No.570 美容医療違反行為
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要約
松原氏とひめ先生は「綺麗になるラジオ」の第570回放送で、美容医療業界の問題点について議論しました。前回の放送からの続きとして、法令解釈の問題、カウンセラーによる診断提案の禁止、アートメイクの名称変更の問題などが取り上げられました。
ひめ先生は、一部のクリニックが「幹細胞上澄み液」という商品名を使用し、非常に小さな文字で「承認薬ではありません」と記載している問題を指摘しました。また、日本の健康保険加入者や在留カード所持者に対して異なる料金設定をしている点も批判し、これは誤認を招くダブルスタンダードであると述べました。松原氏も「文字が小さければ小さいほど悪意がこもっている」と同意しました。
続いて、看護師のみでの診療やメール・チャットのみでの診療・処方が禁止されていることが確認されました。ひめ先生は美容皮膚科の将来について、単独の美容皮膚科クリニックは今後なくなり、皮膚科+美容皮膚科や美容形成外科+美容皮膚科という形でのみ残るだろうと予測しました。その理由として、業界における「嘘が多すぎた」こと、「医学として成立していなかった」こと、「勉強していない」こと、「詐欺的なクリニックが多かった」ことを挙げました。
ひめ先生は医師の社会的責任についても言及し、医師一人を育てるために1500万から1700万円の税金が投入されていることを説明しました。そのため、私立医学部出身者であっても「勝手にやる」という姿勢は間違っており、少なくとも10年は真面目に医療に従事すべきだと主張しました。
松原氏とひめ先生は、美容皮膚科医が患者の全身状態を診ずに美容施術だけを行う危険性についても議論しました。ひめ先生は「これは美容ではなく病気の症状だ」と見抜く力が必要であり、総合的な診断能力がなければ院長になるべきではないと強調しました。松原氏も、患者の要望だけに応じて健康状態を考慮しない現在の美容皮膚科の姿勢に懸念を示しました。
最後に、ホクロ除去が実は皮膚がんだったという事例に触れ、正しい医療として成立する施設で適切な診察を受けることの重要性が確認されました。
松原氏とひめ先生は「綺麗になるラジオ」の第570回放送を開始し、前回の放送で議論した法令解釈の問題やカウンセラーによる診断提案の禁止、アートメイクの名称変更の問題について振り返りました。ひめ先生は特に、クリニックが「幹細胞上澄み液」という商品名を使用し、非常に小さな文字で「承認薬ではありません」と記載している問題を指摘しました。また、日本の健康保険加入者や在留カード所持者に対して異なる料金設定をしている点も批判し、これは誤認を招くダブルスタンダードであると述べました。
ひめ先生は美容皮膚科の将来について、単独の美容皮膚科クリニックは今後なくなり、皮膚科+美容皮膚科や美容形成外科+美容皮膚科という形でのみ残るだろうと予測しました。その理由として、業界における「嘘が多すぎた」こと、「医学として成立していなかった」こと、「勉強していない」こと、「詐欺的なクリニックが多かった」ことを挙げました。松原氏は「せっかく作ったのに」と残念がりましたが、ひめ先生は真面目な医師からの指摘を受けた内容であることを強調しました。
ひめ先生は医師一人を育てるために投入される税金について説明し、私立医学部であっても6年間で1500万から1700万円の税金が使われていると述べました。そのため、私立医学部出身者であっても「高い学費を払ったから勝手にやる」という姿勢は間違っており、少なくとも10年は真面目に医療に従事すべきだと主張しました。
松原氏とひめ先生は、美容皮膚科医が患者の全身状態を診ずに美容施術だけを行う危険性について議論しました。ひめ先生は「これは美容ではなく病気の症状だ」と見抜く力が必要であり、総合的な診断能力がなければ院長になるべきではないと強調しました。また、縦割りではなく横断的な治療の重要性も指摘し、他科との連携なしに健康問題を解決できないケースが多いと述べました。
松原氏はホクロ除去が実は皮膚がんだったという事例に触れ、ネット上の噂話かもしれないと述べましたが、ひめ先生は医師から聞いた話なので本当だと思うと応じました。両者は、今回の議論の目的は「医療としてちゃんと成立するところへ行ってください」というメッセージであり、単に料金の問題ではなく、適切な診察を受けることの重要性を強調しました。
- 美容皮膚科領域における法令遵守と診療体制の見直しが中心議題。看護師のみの診療やメール・チャットのみでの診療・処方の不適切性、誤認を招く広告表示、自由診療での二重価格表記などの問題点を整理。美容皮膚科単独クリニックの将来性と制度改正の影響、総合診断能力の必要性、医師の責務と学習姿勢について議論した。
- 不適切な診療形態
- 看護師のみでの診療は不可。
- メール・チャットのみでの診療・処方は不可(オンライン診療の文脈でも問題視)。
- 誤認表示・広告の問題
- 承認薬ではない製品を小さな文字で注記する手法は悪質。
- 日本の健康保険加入有無や在留カード有無で料金を二重設定する表示は不適切(自由診療であっても誤認誘導の懸念)。
- 小さく薄い文字で重要情報を記載するウェブ表記は利用者保護の観点で問題。
- アートメイク
- 名称を変えても実態はアートメイクであり、規制回避は許されない。
- 産業構造の見通し
- 制度改正の進行に伴い、美容皮膚科「単独」クリニックは衰退見込み。
- 今後は「皮膚科+美容皮膚科」や「美容形成外科+美容皮膚科」の統合形態が存続しやすい。
- 不正確・非医学的対応への反省
- 嘘や誇大・詐欺的手法が横行し、学術的裏付けや継続学習が不足していた点が問題視。
- 医学としての成立性と患者安全が損なわれていた事例への危機感。
- 医療ネットワークの取り組み
- 資料公開を進める一方、現場の受容性(学習意欲)への課題認識。
- 初期評価の必須性
- 美容目的の受診でも、基礎疾患や全身状態の評価が不可欠。
- 美容適応ではなく疾患由来の症状を見抜く力がない場合、施術すべきでない。
- 横断的治療の必要
- 眼科・耳鼻科・皮膚科など縦割りの限界を踏まえ、他科連携による全身的・横断的アプローチが必要。
- 美容で外見のみ整えても根本疾患が未治療では健康回復に至らない。
- 事例・教訓
- ほくろ除去後に皮膚がんが判明するなど、誤診・見逃しのリスクが現実に存在。
- 「患者の希望通りに実施」するだけの運用は、診断責任と安全確保の観点で不適切。
- 学習と責任
- 職業選択の自由は尊重されるが、専門領域での十分な学習と継続教育は医師の責務。
- 国公私立を問わず医師養成には多額の公的資金が投下されており、社会への責務を自覚すべき。
- 社会的要請
- 初期キャリアにおける一定期間の社会貢献(適切な診療と地域医療への従事)の重要性を強調。
- 管理者要件
- 総合診断能力を欠く者は院長・管理者となるべきではない。
- 美容皮膚科領域の健全化には、法令順守、誠実な情報提供、初期診断の徹底、他科連携、そして医師の継続学習が必須。自由診療の価格や呼称の工夫ではなく、「普通に受診し医師が診る」正道に立ち返るべきとの合意が示された。
チャプター前回の放送の振り返りと美容医療の問題点 美容皮膚科の将来性と問題点 医師の社会的責任と教育費用 総合診断の重要性と美容医療の危険性 適切な医療機関選択の重要性 行動項目ひめ先生は美容皮膚科医に対して、総合診断能力を高め、「これは美容ではなく病気の症状だ」と見抜く力をつけるよう提言した。 ひめ先生は医師に対して、少なくとも10年は真面目に医療に従事するよう提言した。 松原氏とひめ先生は視聴者に対して、医療として正しく成立している施設で適切な診察を受けるよう呼びかけた。 プロジェクト同期/状況報告の要約概要規制・コンプライアンス美容皮膚科の業界動向とリスク診療の質・総合診断の重要性医師の責務・人材育成結論次のステップ自院のウェブサイトと広告物の表記監査を実施し、誤認の恐れがある小さな注記・二重価格表示を是正する。オンライン診療を含む診療フローを見直し、メール・チャットのみでの診療・処方を禁止する運用規程を明文化する。初診プロトコルを改訂し、基礎疾患スクリーニングと他科紹介の判断基準を明確化する。美容皮膚科スタッフ向けに総合診断・安全性評価の研修プログラムを計画・実施する。アートメイク等の施術メニューの適法性・適応基準を再点検し、名称や説明の透明性を高める。