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アワノトモキの「読書の時間」

アワノトモキの「読書の時間」
Author: 粟野友樹,星野良太,Work-Teller
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© 粟野友樹,星野良太,Work-Teller
Description
「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに
独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。
扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。
20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から
今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。
【profile】
リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者
累計約600本以上の記事を監修
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/
筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと
20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。
◎注目している分野
・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤
・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性
・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育
・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用
・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線
※上記分野のお話が多くなると思います。
★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、
こちらまでDMをお寄せください。
https://twitter.com/Tomoki_Awano
独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。
扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。
20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から
今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。
【profile】
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累計約600本以上の記事を監修
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筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと
20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。
◎注目している分野
・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤
・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性
・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育
・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用
・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線
※上記分野のお話が多くなると思います。
★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、
こちらまでDMをお寄せください。
https://twitter.com/Tomoki_Awano
158 Episodes
Reverse
「観光客の哲学 増強版」(東浩紀さん)から抽出した3つのキーワードをもとに対話を深める&偶然の話題の展開を試みる2回目の放送。
キーワード3つと概要はこちらです。
1.裏口から引きずり込む戦略
「Podcastにも、仕事にも必要な概念ではないか?」という、私(粟野)の個人的な課題感から取り上げた言葉になります。
本書の中では、リベラル知識人が発する「他人を大事にしよう」という正論が、世の中的に食傷気味で受け入れられない現在、正面突破ではない現実的な戦略を取るべきではないかと(リベラルの)東浩紀さんが考えたという文脈。
具体例として、「チェルノブイリ」などへのダーク・ツーリズム(戦争・災害などの悲劇の地を“敢えて”観光の対象とし、本質的な理解を深めたり、つながりをつくる取り組む)があり、「幼稚な好奇心=裏口」からでもまずは興味を持ってもらい接点をつくる、という取り組みが紹介されています。
「裏口」。堅苦しくなりがちな私(粟野)にとって、自らを顧みて反省させられる・気づきがあるキーワードでした。
リスナーの皆さんはいかがでしょうか。
2.他人の欲望を欲望する時代
星野さん曰く「欲望を知りにくくなっている現代=自分との対話をエスケープし、他人に欲望をお任せする」とのコメントと課題意識。
例えば、各種SNSやwebに接することで、暮らしに不満はないのに「年収低くない?」とSNSや広告に煽られて「転職・キャリアアップしなくちゃ」と欲望を植え付けられる我々。
本書の中では、東浩紀さんは「本や絵画、詩などが、それそのものの価値では評価されない。他人がそれをどう評価したか、で評価するようになる時代が今。それは避けがたい」という厳しい現実を指摘されています。納得。
1つ目のキーワード「裏口から引きずり込む戦略」にもつながりますが、「良いものを生み出せば何とかなる」ではナイーブすぎるという当たり前といえば当然すぎる指摘ですが、(Podcastなりブログなりであっても)何かを自分名義で創る、メーカー体験をしてくると、よりリアリティがあり胸に響く言葉。
※私淑するTakram・渡邉康太郎さんの言葉をお借りすると、「トロイの木馬」作戦(外見・見てくれと中身は違うぞ)ということだと理解しました。
話題は、スラムダンク・湘南にある高校にファンが大殺到して大変という話や、星野さんが体験した奄美大島での観光リゾート開発の顛末の具体論まで展開しました。
3.誤配・観光・憐れみ
東浩紀さんの(恐らく)人生のテーマである「郵便的(予期しないコミュニケーションの可能性)」。
「郵便的なあり方=誤配こそが人と人との連帯を生む」という、最初はピンとこない・腹落ちしづらい論ですが、以下の具体例で理解しました。
最初から連帯を意図する行動、例えばデモ活動をイメージすると、強いメッセージ・同じ価値観を持つ同志グループの中では強い連帯はあっても、逆にそのグループ外では強い反対や断絶、冷めた空気感を生むかもしれない。
一方で、郵便的・誤配・観光客的なふわふわ・曖昧なあり方で人と人が触れ合うと、何も起こらないかもしれないけれど、予定調和ではないからこそ、自然な人と人とのつながりや憐れみ・連帯を生むかもしれない。
※収録時の対話では、あまりシャープな喩えではなかったですが、、「運動会の紅組・白組。教師から連帯しろ!と強制されても冷めませんか?」と例示させていただきました。
※デモ活動を否定しているわけではなく、ある側面に焦点を当てた例示としてご理解ください。
「いっちょやってみるか(その先に何があるかわからないけれど、まずは開かれていよう)」ですね。
最後の「ハニートラップ」のお話は、星野さんの潜在的な願望からの連想かもしれません。
なお、余談ですが、今回の32冊目「観光客の哲学 増強版」収録は試行的取り組みを行いました。
大人気Podcast番組「超相対性理論」に倣い、収録前に話す内容などを準備しすぎない・解像度を上げすぎない事による、観光客的(誤配・偶然・郵便的)な収録を目指してみました。
星野さん的に表現すると、「人生の横槍」的なあり方。
どのくらい実現されていたかはさておき、まずは読書からの学びを自分たちで小さく実践してみました。
次回は、これからの我々の寄るべき足場として重要と東浩紀さんが考える「家族」に関する概念を題材に、こぼれ話を展開します。
「観光客の哲学 増強版」の続編である、「訂正可能性の哲学」にもつながる話です。お楽しみに、
「観光客の哲学 増強版」(東浩紀さん)の3回目は、本の内容を酒の肴にさせていただき、話題を拡散していく「こぼれ話」の回。
東浩紀さんの考える「家族」という新しい概念(家族概念の読み直し)から出発。
1.国家と個人のあいだが必要
大きくて遥か遠くにあり概念的な国家(ナショナリズムにつながる)と、個人の努力や責任を強く求める個人主義(資本主義・グローバリズムや新自由主義につながる)という、2つの両極端なものしか依るべき足場がない現代。
マルクスの階級論(階級=奴隷・土地・お金というモノを所有する権利を持つ人達が特権階級となる世の中を変えよう)が力を失った今、人々が依るべき場所をなにか見つけなければならない。
2.「偶然の家族」という開かれた中間集団
その依るべき場所として東浩紀さんが仰る「家族」(一定の強制性、偶然性、拡張性の3つの特徴を持つ)概念は、他の論者の方も仰る「中間集団」の必要性に通じるものだと思います。
血縁主義や家父長制的な、閉鎖的で固定的な家族概念ではなく、偶然性にオープンで少し流動的な存在。そして、その「家族」は、複数あって良い。
3.「利他」から生まれるつながり
また、「三ちゃんビジネス(経営)」(じいちゃん・ばあちゃん・かあちゃんの三ちゃん)を喩えに、「拡大・上昇」を志向するあり方とは違うビジネスや生き方をしていきたいし、我々も実践してきているという話題や、本書の「憐れみ」というキーワードから「思わず助けたいと思ってできるつながり」→「利他」→「伊藤亜紗さん(読書の時間6冊目「利他とは何か」)の視覚障害者の方への自然なサポートから目が見えない人々の世界を教わりつながりができることの意味」など、へ展開していきました。
「中間集団」といえば、我々も東京の神田で小さな中間集団的なもの(足場)を育み出しています。
今後はPodcastの作成だけではなく、本の出版や地域活動などもぼちぼちやっていく予定です。
「スケールする」や「マーケットのニーズが〇〇」といった陳腐なビジネスワードとは無縁に、なんとなく感覚が合いそうな善き人たちと、緩やかに一定距離も保って縛りすぎない関係性での足場づくりを進め、このPodcastでも進捗を共有していきたいと思います。
書籍に関するコメントやご要望も絶賛、お待ちしております。
それではまた、32冊めの読書の時間でお会いしましょう。
「アワノトモキの読書の時間」 31冊目は、批評家・作家・哲学者・経営者という多様な側面を持つ、東浩紀さんの著作「観光客の哲学 増強版」。
東浩紀さんについては、出版社・人文系のトークイベントなどを多数主催されている「ゲンロン」の創業者としてご存じの方も多いかもしれません。
1回目の序盤は、今回扱う本の続編として2023年9月に出版された東浩紀さんの最新作「訂正可能性の哲学」の「訂正」というワードから"横みち"を2つほど。
・星野さんの名著「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。つながる生き方――共創で夢を叶える」はKindle版のため、出版後も随時「訂正可能」であり、またオンデマンド出版。非常にweb・デジタル的。
・一方で、一部で話題沸騰のている社発行の雑誌「新百姓」は、Amazon等では購入不可で雑誌づくりの方向性に共感した書店中心の販売かつ、発行部数を限定。非常にアナログ・紙の良さを追求。
どちらも良さがありつつ、有限性に惹起される渇望、常にアクセスできないことによる想いが募る状態、などに話題が展開しました。
さて本編に戻ると、私(アワノ)が「観光客の哲学 増強版」をチョイスした理由は2つ。
1つは、「観光客的な在り方=偶然性、無責任性、曖昧性を持つことが自分に必要ではないか」という必要性に駆られて。
もう1つは、X(旧:Twitter)上で、社会学者の岸政彦さんに泥酔して絡みブロック・罵倒されている東浩紀さんの打ちひしがれた姿を見て、東浩紀さんに対して「憐れみ(人間っぽさ・親近感)」を感じて、思いがけず読みたいと思った。
この2点ですが、恐らく2つ目の事象を目にしなければ、仮に本は読んだとしてもPodcast「アワノトモキの読書の時間」では取り扱わなかったかもしれません。まさに偶然。
※ちなみに、書籍に「観光客」という題名はついていますが、「有名観光地」や「観光業」に関する本ではなく、メタファー(比喩)としての「”観光客的な在り方”=偶然性、曖昧性、無責任性を帯びた存在の意味」を取り扱った本になります。
最後に2週目に取り扱うキーワードは3つ。
裏口から引きずり込む戦略
他人の欲望を欲望する時代
誤配・観光・憐れみ
ぜひ2週目も楽しみにお待ち下さい。
感想・コメントや取り扱いたい書籍のリクエストはコチラまで↓
いよいよアワノトモキの「読書の時間」も30冊目へと突入しました。
今回扱うのは、「生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方」です。
著者の武藤北斗さんが経営する株式会社パプアニューギニア海産の働き方について書かれた本です。
粟野さんは、ラジオ番組でこの会社と武藤北斗さんについて知り、自身のX(旧Twitter)でも紹介したところ、「人生で苦しみをなくしたい」と武藤さんからも連絡がきたそうです。
武藤さんは、Youtubeやnote等のメディアでは、いい人の印象を受けるものの、「実際は良い人ではない」「独裁者」「メディアで作られたイメージがある」などと自身で言われているよう。
また、好きな時間で好きな日数働ける会社ということで注目され、応募も多数来るのですが、会社のミーティングの様子などYoutubeを見てくれとよく伝えられているそうです。
パプアニューギニア海産では、好きな時間で好きな日数働ける一方で、返事の仕方、ロッカー移動の是非など決められたルールが結構あるとのこと。
パプアニューギニア海産のようにルールや方針などわかりやすい会社が多様にあれば、多様な選択肢がでてきて、働く人にとってもいいのではないでしょうか。
次回以降で、キーワードを出しながら本の内容を紹介していきますね。
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【本のおススメサービス(仮)】
番組を通して、深く本を読んできたアワノトモキが、今のあなたにおススメの本をセレクトするサービスをはじめたいと思います。
希望する方は、下記フォームよりご応募ください。
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皆さんのご意見もお聞かせください。
ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、こちらまでDMをお寄せください。
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さて、星野文紘さんの「感じるままに生きなさい ―山伏の流儀」のこぼれ話です。
・小学校以降の教育について
保育園・幼稚園ではのびのびと育つことを重視されますが、小学校以降は、ルールや規則重視に切り替わる印象がありませんか?その結果、自分の心の声を聴くことを忘れてしまうのでは、と個人的に考えています。この点が変ってくると、心の声を聴ける状態のまま育っていけるのかもしれません。
・山伏修行の人気の高さ
感染防止のための行動制限がある時代にもかかわらず、山伏修行はキャンセル待ちが出るほど人気で、リピーターの方も多いそうです。それは、文明が日に日に発展していくこの現代で、かつて人間が持っていた本能や感覚が失われてきた影響かもしれません。普段味わう機会が少なくなってきたからこそ、本能や感覚を大切に味わいたいという想いが、山伏修行の人気の高さにも繋がっているのかも?
・仕事のやりがい
現代を生きる我々は仕事のやりがいを論理的に考え見出すことが多いですが、論理ではなく感情にしたがってみるのも大切なのかもしれません。星野は粟野さんの山伏修行体験を聞き、本能や感覚のみに頼って生きていく実践をしてみたくなりました。とはいえ普段の仕事の場面ではこのスタイル100%でいるのはなかなか難しい面も。私たちが乗り越えていくべき課題の一つですね。
ちなみに、粟野さんが参加された山伏修行の次回コースに参加するには、2024年4月時点にFacebookページから申込しなければいけないそうです。公募開始後、すぐに埋まってしまう大人気コースとのことですが、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください!
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引き続き、星野文紘さんの「感じるままに生きなさい ―山伏の流儀」を扱っていきます。
前回は、粟野さんの山伏修行の体験をメインにお伝えしてきました。
山伏修行に関する書籍は数多くあるのですが、星野さんが知識を入れることが必ずしも良いとは限らないという言葉を受けて、粟野さんは今回扱っている作品以外は読まれずに、自身の山伏修行体験に臨まれたそう。
さて、今回のキーワードは、こちらです。
感じる知性
祈り
それぞれの縁起を生きる
・感じる知性
現代人は「感じる」のではなく、「考える」をしがちな傾向があります。準備や目標設定、計画などもその例ですよね。もちろんこれらのいい面はありますが、高い論理的思考力を持つエリートたちが考えに考えた結果、よくないことを起こしていることもあります。
山伏修行では、参加者が「ただ感じてくださいね」という先達のスタンスに従い、言葉も封印し、歩きながら雑念にとらわれないようにします。つまり「感じること」が優先される環境がつくられるのです。そして、先達も「感じる直感をためていくと、直観やひらめきが起きてくる」と伝えられています。
考えることばかりが知性と捉えられがちですが、感じることも動物・人間が持っている高度な知性ではないでしょうか。
・祈り
山伏修行では、「祈り」という行為をしながら山を登ります。初心者向けの山伏修行では、紙に書いてある言葉をみんなで唱えて、「祈り」を行います。
ここでの「祈り」は、感謝を伝える祈り・亡くなった人への祈りのようです。しんどい行為のようにも思われますが、粟野さん曰く自由に歌を歌っているような感覚だそう。世界の宗教の多くでは祈りの時間をとっていますし、元来自然が神であり、教義・経典がなかった日本においても、人々にとって「祈り」は当たり前の行為だったでしょう。
現代日本の日常生活では祈りも失われてきているように感じますが、マインドフルネスの浸透や山伏修行体験の人気など、現代においても人々はそのかわりとなるものを求めている気がします。
・それぞれの縁起を生きる
先達は、「色んな出会いや決断の場面があるが、感じるところに従って生きるのもいいのでは」と修行の後に仰りました。
粟野さんは、感性・直感より論理にとらわれて、大学院卒業後に大学教員を目指さなかったことを後悔している一方で、直感100%で結婚したことはとても良かったらしく、時には感性に従って生きていくことの大事さも実感されているそう。
感じるままに生きていく中で出会った人たちの縁を大切にしていくだけでも、私たちは幸せになれるのかもしれませんね。
自身の感覚・感性で生きていくことについてお伝えしてきましたが、子どもたちの夏休みの日記って論理的に考えて書いたというよりは、自分が感じたことをただ書いてていいなあと思いますね。
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29冊目に扱うのは、「感じるままに生きなさい ―山伏の流儀 星野 文紘 (著)」。
現役山伏の星野 文紘さんが長年の実践を通して書かれた本です。
粟野さんは、先日山形県の出羽三山に山伏修行に行かれるにあたって、この本を読まれました。
この出羽三山は、生まれ変わりの山と言われています。
小学生の頃から奈良・和歌山の山伏修行をテーマにした本を読んで以来興味を持っていた山伏修行。
昨年自身のコーチングの先生にすすめられて、今回2泊3日の山伏修行を決断された粟野さん。
フリーランスになられて5年が経ち、計画を立てて事業やっていくことや論理で考えることに限界を感じてきたのもあり、体を使って感じることを大事にしてみたいと考えて臨まれたそう。
以下、今回の粟野さんの修行体験内容の概要です。
スマホ・PC使えない。
時計を外すので、時間はわからない。
修行中は会話厳禁。唯一、声に出せるのは「受け給う(うけたもう)」だけ。
「法螺貝の音」が行動の基準。だが、スケジュールや法螺貝が鳴るタイミングはいつかわからない。
歯磨き、洗顔もダメ。
ふんどし・白装束で3日間同じ服装。
ご飯も「頑張り」という修行。無言で早く食べないといけない。
何も話せないので、参加者の目的・経歴・名前はわからない。ただし、修行が終わった後に一同で感想を話すので、そこで分かることもある。
参加者の6-7割は女性。
論理などではなく、「感じること/直感」や「魂」が大事にされる。
一見厳しそうな内容に聞こえますが、一般的な体力があれば問題ないようです。
次回以降で、粟野さんの体験と繋ぎ合わせてキーワードを出しながら本の内容を紹介していきますね。
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28冊目は「小さな泊まれる出版社」を扱ってきましたが、今回はこぼれ話の3回目です。
真鶴出版の影響もあってか、真鶴への移住者が増えているそうです。
ただ、真鶴はまちをあげて移住施策を進めているわけでもなく、來住(きし)さんも「真鶴に移住したい人」を増やしたいのではなく、「真鶴を好きな人」を増やしたいとのこと。
移住者を増やしたい自治体は多いですが、日本国内の人口が減っていく以上、移住者を増やそうとすると自治体間での移住者の取り合いに繋がります。
その点「そのまちを好きな人を増やす」という視点は、今後の日本社会を考えるうえで面白いなと思います。
真鶴出版が、「小さな泊まれる出版社」という本を作られたこと自体が、真鶴を好きになる人を増やすのに影響を与えているように思います。
現在、真鶴出版の宿泊施設の1号店は閉じられていて、2号店のみを運営されています。
そして、今後新たな3号店を作られる予定です。
大資本に寄らず、日々の暮らしを大切にされている真鶴出版の今後に注目していきたいですね。
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【本のおススメサービス(仮)】
番組を通して、深く本を読んできたアワノトモキが、今のあなたにおススメの本をセレクトするサービスをはじめたいと思います。
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引き続き、「小さな泊まれる出版社」を扱っていきます。今回は、粟野さんが「小さな泊まれる出版社」を読み共感したことや、実際に真鶴出版に宿泊体験して感じたことを紹介します。
・粟野さん共感ポイント①:人と地域の編みなおし
真鶴出版は、「人と地域の編みなおし」を大切にし、自分たちをReローカルメディアと位置付けています。粟野さんが掲げている「人と組織の編みなおし」というテーマとの関連性を感じ、を大切にされており、その点で真鶴出版の「人と地域の編みなおし」に親近感を感じられたそう。真鶴には観光名所は多くはないけれども、真鶴出版を通して会いたい・行きたいなあと思う人たちが出てきます。これは、真鶴出版が街の日常を大事にされているから、そういうスタンスが真鶴出版の周りに人の繋がりを作っていくのかなと思います。
・粟野さん共感ポイント②:生き方の選択肢を増やしたいという來住(きし)さんの言葉
真鶴出版の宿のオーナーの來住さんは、新卒就職の道に疑問を感じ、大学卒業後は青年海外協力隊となりタイに行かれました。帰国後も模索する中、真鶴出版で宿泊業を始められました。そんな生き方を歩まれてきたからこそ、生き方の選択肢を増やしたいという言葉が來住さんから出てきたのではないかと思います。そして、同じく世の中に生き方の選択肢を増やしていきたいと願う粟野さんも、來住さんの言葉に共感されたそうです。來住さんは、青年海外協力隊になった際に弟さんに「(人生)終わったなあ」と言われたそう。それでもしっくりくるものを求めて、真鶴出版で宿泊業にたどりつき、真鶴出版のファンができて移住者も増えている状況はかっこいいですね。
・粟野さん宿泊体験の感想
真鶴出版の宿に一歩足を踏み入れると空気感の変化が感じられて、この空間では誠実に・自然体で生きないといけない、と思われたそうです。神社の空気感と似てるかも?一般的な宿泊施設では自分が払ったお金の対価を受けるだけ、という体験で終わってしまいますが、そういうものとは異なる体験をできたことも、良かったみたいです。また、バラエティに富む本が様々な場所に置かれており、そこにも心地よさを感じられたそう。そのセレクトも粟野さんが普段読む本とは違い、新鮮で刺激にもなったよう。
今回改めて感じたのですが、來住さんのように、自分がやってきたことのみから語る人の話は説得力ありますよね。自分の経験・体験から学ぶこと、自分の経験・体験を増やすこと。やっぱり大事です。
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28冊目に扱うのは、真鶴出版の「小さな泊まれる出版社」です。
神奈川県真鶴町で出版と宿泊の「泊まれる出版社」を営む、真鶴出版の川口瞬さんと來住(きし)友美さんご夫婦のプロジェクト記録です。文章は來住さんが書かれています。
苦労して成功を勝ち取った体験記とは一風異なる本書。読み終えてみると、成功を目指してというよりは自然体で進み続けた結果、真鶴出版がいまの状況にたどりついたのだ、という印象を持ちました。
「小さな泊まれる出版社」は、amazonなどからは購入できず、真鶴出版など限られた書店でしか購入できません。
真鶴町は、神奈川県南西部にある海がきれいな地域で、近くには、箱根や小田原があります。
粟野さんは今年の6月にご家族で真鶴出版に宿泊されました。
築50-60年の古民家をリノベーションされた真鶴出版の宿泊施設は、室内に本が散りばめられて置かれており、心地よい空間だったそう。また、真鶴出版のご夫婦含めて、真鶴の人々と交流ができたのがとてもよかったとのことで、また近いうちに真鶴に行かれるとのことです。
次回以降で、粟野さんが「小さな泊まれる出版社」を読んで共感したことや真鶴出版に宿泊体験して感じたことを紹介していきますね。
ちなみに、出版テーマに関連して、「船を編む」という辞書を作る映画を最近見た星野は、インターネットの検索機能に頼りすぎず、辞書をもっと使っていきたい気持ちになっています。
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1時間OVERの第2回、聞かれた方々はありがとうございました。
今回は、こぼれ話の第3回をお送りします。(すでにこぼれ話をしまくってはおりますが…)
村上春樹さんの小説を読んでいると、自分の心と、無意識的な部分と向き合える時間が取れているように思うんです。これは一体何が言いたいんだろう、自分の場合はどうなるんだろう、と。そういう時間が積み重なることで、結果的に自分の物語も築き上げることになっているんじゃないかと思います。
また、村上春樹さんの小説を読み、自分なりに解釈することを繰り返すことで、自分に何らかの力を蓄えているように感じます。その力は、将来的にお金でも物理的な力でも、医学でも救えない人を救える可能性を高めてくれるんじゃないか、と。
小説家として、自分の信じる姿勢を貫いている村上春樹さん。「走り続けていることからも、胆力を感じる」というアワノさんの言葉には心の底から納得しました。
ちなみに、最近流行のChatGPTにも「村上春樹さんの小説の魅力」を聞いてみました。
曰く、「普遍的な人間経験を扱っているために、素晴らしい」そうです。
他にも色々と魅力を挙げてくれてはいたのですが、この点については深く同意でした。古代から人間が自分や世界を理解して受け入れていく姿勢についてはおそらく大きな変化はなくて、でもそれを伝える昔話や神話などは放っておくと廃れてしまう。なので村上さんたち、物語を紡いで伝えていく人たちは大切な存在なのだろうと思います。
ぜひ我々も、井戸を掘り、自分たちの物語を探し、見つけて、積み上げていきましょう。
以上、3回にわたり、特別回「ホシノリョウタの読書の時間」での、村上春樹さんの「街とその不確かな壁」をご紹介してきました。
いかがでしたでしょうか。星野は、村上春樹さんについてたくさん語らせてもらい大満足です。いつか、「1Q84」や「騎士団長殺し」といった作品を扱ってまた語りたいですね。興味が出てきた方はぜひ「街とその不確かな壁」を読まれてみてください!そしていっしょに語りましょう。
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引き続き、特別回「ホシノリョウタの読書の時間」として、村上春樹さんの「街とその不確かな壁」を扱っていきます。
星野が村上春樹作品を読み始めたのは高校生の頃から。最初に読んだ作品は「ねじまき鳥クロニクル」です。今回星野は「街とその不確かな壁」から引用をしながら、村上春樹作品のポイントや醍醐味を語ります。その中から、いくつかをご紹介しておきます。
意識と無意識の存在
ユング心理学の影響や関連性
地下二階論
夢の持つ重要性
主人公の一人称視点の中で進む物語
明かされない謎や疑問がいっぱいある
自分にとっての意味を探すことに重きを置く
自分にしか果たせない役割を見つけていく
単純に星野の好み
変わり者の男性だが、社会と関わりを持てている
妙な表現をつかうことを好む
それでも、聞き手として信頼されている
村上春樹さん自身も常々言及されていますが、「物語」が果たす役割はとても大切なものです。自身の存在意義を知ることにも繋がります。過去、現在、そして未来に向けて一人ひとりがそれぞれの物語を紡いでいくことがもしできなければ、そこを他者の物語に委ねてしまうことになります。それはとても危険なことにも繋がり得る。
善き物語・小説を読むことは、それぞれが自分の物語を持つために役立つのだろうと思います。
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【本のおススメサービス(仮)】
番組を通して、深く本を読んできたアワノトモキが、今のあなたにおススメの本をセレクトするサービスをはじめたいと思います。
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27冊目となる今回は、特別回になります。
「ホシノリョウタの読書の時間」ということで、4月に発売された村上春樹さんの最新作「街とその不確かな壁」を星野が解説します。
村上春樹さんと言えば、日本で最も著名な小説家。
日本や世界で広くその作品が読まれている一方で、粟野さんのように、内容が理解できないという意見もたくさんあり、色々な方々によって意味論や評論が多くなされています。
今回は、評論や批評をするのではなく、視聴者のみなさんが読んでみたいと思ってもらえるような解説(星野の個人的な語り)をできたらと思っています。
そして、村上春樹さんの推し活を一緒にできる人を増やせたら嬉しいです。
粟野さんのような入念な準備はできず、キーワードもなくダラダラとお話していきますが、ご了承ください!熱はこもっていると思います。
詳しくは次回以降で解説しますね。
ちなみに、先日「アワノトモキの読書の時間」の視聴回数がついに1万回に。
皆さまありがとうございます!
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さて、今回は「地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場」のこぼれ話です。
この作品に関連して、参考図書として粟野さんが読まれた「認知資本主義」という本から、コーチングの闇についてをご紹介します。ちなみに、粟野さん自身も6-7年前からコーチングに通い、星野もコーチングの本を書くなど、関わりの深い分野。
コーチングは、19世紀のアメリカにて、クリスチャン・サイエンスの亜流であるニューソート運動が源流になるとのこと。クリスチャン・サイエンスは、キリスト教系の新宗教で神秘体験と結びついたものです。神の救済にあずかる者と滅びに至る者が予め決められているとするカルヴァン主義への反発が重なり、ニューソート運動という霊的な運動が起こりました。ただ、一般のキリスト教信者には受け入れられ難いものだったため、一般に受け入れやすい形で現れたのが自己啓発とのこと。カーネギーやナポレオン・ヒルなどですね。そして、自己啓発が現代風にアレンジされたものがコーチングの起源だそうです。
コーチング業界では、源流のニューソート運動やクリスチャン・サイエンスがやや怪しいものかつ、その出自が隠されがちであることが問題なのではないかと考える粟野さん。星野としては、コーチングが怪しいと思われていること自体が問題かと考えています。それは、コーチングの型から抜け出せず、コーチングは絶対に正しいと言う人たちがいるからかもしれません。
この辺りは様々なご意見のある所かとは思いますが、今回のコーチングの出自のように、ものごとの歴史・由来を知ることは面白く、かつ大切なことでもありますね。
いかがでしたでしょうか。ご自身でも読まれた方はぜひ感想をお寄せください!
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引き続き、「地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場」を扱っていきます。
イノベーション関連の書籍は色々ありますが、1つのイノベーション事例に対して、3人の著者の視点から語られているのが本書の魅力です。
さて、今回のキーワードはこちらです。
イノベーションの時代に求められるコミュニケーションスタイルとは?
ようこそおとぎ話の時代へ
デザイン思考という落とし穴
・イノベーションの時代に求められるコミュニケーションスタイルとは?
この作品では、従来のコミュニケーションスタイルを「やりとりロジック」、イノベーションの時代に求められるコミュニケーションスタイルを「対話型ロジック」と定義しています。 やりとりロジックのコミュニケーションは、オフィスで電話やチャットなどでクライアントから依頼があり、それに対する成果物をオフィス内でのチーム同士で相談・分担して作り上げていくようなものです。このスタイルでは、上下関係があり、効率的な進め方になります。一方で、対話型ロジックのコミュニケーションのイメージは、働いている人が自分の好きな場所で働き、必要に応じて連携をとるようなものです、関係性も、上下関係はなく水平関係。クライアントや決裁者が求める答えを出すなど、答えが決まっている時代では、やりとりロジックのコミュニケーションで問題ありませんでした。ですが現代ではクライアントと対話を続け、そもそもの答えを見つけること自体が必要になっています。対話型ロジックの重要性が増してきているわけです。
・ようこそおとぎ話の時代へ
対話型ロジックは、若者を中心に受け入れられ始めています。ただし、よくないストーリー(悪いおとぎ話)をつくることがあるため、扱う時には注意が必要かもしれません。著者の一人である経済学者の北川亘太さん曰く、制度経済上、私たちは「認知資本主義」の時代に生きているとのこと。認知資本主義では、金融化がポイントで価値の判断基準がお金になります。年収で仕事の上下を決めてしまうような判断軸もその一つですよね。そのため、対話やストーリー性をお金に換算して判断しようとする場合が起こりがち。気をつけないといけません。ゴールがお金だけに縛られていないおとぎ話を目指したいものです。
・デザイン思考という落とし穴
イノベーションとセットで語られがちなテーマとして、デザイン思考があります。その点、UCIラボはデザイン思考とは距離を置いてるそう。デザイン思考の概念が取り入れられ始めたのが1990-2000年代。その後はイノベーションが必要だからという理由でやたらとデザイン思考研修が行われる状態になりました。それでも日本から画期的なイノベーションが生まれていない現状を考えると、デザイン思考研修だけでは越えられない壁の存在を感じます。単なる概念だけに頼らないようにするためにも、対話が大事になるのかもしれません。
今回の作品のテーマはイノベーションですが、資本主義をどのようにして乗り越えるかについても考える回にもなりました。
認知資本主義を乗り越えていくために、新しい世界観を今後も考えていきたいと思います。
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26冊目に扱うのは、「地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場 」です。人類学者や経済学者など専門が異なる3名の方によって書かれた本書。著者の一人である人類学者の比嘉 夏子さんに対してアワノさんが関心を持ったことから、本書を選びました。
この作品は、UCI Lab.という対話にこだわるコンサルティング会社を通して、イノベーションの現場をエスノグラフィカル(もしくはフィールドワーク的にという言い方がわかりやすいかもしれません)に描かれており、やや難解かもしれません。とは言え、学びの多い内容でした。
UCI Lab.は、約130年続く広告会社の社内ベンチャー事業から立ち上がり、独立したコンサルティング会社です。ちなみに、UCIは、「User Centered Innovation」の略。伝統ある会社の中でイノベーション的にこの新事業がどのように生まれてきたか、を読み解いていくことが、本書の大きなテーマになります。またアワノさん曰く、各章の最後に掲載されている著者3名による対話が印象的とのこと。
さてさて、今回のキーワードはこちらになります。
イノベーションの時代に求められるコミュニケーションスタイルとは?
ようこそおとぎ話の時代へ
デザイン思考という落とし穴
また今回、これらの興味深いキーワードに加えて、「コーチングの闇出自」についても触れる予定です。コーチングとはかかわりの深い星野も興味津々(戦々恐々??)です。詳しくは次回以降で解説しますね。
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三島由紀夫さんの「不道徳教育講座」を扱ってきましたが、今回は余談話です。
「不道徳教育講座」は、不真面目な人というよりは真面目な人に対しての不道徳のススメのように思われます。真面目に生きすぎるなよ、他人のつくったルールを気にしすぎるなよ、という三島さんからのメッセージではないかと。
今回ご紹介したもの以外に、本に取り上げられている不道徳講座の中で粟野さんが取り入れたいと感じられたものはこちら。
・けんかを自慢すべし自慢をするときには意味がないことをした方がいい。人に妬まれるような自慢をするのではなく、どうでもいいことで自慢をすべきと。
・告白するなかれ自分の弱みをさらけ出すのは無礼者だ。本来の人の姿は醜いものだから、弱みや自分の本当の姿を他人に認めてもらうべきではないし、見せるべきではない。そこを愛せるのは自分だけなのだと。
実は今回、粟野さんは自分なりの不道徳教育講座をやりたかったものの、道徳的に生きてきた人間なので不道徳話がなく、星野の子ども時代の不道徳の話をすることに。
星野は子どもの頃からルールを守ることが嫌いで、宿題や持ち物をよく忘れるフリをして期限内に取り組むのを避けてきました。当然学校では先生に立たされ、叱られていましたが、その方が楽だと母親に言い張っていたようです。そこから、嫌なことは逃げ続けててもだいじょうぶ、最終的にはなんとかなるという成功体験を得てしまっていたのかもしれません。
以上、3回にわたり「不道徳教育講座」をご紹介してきました。今の時代にも通用する内容も多く、三島由紀夫さんの作品の中では軽く読みやすいものですので、ぜひ読んでみてください!ご自身で読まれた方はぜひ感想をお寄せください!
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引き続き、三島由紀夫さん著書の「不道徳教育講座」を扱っていきます。
今回は、3つのキーワードを元に、過去に読書の時間で扱ってきた作品の内容と関連付けて解説していきます。
・人の恩を忘れるべし
日々生きていると恩を受ける機会がありますが、三島さん曰く「受けた恩を忘れるべきだ」と。恩が原因で、人間関係を固定化させ、縛り付けて不自由にしてしまう可能性がある訳です。言い換えれば、恩が人生の貸借関係をつくってしまう。自分が恩を与える立場に立ったときには、リターンが戻ってくると思わないことが大事です。第6回で扱った伊藤亜紗さんの「利他とは何か」でも、「相手をコントロールしないのが利他の最大のポイント」と書かれていました。特に、親は、子どもに対して育てた恩のリターンを求めてしまうところもあるので、要注意。後輩におごる論もよくある話ですが、自分へのリターンを求めるのではなく、さらに下の世代へと恩を送る流れが生まれるとよさそうですね。ちなみに三島さんは、身勝手ですぐに恩を忘れるという点で、猫がお好きだそう。
・キャッチフレーズ娘
これは、三島さんがとある女性に対して好きな音楽を尋ねた際に、キャッチフレーズ的な言葉で回答されたというエピソードについて書かれた章です。自分で考え、自分の言葉を繰り出すわけではなく、誰でも言えそうなキーワードやキャッチフレーズなど、借り物の言葉ばかりを使っている人々への批判とも言えます。インプットを重視している人はこの状態に陥る可能性が高いので注意が必要ですね。三島さん曰く、時代の影響を受けキーワードやキャッチフレーズを利用するのは仕方ないが、自分の頭で考えて自然な機知(ウィット)に富んだ言葉を使うのが大切だとか。第23回、千葉雅也さんの「勉強の哲学」に書かれていた、「知識を深く掘った後にユーモアで自分なりに思考を横に広げていくことの大切さ」と似ていますね。
・言葉の毒について
それ自体に破壊力が備わっているという点で、「言葉には毒がある」と三島さんは述べられています。噂が回りに回って潰れた最近のアメリカの銀行は、言葉の破壊力を実感する例ですね。特に、対面で言われる自分の批判以上に、陰口や悪口は言い返すなど対応することができないので、腹立たしいものだと三島さんは語られています。また、以下のような文章もありました。「第三者から言われている悪口・陰口がもっとも自分が見たくないもので、それが本当の自分ではないのか」。当時、メディアなどにも叩かれていたであろうにかかわらず、客観的に自身のことを顧みれる三島さんの姿勢が感じられます。
ただ、この言葉はあまりにも威力が強い。そんな時に、第21回で扱った「自分の中に毒を持て」の岡本太郎さんの考えが救いになります。「人間なんて欠点あって当たり前、そんなのを気にしている場合ではない、日々自分を変えていけ」。
三島さんのこの3つのエッセイのテーマはどれもインパクトがあり、ついつい余談も盛り上がってしまいました。
過去扱ってきた書籍と紐づけられると、より理解が深まっていく手応えがありますね。
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25冊目に扱うのは、三島由紀夫さんの「不道徳教育講座」です。
ご存じの方も多いと思いますが、三島由紀夫さんは戦後の日本文学界を代表する小説家の一人です。
「金閣寺」や「潮騒」といった作品が有名ですね。
政治思想の点などで、三島さんを敬遠される方もいますが、今回の「不道徳教育講座」は、
週刊明星という女性向けの雑誌に掲載されていたエッセイなので、ユーモアにあふれており読みやすい作品です。
今年の3月に大江健三郎さん、坂本龍一さんが亡くなられましたが、
お二人のインタビュー記事で三島さんのことがよく出てくることもあり、粟野さんは三島さんに関心を持たれたそう。
坂本龍一さんのお父さんは、出版社の編集者で、当時三島さんの担当だったこともあり、
三島さんが亡くなった際に、坂本さんは三島さんの遺体と会わせてほしいと警察署に駆け込まれたエピソードがあります。
また、大江健三郎さんは、著書「あいまいな日本の私」で三島さんに言及されています。
さてさて、「不道徳教育講座」は69章のエッセイから構成されています。
(本当は70章だったが、暗殺をテーマにしたエッセイが書籍化された際には除かれたそう)その中から、
粟野さんが個人的に3つをピックアップしてくれました。
今回のキーワードとなる各章をご紹介。
・人の恩を忘れるべし
・キャッチフレーズ娘
・言葉の毒について
今回はこれらのキーワードを、過去に読書の時間で扱ってきた作品の内容と関連付けて粟野さんが解説されます。
詳しくは次回で説明しますね。
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三回目の今回は余談回です。
第二回の最後では、「教養とは、全体の中での自分の立ち位置・方向性を分かっていて、自分の考えを述べることができること」という著者のピエール・バイヤールさんのメッセージを紹介しました。
このメッセージに対して、星野がとても共感するところがあり、全体の中で自分の立ち位置・方向性をとらえることの大切さを語らせていただきます。
・シードプランターシードプランター(種を植える人)は、ネイティブアメリカンの部族のチームビルディングの手法です。シードプランターでは、まずは自分で自分を感じ力を取り戻します。そして自分の好きなこと・得意なことを自覚していきます。自分だけでは見つけられない場合もあるので、他者の意見も聞きます。ただし、これだけだと、チームビルディングにはならないので、最後に自分が何を伸ばしていきたいかをチームの中に共有します。
この過程が重要だと星野は考えています。昨今キャリアを考えていくときに、自分の一番好きなこと・得意なことを大事にしようとは言われがちです。しかし、それらが周囲に求められていなかったり、それらで稼ぐことができなかったりすることがあります。チーム・組織など全体の中で自分の好きなこと・得意なことをとらえ、伸ばしていく方向を定めるのは大事なのではないかと思います。
最新の知識・スキルだけが必ずしも正しいというわけではなく、古くからの知の集積もこの現代に必要かもしれません。
こうした手法は、現代の大人・子どもにとっても大事なソーシャルスキルになってくるのではないかと星野は考えており、シードプランターについて深く勉強していきたいなあと思っています。
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