200年後の舞台に影響を与えるノベーション(1643回)
Description
又吉直樹さん脚本、市村正親さん主演の、音楽劇エノケンで、喜劇王の凄まじいパッションと秘められた思いに、めちゃくちゃ感動しました
演出家のシライケイタさん曰く
"稀代の喜劇人であるエノケンの人生を辿る旅は、想像を超えて険しく、苦しいものなのだと実感しています。それは、エノケンが観客や視聴者に見せていた芸人としての表の顔の裏側に、筆舌に尽くしがたい悲しみと苦しみを抱えていたからに他なりません。"
"劇中でエノケンと仲間たちが夢見た「いつかきっと時代なんか気にせず、客が思いっきり楽しめる芝居を作りたい」という切実な思い、そして親友の菊谷榮がエノケンに言う「ケンちゃんの思いが、百年後、二百年後の舞台に影響を与える」という言葉。
又吉さんの書かれたこれらの台詞が、当時の演劇人たちと現在の我々を強く結び付ける、見えない糸でした。
その糸を手繰って進むうちに、彼らの思いに照射されるように「我々は今、命の限り精一杯生きているか?」という問いかけが、鋭い刃になって胸に刺さり続ける稽古場でした。"
ここから私は思いました
1、脱出パッション
2、200年後への大義
3、生き様を遺せるか
1、脱出パッション
音楽劇エノケンは、めちゃくちゃ泣きました。素晴らしい物語と、そして俳優の皆様の迫力の演技、さらには素晴らしい音楽、美術、セット、全てにおいて、観て良かったと心から言える作品でした
特に、エノケンさんが、戦時中の制限された中、自らの病や、家族や仲間との関係など、本当に筆舌しがたいほどのハードシングスを抱えて、それでも諦めずに前に進み、人々に笑いを届けようとしていた姿には、強く心を打たれました
これは、もちろん、喜劇が大好きパッションは異常に強かったのかと思いますが、それに加えて、ハードシングスを、何とか乗り越えてやるという、脱出・成長パッションが半端なくあったのかと思いました
大好き、利他、個性、脱出などあるパッションの源の中でも、最も激しく力強いバネを持つのが、脱出パッションだと改めて思いました。コンプレックスや逆境があるからこそ、激しく飛び上がることができる、改めてその強さと美しさを思いました
2、200年後への大義
シライケイタさんのお話にもある通り、200年後の演劇に影響を与えるほどの、喜劇をやるんだ!というその大義があったからこそ、さまざまな人たちを仲間として巻き込むことができたのだろうなと思いました
エノケンさんが活躍されたのは、昭和の初期になるので、まさに、今から数えると約100年前にあたることになり、まさに我々の生きている時代、さらには、今から100年後へも続くメッセージを届けるという、長期の大義やビジョンは、今の自分たちに直接突き刺さるなと思います
人をいかに笑わすか、楽しんでもらうか、そして、そのためには何もかもかなぐり捨てて、ハードシングスにも決して歩みを止めず、最後の最後まで諦めない
そんなエノケンさんの200年後までつながる、大いなる大義は、今の私の心を軽々と貫いて、今の自分は何をすべきかを、考えさせてくれるものだと思いました
大いなる大義とは、その時代のたくさんの仲間だけでなく、時間を超えてまでも、人を動かすことができる、そういう物なのかもしれないと思いました
3、生き様を遺せるか
能や歌舞伎、さらには老舗と言われる何百年続く活動は、全てにおいて、数100年変わることのない大いなる大義があるのかもしれないと思いました
その大義の中で、後世へ繋げるための、自分はどんな生き様を遺すことができるのか、何を繋ぐことができるのか、そんなことを人の一生を超えて、大義へ近づこうとする、そんな生き様を果たして自分は生きることができるか
内村鑑三さんの、後世への最大遺物や、ヨーゼフボイスさんの社会彫刻、のような、何かを少しでも引き継いでいくことができる、そんな活動ができれば、素敵な人生と自分で思えるかもしれないなあと、そんなことを思いました
一言で言うと
200年後の舞台に影響を与えるノベーション
そんな話をしています^ ^
参考:音楽劇エノケン 脚本 又吉直樹、演出 シライケイタ 主演 市村正親、松雪泰子他 プロデユーサー 吉永千紘 飯田千佳奈 齋藤安彦 制作 ホリプロ、東宝 https://enoken-stage.jp























