フロー体験
Description
ミハイ・チクセントミハイ『フロー』を最初の方まで読んだ感想を分かち合います。
Mihaly Csikszentmihalyi, Flow: The Psychology of Optimal Experience
https://www.amazon.co.jp/dp/0061339202
**以下はGeminiによる要約です。**
この音声ソースでは、心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏の著書『フロー』が紹介されています。氏はハンガリー出身と推測され、ポジティブ心理学の提唱者マーティン・セリグマンの著作でも言及されています。セリグマンは学習性無力感を提唱し、その対極としてポジティブ心理学を確立しました。
『フロー』の副題は「ThePsychology of OptimalExperience(最適な経験の心理学)」であり、最高の経験や体験について探求するものです。チクセントミハイ氏は、幸福は偶然起こるものではなく、外部の出来事を私たちがどのように解釈するかに関わると述べ、準備し、開拓し、養い、守ることができる状態だと考えています。
「フロー」とは、何かに没頭し、集中している状態を指します。ロッククライマーが岩を登り終えた時の高揚感、芸術家が作曲や演奏に打ち込む時、スポーツ選手が試合で集中している時などに感じられる、心が昂り、完全に没頭する経験が例として挙げられます。チクセントミハイ氏にとって、この「没頭し努力している状態」こそが幸福であり、これを「最適な経験」と捉えて研究しています。
著書では、「プレジャー」と「エンジョイメント」という2つの楽しさが区別されます。
プレジャーは、映画鑑賞や音楽鑑賞のように外部から与えられる一時的な喜びです。これは人を成長させません。
エンジョイメントは、テニスプレイヤーが試合中に疲労を感じながらも積極的に関与し、自分のスキルを使い、集中して活動する中で感じる満足感です。エンジョイメントは人を成長させます。
このエンジョイメント(フロー)の状態を持続させるための重要な条件は、自分のスキルと課題が「ほどほどに釣り合っている」ことです。課題がスキルに対して大きすぎると楽しめなくなり(例:強すぎるテニス相手、難解すぎる本)、小さすぎると退屈になります(例:弱すぎるテニス相手、簡単すぎる問題)。スキルと課題がうまくバランスしているか、少しだけ課題が上回る状態が、最も集中でき、エンジョイメントにつながるとされています。
このフロー体験は、学習においても非常に重要です。苦痛を感じながらの学習は、脳が忘却しようとする力を働かせるため、効率が悪くなります。楽しいと感じながら学習を続けることが、記憶の定着に不可欠です。フロー体験は「複雑さ(コンプレクティ)」の増大につながり、これが自己の成長を意味するとチクセントミハイ氏は語っています。
話し手は英語原版を読んでおり、日本語版の翻訳が難しいとのレビューに触れ、学術書的な翻訳がされている可能性があると指摘しています。




