はじめに:AI時代における検索エンジンの変化と中小企業の不安
皆さんこんにちは。ラウンドナップウェブコンサルティングの中山です。それでは本日も会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャストを始めていきたいと思います。
さて、今日のテーマは、SEO、検索エンジン対策というものについて、今の時代、そして2025年以降、どのように捉えていったらいいのかということについて、中小企業の方々を対象にお伝えできればと思っています。
AIの台頭と検索の未来
SEOは、最近のAI、特にChatGPTをはじめとする様々なツールの進化によって、大きな変化の時を迎えています。Google自体もGeminiやAI Overviewといった機能を導入し、AIを私たちの身近なものにしてきています。
そうなると、私たちは検索エンジンからどうやってお客様を集め、反響を得ればいいのか、その先行きに不安を感じるのではないでしょうか。率直に言うと、具体的にどうすればいいのかは、まだ正直見えない部分が多いです。
よく言われるのが、ゼロクリックサーチ、つまり検索結果からサイトに訪問せず、Googleの中で情報収集が完結してしまうケースが増えるという話です。これに対してどう露出し、どう自社サイトへ誘導するかは、これからの課題と言えるでしょう。しかし、AI関連の動向は1週間単位で風景が変わるため、現時点での過度な予測は難しいと考えています。
「SEO対策」という言葉から、一度離れてみる
さて、本題の「SEOをこれからどう考えていけばいいのか」についてですが、まずお伝えしたいのは、「SEOが死ぬか死なないか」という議論は、あまり重要ではないということです。
SEOという言葉の捉われ
なぜなら、SEOを「SEO」という括りで考えること自体に、あまり意味がなくなってきているからです。もともと20年ほど前のSEOは、検索エンジンをハックするようなテクニカルな話が中心でした。H1タグを使えば良いとか、単語の出現頻度を調整するとか、そういったテクニックです。
しかし、Googleはそうした最適化を嫌い、「検索エンジンではなくユーザーの方を向きましょう」という方針にシフトしました。その結果、SEOという言葉が指す意味は人によってバラバラになり、この言葉をスタート地点に考えること自体が、かえって本質を見えにくくしてしまっているのです。
これからの中小企業が持つべきウェブ活用の視点
では、どう考えればいいのでしょうか。それは、言葉に囚われず、「情報を探している人たちに対して、自分たちができる一番いいことは何か」と考えることです。
考えるべきは「顧客にとっての最善は何か」
そう考えると、取るべき施策は従来の検索エンジン対策に収まるかもしれませんし、広告やSNS、あるいはメールマガジンやセミナーといった他の手法かもしれません。大切なのは、お客様が物を探すという行動の中で、自社を選んでもらうためには、どこで、何を、どのように用意しておくべきか、という視点で考えることです。
「SEOとして何をしたらいいですか」というご質問をよくいただきますが、まずは「SEOとして」という考えを一度外してみることをお勧めしています。
ビジネスの原点に立ち返る重要性
そもそも、ビジネスの基本は、お客様の状況や頭の中を理解し、それに合わせて施策を打つことです。テクニックで簡単に露出できたこの20年ほどが、ビジネスの長い歴史の中では特殊な時期だったと捉えるべきかもしれません。
ここでもう一度、お客様のことを考え、どこで何をすべきかを考えるという原点に立ち返ることが重要です。
Why, What, How の順で戦略を立てる
具体的な思考の順番としては、以下のようになります。
- Why:なぜ、この施策を行うのか
- What:何を、どのような価値を提供するのか
- How:どのようにして、それを実現するのか(ここで初めてSEOや広告などの手段が出てくる)
この「How」の部分を考える際に、専門家の知見を借りるのが良いでしょう。
テクニック依存からの脱却
こう考えていくと、SEOが生きているか死んでいるかは、もはや関係ないことがご理解いただけるかと思います。私自身も、お客様への提案で「SEOとしてこれをやりましょう」と書くことはほとんどありません。
テクニックの巧みさで集客できていたところは、これから厳しくなるでしょう。もし自社が顧客理解を十分に行わないままテクニックに頼ってきたという自覚があるなら、今が見直すべき本当に重要な時期です。
まとめ:変化の時代でも価値ある情報を提供し続けるために
今回は具体的な手法の話ではありませんでしたが、このようなビジネスの根本に関わる視点こそ、中小企業の皆様にとって価値があると考えています。従来のSEO業界はテクニック先行で考えがちですが、そうではなく、戦略、作戦、戦術という順で考えることが、これからの時代を乗り越える鍵となります。
今回の話は、1年後に聞いても的外れなことにはならない、普遍的な内容だと信じています。
お知らせ
過去3年分くらいのポッドキャストを、YouTubeの方で作業用BGMとしてランダムに流しています。時系列で流しており、中には現状と合わない内容もあるかもしれませんが、そうした変化も含めて批判的に聞いていただくことで、皆様の中に残るものも大きいのではないかと思います。
焚火の音もついているので、リラックスタイムに聞いていただけると嬉しいです。
それでは最後までお聞きいただきましてありがとうございました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山がお送りいたしました。