48th. 先輩面して電通のインターン課題をやる・前編
Description
※今回は電通インターンシップ「アイデアの学校」の課題をトークテーマに使用させて頂きました。
課題一覧はこちらから見ることができます(エントリーは既に締め切っています)。
美大時代に電通のインターンに落ちたうえはら、2年で参加した宮崎/「2年でインターン行くって、正直伝説ですよね」/インターンのコースは講師陣を見ればどんな職種に繋がっているかがなんとなくわかる/課題:「青い、と思った。」という書き出しで文章を書いてください/宮崎とうえはらが書いてきたポエムを読む時間(全文この後に掲載しています)/課題:「校長先生の話」を面白くするアイデアを考えてください/校長自身が面白くなるか、つまらない話を楽しむ方法をつくるか、まずはその2通り/大喜利力を聞いてる課題か、コンセプト力を聞いている課題か/校長先生化する二人の会話
脳内デブリでは皆さんからの質問やお題提供などのお便りを募集しています→https://forms.gle/VxRnR8BsochWHjoB7
■課題1:宮崎案
「青いと思った。」という書き出しで文章を書いてください。という課題がでた。
この課題を見たのは、ちょうど一ヶ月前、5月28日。難しい課題だなと思って、
とりあえず、あと回しにした。そして、この課題の存在を思い出したのが、課題提出の1時間前。28日の11時。つまり今日の11時である。二限目の認知心理学の授業中。大切な何かを忘れている気がしていた。自分が情けない。とにかくすぐに課題に取り掛かり、色について書くのか。はたまた、悲しい感情について書くのか。あれやこれやと考えているといつの間にか、残りあと15分。流石にまずい。心臓が速くなる。ヤケクソでとにかくいまの状況を書き殴る。残り2分。とにかく提出さえと思いエントリーを探すとマイページを開く、埋めなければいけない空欄が大量に並んでいる。絶望する。心臓がさらに加速する。すぐさま空欄を埋めると、まさか、証明写真が必要ではないか。証明写真なんて撮りに行く時間なんてない。終わった。そう思ったが、咄嗟に証明写真アプリのことを思いつく。提出まで残り20秒。震える手でカメラを開くと僕の顔は真っ青だった。
■課題1:うえはら案
青い、と思った。
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僕には子供の頃から、相手の発した言葉に色がついて見える。
いただきます、は黄色。
おやすみなさい、は紺色。
ありがとう、は温かみのある桃色。
「『共感覚』というのよ。
本来色のついていないものに色がついて見えるの。お母さんも同じ。
おかしなことじゃないけど、あんまり人に言ったらだめよ。」
わかった、と答えた僕に母さんは
「きみの『わかった』はいつも綺麗な深緑だねぇ」と微笑んだ。
志望校に受かった友達の言う「やったぞ!」は、輝く黄金色。
卒業式で先生に言われた「また会おうね」は、はかない薄紫色。
そういえば、部活をサボっていた僕にキャプテンが放った
「お前を軽蔑する」は、吸い込まれそうなほどに真っ黒だったな。
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高2の夏、初めて出来た彼女に言われた「好きだよ」は
空よりも透き通る青色だった。
それまでさまざまな種類の「好き」を聞いてきたが、
「好き」はどれも、燃え上がるような赤色をしていた。
僕はそこで初めて、自分の持っている不思議な力の真意に気が付いた。
言葉そのものの意味に色がついていたのではない。
僕が目にしていたのは、言葉に込められた感情の色だった。
母さんがいつも、僕の考えていることを手に取るようにわかったのはそういうことだったのか。
「僕も好きだよ」
その言葉もまた、透き通るように真っ青だった。
彼女と同じ色をしていたことが、不思議と僕を安心させた。
青い、と思った。
16歳の僕は、この気持ちがずっと続けばいい、と思った。