本報告は、現代アートにとりくむアジア系アメリカ人若手芸術家たちへのインタビューをもとに、マイノリティである彼らがいかに人種差別や性差別に対する抵抗を芸術に表現するのか、またその抵抗のあり方に世代間でいかなる変化が見られるかを考察することによって、21世紀を歩み始めたアメリカ合衆国の人種関係のゆくえを探ろうとするものである。
本報告は、現代アートにとりくむアジア系アメリカ人若手芸術家たちへのインタビューをもとに、マイノリティである彼らがいかに人種差別や性差別に対する抵抗を芸術に表現するのか、またその抵抗のあり方に世代間でいかなる変化が見られるかを考察することによって、21世紀を歩み始めたアメリカ合衆国の人種関係のゆくえを探ろうとするものである。
本報告では、日本の朝鮮植民地支配と人種主義の問題を、「顔」というキーワードで証明してみたい。「顔」とは、民族的特徴を表す「顔」そのものを意味すると共に、また「差異」を表す(と信じられる)様々な標識を意味するレトリックでもある。植民地統治下の支配と差別、抵抗と順応という、権力関係が生み出した磁場の中で、「顔」という表象がどのようにリアリティーを獲得し、どのようにリアルな力として機能していったのかについて探っていく。
本報告では、日本の朝鮮植民地支配と人種主義の問題を、「顔」というキーワードで証明してみたい。「顔」とは、民族的特徴を表す「顔」そのものを意味すると共に、また「差異」を表す(と信じられる)様々な標識を意味するレトリックでもある。植民地統治下の支配と差別、抵抗と順応という、権力関係が生み出した磁場の中で、「顔」という表象がどのようにリアリティーを獲得し、どのようにリアルな力として機能していったのかについて探っていく。
近年、人間の遺伝情報の全体であるヒトゲノムの研究が大きく進み、様々な国・地域において多数の人のゲノムが研究され始めている。解読されたゲノム情報が比較されるのに伴い、人種やエスニック集団の生物学的違いに関する議論が再び活発に行われている。 そうした状況の中、科学者や医学研究者はどのように人種やエスニシティ概念を表現し、用いているのだろうか。その過程における社会的影響はどのようなものか。これらの問題を調べるために、1980年代末から現在までの約20年に注目し、その間に生み出された科学的言説の特徴を調べた。
近年、人間の遺伝情報の全体であるヒトゲノムの研究が大きく進み、様々な国・地域において多数の人のゲノムが研究され始めている。解読されたゲノム情報が比較されるのに伴い、人種やエスニック集団の生物学的違いに関する議論が再び活発に行われている。 そうした状況の中、科学者や医学研究者はどのように人種やエスニシティ概念を表現し、用いているのだろうか。その過程における社会的影響はどのようなものか。これらの問題を調べるために、1980年代末から現在までの約20年に注目し、その間に生み出された科学的言説の特徴を調べた。