DiscoverQTnetモーニングビジネススクールチームには発達段階がある!「チームビルディング」という考え方について
チームには発達段階がある!「チームビルディング」という考え方について

チームには発達段階がある!「チームビルディング」という考え方について

Update: 2023-08-28
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今日はチームに発達段階がある「チームビルディング」という考え方についてお話します。

メンバー1人1人は有能なのにチームとして思うように成果を上げられていない。昨年までは上手くいっていたのに、今年になってからメンバーが上手くまとまらない。こういったチーム作りに関する悩みをもつリーダーやマネージャーは多いのではないかと思います。かくいう私も日々チーム作りに悩み、もがいている1人です。そこで今回は、チーム力を高めるためのチームビルディングの重要性や意識すべきポイントについてお話します。

様々な悩みがあると思いますが、まずは改めてこの「チームビルディング」が必要となる背景や理由からご説明します。

ITの進化やグローバル化の進展などにより、私たちを取り巻く環境が目まぐるしく変化しています。考慮すべき事柄・選択肢が複雑に絡み合う中、リーダーの能力や個人の能力だけでは成し遂げることが出来ない難しい目標も沢山あります。これらを達成するには、チームとしての組織力を高め、一丸となって成果をあげる必要があります。そこで重要となるのが、「チームビルディング」という考え方です。アメリカのタックマンという心理学者が、チームビルディングには4つの成長段階があると提唱しています。これを「タックマンモデル」と言いますが、チームにはしかるべき発達段階があり、それぞれの発達段階を経てようやくチーム一丸となれるということです。チームビルディングを進める上で、まずは自分のチームが今どの段階にあるのかを見極めることが大切です。

具体的には、以下の4つの発達段階に分けられます。

1. 形成期/フォーミングと呼ばれる段階
これはチームが結成されたばかりの最初の状態です。メンバーはまだお互いのことをあまり知らず、不安や緊張、遠慮が見られます。お互いに本音を出さずに様子見をしている段階です。この段階では、表面的なコミュニケーションをとる傾向にあり、活発で有意義な議論というのは難しい状態にあります。この段階では、リーダーが主導となって共通の目的を定めることが重要です。共通の目的が定まると、メンバーそれぞれが目的に向かうための課題について解釈をし始めます。

2. 混乱期/ストーミングと呼ばれる段階
この段階では、メンバーそれぞれが自身の目標に向かって進み始めています。そうすると、それぞれの仕事に対する考え方や業務の進め方が異なることが気になり始めて、メンバー間の中で意見の衝突が起きます。次の段階に進むためには、意見の対立を恐れずに、議論を通じてお互いの相互理解を深める必要があります。

3. 統一期/ノーミングと呼ばれる段階
メンバー同士が意見を出し合うことでお互いの価値観や考え方への相互理解が深まり、チームの目標やその達成に向けた1人1人の役割が明確になっていきます。この段階になるとチームとしてのまとまりが出来てきて、リーダーによる規律やルールが定着をする段階です。そしてこの時期は、それまで発言していなかった人から積極的に発言が出るようになり、笑いや議論が自然に起こったり、チームが活性化したりしていきます。

4. 機能期/パフォーミングと呼ばれる段階
チームとしての成功体験ができ、リーダーの指示がなくてもメンバー同士で自立的に動いて、相乗効果によって更に大きな成果が生まれる状態になります。

以上のように、チームは「フォーミング」・「ストーミング」・「ノーミング」・「パフォーミング」という4つの段階を経るといわれています。

チームの発達段階を考える上で、必ずこの段階を経る必要があるのかという疑問がわいてくる方もいらっしゃるかと思います。例えば、チームメンバー同士の衝突である「混乱期/ストーミング」は避けられるのであれば避けて通りたいと思うのではないでしょうか。しかし、チームビルディングを進めていく上特に重要になるタイミングがこの「混乱期/ストーミング」の時期です。これは次のステップを進めるために必要なプロセスであり、この段階をいかに乗り越えることが出来るかが成果の出るチームになるかどうかの最重要ポイントになります。

やはりチームの発達を考える上では必ず必要な時期であり、むしろそれがないといけないということです。もう1つこのチームビルディングを行う上で忘れてはならないことは、新しいメンバーを迎えたチームは、「形成期」いわゆる「フォーミング」の段階に戻るということです。「昨年まで上手くいっていたのに今年になってメンバーが上手くまとまらない」といった悩みが出てくるのは、「混乱期/ストーミング」を乗り越えて機能し始めたチームであっても、新しいメンバーが1人加わることで最初の「形成期/フォーミング」に戻るためです。せっかく良い感じになってきたチームが、1人でも新しいメンバーが加わったら元に戻ってしまうわけです。もしかしたら、自分のチームに新しく加わる人は経験豊富なベテランだから大丈夫と思う事もあるかもしれませんが、今いるメンバーの仕事の進め方と新たに加わる人の仕事の進め方には少なからずギャップがあるはずです。メンバーはそのことがまた気になり始めます。そうすると、新しいメンバーを加えたチームというのは、再び「形成期/フォーミング」の状態に入り、そこから「混乱期/ストーミング」を乗り越える必要があるわけです。

では、どのようにその「混乱期/ストーミング」を乗り越えていったらいいのでしょうか。

「混乱期/ストーミング」を乗り越えるための取り組みは様々ありますが、今日はその中から1つご紹介します。それは、お互いの衝突が起こり始めた時に「フィードバックの習慣化を促進する」という方法です。「フィードバック」とは、評価を本人に戻してあげる事を意味します。フィードバックをする上で重要なポイントは、「あなたは○○」と伝えるのではなく、「私は○○だと思った(感じた)」等、私「I」を主語にする事です。「あなた」を主語にすると、「あなたは○○すべきだった」といった批判的なニュアンスで相手が感じてしまうためです。一方で、「私はこういう状況なので協力をしてほしい」という「I」メッセージで言われれば、そういう状況であれば何とかしてあげたいなと、相手のことを考える余裕が生まれ、相互理解が促進されていきます。ポイントは、あくまでも「私は」ということで、自分の気持ちをお互いに言い合うということです。「私は」とお互いに言い合うことによって、お互いの価値観が理解でき距離感もつかめてきます。相互理解をすることでチームの目標、その達成に向けた1人1人の役割が明確になり、「統一期/ノーミング」の段階に移ることが出来ます。

では、今日のまとめです。
今日は「チームビルディング」についてお話しました。チームには「タックマンモデル」という4つの発達段階があり、中でも特に「混乱期/ストーミング期」を乗り越えることが重要になります。ぜひ1度、自身のチームの状態を見直してみることをお勧めします。ただ、チームビルディングは、一朝一夕で出来るものではありません。複数の人の感情が複雑に絡み合うことで本当に大変な営みです。しかし、大変だからこそ、チームを作り上げた時の達成感と経験は、キャリアの積み重ねの中でも貴重な経験、財産になると思います。
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