【10分】集中力を高めるヨガの片鼻呼吸法〜ナディーショーダナ〜
Description
集中力を高める呼吸法「ナディショーダナ」
- 仕事や勉強中に集中力を高めたい
- 仕事が中断した後でも集中力をできるだけ早く取り戻したい
そんな人におすすめなのが、ヨガの呼吸法のテクニックのひとつである片鼻呼吸法です。サンスクリット語では、ナディーショーダナ、北インド地方ではアヌローマ・ヴィローマとも呼ばれています。
片鼻呼吸法(ナディショーダナ)は左右の鼻で交互に行う呼吸法。陰と陽のエネルギーバランスを整えてくれる、ヨガのプラーナヤーマ(呼吸法)の中でも最も重要とされるテクニックの一つです。私たちの日常の呼吸は片方の鼻で行われており、自律神経の働きで無意識のうちに1〜2時間おきに左右が入れ替わっているそうです。
左右どちらの鼻が支配しているかで、右脳と左脳、どちらの脳が活発になっているかということにも関係しています。右脳は、直感的なことや、感覚的なことを司り、左脳は論理的で推論的な役割を担っています。また、呼吸する鼻によって優勢となる神経も変わってきます。右側の鼻で呼吸しているときは交感神経(左脳が優勢)、左側の鼻で呼吸しているときは副交感神経(右脳が優勢)。この左右を調和させることでプラーナ(気の流れ)のバランスをとり集中力を高めてくれます。片鼻呼吸法(ナディショーダナ)のプラクティスは、瞑想への準備としても非常に効果的です。
「ナディショーダナ」の科学的効果
ナディショーダナは、心身のバランスを整え、集中力を高める効果があることが科学的にも示されています。例えば、ある研究では、この呼吸法を実践することでストレスレベルが低下し、注意力が向上することが確認されています 。
さらに、ナディショーダナは自律神経系を調整し、心拍数や血圧を安定させる効果もあります 。
ナディショーダナは、ヨガの観点から、陰陽のエネルギーバランスを整えたり、呼吸の質を高めたり、右脳と左脳のバランスをとるなど多くのメリットがあります。
その中でも、科学的に効果が実証されているのは以下の3つです。
- ストレスレベルの低下
- 注意力の向上
- 自律神経の調整(自律神経系を調整し、心拍数や血圧を安定させる)
ナディーショーダナは、集中力を高めることはもちろん、副交感神経・交感神経のバランスをとることで、自律神経系を調整し、心拍数や血圧を安定させる効果もあります 。
呼吸の長さを調整することによって、集中力を高めるテクニックとして使うこともありますが、
吐く息を長めにし(副交感神経を刺激)、睡眠前にリラックスを感じるテクニックとしても非常に有効です。
片鼻呼吸法のやり方
座り方
無理のないまっすぐな姿勢で座ります。ヨガが初めての方は安楽座(スカーサナ)がオススメです。特に骨盤を立たせて、背骨・首・頭をまっすぐにして安定した座法で座ることが大切です。
ムドラー(手の形)の組み方
交互の鼻を開けたり閉めたりするのに、手の指を使います。ナディショーダナ(片鼻呼吸法)を実践するのに大きく2つのムドラー(手の形)があります。
伝統的には、Shanka Mudraと呼ばれる人差し指と中指を折り曲げるムドラーがあり、もう一つのやり方としては、薬指と小指を折り曲げて、人差し指と中指を額の真ん中(第3の目)にあてる方法があります。どちらでもやり易い方をチョイスしましょう。伝統的には、ムドラーを組むのは右手とされています。(インドでは、左手は不浄とされるため)
呼吸法のやり方(必ず左からスタート)
この呼吸法では、必ず左の鼻(イダ)の吸う息からスタートし、左の鼻から吐く息で終わります。経典によると左の鼻から呼吸を行うことでアムリタ(甘露)を作り出し、右の鼻から行うと、熱と毒を生み出すとも考えられていたようです。
- 安定した座法で座る
- ムドラー(手の形)を組み、親指で右の鼻孔をおさえる。
- 左の鼻からゆっくりと吸います
- 吸い切ったら親指を離し、薬指で左側の鼻孔を閉じます。
- 右の鼻からゆっくりと息を吐きます。
- 吐き切ったら、右の鼻から吸います。
- 吸い切ったら、薬指を離し、親指で右の鼻腔を押さえます。
- 左の鼻からゆっくりと息を吐きます。(ここまでで1ラウンド)
最初のうちは、吸う息と吐く息1:1の長さからスタートしましょう。自分が心地よいと思える長さでホールドします。吸う息4秒、吐く息4秒くらいからスタートし、慣れてきたら徐々に20秒〜くらいまで伸ばして、吐くいきを長くしていきます(1:2)。一番大切なのは、自分が心地よいと思える長さで行うことです。決して無理はしないようにしましょう。(無理にカウント・クンバカ(止息)しなくても良い)
ナディショーダナを取り入れた毎日5分のルーティン
ナディーショーダナを練習するベストなタイミングは以下の3つです。その他、集中力途切れた時に、どんなタイミングでも取り入れることで交感神経・副交感神経のバランスを調整することが可能です。
ナディショーダナ(片鼻呼吸法)はいつ、どのくらい回数やればいいのでしょうか?
ヨガの経典によると、1日18ラウンド(6ラウンドを1日3回)を3−4ヶ月継続することでナディが浄化されるとされています。(Vasishta Sanhita 2章67節)
個人差はありますが、最初のうちは6ラウンド行うのに5分もかかりません。1日3回15分を目安にナディショーダナ(片鼻呼吸法)を実践してみましょう。ヨガの練習後や瞑想の前に行うことが良いとされています。私は朝起きた後、夜寝る前に行っています。リラックス効果もあるので、睡眠の質を高めてくれている気がします。




