#84|句集偏愛 -手前勝手に読み耽る-『獣の時間』Vol.1
Update: 2025-11-28
Description
偏愛のまなざしで語る「句集偏愛」シリーズ、
今回潤々とめぐみが取り上げるのは、北海道在住の川柳作家・一家汀(いっか・なぎさ)さんの句集『獣の時間』です。
傷つきながらも言葉を手放さず、どこかで誰かが生き延びていることを願うような句たち。強さと脆さ、冷静さと情熱が同居するその世界を、二回に分けて読み耽ります。
六章から成る句集のうち、Vol.1では
🕊️「夜の鳥」「透明」
🤝「綱引き」
の三章を中心に紹介。
極限まで自分を見つめた句、他者との距離に揺れる句、そして、それでもなお、言葉として結ばれた句。
真っすぐで、切実で、それでいて凛とした川柳たちを、今回も勝手に偏愛してまいります。
生きている 短い紐を結び継ぎ
広い広い空を切り裂くとき無敵
リボンひらひらSOSを叫んでる
透明な体に嘘という背骨
座りたくなかった生き残りの椅子だ
人形の目が美しく死んでいる
有罪と一斉に言う百の月
一家汀さんX:@Ikka_nagisa
現代川柳 群蝶:https://senryu-guncho.net/
【獣の時間】紹介:「出版社 港の人」サイト
【オンラインショップ】Amazon
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