Discover残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"ロックオペラ・ノベーション(1689回)
ロックオペラ・ノベーション(1689回)

ロックオペラ・ノベーション(1689回)

Update: 2025-12-06
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舞台:大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』から、作・演出の宮藤官九郎さんの、イノベーターっプリに感動しました


曰く

"う〜ん、ロックオペラって言ってるからには、ミュージカルとはなんか違うんだろうなぁと思っているんですけど。


ただセリフにメロディをつけて歌にするのは嫌なんですよ。独立した楽曲として聴けるものを目指していて。作曲をミュージシャンの人にお願いするのが自分の中での決まりにしていて、バンドで歌を作る人が音楽を手がけるのは、意外とやっている人がいないと思って、3回目から怒髪天の上原子友康さんにお願いしています。"


"う〜ん、どうでしょうね。演奏に専念するミュージシャンやダンサーの方を入れた方がクオリティが上がるのもわかっているんですけど、そうすることでこのムードじゃなくなっちゃうよな、と。そうすると役者は“芝居のプロ”みたいになっちゃうじゃないですか。


私たちは演奏します、私たちは踊ります、私たちはお芝居します、みたいな。そうじゃないの、やれないかなって思って、結果5回も続けているんだけど、毎回メンバーが変わったり、変わらなかったりする、10人ちょいぐらいのバンドのつもりでやってます。"


ここから私は思いました

1、パッション

ミュージカルへのアンチテーゼ

2、仲間

異業種の新結合

3、大義

ロックオペラという新たなイノベーション


1、パッション ミュージカルへのアンチテーゼ

まずは、この舞台の感想を言わせて頂くと、おそらくこれまで観た舞台の中で、1番泣いたと思います。最初から最後までずっと笑いすぎて涙がずっと止まりませんでした。観客を楽しませようというパッションが溢れすぎていて、全ての俳優の皆様からの熱すぎる思いを受け止めるのに必死でした。本当に素晴らしすぎました。


それも、このインタビューにあるように、作・演出の宮藤官九郎さんの想いが、俳優の皆さんに乗り移り、そして、各々のさらなる熱い想いが爆発したため、と私には思えました


セリフにメロディをつけることへの違和感、これがまさにイノベーターが、感じる最初のパッションの源への導火線なんだろうなと思いました。


この違和感に慣れてしまわない、それを想いとしてずっと持ち続けることが、イノベーターへの第一歩であり、世の中のバイアスを壊すイノベーションへのきっかけになると思います


既存の枠組みから抜け出す、ある意味、脱出パッションであり、かつ、どこにもないものを創り出そうとする個性派パッションの炸裂なのかと思いました


2、仲間 異業種の新結合

音楽やダンスの専門家を入れずに、あえて、俳優の皆さんで、演技、音楽、踊り、全てをミクスチャーして一つにまとめていく、というのは、ある意味、一人一人の俳優の中に、様々な要素を融合していく、1人イノベーションの総合体みたいなことが、生まれているような気がしました


俳優の皆さんが、本気で、演技、音楽、踊り、さらには、コメディに、ぶつかっていく姿は、そこまでやるんですか!という熱い想いが迸る新結合が、至る所で生まれている、そんな風に思えました


シュンペーターの言われるところの新結合で生まれるイノベーションは、かけ離れたものであるほど、面白いものが生まれるものと思ってましたが、1人の中に様々なものが入り込むことによって、新たな1人が生まれるというのもあるのだなあと、思いました


そんな新たな一人一人の仲間たちが本気でぶつかり合う、そんな凄さを見せていただいた気がしました


3、大義 ロックオペラという新たなイノベーション

それらをつなぐのは、宮藤官九郎さんの、これまでにないロックオペラというジャンルを、観客の皆さんに楽しんでもらいたい、そんな大義に、スタッフをはじめ、俳優、そして観客までもが、共感しているからなのかもしれないと思いました


だからこそ、宮藤さんも言われていますが、毎回、最高すぎるキャストの方が集まり、もうこれで終わりかもしれない、ある意味、これを超えるものはもうないのかもしれない、と思わせるほどに、素晴らしい舞台として


ロックオペラという、新たなイノベーションを生み出されたのかもしれないなあと思いました


現在のデザインスクールの元祖と言われる、バウハウスを作られた、グロピウスさんが、1919年のバウハウス宣言の中で


すべての造形芸術を再び統合し、建築という偉大な総合芸術へと昇華する。画家も彫刻家も工芸家も、互いに分離していてはならない。諸芸術は、建築という母胎の中でひとつになるべきである。」(『バウハウス創立宣言(Programm des Staatlichen Bauhauses in Weimar, 1919)』)


と言われていますが、まさに、ロックオペラという母胎の中に、俳優も音楽家もダンサーもコメディアンも、一つになった、そんな舞台のような気がしました


一言で言うと

ロックオペラ・ノベーション

そんな話をしています^ ^


参考: 舞台:大パルコ人⑤オカタイロックオペラ

『雨の傍聴席、おんなは裸足…』: 作・演出 宮藤官九郎 出演  阿部サダヲ、松たか子他 企画:大人計画 プロデュース・製作:大人計画/パルコ https://stage.parco.jp/program/okatai

参考:WEB LEON 2025.11.01  連載PEOPLE NOW 宮藤官九郎「カッコつけてないとカッコ悪い。横山 剣さんだって、カッコつけてなかったら、ああはならないです」https://www.leon.jp/peoples/308455


動画で観たい方はこちら

https://youtu.be/Ifl8QXeNicQ


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