英語で自分の意志を伝える「助動詞」の使い方とイディオムをマスターしよう!
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日本の英語教育が最も力を入れているのは英文法と英単語の習得です。
その能力を駆使しても、やはり英語ネイティブの英会話についていけないと感じてしまう原因の一つがイディオム(慣用句)です。
例えば以下の文はどのように訳しますか?
There is a good chance.
なんだか良いことが起きそうな予感がしますね。チャンスを掴み、明るい未来が待っている、と訳した人は多いのではないでしょうか?
確かに一つ一つの単語を訳していくとその和訳にたどり着くでしょう。しかし、これは「可能性が高い」と訳し、以下のように用いることもできます。
There is a good chance it will rain tomorrow.【明日は雨が降る可能性が高い。】
単語の意味は知っているのに、文章の意味が正しく掴めない理由は、直訳できない決まり文句の和訳に挑んでいたからだと言えます。
今回は読者様からのリクエストにお応えして、「助動詞を使った表現(使い分け)」をイディオム(慣用句)とともにご紹介します。
助動詞とは?
文字通り「動詞を助ける」役割をする語です。動詞の前に置くことで、動詞の意味の範囲を広げ、より深いニュアンスを含むことができます。
I speak English.【私は英語を話す。】
I can speak English.【私は英語を話せる。】
例文のように can を入れることによって「私にはこんな能力がある」というニュアンスを加えることができました。can には他の意味もあります。
また、can 以外にも助動詞と呼ばれる語はたくさんあります。一つずつ丁寧に意味を見直し、更にイディオム表現のストックも増やしましょう。
主な助動詞の種類と3つのルール
現在形 | 類似語 | 過去形 |
---|---|---|
can | be able to(能力・可能) | could |
may | can(依頼・許可) | might |
must | have to / gotta(義務) | X |
will | can(依頼) | would |
shall | ought to / had better | should |
need to | have to (否定) | needed to |
used to | 過去文 | X |
- 助動詞の後には動詞の原形が続く。
She can speak English. - 疑問文では助動詞は主語の前にくる。
Can you speak English? - 否定文では助動詞のあとに not をつける。
You cannot speak English.
can の用法は4つ!
1. 能力「~できる」
I can’t swim. I sink like a rock!
(私は泳げない。金槌なの。)
※英語では“金槌”ではなく“石”で沈む様を表現します。
2. 可能「~できる」
A: Really? I can’t believe that!
(本当に?信じられない!)
B: That’s what she says!
(そうらしいよ!)
※この場合、She = 彼女とは架空の彼女の事です。つまり「誰かがそう言っていた」を意訳すると上記のようになります。
3. 依頼・許可「~してくれない?」
A: Can you translate this for me?
(これを訳してもらえる?)
B: Piece of cake. I’ll do it right now.
(お安い御用。今すぐできるよ。)
4. 強い疑い「~であるはずがない」
A: This drug store is open twenty-four seven.
(この薬局は年中24時間営業だよ。)
B: That can’t be true!
(そんなまさか!)
could の用法は2つ!
1. 過去の能力「~できた」
A: John could speak Japanese before, but he can’t anymore.
(Johnは以前、日本語が話せたのに今は話せません。)
B: Hey guys. What’s up?
(やぁ、みんな!どうしたの?)
A: Speak of the devil.
(噂をすれば影がさす。)
2. 可能「~できるかも」
I’m so hungry I could eat a horse!
(馬一頭を食べられるぐらい、すごくお腹が空いた!)
※例え話など、仮定の話をする時は、過去形の助動詞 could を使います。
may の用法は2つ!
1. 許可「~してもいい?」
A: May I ask you a question?
(質問をしてもいいですか?)
B: Hit me!
(言ってみて!)
2. 推量「~かもしれない」
A: It may rain tonight. Could you pick me up from work tonight?
(今夜は雨が降るかもしれない。仕事後に車で迎えに来てくれない?)
B: Sure thing.
(もちろん、いいよ。)
might の用法
推量「~かもしれない」
I might have to think about it harder. Let me sleep on it.
(これはじっくりと考えないといけないかもしれない。一晩考えさせて下さい。)
※ may よりも可能性の低い推量を表す。
must の用法は2つ!
1. 義務「~しなければならない」
You must go to bed now. Sleep tight.
(もう寝なければいけない。しっかり寝てね。)
※ must の否定文は「~してはいけない」と訳し、禁止の意味を持ちます。
例:You must not take this medicine.
(この薬を飲んではいけません。)
つまり、口にしてはいけない洗剤や毒薬のラベルに書かれているイメージです。
2. 強い推量「~に違いない」
Are you ok? You seem a little out of it today. You must be tired.
(大丈夫?今日は心ここにあらずみたいだね。きっと疲れているに違いない。)