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気候変動の向こう側
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気候変動の向こう側

Author: Kenji Miyajima

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気候変動の科学、倫理/正義問題を中心に、環境倫理/環境正義など、私たちの生活スタイルと密接な関係にある地球環境問題について書いています。
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今回のエピソードは、Just Stop Oilやラスト・ジェネレーションなどによる、ゴッホの「ひまわり」にトマトスープのような、非暴力の直接行動、いわゆる市民的不服従運動が話題になった際に、気候科学者や環境活動家からもあがった「そんなやり方じゃ受け入れてもらえない」「逆効果だ」「非効率的なやり方だ」という声を受けて、Twitterで募集した以下の質問への回答をとりあげて話をしています。 【質問】気候変動対策を進めるために、①どんな抗議活動や発信方法が「広く受け入れてもらえる」と思いますか? また、②どんな抗議活動や発信方法が「気候変動対策を進めるために効果的」だと思いますか? 一緒に考えながら聴いてもらえるとうれしいです。なにか思い浮かんだら、ブログへのコメント、メッセージ、TwitterへのメンションやDMなどお待ちしています。 あと、Spotifyのスマホアプリ限定(デスクトップでは出てこない)なのですが、アンケート機能が追加されたので、『ゴッホの「ひまわり」にトマトスープをかけるなどの「非暴力の直接行動」「市民的不服従運動」についてどう考えますか?』という質問に6つほど回答を用意してあります。回答してもらえるとうれしいです。 すべてをとりあげることはできませんでしたが、興味深い回答ばかりでした。ご協力ありがとうございました! +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
今回のエピソードは、ゴッホの「ひまわり」にトマトスープをぶっかけて注目を集めた市民的不服従運動について話しています。 まずはWikipediaから市民的不服従ってなんなのかを。 『市民的不服従(しみんてきふふくじゅう、英語: civil disobedience)は、良心にもとづき従うことができないと考えた特定の法律や命令に非暴力的手段で公然と違反する行為である。 市民的不服従は、よくある犯罪と異なり、法を破ることが正しいと確信して行われる。不正な法律(悪法)に従うよりも、良心に従って違反するほうを選ぶ。……誰もがわかるように公然と行い、追及する官憲から逃げず、逮捕を妨げようともしない。 市民的不服従の特徴の一つは、逃げも隠れもせず逮捕され、処罰されることにある。違反から利益を得ようとはせず、むしろ進んで不利益を受ける。このため、本当は利己的な動機からしたことで、主張は後から付けた言い訳だろうというような勘ぐり・非難は封じられる』 例としては、非暴力の抵抗を続けたガンジーや、公民権運動のマーティン・ルーサー・キング Jr.などが挙げられます。 活動家たちは、いきなり名画に体を接着させたり、スープや食べ物をかけたりしたわけじゃありません。他の方法を全部試しても政府はパリ協定を満たす気候変動対策を講じてくれない。気候変動や食料危機の影響で失われていく命や、苦しい生活を強いられている貧しい人々、気候変動で深刻化していく未来を憂えるあまり、いても立ってもいられなくなって市民にできる最後の手段ともいえる市民的不服従に出ているんです。やりたくてやっている人はいません。 そんな事情をどこまで理解しているのかわかりませんが、「名画を狙うなんて間違っている」「そんなやり方は逆効果だ」と、活動家を非難する声がほとんどだったような気がします。表面だけを見ると、たしかにそう感じるんですよね。 でも、何十億円もするような絵画は、資本主義や貧富の差を象徴しています。また、ゴッホの「ひまわり」を所蔵している英ナショナルギャラリーは、化石企業との関係を批判されてきた過去があります。 ポッドキャスト収録後に、活動家によってクリムトの「死と生」にオイルをかけられたオーストリアのレオポルド美術館もガス石油企業がスポンサーです。年間に数百万人もの命を奪って利益を得る産業がスポンサーをしている美術館の「死と生」に真っ黒なオイルをかける。メッセージはこれ以上ないくらいハッキリしていますよね。 本当に逆効果なのか?活動家の目的は、メディアの注目を集めること。人々をイラッとさせて関心を引くこと。多くの人たちが気候変動を深刻な問題として捉え、世界中で会話が始まることを願っています。めっちゃ効果的じゃないですか?世界が思うツボちゃんになっちゃってるじゃないですか。怒れば怒るほど、メディアが取りあげれば取りあげるほど、この活動は続くと思います。 ゴッホにトマトスープ後にイギリスで行われた世論調査では、66%の人が非暴力の直接行動を支持しました。専門家は、たとえ的外れに見えるようなものをターゲットにした直接行動でも、時間がたてば人々は根っこにある問題を見るようになると指摘します。また、非暴力の直接行動は人間が対象なので、「ゴッホにトマトスープは暴力」という批判はあたりません。もちろんエコテロリズムでもありません。 イギリスの約3分の2の人たちは、見えている部分に感情的に反応しつつも、活動家の「1.5℃のラインを守るために英政府は新規のガス・石油の調査・開発・生産を中止せよ」という主張は正当だと捉えているといえるでしょう。 言い換えると、Just Stop OilやExtinction Rebellion、Sunriseがやっている市民的不服従運動が、弱者のため、より良い社会、未来のための利他的な行動だという本質を見ているのだと思います。 気候変動が差別や格差の問題、貧しい人々にとっては命の問題、資本主義による搾取の問題、環境正義/気候正義問題だということを理解している人が多い社会には、市民的不服従運動を受け入れる土壌があるんでしょうね。 翻って日本はというと、差別や格差、貧困を自己責任と捉える人も多く、当事者も声をあげるのをためらう傾向にあります(弱者が声をあげるとおっさん病患者たちが全力でたたきまくるのでしょうがない)。なので、市民的不服従運動がなかなか受け入れてもらえないのもわかります。お上に逆らうのは御法度的な臣民気質がいまだに残っているのでしょう。 さらに、気候変動では、そもそも環境正義/気候正義のルーツに関心がない活動家が気候正義を振り回して、無批判に支持するサポーターが彼女ら/彼らを甘やかし、環境正義/気候正義を理解していないメディアが気候正義や活動家をコンテンツとして消費するという未成熟さがアクセル全開で暴走中。欧米の市民的不服従運動のような、利他的なムーブメントを生み育てる社会環境が整っていないと言わざるを得ません。 欧米から数十年遅れている日本の社会正義や環境正義/気候正義運動。焦るとろくなことにならないので、時間がかかっても「公正の視点」を身につけていくしかないんでしょう。 私からみなさんへの質問はこれ。 毎年大気汚染や気象災害によって数百万人の命を奪うことで利益をあげ、さらに温暖化を悪化させても責任をとらない化石燃料産業と、絵画にスープや食べ物をかけ、ガス石油タンカーの通過を妨げるために橋を封鎖し、その責任をとる活動家。どっちが過激なんでしょうね。
11月6日から、エジプトのシャルムエルシェイクで、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催されます。 そう、軍事独裁政権が市民を弾圧し、言論を封じ、活動家を投獄し続けているあのエジプトで、グリーンウォッシュと人権ウォッシュのショーが始まります。 COP27が、気候正義問題ど真ん中なんですね。 そんなこともあって、近年の気候ムーブメントを生んだグレタ・トゥーンベリさんは欠席を何度も表明。「最も影響を受けている地域の人々が参加するので、彼らの声が聞き届けられることが重要」と、今回のCOPで目玉になる「ロス&ダメージ(損失と損害)」の制度化を訴える開発途上国のMAPA(最も影響を受ける人々と地域)の声を邪魔しないために欠席することを示唆。実際、COP27に備えて、65カ国の開発途上国から約400人の青年活動家がチュニジアに集まり、大量排出国に「ロス&ダメージ(損失と損害)」を強く求める決意を固めています。そういう声を大量排出国側がかき消すのは環境正義に反するという思いがあるのでしょう。大量排出国側が善意の押しつけで代弁する必要もないですものね。途上国は声を持っているんですから。大量排出国の活動家は、COPとCOPの間の1年を利用して、自国で自国の政治にプレッシャーをかければいいと思います。COPの主役は、開発途上国の弱者です。 それ以外にも、グレタはエジプトの軍事独裁政権によって不当に投獄されている6万人ともいわれる活動家たちへの人権弾圧や自由な言論やデモが規制されていることも、欠席の理由に挙げています。 また、グレタさんは「数多くの人権侵害を犯している国の観光客の楽園なんて、私は行かない」とも発言しています。たしかに、シャルムエルシェイクはリゾート地で、貧富の差や差別という、気候変動の根本にある環境正義/気候正義問題を象徴するような場所ですよね。そこに世界中から集まった活動家たちが、気候正義を訴える。なんて皮肉な光景なのでしょうか。 日本でもおなじみのナオミ・クライン氏は、世界の気候ムーブメントに対して、現地に行く行かないに関係なく、エジプトで弾圧を受けている活動家への連帯を表明するように呼びかけています。ほぼ無視されていますが。 エジプト革命でリーダー的存在だった活動家、アラー・アブデル・ファタハ氏は、現在のシーシー政権がクーデターによって政権を強奪した2013年から、9年間のほとんどを獄中で過ごしてきました。彼は、200日以上ハンストを続けていて、COP27開催にあわせて、現在の1日100カロリーだけ栄養をとるハンストを、水だけに切り替えるそうです。そうすると、COPが終わるまで生きられないと言われています。 彼の家族は、気候正義を訴える気候ムーブメントに対して、エジプトの活動家がそうしてきたように、権力に向かって声をあげるよう求めています。 エジプトで起こっていること、それに対する反応などは、Twitterのモーメントにまとめてあります。チェックしてもらえば、流れがわかると思います。 でもね。だれが何を言ってるかなんて関係ない話なんです。エジプトは、世界の活動家を歓迎する一方で、自国の活動家をCOP期間中のデモを計画しただけで逮捕しています。ダブルスタンダードもいいところです。気候正義がないがしろにされている国で、そのことには触れないまま、気候正義を訴える気候ムーブメント。それが言い訳の余地なんてない、気候正義に反する行為だということは、環境正義/気候正義をちゃんと学びさえすれば、当たり前のように理解しているはずなんです。 正義。思いやり。人間愛。人間性。連帯。交差性。 環境正義/気候正義を達成するには、こういったことを言葉や行動で示す必要があります。 Speak up or shut up. You choose. エジプトの活動家たちが見ています。 +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
今回のエピソードでは、科学って大事よねという話をしています。 新型コロナの感染状況や死亡者の情報は、ポッドキャストを収録した8月24日時点のものです。収録時は、日本の新型コロナ感染者数も死者数も世界トップでした。 NewsPicksの気候変動の科学に関するディベートは、だれでも冒頭の15分くらいを見ることができます。チェックしてみてください。 さて、今回の話を通して、別にみんな科学者になれと言っているわけでも、科学を勉強しろと言っているわけでもなく、ただ生きていくうえで科学的な考え方をしたほうがいいと思うんですよね。 だって、科学者になったとしても、その科学を扱う人間がろくでもなかったら、気候変動や新型コロナでコンセンサスのとれていない、政治的信条や世界観に基づく思い込みや願望を、事実のようにばらまくことになってしまいます。 こんなことを個人がやらなきゃいけないのはおかしいのですが、そこでもしも自分が科学的に考えられれば、だれかの言っていることに根拠があるのかないのか、その根拠が科学者間で合意形成されたものなのか、Yahoo!ニュースのコメント欄や、Twitterでタマゴやアニメやネコのアイコンの人が「人為的温暖化はコンセンサスがとれていない」と言っているのはデマだってことを冷静に調べて判断できるようになります。 悲しいことですが、今の社会は、命をお金に換えます。 「経済を回す」は、あなたの労働や苦痛、健康や命をお金に換算することを指します。 そして、弱者の命を「経済(お金持ち)」のために犠牲にします。 科学的であることで、自分の命はもちろん、社会的弱者の命を守ることができます。 搾取されたくなかったら、搾取したくなかったら、死にたくなかったら、殺したくなかったら、科学的でいきましょう! +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
8月21日から22日にかけて、テキサス州ダラスに230㎜以上の雨が降りました。多い地域では、400㎜を超えました。1000年に一度の豪雨と言われています。その影響で、ダラスのあちこちで道路が冠水、河川や湖に近い地域で鉄砲水が発生するなど、洪水被害も出ました。 実にアメリカで発生した、5週間で5回目の1000年に一度の豪雨でした。ウォームアップが終わった気候変動が全力疾走をはじめた。そんな感じです。 飛ばしすぎでバテて倒れろ。 ダラスでどんなことが起こったかは、ぼくがギズモード・ジャパンに書いたリポートを読んでもらうのが早いと思います(めんどくさいわけではないぞ)。 洪水が起こった地域の一部は、低所得層が浸水したトレーラーハウスから避難することに。州は災害宣言を出しましたが、被害額があるレベルに達しないと連邦政府からの援助を受けられないため、先行きは不透明です。弱者の救済が真っ先に行なわれるべきなのに、いつも後回し。 記者会見でジャーナリストから気候変動の影響について尋ねられた、化石燃料産業から献金を受け取っている州知事は、気候変動という言葉を一度も使わずじまい。いったいだれを見て政治をやっているのやら。秋の知事選で落ちてしまえ。 1000年に一度と聞くと、「ひとごと」「遠い場所で起こっていること」だと感じるかもしれませんが、地球規模で考えたときに、ほんのちょっとずれていれば、ぼくの地域が住む場所を追われていたかもしれません。 1000年に一度の足音(雨音)が、ぼくには聞こえました。 地球規模の壮大なロシアンルーレット、当たるまで続けますか? +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
今回のテーマは、「抗議をしよう」です。 大きく言うと抗議ですけど、納得いかないことには納得いかないと声をあげていいんだよー、ということ。 今回のエピソードでは、フランスで農地や洗車、庭への水の使用は制限したのに、ゴルフ場が水を使用するのはオッケーとしたのに対して、活動家がゴルフのカップにセメントを流し込んで抗議をした話を取りあげています。 記録的な干ばつに見舞われて水不足なのに、アメリカのセレブはなーんも気にしないで芝生に水をあげまくっています。超過料金をとるらしいですが、数億円稼ぐセレブに「超過料金16万円です」と言っても、払う払うって言われておしまい。 最近の出来事だと、組合結成が相次いでいる米スターバックスで、店舗の組合員リーダーが不当解雇されたことに抗議して、従業員全員が職場放棄した件が話題になりました。 ロックですよね。 より良い職場にしよう、世の中を良くしよう、弱者の尊厳を回復しよう、より公平な世の中にしよう、気候変動ちゃんと止めようとしてみろやコラ。抗議をする、声をあげる理由はさまざまだと思いますが、そこに愛があれば、その抗議はロックだと思います。 ラブでロックな抗議をしましょう。 +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
アメリカ史上最大の気候変動対策法が成立。 ポッドキャスト収録時はまだ上院を通過して下院に送られたばかりだったので、上院通過という内容になっていますが、バイデン大統領が署名をすませて法案はすでに成立しています。 聞いてもらえば一聞瞭然だと思うのですが、ケンのテンションが低め(ニコはいつもハイテンション。ほめています)。バイデン大統領の署名後でも、内容やテンションは変わらず、微妙なままだったと思います。歴史的、画期的、前例のない、史上最大。すべての表現が当てはまります。不適切とも思いません。でも、いつも通り、環境弱者が置き去りにされました。 いや、まったく完全に置き去りにされたわけじゃありません。ちゃんと環境正義にも予算は割り振られています(600億ドル=8兆2000億円)。でも、本来40%以上を環境正義に費やす(Justice 40と言われています)とされていたのにはまったく足りません。すべての部門で足りていないと言われれば、それはその通りです。 でも、ものすごいマイナスの場所にいる人たちをまずゼロに持っていくのが先でしょって話です。 わかるんですよ。気候変動対策が進めば、それだけで環境弱者の立場も回復していくって。空気も水もキレイになるし、緑も増えるし。でも、でも、社会として、恵まれている立場にいる者として、本当にそれでいいんですかって思うんです。 社会によって弱い立場に追い込まれている人たちの尊厳や健康、社会経済的地位の回復がメインではなく、他の対策がうまくいったときの副産物にしてしまうことに、どうしても納得できません。 ここで終わらせてはいけない。これをスタート地点にして、次の「史上最大の気候変動対策」を、10年後や20年後ではなく、数年以内に通さないと。 環境弱者の失望を希望に変えるために。 +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
ポッドキャスターふたりでずっと日常会話を続けているこの気候ポッド。以前にもチラホラとリスナーさんからのコメントを紹介したことはあるのですが、わたくしケンの不徳のいたすところで、リスナーさんとのやり取りというのがあんまりないんですね。 今回のエピソードでは、いただいたコメントをふたつ紹介しています。 リスナーさんからのコメントが、気候変動を日常会話にしていくためにはとても大事で、また、このポッドキャストをよりよいものに育てていく栄養になります。 過去エピソードへの感想でも、気候変動を感じることや、気候変動がどんな風に日常生活に影響しているか、これって気候変動関係あんのかな、おっさん病の人いた、などなど、みなさんからのコメントやメッセージをいつも大募集しています。 このブログ、ニコかケンのTwitterアカウントへ、コメントやメッセージをぜひぜひ送ってやってください。 日常会話をどんどん広げて、いまあるシステムを変えてやりましょう! +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
なにがロックでなにがロックじゃないかは人それぞれだと思いますが、環境正義を学んだ者としては、というか、人として生まれてきたからには、どれだけ自分よりも弱い立場にいる人や動物、自然を思いやれるかだと思うんですね。行動ができるかどうかは自分の置かれている状況にもよりますが、行動しちゃいけないときに行動しないようにする(仕事を除く)のは、たぶんそんなに難しくない…はず…だと…お…も…う。 ボン・ジョヴィのボーカルを務めるスーパースター、ジョン・ボン・ジョヴィは、新型コロナの感染が広がったとき、ライブツアーを「延期」ではなく、「中止」したそうです。なんで中止だったのか。彼は、新型コロナで職を失ったり、収入が減ったりした人がきっと多いはずで、その人たちにとっては、ライブのチケット代も決して安くないはず。延期にすると返金できないけど、中止にすれば返金できる。そのお金を生活費に充ててほしい。ジョンはそう考えて中止を決めたそう。 ジョンはJBJ Soul Kitchenというレストランを3店舗やっています。メニューはあっても、料金は書かれていません。すべて寄付でまかなわれています。食事をする人は、推奨されている20ドルを寄付をすればOK。経済的に寄付できない場合は、皿洗いをしたり、ウェイターをしたり、ボランティアとして店を手伝ってくれればいいそう。時間を寄付するという形ですね。すてきだ。経済的に余裕のある人は、恵まれない人たちの寄付額を肩代わりするPai It Forwardというシステムもあります。すてきだ。本来、政府がやらなきゃいけないことなので手放しで喜ぶことはできませんが、弱者にとっては、地元(ニュージャージー州)出身のジョンが自分たちのことを気にかけてくれることで満たされるのは、空腹だけじゃないはずです。 これまでに15万食以上を提供。うち、食事の対価として金銭を寄付をした人が46%で、54%はボランティアとして時間を寄付しています。2018年の80,500食を提供した時点では、金銭の寄付が49%、時間の寄付(ボランティア)が51%だったことを考えると、新型コロナでお金を寄付できる人が減ったんでしょうね。新型コロナ感染が広がって通常営業ができなくなった時期にも、ジョンとスタッフは食事に困っている人たちのために店を週に5日オープン。で、ジョンは週に5日、皿洗いとして働き続けたとのこと。 ロックだ。 +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
2年ちょっと前、ポッドキャストをはじめたてホヤホヤで自己紹介のエピソードの次に2回連続で取りあげた(気候ポッド 第2回 ~ 『おっさん病』ってなんだ?前編|気候ポッド 第3回 ~ 『おっさん病』ってなんだ?後編:気候変動の原因は『おっさん病』)おっさん病。 気候ポッドという名で気候変動について話すのかと思いきや、おっさん病とかわけのわからん話を…と思うかもですが、気候変動をはじめ、現在の社会問題の原因はほぼほぼおっさん病で、新型コロナを超えるパンデミックなんです。 というわけで、説明無用、というか、説明できるような話をしていないので、いつも通りテキトーにながら聞きしてください。 ポッドキャストで話している斎藤幸平さんが出ているYouTubeの動画を貼っておきます。 で、身のまわりや自分の中に潜むおっさん病についてコメントをもらえるとうれしいです。 【成田悠輔の弟子vs斎藤幸平】白熱講義!「SDGsに騙されるな!」【みりちゃむ暴走】 【成田悠輔の弟子】斎藤幸平の「超簡単!脱資本主義論」【おっさん論】 +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへの感想、コメント、意見、質問などをここへのコメントやメッセージ、NicoかKenのTwitterにもらえると涙を流して喜びます。気候変動や気候変動とつながっている社会問題がみなさんの日常生活にどんな影響を与えているかなどについてもらったコメントを、ポッドキャストでリスナーのみなさんと共有できればいいな、なんて思っています。 ポッドキャストやブログへのコメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken イントロ曲: Music by Music_Unlimited from アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
今回は、前回(『気候ポッド 第42回 ~ 【前編】グリーンランドで東京が8.2メートル沈む量の氷が3日で解ける』)の続きです。 なんでかっちゅうと、前回分を収録したあとにまたグリーンランドでさらに氷が解けたから。しかもちょっと追加なんてもんじゃなくてですね、小ライスのあとで特盛りライスをおかわりするような感じだったんです。 前回のエピソードで、7月15日~17日の3日間に、1日あたり60億トンの合計180億トンの氷が解けた話をしましたが、その後7月20日から23日までの4日間で、最大400億トンがさらに解け、合計で580億トンの氷が解けちゃったと。追加で解けた分の水がすべて東京に注ぎ込んだと仮定すると、東京がさらに18メートル沈むことに。その前の3日分と合わせると26メートル超になりますね…。 今回のエピソードでは、グリーンランドの氷床が解ける影響についても話しています。 北極の温暖化は、他の地域の3倍で進んでいます。気温が上がって、表面の色が白くて太陽光を反射する氷床(海氷)が解けると、暗い表面(陸か海)が増えます。暗い表面は太陽エネルギーを吸収するため、海表面や地表の温度も上昇。それに伴って気温が上昇し、さらに氷が解けるという正のフィードバック(負のループ)が起こります。 また、北極の温暖化によって、ジェット気流は湾曲して南に伸び、スピードが落ちるため、高気圧と低気圧が同じ地域に長期間とどまりやすくなって、長引く熱波や集中豪雨による洪水や鉄砲水の原因となって、大きな被害を引き起こしています。ヨーロッパや、テキサスを中心とする米南西部の熱波、ミズーリ州やケンタッキー州、イリノイ州などの米中西部などで起こっている集中豪雨による鉄砲水や洪水など、最近だけでも例がいくつも思い浮かびます。 さらに、北極の温暖化によって米西部で山火事が起こりやすくなっていて、山火事で排出されたすすやブラウンカーボンが北極圏にたどり着いて(降って)氷や雪の表面に付着することによって、太陽エネルギーを吸収しやすくなってさらに氷や雪が解け温暖化が加速、それが原因で米西部で山火事が増える…という地獄のような負のループが起こっています。 もうひとつおまけに、グリーンランドの氷が短期間で大量に解けて淡水が周辺の海に流入すると、大西洋南北熱塩循環(AMOC: Atlantic Meridional Overturning Circulation)と呼ばれる、緯度が高いヨーロッパに熱を運んで温暖な気候を保っている暖流をスローダウンさせてしまいます。もしも万が一AMOCが止まってしまうようなことになれば、熱帯太平洋の気温は低下し、貿易風は強くなって南下するそうです。その結果、ラニーニャ発生時のような気候になって、南太平洋では壊滅的なモンスーンと洪水を引き起こし、北米の一部では干ばつと暑さが激しくなる可能性があります。今夏の気候みたいな感じですね。 ほんのわずかの海面上昇でも、影響は深刻です。台風やハリケーンの際には、高潮による洪水被害が海面上昇によってどんどん大きくなっていきます。もしも満月の満潮時に台風が接近、上陸するようなことになれば、洪水による被害は甚大になるでしょう。 また、海面上昇による海岸の浸食が進む地域では、人が住めなくなる可能性があります。アメリカでは、すでに先住民が移住をはじめています。南太平洋やインド洋の島しょ国は、将来的に沈む運命にあります。南太平洋の島しょ国の中には、近隣の海抜が高い島国に移住する土地を購入しているケースも見られます。 沿岸地域の農地では、海水が浸食ことによる塩害で食物がとれなくなる恐れがあります。 既存の原発や火力発電所、汚染施設への影響も考えられます。フランスでは、熱波による水温の上昇が原因で十分な冷却ができないため、原発の発電量を調整しています。 世界の都市の多くが沿岸に位置しており、ホームレスを含め多くの貧しい人が暮らしています。なかなか注目を浴びることはありませんが、沿岸地域で洪水が起こると、発生時だけでなく、避難後にも社会的弱者がもっとも大きな影響を受けることになります。 2050年までに海面が30センチ上昇すると言われている地域もあります。今は洪水が起こっても被害が出ない地域でも、数十年後には住居や人々が深刻な影響を受けやすくなっていきます。被害を少しでも小さく抑えるためには、温室効果ガスの排出量を最速で最大限削減していくしかありません。 +++++ コメント、感想、意見、質問、リクエスト、リスナーのみなさんと共有したいメッセージなど、なんでも気軽にお寄せください。気候変動についてみんなで日常会話をしましょう! Twitter: Nico|Ken
暑いのは、テキサスだけでも、ヨーロッパだけでも、東アジアだけでも、中央アジアだけでも、南アジアだけでも、中東だけでも、北アフリカだけでもありません。 グリーンランドでは、異常な暑さで氷が解けまくっています。 どれくらい解けているのかというと、7月15日~17日の3日間で、1日あたり60億トンの合計180億トン。 さっぱりイメージ湧かないですよね?CNNいわく、オリンピックサイズのプール720万杯分。 さっぱりイメージ湧かないですよね?Eartherいわく、ウェストバージニア州が30センチ浸水する程度だそうですよ。 さっぱりイメージ湧かないですよね?当社調べによると、東京が8.2メートル沈む量の氷が解けてしまいました。3階まで浸水します。 年平均で2500億トンの氷が解けているグリーンランドで、180億トンの氷がきれいさっぱり3日間で消えたと。待って。毎年東京が114メートル沈む量の氷がグリーンランドで解けてるのか。 とまあ、今回のポッドキャストはこんな話をしているのですが、これにはまだ続きがあるんです。心が18メートル沈む準備をして続報を待て! +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへの感想、コメント、意見、質問などをここへのコメントやメッセージ、NicoかKenのTwitterにもらえると涙を流して喜びます。気候変動や気候変動とつながっている社会問題がみなさんの日常生活にどんな影響を与えているかなどについてもらったコメントを、ポッドキャストでリスナーのみなさんと共有できればいいな、なんて思っています。 Nico: Twitter Ken: Twitter イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
今回はニコの恥ずかしい話がメインです。 アクティビズムって、気候変動ムーブメントを支えるものって、うちらの動機ってなんだろうねって話をしています。 元々は、最近使うようになったイントロ曲を選んだ理由についてトークしようというのが発端でした。 このポッドキャストにふさわしくない結構真面目な話をしすぎたので丸ごとボツにしようかなとも思ったのですが、編集後の音源を確認したニコが「恥ずかしくて二度と聴けない」と言っていたので公開することにしました。 みなさんにとって、ロックってなんですか? +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへの感想、コメント、意見、質問などをここへのコメントやメッセージ、NicoかKenのTwitterにもらえると涙を流して喜びます。気候変動や気候変動とつながっている社会問題がみなさんの日常生活にどんな影響を与えているかなどについてもらったコメントを、ポッドキャストでリスナーのみなさんと共有できればいいな、なんて思っています。 Nico: Twitter Ken: Twitter イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
春にインドとパキスタンを襲った熱波。5月から4度目の熱波に見舞われている米南部。中国南部も最近熱波がニュースになりました。 そして、しばらく前からポルトガルやスペインで森林火災が起こり、死者が出るほどの暑さになって、ヨーロッパの熱波も取りあげられるように。 で、その熱波がイギリスにやってくる、しかも40℃超えるかもってなってから、ニュースサイクルが活発に。そして、ロンドンで過去最高の40℃超えを記録してドカーンと報道されました。 ところで、北アフリカや中東、中央アジアも熱波に見舞われているのを知っていますか?ニュースでやっているのを見聞きしましたか?報道は、地域を、人を、肌の色を、宗教を、社会経済的地位を選びます。公正な報道がされないと、人々はそこに公正の問題(環境正義問題)があるのを知ることもできません。 今回のテーマは、ヨーロッパの熱波。なのですが、こんな報道のされ方おかしいだろ、という話をしています。 熱波は場所を選ばずにやってきます。でも、これまでに社会が下してきた差別的な選択によって、熱波の影響は高齢者、子ども、屋外労働者、ホームレス、孤立している人、社会経済的地位の低い人、基礎疾患がある人、有色人種に偏っています。 エアコンが普及していない地域が多いヨーロッパ(イギリスは5%、ヨーロッパ全体で20%程度と言われています)では、命にかかわる問題で、すでに熱波による死者は1700人を超えると言われています。 誰に被害が偏っているのか、なぜ被害が偏ってしまうのか、誰に責任があるのか、どうすれば被害を減らしていくことができるのか。 こんなに熱波がくるようになったというのに、そこから何も学ぼうともせず、噴水で遊ぶ子どもや、プールやビーチで過ごす人々、冷たいものを食べる人々を映像や画像で流していては、次の熱波でもニュースになることなく社会的弱者が傷ついていきます。 人だけじゃありません。夜に気温が下がらない熱波は、気温が下がることで休息をとる動物や植物(野菜や果物)にも影響を与えます。そしてその影響を人間も受けることになります。 「暑いね」 「大変だね」 熱波をこんな言葉でやり過ごすのをやめないと、いつか自分に順番が回ってきたときに、軽く扱われることになります。 熱波は、気候変動は、人々を苦しませるだけの深刻すぎる問題です。 そこに軽い、楽しいストーリーの入り込む余地があってはいけないんです。 これまで気候変動の深刻さを伝えてこなかったメディアには、気候変動の影響を受けている気象災害が起こったときに、強欲な化石燃料産業や、化石燃料の使用で利益を得る企業、それを可能にしている政治の責任を追及してほしいものです。 +++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへの感想、コメント、意見、質問などをここへのコメントやメッセージ、NicoかKenのTwitterにもらえると涙を流して喜びます。気候変動や気候変動とつながっている社会問題がみなさんの日常生活にどんな影響を与えているかなどについてもらったコメントを、ポッドキャストでリスナーのみなさんと共有できればいいな、なんて思っています。 Nico: Twitter  Ken: Twitter イントロ曲: Music by Music_Unlimited from Pixabay アウトロ曲: Music by SergeQuadrado from Pixabay
今回のネタは、寿司ネタです。 ややこしいな。今回のテーマは、寿司ネタです。 温暖化と高齢化でわさびがヤバいというロイターの英文記事 (その後日本語記事も出ました)を読んだところから、まずはわさびの話をしようかと思ったのですが、わさびといえば寿司、ということで(ロイターの記事ではそば屋さんが出てきていますがサクッと無視)、ちょっと調べてみると、寿司もヤバいということで、今回のネタは、寿司ネタになりましたとさ。 数年前から、ユーグレナと銀座久兵衛が海洋の生態系への地球温暖化の影響を知ってもらおうと『寿司が消える日』というコラボキャンペーンを行なっています。 取りあげられている魚介類は9種で、それぞれが消える日は以下のようになっています。 いかなご:2035年6月30日(土) しゃこ:2041年11月30日(土) さけ・いくら:2049年12月17日(金) 帆立(ほたて):2068年8月31日(金) 雲丹(うに):2073年8月31日(木) 鮑(あわび):2080年10月1日(火) 平目:2089年3月31日(木) 真鯛:2094年6月30日(水) ずわいがに:2098年5月31日(土) 公式サイトにはなぜ消えてしまうのか、原因についても触れているので、ぜひチェックしてみてください。 シブがき隊の『スシ食いねェ!』に出てくる寿司ネタの半分近くが2100年までに食べられなくなるかもしれないんですね。 温暖化は食文化にも大きな影響を与えます。つい先日にはカツオにも影響が出ているというニュースをやっていました。カツオはだしにも使われているので、和食の味が変わっちゃうかもですよ。 食文化といっても、食べる側の人だけが影響を受けるわけじゃありませんよね。私たちは、他の食べ物で栄養をとる、おなかを満たすという選択ができますが、食べ物を提供する側、寿司だったらお寿司屋さんやその他の飲食業だけでなく、漁業関係者への影響はかなり大きいです。寿司が消える日は、生活そのものが壊されてしまう日でもあるのです。 強欲な化石燃料産業や、化石燃料の使用で利益を得る企業、それを可能にしている政治、そしてその責任を問おうとしないメディアによって、多くの人生が狂っていきます。 政府には、伝統でもなんでもない家父長制を必死で守ろうとしないで、伝統的な食文化とその影響を受ける人たちを死ぬ気で守ってほしいものです。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 「気候変動を日常会話に」を合い言葉に、通勤通学時、エクササイズや家事をしながら、お風呂などで構えずに「ながら聴き」をしてもらえるような、知識も意識も敷居も低い「3低ポッドキャスト」になっています。 ポッドキャストやブログへの感想、コメント、意見、質問などをここへのコメントやメッセージ、NicoかKenのTwitterにもらえると涙を流して喜びます。気候変動や気候変動とつながっている社会問題がみなさんの日常生活にどんな影響を与えているかなどについてもらったコメントを、ポッドキャストでリスナーのみなさんと共有できればいいな、なんて思っています。 Nico: Twitter Ken: Twitter
Climate Pod_Episode_038_Power of Renewables.mp3 今回のテーマは、再生可能エネルギーのポテンシャルです。 テキサスといえば、ガス・石油。化石燃料企業の本社がわんさとあるテキサスは、電力消費量も二酸化炭素排出量も全米トップ。Everything is bigger in Texasなのですよ(自慢にならん)。 でもね、そんなダーティーなイメージが強いテキサスは、風力と太陽光をあわせた再エネ発電量も全米トップなんです。風力発電はテキサスだけで米全体の約4分の1と、10年以上トップの座を堅持。テキサスを国として見ると、世界で5番目の風力発電容量を誇っています(アメリカは国として世界2位。EUをまとめるとアメリカは世界3位)。 ちなみに、2004年に8位だった日本は、追い抜かれまくって2021年現在で21位。うさぎだったのね(トップですらなかったけど)。 そんなテキサス州は、5月からずっと熱波が繰り返し襲ってきて、4度目の熱波が引かずに居座る熱波ならぬ熱海状態に。熱海は温泉の名所なのでちょうどいいやもう(やけくそ)。 毎日40℃前後まで上昇する気温に電力は逼迫(ひっぱく)して、テキサス州の電力網を管理する悪名高きERCOT(テキサス州電気信頼性評議会)が節電を呼びかけることもしばしば。そんな逼迫(ひっぱく)しているテキサスの電力を安定した供給量で支えているのは、太陽と風なんです。州政府もERCOTもそれを認めようとしません。なんなら、電力網が不安定なのは、暑くなると供給量が激減する風力のせいだと名指しで責任を押しつけようとします。 2021年のテキサス大寒波の時に、州知事が凍える州民をほったらかしでFoxニュースに出演して「大停電の主な原因は、寒さでタービンが凍って発電できない風力のせいだ」とうそをまき散らしたときと同じことが起こっています。大寒波で凍って発電できなかったのは火力と原子力で、風力は想定以上の発電量だったのを隠して献金してくれる電力会社をかばう知事のパフォーマンスでした。 で、前置きが長くなりましたが、ポッドキャストでニコが話しているスピリチュアルなグラフというのがこれ。Source: ERCOT ちょっと見にくいですが、赤と青の実線と点線を見ると、太陽光(赤)が台形を伏せたように、風力(青)がおわんのような形になっています。日の出から日の入りまで発電する太陽光と、日が沈んでから日が昇るまでがメインの風力は、絶妙のバランスで発電を続けています。 熱波の最中のピーク時には、大気が不安定になるか海や大きな湖でもないと風が吹かないため、やり玉に挙げられやすい風力ですが、命に危険を感じるくらい照りつけてくる太陽がピーク時の発電を支えています。そして、多くの人が仕事を終えて帰宅し、エアコン全開になる夕方から夜にかけて、風力も加わって停電のピンチを回避しているんです。 そういえば、風力のせいだとERCOTがわざわざ声明を発表したその日、火力が12GW分強制停止になっていました。そう、電力逼迫(ひっぱく)の原因は、またしても火力だったんです。火力の数字が合わないことをメディアに確認されて、ERCOTが翌日になって「だいたい12GWくらい止まっていました」と回答。相変わらずです。 Source: ERCOT 不安定だなんだとイチャモンばかりつけられる風力ですが、テキサスで天然ガスに次ぐ2番目の電源にまで成長しました。昨年末時点で風力と太陽光を合わせると28%、今年6月末時点では、風力(30%)と太陽光(6%)で3分の1以上をまかなうところまできました。再エネが増えた分、天然ガスと石炭が減っています。ポッドキャストでは再エネ率が15~20%と話していますが、季節によって上下はあるものの実際は4分の1以上まで成長してきました。 専門家も、再エネを導入すれば電力供給も安定し、電気代も安くなっていくと指摘しています。 万能薬なのですよ、再エネは。再エネを増やせば電力網は安定するし、電気代も下がってお財布にやさしいし、二酸化炭素は排出しないし、公害物質も出ません。そして、黙っていても朝になれば太陽は出てくるし、地球が回れば風は吹きます(気温差や気圧差は必要ですが)。ガス・石油・石炭のように採掘から運搬、燃焼、廃棄にいたるすべての過程で環境正義問題を生み出さずにすみます(再エネにも原料調達やリサイクル、廃棄の問題はありますが、化石燃料を使い続ける理由にはなり得ません)。 産業革命から延々と続いてきた化石のような古い価値観を捨てて、もっと自然と調和しながら生きることを選ぶときがきたんです。 温暖化を深刻化させたり、命を奪ったりする化石燃料から早く脱却しないと。 太陽と風が敵に回ってしまう前に。
Climate Pod_Episode_037_金持ちの金持ちによる金持ちのためのニッポン.mp3〓 Apple Pod: https://apple.co/3O9cVf3〓 Spotify: https://spoti.fi/3o5AAm2 参院選真っ最中に収録した今回のポッドキャストの中で予言した通り、なんにも変わりませんでした。想定内過ぎて泣けてもきません。 これからも、お金持ちの、お金持ちによる、お金持ちのための政治が続いていくことになりました。いぇい〓 で、今回のテーマはというと、NHKの番組内で、「補助金を上手に使えば、改修費の4分の1の実費で二重窓にできて、節電になりますよ」みたいなことを言っていた情報に対する違和感から、「金持ちにだけお得な世の中ってどうなん?」という話をしています。 持ち家があって、改修費を出せる余裕のある人だけが受けられる恩恵を、まるで誰もが得をするかのように伝えるメディアって、格差社会をなんにもわかっていないか、わかったうえでやっているかのどちらかだと思うんですよね。 どっちにしても、メディア失格です。それにこれも「1.5℃の約束」に通じる話のはずなので、二重にメディア失格です。二重窓の話だけに。 補助や助成は、もっとも必要とする貧困層からボトムアップで行なわれるべきで、豊かな人をより豊かにするために行なうべきものじゃないはずです。社会的弱者が猛暑の中で電気代よりも命を優先できる制度をつくるのが、国民や都道府県民、市町村民を代表する人たちの仕事です。 それができないならやめちまえ。
Climate Pod_Episode_036_1.5℃の約束.mp3〓 Apple Pod: https://apple.co/3NEoTwQ〓 Spotify: https://spoti.fi/3yeCsNY 7月10日の参院選投票日が迫る中、各政党や候補、メディアによる政府や化石燃料産業、化石燃料使用によって利益を得ている企業、それらの企業や化石燃料事業に投融資する金融機関の責任を追及し、気候変動対策を迫る報道が過熱……してないじゃん!どゆこと? 今回は、国連とSDGメディア・コンパクトに参加しているメディアがはじめた日本発の『1.5℃の約束 - いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。』という、いまのところ有言不実行のキャンペーンについて話しています。 実感として、気候変動に関する報道が増えたと思いますか?COP26を控えていた昨年の衆院選のときよりも、気候変動関連の報道は少なくないですか? こんなに記録的な熱波に見舞われて、熱射病で亡くなる方のニュースが相次いでいるというのに、気候変動対策を熱く語る政党や候補者もいなければ、それを批判する報道もありません。 『1.5℃の約束』はどこにいったんですか?選挙が終わったらアリバイづくりのように政党や候補者を批判するんですか? 気候変動に関する報道がされたときに、最初に書いたことに注目してください。 政府や化石燃料産業、化石燃料使用によって利益を得ている企業、それらの企業や化石燃料事業に投融資する金融機関の責任に言及せず、個人の行動に責任を押しつけるために「ひとりひとりにできることがある」のようなメッセージを発信するメディアは、気候変動の原因を作る側です。気候変動を止める側ではありません。 「私たちひとりひとりにできることがあります」というメッセージが気候変動対策を遅らせる理由については、『「私たちひとりひとりにできることがあります」「個人のカーボンフットプリント」は化石燃料産業の思うツボ』をチェックしてみてください。 守るつもりもない『1.5℃の約束』を掲げてやってる感だけ出しているメディアに期待してやっぱりダメかと失望していてもなにもはじまりません。 でもね、わたしたちひとりひとりにできることはあるんです。 それは、わたしたちひとりひとりがメディアになること。SNSで、家庭で、職場で、学校で。いつでもどこでも、わたしたちが発信していけばいいんです。だって、わたしたちにはスポンサーなんていないんですから。 気候変動を日常会話に。 気候変動が選挙の争点になるまで、あきらめずに会話を広げていきましょう。
Climate Pod_Episode_035_Election 2022 01.mp3〓 Apple Pod: https://apple.co/3AgkI7M〓 Spotify: https://spoti.fi/3a1ECbF 7月10日に参議院選挙を迎えます。今回のテーマはその参議院選。 賃金は上がらない。物価は上がる。ガソリン代も上がる。電気代も上がる。生活、苦しいです。みなさんはどうですか? 「いまのままじゃやっていけない」 そう感じる方は、選挙に行きましょう。 変えたいなら、変えさせたいなら、比例区では野党に、選挙区ではいちばん当選しそうな野党候補か、定数ギリギリラインで与党候補と競っている野党候補に投票しましょう。 「どの政党に投票すればいいのか、誰に投票すればいいのかわからない」日々の生活で精いっぱいの方は、情報を集めて考える時間も体力も精神的余裕もありませんよね。 自分の大事にしていることを大事に考えている政党や候補者を見つけられる、知ることができるサイトのリンクをいくつか貼っておくので、参考にしてください。 投票日は仕事やどうしても外せない用事で行けそうにない方は、期日前投票もあるので、時間を見つけてできるだけ投票しましょう。投票に行くときは、家族や友人、知人、ご近所さんも連れ去りましょう。ひとりだと行かない人でも、誘われると行くかもしれません。選挙の日は、投票行って外食すればピースピースです。 ☆ ボートマッチ・ 毎日新聞: https://vote.mainichi.jp/26san/・ 読売新聞: https://www.yomiuri.co.jp/election/votematch/・ 毎日新聞: https://www.asahi.com/senkyo/saninsen/2022/votematch/#/・ NHK: https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/sangiin/survey/votematch/・ Japan Choice: https://japanchoice.jp/vote-navi/ ☆ 公約比較・ 〓時間がない人にもオススメ〓 みんなの未来を選ぶためのチェックリスト: https://choiceisyours2021.jp/・ 〓時間がある方にはオススメ〓 早稲田大学 マニフェスト研究会: https://maniken.jp/kurabete_erabu/・ NHK: https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/sangiin/pledge/このポッドキャスト&ブログの趣旨や目的、存在意義的な視点で捉えると、気候変動対策、特に環境正義/気候正義の問題に関してどの政党もどうにもならないレベルでなんにも考えていないとしか思えないのがとても×∞残念です。 こんな社会を変えたい、変えてやる、と思ったら、いや、変わる、自分には変える力があると信じて選挙に行きましょう。 ボスは、総理大臣でも議員でもありません。 ボスは、わたしたちです。
Climate Pod_Episode_034_The Monster in Our Closet Part 2.mp3〓 Apple Pod: https://apple.co/3A4hm7z〓 Spotify: https://spoti.fi/3QONvpv 前回(気候ポッド 第33回 ~ 『クローゼットの中の怪物』:そんなに服いらないっしょ)に続いて、パタゴニアがファッション産業と気候変動の関係を伝える『クローゼットの中の怪物』について話しています。 まだ動画を観ていない方は、ぜひチェックしてください。本当にいい動画です。The Monster In Our Closet|クローゼットの中の怪物 今回は、動画の中で言葉としてのメッセージにはなっていなかったけど、そこから読み取ることができる環境正義の問題を掘り下げてみました。 内容はだいたいこんな感じ ・ 使い捨てにしているのはプラスチック?わたしたち自身?・ 服の素材に使われるプラスチックの生産過程で、ガス・石油の掘削、精製工場、プラスチック製造工場の周辺では住民の健康被害が問題になっていて、被害者は、有色人種や低所得・貧困層に偏っている。・ ガス・石油産業がプラスチックに生き残りをかけるため、今後はCO2の排出源がエネルギーからプラスチックに置き換わっていく。同時に、火力発電所周辺の健康問題が、プラスチック製造工場周辺の健康問題に置き換わっていく。有色人種や低所得・貧困層に影響が偏るのは同じ。・ 代替プラスチックや、プラスチックに換わる素材が出てきても、誰かが傷ついたら意味がない。・ いまはプラスチックでできていないものがプラスチックに置き換わると、環境正義問題は残るどころか大きくなる。次のペットボトルみたいなのが出てくる(ジュースは昔ビン入りで売られていたし、ボトル水なんてそもそも存在しなかった。水筒を持っていた)。・ 昔は弁当箱がアルミ製だったという話をしていますが、アルミニウムはプラスチックと比較してリサイクルが簡単です。プラスチックをアルミに置き換えればいい。とりあえず。・ 「私たちひとりひとりにできることがあります」というメッセージを発信する場合、それは「お金持ちじゃない人にもできること」じゃないと逆効果になります。社会経済的にできることがない、限りなく少ない人は、機会があれば自分が大事にしている問題について「話すこと」にトライしてみてください。・ おかしいと思うことには、おかしいと言いいましょう(アメリカではよく"You see something, say something."と言われます)。・ ネットでもリアルでもどっちでもいいので、誰かとつながって、小さなコミュニティーをつくって話したり何かをしたりしてください。 「私たちひとりひとりにできる最も重要でもっとも大きいこと」は、「話すこと」です。 気候変動を、社会問題を、政治を日常会話にしましょう!ポッドキャストの感想や経験談、大事にしている問題や心配事など、なんでもいいので、このブログのコメント欄やメッセージ、TwitterへのコメントやDMで気軽にお寄せください。 そんなわけで、次回は7月10日に投開票を迎える参議院選挙の話です。
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