Discover吉本隆明の183講演【A142】現代文学のゆくえ
【A142】現代文学のゆくえ

【A142】現代文学のゆくえ

Update: 2015-08-15
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【A142】現代文学のゆくえ


時間:88分

音質:3

ジャンル:文学

講演日時:1992年10月5日

主催:東急文化村/ドゥマゴ文学賞事務局

場所:渋谷・シアターコクーン

収載書誌:未発表


音源について

吉本隆明が選者をつとめた

「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」

の記念講演。

この年受賞作に選んだのは

三田英彬氏による

『芸術とは無慚なもの―

評伝・鶴岡政男』

で、吉本の講演の後には

三田氏による講演があった。

音源は主催者提供。


講演より

現在、高度な先進的社会で流行っている

イメージのつくり方が文学のなかにあります。

「自分の姿が自分で客観的に見えてしまって、

やっている行為自体がぜんぶしらけてしまう」

という描かれ方です。この問題は、引き延ばしてみると

現在の先進的な社会が当面している問題の大きな部分と

共通のところを占めていると思います。

先進的な社会のひとつである日本でアンケートをとると、

89%の人は「自分は中流の生活をしている」という

結果が出てきます。

これはある意味で不気味な数字だし、

たいへんなものだと思います。

世界の先進的な社会で、9割9分の人が

「自分は中流の生活をしている」

という社会がやってくることは、

わりあいに近未来だといったほうがいいような気がします。

それはたいへんな社会です。

どこかでカタストロフィ、破局をつくらないと

文学にはならないでしょう。

「しらけ方」も、破局をもたらすような

描き方を必要とすることになりそうな感じがします。


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