DiscoverWebコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン
第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン

第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン

Update: 2025-08-06
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SEOの最新情報、本当に毎日追う必要はある?


今回のテーマは、多くのお客様からご質問をいただく「SEOの最新情報のチェック頻度」についてです。特に検索エンジン周りの情報は流れが速く、「常に最新情報を押さえないと乗り遅れてしまうのではないか」という危機感をお持ちの方も少なくないでしょう。


かつては、デジタルマーケティングの中でもSEOは特に情報のスピードが速いという風潮がありました。しかし、その状況は大きく変化しています。今回は、現代のSEOにおいて最適な情報収集のペースと、その理由について詳しく解説していきます。


結論:SEO情報のチェックは「月2〜3回」で十分


結論から申し上げると、SEOの最新情報を追いかける頻度は、月に2〜3回程度で十分だと考えています。1週間に1回でも多いくらいかもしれません。私自身、企業のデジタル関連全般のコンサルティングを手がけており、SEO以外の情報収集も行っていますが、SEOに特化した情報をチェックする頻度はかなり減っています。それでも、業務への影響はほとんど感じていません。


最新情報を追いかけることに時間を費やしても、得られるものは以前に比べてかなり少なくなっているのが現状です。なぜ、そのように言えるのでしょうか。それには、過去と現在のSEO環境の大きな違いが関係しています。


なぜ頻繁な情報収集は不要になったのか?


1. Googleの進化と「考察の余地」の減少


今から10年、15年ほど前、ペンギンアップデートやパンダアップデートといった言葉が頻繁に聞かれた時代がありました。当時はGoogleのアルゴリズムがまだ未成熟で、Googleが発信する細かい情報や特許情報などから、多くの専門家が「次の一手」を考察していました。


私も2003年頃からWebマーケティングに関するブログを運営してきましたが、当時はそうした情報を追いかけることで、他社に先駆けて「SEOハック」的な裏技を見つけ、実践することが可能でした。また、ペナルティに繋がる行為をいち早く察知し、回避することも重要でした。


しかし、現在のGoogleは「品質の高いコンテンツを作り、オリジナルの内容を入れ、ユーザーのニーズに合ったものを信頼性を担保しながら作りましょう」という、非常に抽象度の高い方針を掲げるのみです。アルゴリズムがAI駆動になったことで、Googleの内部の人間でさえその全てを把握することは困難になっています。これにより、私たち外部の人間が細かいテクニックを考察する余地がほとんどなくなってしまったのです。


2. SEOメディアの「ワイドショー化」


考察できる情報が少なくなった結果、SEO関連のニュースを発信するメディアにも変化が見られます。トラフィックを集めるために、Google関係者の少しした発言を針小棒大に取り上げたり、本来であれば記事にするまでもない細かな事象をニュースにしたりする「ワイドショー化」の傾向が強まっています。


例えば、最近Googleの広報体制に変更があり、これまで情報発信を担ってきたダニー・サリバン氏の役割や、彼が使っていたX(旧Twitter)アカウントの運用方針が変わるという発表がありました。これに対して一部では、「Googleは対話を軽視している」といった過剰な反応が見られましたが、実態としては組織内の体制変更に過ぎません。


このように、些細な言動に憶測を交えて報じるニュースが増えており、その多くは知っていても知らなくても実務にはほとんど影響のない情報です。メディア側も、こうした細かいネタを拾わなければ、毎日の記事更新が難しいという事情があるのでしょう。


【具体例】海外有名メディアの月間レポートから見る「最新情報」の実態


ここで、海外の著名なSEO情報サイト「Search Engine Roundtable」が毎月公開しているレポートを例に見てみましょう。2025年7月のレポートで取り上げられているトピックは、以下のようなものがほとんどです。



  • 2025年6月のコアアルゴリズムアップデートが開始・終了したという報告

  • アップデート終了後もランキングの変動(ボラティリティ)が続いているという内容

  • 過去のヘルプフルコンテンツアップデート(HCU)で影響を受けたサイトの一部が回復したという話

  • Googleにインデックスされていないサイトは、サイト全体の信頼性が低いことを意味する「可能性がある」という考察

  • AI Overview(Google検索のAI機能)がインドやイギリスに拡大したというニュース


これらの見出しを見て、あまり興味が湧かなかった方も多いのではないでしょうか。ほとんどが事後報告や、すぐには具体的な対策に結びつかない情報です。かつてはもっと読み応えのある考察記事がありましたが、今はこれくらいの粒度の情報がニュースの中心になっています。


今、本当に時間をかけるべきこと


最新情報を追いかける時間を減らし、代わりに以下のようなことに注力する方が、はるかにコストパフォーマンスが高いと言えます。



  • 業務の効率化:AIなどの新しい技術を活用し、既存の業務をどう効率化・省力化できるか検討する。

  • 本質的な価値の追求:自社の製品やサービスを磨き、顧客にとっての価値を高める。

  • 顧客理解の深化:顧客が何を求めているのかを深く理解し、その情報をどう届けるかを考える。


コアアルゴリズムアップデートのような大きな動きを即座に検知できたとしても、すぐに行動できることは何もありません。分析に時間がかかり、対策が明らかになるまでには長いスパンが必要です。それならば、もっと本質的な部分に時間とリソースを割くべきです。3ヶ月に1回程度、信頼できるパートナーと大枠の方針を定め、月1回程度のペースで軌道修正していく。このくらいのサイクルが、現代のSEOには最も適しているでしょう。


SEOに裏技はもうありません。優れたサービスを育て、それをどうすればお客様に知ってもらえるか。この漠然とした問いに対して、地道な積み重ねを続けていくことこそが、成功への唯一の道筋です。


まとめ:情報過多の時代だからこそ、冷静な距離感を


「最新情報を知らないと損をするのではないか」と心配されている方は、どうぞ安心してください。SEOの最新情報を毎日追いかける必要は全くありません。月に数回、まとめサイトの見出しに目を通す程度で十分です。むしろ、情報に振り回されず、自社のビジネスと顧客に真摯に向き合うことの方が、はるかに重要です。


SEO業界も、AIの台頭によって大きなビジネスモデルの転換期を迎えています。そのあたりのお話は、また別の機会に詳しくお伝えできればと思います。


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Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問



Q1. SEOに関する最新情報は、どのくらいの頻度でチェックすれば良いのでしょうか。

A1. 結論から言うと、月に2、3回程度で十分です。毎日や毎週チェックしても、得られるものに対して時間的なコストパフォーマンスが合わない状況になっています。

Q2. なぜ最近のSEOニュースは、頻繁に追いかける価値が低くなったのですか。

A2. GoogleのアルゴリズムがAI駆動になり、人間が考察できる余地が少なくなったためです。結果として、メディアで報じられる情報も、本質的ではない些細な内容や、関係者の発言を切り取ったワイドショー的なものが増えています。

Q3. 最新情報を追わないと、何か大きなリスクや機会損失はありませんか。

A3. 10年ほど前はそうした側面もありましたが、今はほとんどありません。重要なアルゴリズムアップデートがあっても、すぐに有効な対策が打てるわけではないため、速報性を追うメリットは非常に少ないです。

Q4. では、情報収集の代わりに、何に時間を使うべきなのでしょうか。

A4. 自社の製品やサービスそのものを磨き、顧客にどうすれば届けられるかを考える時間に使うべきです。また、AIなどを活用して日々の業務をいかに効率化、省力化できるかを考え、実践することも重要です。

Q5. Googleのコアアルゴリズムアップデートの情報は、どのように扱えば良いですか。

A5. 「いつ始まり、いつ終わったのか」そして「全体的にどのような傾向があったのか」という概要を、後からまとめて把握する程度で問題ありません。速報を知っても具体的なアクションは取れないため、一喜一憂せず、冷静に状況を見ることが大切です。





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ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平