【音声編集】MAの重要性【YouTuber必見】
Description
MAとは
MAとは「Multi Audio」の略称で、映像に合わせてBGM・音声・効果音のバランスをとったり、調整をすることを言います。
Multi Audioという言葉は日本特有のガラパゴス名称で、海外では「audio post production」
や「audio suite」などと呼ばれています。
ポスプロっていうのが混乱しない呼称な気がします。
MAの重要性
最近は一般の方でもYouTubeなどで動画制作をする方が増えてきましたが、
せっかく頑張って映像を作っているのに音が蔑ろになっているケースが散見されます。
- BGMが大きすぎて音声が聞こえない
- ノイズが乗っている
- ところどころで音が大きかったり小さかったり波が激しい
- BGM・音声・効果音が同時に鳴った時、カオスになっている
これらを改善する事でコンテンツ自体の魅力がぐっと増します。まじ卍。
MAの基本
- 編集
- 整音
- ミックス
MAの基本はこの3つ!
この3つをしっかり理解しましょう。
編集
映像に合わせてBGM・音声・効果音を切ったり貼ったりして配置します。
その前にフレームレートという言葉をご存知ですか?
動画はフレームという単位で構成されています。
例えば1秒間の映像があったら、静止画30枚がパラパラ漫画のように再生されるという事です。
1秒30フレーム(30fps)
音声編集は30fpsもあれば十分です。
例として、まずは効果音をつけてみましょう。
なんとなく動画を再生してここだ!と思ったタイミングで激しくキーをたぁーんっ!
これが一番やばいやり方です。
ずれるのでやめてください。まじ卍。
一般的な人でも5フレーム以上ずれると、映像と音のずれを認識できます。
感覚が鋭い人は2、3フレームのずれでもわかると思います。
映像に音声をつけるときは、画合わせが鉄則です。
ではこの画像を見てください。
ボタン出現の効果音をつけてみましょう。
左下にタイムコードがあります。
ボタンが完全に出現するのはこのタイミング(1分15秒5フレーム)ですが、
エフェクトがこのタイミング(1分15秒0フレーム)で出ています。
効果音の音と波形をチェックしてみましょう。
この3連打の低音効果音を言葉にするとでゅでゅでゅーんとなります。
波形の先頭からくびれが2つありますが、1つの塊がでゅになっているという事です。
まず、ボタン出現エフェクト(1分15秒0フレーム)の位置に波形の頭(効果音の最初のこぶ)を合わせます。
しかし、実際のボタン出現(1分15秒5フレーム)は5フレーム後になるのでこのタイミングで3つ目の音でゅーんが鳴るようになっているのが一番気持ちイイです。
今回は映像に合わせて効果音を作っているのでこれでタイミングがばっちり合います。
このように、なんとなくではなくて映像と波形を視認しながら作業を進めていきましょう。
ボタン出現は動画の1:15 くらいで確認できます。
編集のポイント
でゅでゅでゅーんがちゃんと画にでゅん!
画合わせでタイミングを合わせる時に1つ注意点があります。
低音は遅く聞こえ、高音は早く聞こえるという性質があります。
しっかり画合わせしてるのに低音が遅れて聞こえる事がたまにあります。
そんな時は画よりも少し早く音を配置してみましょう。
整音
整音は2つの要素があります。
- 音量
- 音質
まず音量から説明します。
これは音声の波形です。
このように音声を普通に収録すると音量の大小が生じます。
これを均一にする事で聞き取りやすい音声になります。
やり方は、気になるところをぶつ切りにしてピンポイントで編集していきます。
- 不要部分(喋ってないところ・ノイズ)を切りとる。
- 聞き取りづらい小さい波形を上げる。大きすぎるところは下げる。
- フェードを書く
フェードって何?
フェードアウトって言葉はよく聞きますよね?
急に波形が切れているところを徐々に音量変化させてあげることでノイズを防ぎます。
こうしておおまかな調整が済んだらコンプレッサーという魔法の機械が登場します。
コンプレッサーは圧縮機という意味です。
平たく言えば、小さい音量を上げて大きい音量を下げる効果があります。
意味がわかりませんよね?
わかりやすく説明します。
嘘だっ!正しくはたぶんこういう事です。↓
コンプレッサーを通った小さい音も大きい音も背丈(音量)が均一になってますよね?
次は音質の話です。
これは男性音声の周波数分布図です。
横軸の数値が周波数を意味しています。単位はHz(ヘルツ)です。
値が小さい方が低域。
大きい方が高域です。
音質の整音で大切なことは不要な帯域を削ることです。
男性音声の場合は100Hz以下の帯域はバッサリカットしてしまっていいでしょう。
女性音声は200Hzくらいまで切ってもいいかもしれません。
100Hz以下はノイズや聴感上邪魔になる音になっています。(あくまでも音声の話)
低音を削ることをローカットといいます。
ローカットすることでBGMや効果音を邪魔せずに済みます。
また、コンプをかけた時に余計な低音が大きくなることを防げます。
これはEQ(イコライザー)というエフェクターでローカットしている状態です。
ローカット以外にもいろいろな技術がありますが、ローカットが最重要です。
ローカットさえしていれば最悪の事態にはならないでしょう。
最後にマスキングについて
同じ周波数を持つ音が同時に鳴ると打ち消しあうという現象です。
例えるなら、声が低いお笑い芸人の麒麟・川島さんが2人いて、同時に喋ったら何言ってるかようわからん。という現象です。
じゃあどうすればいいのか。
極端な例ですが、川島さんの1人を声が高い林家パー子さんに変えてしまいましょう。
するとどうでしょうか。
たぶんよくわかりません。
ですがこれがMAの場合はとても有効な手段なのです!
よーするに、似た帯域のものは一緒に鳴るとやばい!とだけ覚えておいてください。(無理やりまとめる)
整音のポイント
音量を均一にする!
不要な帯域を削って音質を整える!
川島2人まじやばい!
ミックス
ようやく最後のミックスです。
ここまで編集と整音をして出来上がったBGM・音声・効果音。
これらの音量バランスをとることがミックスです。
ここで問題です。
Q1. BGMと音声と効果音が同時に鳴ったとき、1番大きく聞こえないといけないのはどれ?
正解は、音声です。
次に効果音、BGMの順番になるよう調整しましょう。
(ただし、演出効果としてBGMを1番大きくして音声と効果音を埋もれさせる手法もあります。)
Q2. 音声が小さくて聞こえない。さあどうする?
A:音声の音量を上げる
B:ハンドスピナーを回す
C:BGMと効果音を下げる
正解は、C:BGMと効果音を下げるです。
音量を上げすぎると音が割れてしまうだけで音声を目立たせる事はできません。
音量が0dbを超えた場合、クリップといって最悪の場合はスピーカーを壊すので注意。
(出力の最終段にリミッターを忘れずに!)
リミッターとは
設定した音量(リミット)以上の音を抑えます。
リミッターさん「こっから先は通さんぞ!」
ここでワンポイントテクニック。ダッキングをご存知ですか?
聞かせたい音以外の音量を一時的に下げるテクニックです。
このように、目立たせたいところを上げるのではなく、他を下げることで音が割れずに処理できます。
ミックスのポイント
譲り合いの心が大切!(優先席はお年寄りに譲る)
愛(ラブ)は足し算、音量バランスは引き算!
以上、MAについて書きました。
一部しか書けませんでしたが、ここに書いてあることをやるだけでも動画のクオリティはあがると思います。(あがるとは言ってない)
読んだけど正直よくわからんしめんどいという方はこちらからMAのご依頼承ります。