【作曲練習・実例あり】メロディの終わり方比較。ドで終わる場合、ミで終わる場合
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メロディについて簡単な分析をしてみましょう。今回はフレーズの終わり方。きちんと落ち着くような終わりのフレーズがあって、最後の1音だけ変えてみます。こうやって字で説明するより聴いてもらった方が早いと思うので早速いきましょう。
その前に
なるべく難しい音楽理論の用語は使わずに、感覚でわかるようにしたいというのがぼくの考えです。理論の用語がややこしすぎるからコードは難しいと思われている面も少なからずあります。ですから理論的に立ち入った話はあまり出てきません。詳しく知りたくなった方は、音楽理論とかコード理論でぐぐると新しい世界が待っていますよ。
ドで終わる場合
まずこちらを聴いてみてください。楽譜もどうぞ。

どんな印象を持ちますか?音楽の最後によくありそうなメロディだと言ってもらえると嬉しいです。もちろんそう思わなくても全然かまわないのですが。まあこれはフレーズの終わりの部分と言っていいでしょう。
ミで終わる場合
ではこちらはどうでしょう。

最後の音だけ違います。これはどんな印象でしょう?さっきのと比べると、「終わった感」は強まったか弱まったか。
…
微妙なところといえばそうかもしれませんが、「終わった感」は弱まっています。以下少しだけ理論の話をするので、読み飛ばしていただいてもけっこうです。
上で挙げた例はハ長調(Key=C)で、コード進行は Dm→G7→C で共通しています。ここにメロディが乗ってくるわけです。2つの例で最後の音がド(ハ長調における主音)の場合とミ(主音から三度上の音)の場合を比較しました。
このドとミはどちらも、最後のコードであるC(構成音はド、ミ、ソ)に含まれる音のため、フレーズが落ち着く印象は与えるのですが、その落ち着き具合にも差があるよ、という話。
ミで終わる場合、発展形1
さて、ミで終わる場合の終わり方がちょっと弱い、という話でした。ではこうしたらどうでしょう。

ミで終わる場合とドで終わる場合をつなげました。ミの方ではなんとなく終わりきれず、思わずもう一回フレーズを繰り返してしまった。そしてドでちゃんと落ち着いた。よかった。という印象です、ぼくは。そしてこの音源、なんとなく威風堂々の香りがする。
ミで終わる場合、発展形2
パターン2です。
音は変えずに、リズムを最後だけゆっくりにしてみました。リズムを変えないときよりは落ち着いた印象になってると思います。曲の終わりに出てきても全然不思議じゃない。
身体がさき、理論はあと
いかがでしたか。メロディのたった1音だけ変えただけなのにずいぶん印象が違う、というのを体感してもらえたならこの記事の狙いは達成されました。難しそうな理論(本当は難しそうに見えるだけ)は知らなくても、身体で理解できてしまうのが音楽のおもしろいところ。この身体的理解を説明したのが理論ということになります。だから身体がさき、理論はあと、なんです。
少しでも興味が湧いたなら、簡単なコード理論の解説を読んでみてください。たのしいです。