岡山県倉敷市内に落ちた隕石・富田隕石とH-Ⅱロケットエンジンの話
Update: 2024-03-02
Description
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ
ライフパーク倉敷科学センター 石井です。
今回のテーマは、「倉敷市内に落ちた隕石・富田隕石」の話でした。
これまでに日本国内で発見された隕石は、54個。
ちなみにおよそ100年前
大正5年4月13日 当時の富田村 現在の岡山県倉敷市玉島八島に隕石が落下しました。
「富田隕石」と呼ばれるこの隕石は、日本国内で確認された54個の内のひとつです。
この富田隕石 実物をライフパーク倉敷科学センターにて展示しています。
隕石は、秒速数十キロという速さで地球の大気へ飛び込むため、激しく燃え上がり
熱で溶けた黒い層で表面が覆われているのが特徴です。
石質隕石に分類される富田隕石にもこうした隕石独特の特徴が色濃く残されています。
日本国内に落下した隕石を最も多く保存、展示している施設は、
東京都 上野公園にある「国立科学博物館」です。
国内に限らないのであれば、「国立極地研究所」の南極隕石ラボラトリーが
南極で発見された隕石を1万個以上保有しています。
氷で真っ白な南極でもし石が転がっていたらほぼ確実に隕石ということで
とても見つけやすいのです。
さて、H-Ⅱロケットエンジン(LE-7)についても解説したいと思います。
よく、H-Ⅱロケット・H-ⅡAロケット・H-Ⅲロケットいろいろ聞くかもしれませんが
Hの文字は、液体水素・液体酸素を燃料としているロケットで
元素記号でいうところの”H”ということです。
H-Ⅱロケットは、1990年代に運用されていた人工衛星打ち上げ用の2段式ロケットです。
はじめて国内の技術で開発された純国産ロケットで、その全長は50メートルにおよび
2トンの静止衛星を打ち上げる能力を持っていました。
ライフパーク倉敷科学センターでは、その心臓部にあたる第1段のロケットエンジン
LE-7の実物が展示されています。
LE-7は、液体水素・液体酸素を燃料として、ジャンボジェットのエンジン4機分もの大きな推力を生み出します。
日本の科学技術の傑作とも言われています。
そして、日本の新たな主力ロケット H-Ⅲロケット
2024年2月17日 鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられました。
激しさを増す宇宙ビジネスをめぐる国際競争において
今後の日本の宇宙開発を担う”切り札”として対抗していくことが期待されます。
ここからは、補足とトークになります。
H-Ⅱロケットエンジンの燃料として使われる
液体水素・液体酸素、それぞれどのようにして液体となるのか?
まず、酸素(O2)は、空気中に約20%含まれている気体です。
ちなみに窒素(N2)は約78%・アルゴン(Ar)約0.9%・二酸化炭素(CO2)約0.03%となります。
ここで聴きなじみのない”アルゴン”
アルゴンは、完全不活性(ふかっせい)の特徴を持っていて
電球・金属の溶接・ワインの封入ガスなどに使われています。
ほかに、不活性ガスでは、ヘリウム・ネオンなどといったものが少し聴きなじみがあるかもしれません。
液体酸素
酸素の沸点は、-183℃
酸素を-183℃よりも低い温度まで冷やすと液体になります。
逆に、-183℃よりも高い温度になると気体になります。
液体水素
水素の沸点は、-253℃
水素を-253℃よりも低い温度まで冷やすと液体になります。
逆に、-253℃よりも高い温度になると気体になります。
H-Ⅱロケットは純国産にした理由として
・日本に宇宙ロケットを開発できるほどの技術があることを示すため
・国産化することでコストカット
↓↓
後継機H-ⅡAロケットでは、50号機の打ち上げを最後に退役となった。
7号機から40機連続で打ち上げ成功。
打ち上げ成功率は、約98%
↓↓
H-Ⅲロケットへバトンタッチ
日本は、20年の間に50機 年間に3回打ち上ればいいほうといった感じだった。
H-Ⅲロケットでは、コストカット・量産を目指していると思います。
H-Ⅱロケットは、基本2段+サイドにブースター(打ち上げの初速をつけるため)
真ん中は、液体水素・液体酸素を燃料としていて
ブースターは、固定燃料。
打ち上げ後、1段目が切り離される。
1段目・2段目は同じロケットエンジン・燃料も同じ。
2段目の役割としては、軌道を変えたり・軌道修正などをするため。
さらに、地球の重力を振り切って惑星や小惑星に向かう場合は、
3段式や4段式が多い。もしくは、人工衛星側に重力を振り切るような機能を持たせている場合もある。
以上解説は、ライフパーク倉敷科学センター 石井さんでした。
ライフパーク倉敷科学センター 石井です。
今回のテーマは、「倉敷市内に落ちた隕石・富田隕石」の話でした。
これまでに日本国内で発見された隕石は、54個。
ちなみにおよそ100年前
大正5年4月13日 当時の富田村 現在の岡山県倉敷市玉島八島に隕石が落下しました。
「富田隕石」と呼ばれるこの隕石は、日本国内で確認された54個の内のひとつです。
この富田隕石 実物をライフパーク倉敷科学センターにて展示しています。
隕石は、秒速数十キロという速さで地球の大気へ飛び込むため、激しく燃え上がり
熱で溶けた黒い層で表面が覆われているのが特徴です。
石質隕石に分類される富田隕石にもこうした隕石独特の特徴が色濃く残されています。
日本国内に落下した隕石を最も多く保存、展示している施設は、
東京都 上野公園にある「国立科学博物館」です。
国内に限らないのであれば、「国立極地研究所」の南極隕石ラボラトリーが
南極で発見された隕石を1万個以上保有しています。
氷で真っ白な南極でもし石が転がっていたらほぼ確実に隕石ということで
とても見つけやすいのです。
さて、H-Ⅱロケットエンジン(LE-7)についても解説したいと思います。
よく、H-Ⅱロケット・H-ⅡAロケット・H-Ⅲロケットいろいろ聞くかもしれませんが
Hの文字は、液体水素・液体酸素を燃料としているロケットで
元素記号でいうところの”H”ということです。
H-Ⅱロケットは、1990年代に運用されていた人工衛星打ち上げ用の2段式ロケットです。
はじめて国内の技術で開発された純国産ロケットで、その全長は50メートルにおよび
2トンの静止衛星を打ち上げる能力を持っていました。
ライフパーク倉敷科学センターでは、その心臓部にあたる第1段のロケットエンジン
LE-7の実物が展示されています。
LE-7は、液体水素・液体酸素を燃料として、ジャンボジェットのエンジン4機分もの大きな推力を生み出します。
日本の科学技術の傑作とも言われています。
そして、日本の新たな主力ロケット H-Ⅲロケット
2024年2月17日 鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられました。
激しさを増す宇宙ビジネスをめぐる国際競争において
今後の日本の宇宙開発を担う”切り札”として対抗していくことが期待されます。
ここからは、補足とトークになります。
H-Ⅱロケットエンジンの燃料として使われる
液体水素・液体酸素、それぞれどのようにして液体となるのか?
まず、酸素(O2)は、空気中に約20%含まれている気体です。
ちなみに窒素(N2)は約78%・アルゴン(Ar)約0.9%・二酸化炭素(CO2)約0.03%となります。
ここで聴きなじみのない”アルゴン”
アルゴンは、完全不活性(ふかっせい)の特徴を持っていて
電球・金属の溶接・ワインの封入ガスなどに使われています。
ほかに、不活性ガスでは、ヘリウム・ネオンなどといったものが少し聴きなじみがあるかもしれません。
液体酸素
酸素の沸点は、-183℃
酸素を-183℃よりも低い温度まで冷やすと液体になります。
逆に、-183℃よりも高い温度になると気体になります。
液体水素
水素の沸点は、-253℃
水素を-253℃よりも低い温度まで冷やすと液体になります。
逆に、-253℃よりも高い温度になると気体になります。
H-Ⅱロケットは純国産にした理由として
・日本に宇宙ロケットを開発できるほどの技術があることを示すため
・国産化することでコストカット
↓↓
後継機H-ⅡAロケットでは、50号機の打ち上げを最後に退役となった。
7号機から40機連続で打ち上げ成功。
打ち上げ成功率は、約98%
↓↓
H-Ⅲロケットへバトンタッチ
日本は、20年の間に50機 年間に3回打ち上ればいいほうといった感じだった。
H-Ⅲロケットでは、コストカット・量産を目指していると思います。
H-Ⅱロケットは、基本2段+サイドにブースター(打ち上げの初速をつけるため)
真ん中は、液体水素・液体酸素を燃料としていて
ブースターは、固定燃料。
打ち上げ後、1段目が切り離される。
1段目・2段目は同じロケットエンジン・燃料も同じ。
2段目の役割としては、軌道を変えたり・軌道修正などをするため。
さらに、地球の重力を振り切って惑星や小惑星に向かう場合は、
3段式や4段式が多い。もしくは、人工衛星側に重力を振り切るような機能を持たせている場合もある。
以上解説は、ライフパーク倉敷科学センター 石井さんでした。
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