液相焼結の駆動力【ものづくり系ポッドキャストの日】TT095
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ものづくり系ポッドキャストの日「駆動」 プレイリスト
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NotebookLMによる概要
このポッドキャストは、「ものづくり系ポッドキャストの日」という企画に参加し、2024年4月のテーマ「駆動」にちなんで、液相焼結の駆動力について話しています。Taiseiの勤務する会社で超硬合金を製造しており、その製造工程で行われる液相焼結に焦点を当てています。
焼結とは、金属やセラミックスの粉末を高温で加熱し、粒子間の結合を促進して硬く緻密な固体を作るプロセスです。これは、硬くて融点が高い素材(例:タングステンカーバイトは2900℃)を、より融点の低い金属(例:コバルトは1500℃)を「接着剤」のように加えて溶かすことで、素材の融点まで温度を上げずに結合させるために行われます。
焼結方法の一つである液相焼結は、構成成分の一部が加熱によって溶けて液体になり、その液相中で焼結が進む方法です。
液相焼結の主な駆動力は、粉末間にできたこの溶けた液体が働く力です。これはざっくり言うと、溶けた液体が粉末の隙間に「染み込む」または「引き寄せる」毛細管力や、液体が粒子を互いに引き寄せる表面張力によって生じます。液体が粉末の隙間に入り込むことで、表面エネルギーが低減され、これが液相焼結の原動力となります。また、液体が存在することで、粒子間の物質移動(拡散)も起こり、粒子同士の結合や組織の緻密化が進みます。
超硬合金の場合、タングステンカーバイトとコバルトの粉末をプレスして固めたものを焼結しますが、液相焼結時にはコバルトが溶けることによって、製品が大幅に収縮します(一辺あたり20%ほど小さくなることもあります)。この大きな収縮は、場所によって収縮率が異なったり、製品が曲がったりする原因となり、特に焼結後のねじ切り(タップ加工)の際に、収縮率に合わせて異なるサイズのタップが必要になるなど、製造上の課題となります。
まとめとして、液相焼結は、粉末の一部が液体になり、その表面張力や毛細管力などによって粒子が引き寄せられ、結合・緻密化が進むプロセスです。話し手は、液相焼結中の詳細な様子を直接観察することが難しいため、この現象についてはまだ手探りで、今後さらに学びを深めたいと考えているようです。




