VAソフトシンセSTROBE2は手つかずの黄金の鉱脈(音色)だった
Description
STROBE2を使えば、DTMerから「えっ何?その音色どのシンセ?」と思わせてくれる
音色が多く眠っています。いわばそれは手つかずの黄金の鉱脈を発見したようなものです。
ソフトシンセではSerumやMassiveなどが有名です。
しかし、それらはある意味多くの人が使っているため
かなり手垢のついている状態のソフトシンセです。
しかし、よくも悪くもSTROBE2はあまり使われていないので
手垢のついていないソフトシンセと言えます。
それだけ自分のサウンドを個性的に仕上げられるのと同じです。
というわけで今日紹介するのはFXpansionのVAソフトシンセ
STROBE2です。個人的にすごく気に入っているシンセです。
ちょっと一風変わったVAソフトシンセの魅力をお伝えしたいと思います。
VAシンセでありながら静的ではなく動的なシンセサイザー
オシレーターとフィルターによる音作りのVAシンセが静的とするならば
ウェーブテーブルシンセはそのオシレーターの動きが変化していくので動的といえます。
STROBE2はTransModモジュレーション技術を使い、
オシレーターをモデュレーションで変化させることが特徴的です。
そのためウェーブテーブル的なオシレーターの変化を楽しめます。
オシレーター同士の掛け合わせを中央のウィンドウで表示してくれるので
自分の作っている音色をしっかりと目で理解できます。
1OSC+Sub OSC+Noiseによるシンプルな音作り
「え?今どきそんなシンプルなオシレーターじゃ派手な音作れないでしょ?」と
思うかもしれませんが、マルチウェーブフォーム対応のオシレータなので、
オシレーターの組み合わせで違う波形を作り出せます。
またメインのオシレーターには最大5スタックによるSuperSawも可能です。
メインのオシレーターはSawとSqr(Square)だけですが、
サブオシレーターがSin Tri Saw Sqrの4つから選べます。
多くのVAシンセサブオシレーターは補強用的な意味が強いのですが、
STROBE2はメインオシレータばりに音が作れます。
エッジが立って透明感があふれる音色
音色の傾向はサチュレーションで潰されている音もありますが、
基本は透明感がある音色が多く、高音はキレイで透き通り、
低音にもエッジがたつおかげで太いベースもよく抜けてきます。
実に優等生な音色です。
地味だけどVCAセクションのすごい実力
一言でいうとボリュームとパンニングを操作するセクションですが、
ここのAmpパラメーターのサチュレーションが結構えげつないですw
VCFを絞り気味にしてAmpを上げると、倍音が強烈に歪んで
FM音源みたいな音がでます。
その音は「VA音源ちゃうんか〜い」とツッコミをいれたくなるほど
個性的といえます。
リセットパラメーター機能の使い勝手がよくない
あるパラメーターを変更したときに
「やはりもとに戻そう」と思うことはよくあると思います。
多くのソフトシンセはそういうときに
ダブルクリックまたはoptionキーやcommandキーを押しながらクリックすることで元に戻せる
のですが、STROBE2はそれがなく、右クリックからReset Parmを呼び出す形になります。
私としては他のソフトシンセ同様にoption+クリックで
リセットさせる方がスムーズな音作りがしやすいと思うのですが…
この辺りは先日のGeist2をはじめFXpansionの開発陣の思想的なものがあるのかもしれません。
音作りの基本「イニシャライズパッチ」はあるが…
私がソフトシンセのレビューのたびに強調しているのが
「イニシャライズパッチ」とはボタンひとつで無加工のプリセットを呼び出す機能です。
これがないと音作りが始まりません。
STROBE2もあるのですが、ちょっとだけ難点があります。
それは設定ボタンからLoad Init Preset…を選ぶと
このような最終案内が表示されます。
もともと、イニシャライズする目的で押すボタンです。
このYesボタンひとつおすだけの作業ですが、
サクッとイニシャライズ出来てほしかったのが残念です。
音色選びは矢印キーで変更可能
イニシャライズプリセットと同じくらい私が重要視しているのがこれです。
ブラウザを矢印キーで音色を変更できることで大量のプリセットを選ぶ時間を短縮できます。
エフェクトのディレイパターンがかっこいい
先日のGeist2レビューにてお伝えしましたが、FXPansionの製品は
どのソフトもクオリティが高いエフェクトばかりです。
使わないと損する!BFDの兄弟音源geist2の魅力と使い方について
STROBE2もBFD3およびGeist2と似たエフェクト構造です。
STROBE2も様々なエフェクトが搭載していますが、
とくにパターンディレイのパターンが中々創作意欲を刺激してくれるリズムになっています。
のクオリティも大切ですが、大切なのは創作意欲の向上につながるか音色であるかどうかですので
エフェクトの効果がクリエイティブであればモチベーションもあがるといえます。
なので、一見子供だましのようなエフェクトであっても
こういうわかりやすいエフェクトの見せ方はありだと思います。
ちなみにこのディレイパターンはLogicにもDelaydesignerという
リズム生成できるディレイがあるので「お!じゃあそっちも使ってみよう!」と
思わせれてくれるきっかけをくれるソフトシンセというのも
クリエイティブな完成度を持っているといえます。
というわけで8小節程度の80’s感あふれるデモですw
リズムはGeist2
ベースとシンセはSTROBE2
ギターはNIのFUNKGUITERです。
シンセに使っているDelayのリズムと音色変化がユニークで
3トラックだけで作ったとは思いにくいほどのサウンドを作り出してくれます。
2種類のオーバーサンプリング
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