DiscoverブックカタリストBC119『ゼロからの読書教室』から考える「本の読み方」
BC119『ゼロからの読書教室』から考える「本の読み方」

BC119『ゼロからの読書教室』から考える「本の読み方」

Update: 2025-07-29
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今回は倉下が『苦手な読書が好きになる! ゼロからの読書教室』を紹介しながら、本を読むことについて考えてみました。

書誌情報

* 著者:読書猿

* 『独学大全』は第二回で紹介しております

* 出版日:2025/5/23

* 出版社:NHK出版

* 目次:

* 第1部 本となかよくなるために……しなくてもいいこと、してもいいこと

* 第1回 全部読まなくてもいい

* 第2回 はじめから読まなくてもいい

* 第3回 最後まで読まなくてもいい

* 第4回 途中から読んでもいい

* 第5回 いくつ質問してもいい

* 第6回 すべてを理解できなくてもいい

* 第7回 いろんな速さで読んでいい

* 第8回 本の速さに合わせてもいい

* 第9回 経験を超えてもいい

* 第10回 小説なんて読まなくていい

* 第11回 物語と距離をおいていい

* 第12回 小説はなんでもありでいい

* 第2部 出会いたい本に出会うために……してみるといいこと、知っておくといいこと

* 第13回 いろんな本を知ろう

* 第14回 本の海「図書館」へ行こう

* 第15回 レファレンスカウンターに尋ねよう

* 第16回 百科事典から始めよう

* 第17回 百科事典を使いこなそう

* 第18回 書誌はすごい道具

* 第19回 書誌を使ってみよう

* 第20回 件名を使いこなそう

* 第21回 上位概念を考えよう

* 第22回 リサーチ・ナビを活用しよう

* 第23回 青空文庫に浸ろう

* 第24回 デジコレにもぐろう

*本書は「基礎英語レベル1」の連載「中学生からの本となかよくなる方法」を加筆修正したものです。

多様な読書の方法

私たちはいろいろなことを学校を通して学ぶわけですが、多くの場合、

* 具体的なレベルでの「方法」は学ばない

* 提示された方法があるなら、それ以外は認められない

という二つの傾向を持ちます。そして、その出会いがミスマッチなら、その後の人生にも影響を与えます。

たとえば、学校の「音楽の授業」が合わなくても、音楽的活動は好きかもしれません。でも、音楽の授業が嫌いだったから、自分は音楽が嫌いなんだ、と思ってしまうかもしれません。悲しいすれ違いです。

私の経験から言って、体育や美術の授業がそうでした。ぜんぜんそれらの活動が好きになれないまま卒業し、大人になってから出会い直して好きになりました。

読書感想文もそうです。今では、誰にも頼まれずに書評記事などを書いていますが、夏休みの読書感想文がいやいやで仕方ありませんでした。私の人格が変容したのではありません。私と対象の間に介在する「方法」が変わったのです。

たぶん、本を読むこともそうでしょう。もっと言えば、何かを学ぶことも同じなはずです。

提示されたやり方があって、それでうまくいかなくても、対象を拒絶する必要はありません。間にある「方法」を変えれば、関係が変わることはよく起こります。

方法についての知識を増やすことは、対象との関係を、あるいはそのバリエーションを変えることに貢献してくれます。

本を読むことが、さまざまな知識の源であり、また自分の体験を豊かにしたり、新たな思索を呼び込む役に立つことを考えれば、まず読書の方法を増やしていくことは非常に「コスパがよい」と言えるかもしれません。

▼以下の回も合わせてどうぞ



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goryugo and 倉下忠憲@rashita2