Discover日本報報67.東京房市現況(下)
67.東京房市現況(下)

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Update: 2024-05-03
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ここではエコノミストで、企業ファイナンスを研究している崔真淑さんに伺いました。

家賃の上昇についてどうご覧になりますか。

先ほどのvtrにもありましたが、家賃の上昇は都市部を中心に起きている現象であって、日本全国の不動産基調は実はあまり元気がないんです。

不動産市場のトレンドを表す東証リート指数を見ると、2021年から緩やかに右肩下がり、つまり不動産市場は日本全国では平均的には振るわないということを示しています。今、日本銀行が金融緩和を縮小する方向に向かっているので、銀行の貸出金利も上昇する傾向にあります。すると不動産価格が下がるという、そういった懸念が生まれているんです。

ただ、都市部における賃料上昇というのは、私は今後も起こり続けるのではないかと考えています。

それはどうしてなんでしょうか。

まず押さえておきたいのが、東京23区にある新築マンションの平均価格が一億円を超えているということです。

これは、都心の超高級マンションが平均価格を押し上げています。こうした影響を受けて、

賃貸相場が上がる三つの理由というのが生じていると私は思っています。

まず一つは、そもそも都市部のマンションは2009年から倍近く上昇していますが、家賃は二割から三割ほどしか上がっていません。その反動が起きやすくなっているということ。そして二つ目は、とにかく円安で海外投資家から東京都心部の不動産が大人気。これによりマンション価格も賃料も上がりやすくなっています。そして三つ目は、ジェンダーダイバーシティの浸透で都市部にパワーカップルが増加。不動産価格の上昇よりも仕事のために利便性を優先したいという、そういった層が増加して、賃料を押し上げていると思っています。

今後については、どうご覧になりますか。

やはり円安が続く限り、このトレンドは続きやすいと私は思っています。このまま賃貸と分譲の価格の上昇が続くと、国内の一般の人は都市部に住めないという状況が起きるかもしれません。実際、ロンドンではそのような状況になり、イギリス人が家を持ちにくいということも問題になっています。海外投資家による不動産取得について規制をかける国も少なくないです。一般の人の住宅取得を促すべきか、それとも海外からの不動産マネーを優先したいのか、政府の動向が注目されると思います。

住まいは生活の基盤となる場所です。不動産には投資という側面もありますが、そこで暮らす方のためにも適切な規制はあってもいいのか、もっと議論してもいいのかもしれませんね。

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