Discover名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストEp.762 Anthropic Interviewer、始動──AIが「1250人の本音」を聞き出す定性調査の革命(2025年12月11日配信)
Ep.762 Anthropic Interviewer、始動──AIが「1250人の本音」を聞き出す定性調査の革命(2025年12月11日配信)

Ep.762 Anthropic Interviewer、始動──AIが「1250人の本音」を聞き出す定性調査の革命(2025年12月11日配信)

Update: 2025-12-10
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「AIが人間にインタビューを行い、AIに関する本音を探る」──そんな興味深いプロジェクトが発表されました。米Anthropicは今月、新たなリサーチツール「Anthropic Interviewer」を公開し、これを用いて1,250名の専門家を対象に行った大規模な調査結果を明らかにしました。


通常、ユーザーの深層心理を探る「定性調査」は、熟練したインタビュアーが一人ひとりと対話する必要があるため、数千人規模で実施するのはコスト的にも時間的にも困難でした。しかし、今回発表されたツールは、同社のAIモデル「Claude」がインタビュアーとなり、対象者に対して10分から15分程度のチャット形式のインタビューを行います。単に用意された質問を投げるだけでなく、相手の回答に応じて「それは具体的にどういうことですか?」と深掘りするなど、まるで人間のような適応力で対話を進めるのが特徴です。


このツールを用いて行われた調査結果からは、現代のビジネスパーソンが抱える複雑な心境が浮き彫りになりました。調査対象の86%が「AIは時間の節約になる」と回答し、生産性向上を実感している一方で、多くの人々が職場でのAI利用を同僚に隠しているという実態が明らかになったのです。特にクリエイティブ職の回答者からは、「AIを使っていると思われると手抜きだと判断されるのではないか」という「社会的スティグマ」への懸念や、自身のスキルが将来的に無用になることへの不安が多く語られました。


Anthropic Interviewerの画期的な点は、こうした数値には表れにくい「不安」や「葛藤」といった微妙なニュアンスを、数千人規模のデータからAIが自動で分類・分析し、インサイトとして抽出できることにあります。これにより、従来のアンケート調査ではこぼれ落ちていた「声なき声」を拾い上げることが可能になります。


市場の反応も好意的です。従来のマーケティングリサーチやユーザー体験(UX)調査の在り方を根本から変える可能性があるとして、多くの企業がこの手法に注目し始めています。AIが人間の仕事を奪うのではなく、人間をより深く理解するための道具として機能する──今回の事例は、そんなAIと人間の新しい関係性を示唆していると言えるでしょう。

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ikuo suzuki