Ep.801 OpenAI「App Directory」始動──チャットの中で“アプリ”が動き出す日(2025年12月25日配信)
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スマートフォンが登場して以来、私たちは「アプリストア」という仕組みに慣れ親しんできましたが、その歴史がAIの世界で塗り替えられようとしています。The Vergeが報じたところによると、OpenAIは12月17日、開発者によるChatGPT向けアプリの提出受付を開始し、新たな「App Directory」の構築に本腰を入れ始めました。
これまでも「GPTs」という仕組みがありましたが、今回始まったのはその進化版、いわば「本物のアプリ」をChatGPTの中に住まわせる試みです。従来のGPTsがテキストでのやり取りをメインにしていたのに対し、新しい「Apps SDK」を使って作られたアプリは、会話の中にリッチな操作画面を表示できます。例えば、「週末の旅行プランを立てて」と頼むと、会話画面の中にホテルの予約フォームや現地の地図がポンと現れ、そこをタップするだけで予約が完了する──そんな体験です。
これはOpenAIにとって、AppleやGoogleが築き上げてきた「アプリ経済圏」への明確な挑戦状でもあります。記事によれば、SpotifyやDoorDashといった大手企業がすでにこの新しいSDKを使って開発を進めており、音楽再生やフードデリバリーがChatGPTから出ることなく完結するようになります。
開発者にとっての魅力は、8億人を超えると言われるChatGPTのユーザーに直接アプローチできる点です。さらにOpenAIは、将来的にこの場所でデジタル商品やサービスを販売できる「Agentic Commerce」の構想も描いており、PayPalとの提携も噂されています。
2026年の幕開けとともに、私たちが普段使っているスマートフォンのホーム画面の意味合いが、少しずつ変わっていくかもしれません。「アプリを開く」のではなく、「AIに話しかけてアプリを呼び出す」スタイルが、新しい標準になりそうです。




