ep29-2「感じるままに生きなさい ―山伏の流儀」 (星野 文紘 さん)
Description
引き続き、星野文紘さんの「感じるままに生きなさい ―山伏の流儀」を扱っていきます。
前回は、粟野さんの山伏修行の体験をメインにお伝えしてきました。
山伏修行に関する書籍は数多くあるのですが、星野さんが知識を入れることが必ずしも良いとは限らないという言葉を受けて、粟野さんは今回扱っている作品以外は読まれずに、自身の山伏修行体験に臨まれたそう。
さて、今回のキーワードは、こちらです。
- 感じる知性
- 祈り
- それぞれの縁起を生きる
・感じる知性
現代人は「感じる」のではなく、「考える」をしがちな傾向があります。準備や目標設定、計画などもその例ですよね。もちろんこれらのいい面はありますが、高い論理的思考力を持つエリートたちが考えに考えた結果、よくないことを起こしていることもあります。
山伏修行では、参加者が「ただ感じてくださいね」という先達のスタンスに従い、言葉も封印し、歩きながら雑念にとらわれないようにします。つまり「感じること」が優先される環境がつくられるのです。そして、先達も「感じる直感をためていくと、直観やひらめきが起きてくる」と伝えられています。
考えることばかりが知性と捉えられがちですが、感じることも動物・人間が持っている高度な知性ではないでしょうか。
・祈り
山伏修行では、「祈り」という行為をしながら山を登ります。初心者向けの山伏修行では、紙に書いてある言葉をみんなで唱えて、「祈り」を行います。
ここでの「祈り」は、感謝を伝える祈り・亡くなった人への祈りのようです。しんどい行為のようにも思われますが、粟野さん曰く自由に歌を歌っているような感覚だそう。世界の宗教の多くでは祈りの時間をとっていますし、元来自然が神であり、教義・経典がなかった日本においても、人々にとって「祈り」は当たり前の行為だったでしょう。
現代日本の日常生活では祈りも失われてきているように感じますが、マインドフルネスの浸透や山伏修行体験の人気など、現代においても人々はそのかわりとなるものを求めている気がします。
・それぞれの縁起を生きる
先達は、「色んな出会いや決断の場面があるが、感じるところに従って生きるのもいいのでは」と修行の後に仰りました。
粟野さんは、感性・直感より論理にとらわれて、大学院卒業後に大学教員を目指さなかったことを後悔している一方で、直感100%で結婚したことはとても良かったらしく、時には感性に従って生きていくことの大事さも実感されているそう。
感じるままに生きていく中で出会った人たちの縁を大切にしていくだけでも、私たちは幸せになれるのかもしれませんね。
自身の感覚・感性で生きていくことについてお伝えしてきましたが、子どもたちの夏休みの日記って論理的に考えて書いたというよりは、自分が感じたことをただ書いてていいなあと思いますね。
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