#20 映画『覇王別姫』 中国近代史の激動と京劇。主権勢力が変わるたびに翻弄される貧困層出身の少年の半生を見事に描いてくれた作品です。
Update: 2025-09-25
Description
突然すぎですが、中国映画って見ますか?
古い映画ですがとてもおすすめなのが、この『覇王別姫』。
1993年公開らしいので、すでに30年以上経ちますが、中国史のハイライトの一部でもある項羽の最期を描いた京劇の演目「覇王別姫」が日本語版タイトルになっています。
物語は 20世紀前半から後半にかけての中国 を舞台にしています。ゆくゆくは京劇のトップスターになる(そして転落する)主人公たちの半生を通じて、中国の激動の歴史を描き出しています。
辛亥革命後の軍閥の時代、日中戦争から日本占領期の北京、中華人民共和国成立後、新政権のもとで京劇が迫害され 文化が"再更生"される姿…。文化大革命(1966〜76)で、伝統芸能や知識人が厳しく弾圧される時があったことは教科書で習ったり、アイ・ウェイウェイの展示会でも少し齧ったりしましたが、映像で描き出されたものは凄まじかったです。
少年たちは成長し、厳しい訓練の成果もあり見事スターになるのですが…。
知識も乏しく操られやすい多くの群衆が、一部の知識層を追い込む、そんな一幕もあり、今多くの地域で起こっている衆愚政治や世界全体の右翼化なども考えさせられました。
肝心の『国宝』はまだアメリカでは見られません。来年くらいに映画館でやってくれるといいのにな〜と思っています。
項羽と劉邦についても少し知りたいなと思い、コテンラジオの該当回を聞き始めました!難しい…
▼ 『覇王別姫』
Amazom Prime(日本)はこちら。
カンヌ国際映画祭 1993年:パルム・ドール(最高賞)受賞
ゴールデングローブ賞 1994年:外国語映画賞受賞
アカデミー賞 1994年:外国語映画賞・撮影賞にノミネート
Comments
In Channel