第28回:九鬼嘉隆とWiz Khalifa「キングダム」
Description
始まりました、DDJH~ディグディグ日本史~です。
この番組は、日本史と HIPHOPカルチャーの2つをリンクさせ、ゆるく掘り下げていく番組です。 この番組で話す歴史のことは全て個人の見解です。ゆるくお聞きください。
今回のテーマは「キングダム」です。九鬼嘉隆とWiz Khalifaをディグります。
■九鬼嘉隆(クキヨシタカ)とは?
伊勢志摩(現在の三重県)出身の海賊王です。水軍という集団を組み、伊勢湾を船を使った貿易や武装をして戦いをしていた。無闇に人を攻撃せず、基本的には商売をしていた。そのリーダーが九鬼嘉隆です。織田信長のめかけもあり九鬼嘉隆一味は、彼の水軍として活躍しました。
■Wiz Khalifa(ウィズ カリファ)とは?
彼は日本でも有名なラッパー。現代メインストリームの帝王とも言えるのではないか。「ワイルドスピード7 スカイミッション」see you againのラップ部分を担当している。スヌープドッグの弟分的存在。
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今回も彼らについて3つのカテゴリーに分けました。1.マッチョな家柄 2.クルー感 3.ワールド・レコード
マッチョな家柄
■九鬼嘉隆
彼は、現在の三重県に位置する志摩の国に生まれる。
志摩をまとめていた北畠氏(大名)に着くに7人衆、「志摩海賊7人衆」が存在し、九鬼家はその1つでした。
九鬼家は波切衆(なみきりしゅう)という風にも言われ、伊勢でも有数の海軍(=軍隊)であった。九鬼嘉隆は、独立武装集団を仕切る家の息子である。
■Wiz Khalifa
彼の父親はアメリカ軍の軍院。父の仕事の関係で小さい頃から、アメリカ国内だけでなく外国を転々としていた。最後にたどり着いたピッツバーグに落ち着き、この地で才能を認められて出世していく。
二人とも、バックグラウンドに父親が軍の人間である。
クルー感
二人ともクルーを持っている。
■九鬼嘉隆
九鬼嘉隆の九鬼水軍は織田信長の直轄水軍となり、織田信長の対抗勢力たちをぶっ潰していくっていくのだが、それまでに悲しい戦いがあった。
九鬼水軍は、伊勢でも強い水軍でした。先ほど、志摩海賊7人衆のお話をしましたが、もうひとつ集団があり、それが「志摩地頭13人衆」でした。
その中でも九鬼家は強力な存在でした。海は水軍、地頭は陸の軍団ですので2つ集団の中でも上位の勢力でした。
志摩地頭13人衆の九鬼を除いた12人衆と、当時三重をまとめていた北畠氏が九鬼家をやっかみ、みんなで袋たたきにして潰そうとした。
それにより九鬼家の当主であった九鬼嘉隆の兄は殺され、兄貴の息子と残りのメンバーで志摩から逃げ転々と暮らす日々が始まる。
そんな中、甲賀に成り上がった織田信長の手下である滝川一益 が、九鬼の水軍を海賊の知恵を持ったクルーとして注目し自分の部下につけた。
右葉曲折あるが、クルーとして一丸となり水軍として生き続けている。
織田に仕えた後は豊臣秀吉の部下となり、朝鮮出兵をして外国との対外試合をすることとなる。このことで日本をレペゼンする水軍になった。
■Wiz Khalifa
ソロでも十分に有名ですが、「Taylor Gang 」というクルーがある。
トラックメーカー、アート、デレクション、アパレルをしているクリエイティブ集団です。
ウィズカリファが売れてからも同じ志を持ったメンバーが加入していたりもする。
ソロで活動していますが、テイラーギャングとしてのクルーを押し出しています。
MVにしても、外注で制作するアーティストが多い中、全て自社で製作ができますし、その他グッズも製作できるためaylor Gangで複合的なビジネス展開をしている。
今では会社になっていますが、連れが集まって運営をしている感じです。
ワールドレコード
■九鬼嘉隆
志摩では九鬼海賊が最強ということでしたが、中国地方には和田竜著の『村上水軍の娘』でも描かれている有名水軍の村上水軍がいた。中国地方を制する毛利家が村上軍を味方につけ、毛利・村上は戦国で最強タッグと言われていました。
毛利側は大阪湾経由で石山本願寺に武器の提供をし、石山本願寺のバックアップをていました。
そんな状況が続き、石山本願寺に目をつけられていた織田は九鬼水軍に石山本願寺サイドをを倒すよう命ずる。
これが、第一次木津川河口の戦いです。
織田・九鬼連合軍vs毛利・村上連合軍といった模様だ。この結果、第一次木津川河口の戦いでは、織田・九鬼連合軍は大敗をしてしまう。いくつかある敗因の中に挙げられるのは、毛利村上側が火器での攻撃に対して、防災設備が整ってない九鬼の船は燃やされてしまったのである。
このままでは終われない織田信長は九鬼嘉隆に相談し、木製の船でなはかなわないと判断したので、木の上に鉄を貼るという世界初の鉄甲船を作らせる。。
巨大鉄甲船を6隻作り、第二次木津川河口の戦いを挑むのである。織田軍6隻vs毛利軍600隻で圧倒的な船の数の差があり、さらに砲撃を仕掛けてくるが、この勝負は織田九鬼軍に軍配があがった。そして村上水軍を抑え日本ナンバーワンの海賊は、九鬼軍になった。
ここで注目したいことは鉄甲船を作るまでの期間です。
1576に第一次、1578年で第二次の戦いですので鉄甲船を造ったのは約2年です。この時代の短い期間に初めて作る鉄甲船を完成させたことも想像以上に大変なことではないか。信長は商売でうまくいったため、そのお金を元手に材料・人材集めができたのではないかという背景がある。
■Wiz Khalifa
「See You Again」(2015年)が大ヒットする!ミュージックビデオが、YouTubeでの視聴回数が28億9,500万回を超えて、それなで4年以上トップだったPSYの「Gangnam Style(江南スタイル)」を破り、同サイト史上最も視聴されたビデオとなった。
現在は– Luis Fonsi ft. Daddy Yankee「Despacito」 やエド・シーラン「Shape of You」に抜かれたが、Youtubeの再生回数のトップ10に入ってる唯一のラッパーである。
この凄さは、幅広い世代に聞かれているポップアーティストがいる中で、ヒップホップは比較的狭いジャンル。旧来のファン以外の普段ラップを聞かない人にも聞かれるということではないでしょうか。
なぜここまで再生回数が伸びたのか。それは、ワイルドスピード7のラストシーンに使われたことが大きな原因ではないかと思う。ウィズカリファは2006年デビューですので、実際にオファーがあったのは映画が公開するずっと前のことですが、映画公開の2015年の時点で十分なキャリアはあった。
ワイルドスピード(邦題)は、大ヒットシリーズのカーアクション映画です。シリーズ7の撮影時に主演のポールウォーカーがプライベートな自動車事故で亡くなり、この映画はポールへの追悼の映画になった。特に印象的なのが、ラストシーン。「see you again」が流れるシーンです。
亡くなったポールウォーカーの代役で彼の実の弟がブライアンとして演じた。ブライアンとドミニクが愛車を並行して走るシーンで、ブライアンのアップをCGで表現されている。これが絶妙な違和感を残していて見ている人にはわかる。
その瞬間に曲の最も盛り上がるメロディー流れる。映画を見ている人は、ブライアンではなくその瞬間だけポールがもうこの世にいないことを痛感させられる。最後は分かれ道があってそこで二人は別れる。この演出の良さと、そこで流れるsee you againメロディーと歌詞が、切なさを感じさせて大きな話題をよんだ。
九鬼嘉隆とウィズカリファから学べることは、「クルーで活動することでのクリエイテビティー」です。自分の信頼できる仲間たちを大切にし、共にスキルをあげ、結果を残していく。一人では成し遂げられないことをクルーと協力している。
ボスを理解をしているメンバーがいることで、個性を引き出したより良いものを生み出すのではないでしょうか。今回のテーマは「キングダム」ということで、九鬼嘉隆とウィズをディグりました。
<告知>
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■Representで『ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?』というアメリカのラップのリリックに関するコラムを書いています。
ストリートカルチャーの記事があるので興味のある方は是非、チェックしてください!!
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