Discover名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストEp.764 Microsoft、インドへ史上最大175億ドルの投資──激化する「アジアAIインフラ」争奪戦(2025年12月11日配信)
Ep.764 Microsoft、インドへ史上最大175億ドルの投資──激化する「アジアAIインフラ」争奪戦(2025年12月11日配信)

Ep.764 Microsoft、インドへ史上最大175億ドルの投資──激化する「アジアAIインフラ」争奪戦(2025年12月11日配信)

Update: 2025-12-10
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世界のテクノロジー大手による「インドへの熱視線」が、かつてないほどの熱を帯びています。 Microsoftは2025年12月9日、インドに対して2029年までに新たに175億ドル、日本円にしておよそ2兆7000億円規模の投資を行うと発表しました。これは同社のアジア地域における単一の投資としては過去最大規模となります。


ことの経緯は、Microsoftのサティア・ナデラCEOがインドを訪問し、ナレンドラ・モディ首相と会談したことに始まります。ナデラ氏は会談後、自身のソーシャルメディアで「インドのAIファーストな未来を支える」と宣言しました。この巨額の資金は、主にデータセンターの建設や最新のGPUインフラの整備、そして数百万人のインド国民に対するAIスキルの教育プログラムに充てられる予定です。


なぜ今、これほどまでにインドなのでしょうか? 背景には、インド市場の爆発的なデジタル成長があります。人口世界一のこの国は、単なる「巨大な消費市場」であるだけでなく、豊富なエンジニア資源を抱える「世界最大級のAI開発拠点」になりつつあります。インド政府も自国のデータを国内で処理し、独自のAI能力を持つ「AI主権」を掲げており、Microsoftはその国家戦略をインフラ面から全面的に支えるパートナーの座を狙っているのです。


もちろん、ライバルたちも黙ってはいません。 実は、競合するGoogleも今年10月に、インド国内にAIハブを設立するために150億ドル規模の投資を発表したばかりです。また、Amazon Web Services(AWS)も2030年までに巨額のインフラ投資を計画しています。つまり、世界の3大クラウド事業者であるハイパースケーラーたちが、インドという巨大な陣地を巡って、兆円単位の投資合戦、いわば「札束の殴り合い」とも言える激しい競争を繰り広げているのが現状です。


今回のMicrosoftの動きは、ナデラCEO自身のルーツである場所への貢献という意味合いもありますが、それ以上に、次の10年のAI覇権を握るためには「インドを押さえることが不可欠である」という、シリコンバレーの共通認識を象徴する出来事だと言えるでしょう。

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ikuo suzuki