しかった。G音からC音の間の音ならどれも合いそうな気がする。
それでは… 全パターン試してみましょう!
B音

悪くはなさそう。
A#音

これは違う。唐突に出てくるダイアトニック外音は違和感たっぷり。
A音

まあ、ありか?普通な感じ。
G#音

ぼくはこれを選びました。これもダイアトニック外音なんだけど、直前のG音とつながってそれほど違和感は感じない。あと、G#音からC音って長3度の開きがあるんですよ。ここで跳躍を稼げるのがいいなと思いました。
ちなみに最初に書いたB音の場合も、長3度の跳躍なんですが、跳躍後の半音上行が少し「もたる」なと感じたので却下です。さきに跳躍するかあとで跳躍するかの選択で、後者を選んだとも言えますね。
完成です
実際フレーズをつくっている最中は、こんなに論理的に考えているわけではありません。「なんとなくこっちのほうが気持ちいい」にしたがっていることが多い。
でも、つくり終えたあとでこうして振り返ると、ちゃんと理由が付くんですよ。あたまの隅っこでは結構論理的な選択をしているのかもしれないですね。
補足
このベースラインづくりでは、リズムは一定という前提のもとに考えています。散漫な印象にしたくなかったのでリズムは変えないようにつくりました。リズムを崩すとまた全然違った可能性が見えるでしょう。