大きな転換期を迎えている今、私たちはこれからの未来をどう生き抜くか
Update: 2023-09-19
Description
今回は、大きな転換期を迎えている今、私達はこれからの未来をどう生き抜くかというテーマで話します。転換期にあるということなので、今後どう我々が生き抜いていくべきか中々将来見通せません。そうした中で、どういうふうに我々が進んでいくかということですが、ポイントが2つあると思います。
一つ目のポイントは我々よく知の深化と言うものです。掘り下げて深めるという意味の深化です。簡単に言うと、得意を伸ばすこと、やはり得意分野を持っている方や組織は強いと思います。例えば、日本のものづくりを源流とするリーン生産方式というものがあります。リーンというのは無駄を排した贅肉のないという意味です。ですので、例えば生産過程において余計な在庫を持ちすぎず、お客さまからの注文に対して滞りなく生産を回していくような生産システムのことをいいます。このデジタルの時代において、データから情報を引き出して生産の流れを制御する上ではリーン生産方式は非常に有効に機能すると私は考えています。ただ得意を伸ばす上で重要なポイントがありまして、それは得意とすることの根底にある本質を見極めることです。先程申し上げた日本の生産システムでいいますと、例えば、「かんばん」とか「かいぜん」とか「あんどん」といった言葉は既に英語化しているといっても過言ではないほど海外で通じます。但し「かんばん」にしても「あんどん」にしても生産管理するための手段に過ぎません。日本のものづくりの根底にあるのは生産の上流から下流に向かって付加価値を生むようなスムーズな流れをつくっていくことにあります。ですので「かんばん」や「あんどん」というのは手段に過ぎないわけですからそれそのものはどんどん変わっていきます。ただ一方で、スムーズな流れを作り込んでいくという本質自体はそうそう変わるものではありませんので、我々が伸ばすべきなのはその強みの本質となるスムーズな流れづくりという部分にあります。
もう一つのポイントは、得意を伸ばすということは重要ですが、一方で今得意なことにこだわりすぎるのもあまりよくない、そこで今後生き抜く上での第二のポイントとなるのが得意分野以外に目を向けていくことです。これ言いかえますと、知の探索というものです。新しい分野にこの知識を広げていこうという姿勢です。現在の経営学では得意を伸ばすこと、すなわち知の深化と、新たな可能性を探ること、すなわち知の探索、この両立を図ることが重要だと考えています。これをいわゆる両利きの経営といいます。
但し、自分の得意分野以外のことも全て自分で勉強して身に付けるというのはものすごく難しいことです。そこで重要となるのが2種類のネットワークです。一つ目はいわゆる社内のネットワークでして、社内には色んな得意分野を持った人達がいます。ですので、自分が不得意なことについてはそれを得意とする人に聴いていけばいいのです。そのときに誰が何を得意としているのか、これを知っていないと誰に助けを求めればいいのか分かりませんので、そこがポイントになってきます。このように誰が何を知っているのかを知っているということを、経営学ではトランザクティブメモリーといいます。このトランザクティブメモリーを上手に発揮していくためには、お互いに見知った関係であるということが重要です。単にメール上だとか、Web上で知っているというだけではなく直接会った経験がある、そういった相手であるほど誰が何を得意としているのかという経験が非常に鮮明になるとこれまでの研究で明らかになっています。
もう一つのネットワークは社外のネットワークです。より広く新たな知識や発想を得る上では普段会っていない他社や他の業界、他の国の人々と交流することが非常に重要になってきます。一つ例を挙げると、いささか古い例ではありますが、トヨタ生産方式の生みの親と言われる大野 耐一さんという方が1956年にアメリカに視察旅行に出かけました。この時のメインの訪問先は当時のゼネラル・モーターズやフォードといったメーカーでした。ところが彼がアメリカで一番強い影響を受けたのはスーパーマーケットだったそうです。スーパーマーケットのセルフ方式をみてトヨタ生産方式の代名詞とも言えるジャストインタイムを思いついたといわれています。全く異業種の取組から革新的なアイデアを着想しましたが、そこで重要になったのがこの大野 耐一さんが物事の本質をずっと問い続けたということです。スーパーの売場と工場の生産現場とは全く違うように見えます。ところが大野 耐一さんはスーパーにおけるセルフサービス販売を見て、これは後工程であるお客さまが前工程である商品棚に自分で商品を取りにいって生産すると、そのように見てとったのです。これは生産管理の用語でいうと後工程引取りといいますが、まさにその様子をスーパーを見て思いついたということで、まさに慧眼というべき観察力です。平時から自分が解くべき課題の本質を問い続けていたからこそ出来たことだと思います。
今日のまとめです。大きな転換期を迎える時代において、今後生き抜く上では第一に得意を伸ばすことが重要です。一方で現在の得意にこだわりすぎると視野狭窄に陥る可能性があります。そこでネットワークを通じ、視野を広げることが重要となります。その際、誰が何を知っているか、何を得意としているかを知るトランザクティブメモリー、これを鍛えることが重要です。また、異なる業界や異なる文化の人々と交流する上では表面的な違いに惑わされず、現象の根底にある本質を見極めることが重要となってきます。
一つ目のポイントは我々よく知の深化と言うものです。掘り下げて深めるという意味の深化です。簡単に言うと、得意を伸ばすこと、やはり得意分野を持っている方や組織は強いと思います。例えば、日本のものづくりを源流とするリーン生産方式というものがあります。リーンというのは無駄を排した贅肉のないという意味です。ですので、例えば生産過程において余計な在庫を持ちすぎず、お客さまからの注文に対して滞りなく生産を回していくような生産システムのことをいいます。このデジタルの時代において、データから情報を引き出して生産の流れを制御する上ではリーン生産方式は非常に有効に機能すると私は考えています。ただ得意を伸ばす上で重要なポイントがありまして、それは得意とすることの根底にある本質を見極めることです。先程申し上げた日本の生産システムでいいますと、例えば、「かんばん」とか「かいぜん」とか「あんどん」といった言葉は既に英語化しているといっても過言ではないほど海外で通じます。但し「かんばん」にしても「あんどん」にしても生産管理するための手段に過ぎません。日本のものづくりの根底にあるのは生産の上流から下流に向かって付加価値を生むようなスムーズな流れをつくっていくことにあります。ですので「かんばん」や「あんどん」というのは手段に過ぎないわけですからそれそのものはどんどん変わっていきます。ただ一方で、スムーズな流れを作り込んでいくという本質自体はそうそう変わるものではありませんので、我々が伸ばすべきなのはその強みの本質となるスムーズな流れづくりという部分にあります。
もう一つのポイントは、得意を伸ばすということは重要ですが、一方で今得意なことにこだわりすぎるのもあまりよくない、そこで今後生き抜く上での第二のポイントとなるのが得意分野以外に目を向けていくことです。これ言いかえますと、知の探索というものです。新しい分野にこの知識を広げていこうという姿勢です。現在の経営学では得意を伸ばすこと、すなわち知の深化と、新たな可能性を探ること、すなわち知の探索、この両立を図ることが重要だと考えています。これをいわゆる両利きの経営といいます。
但し、自分の得意分野以外のことも全て自分で勉強して身に付けるというのはものすごく難しいことです。そこで重要となるのが2種類のネットワークです。一つ目はいわゆる社内のネットワークでして、社内には色んな得意分野を持った人達がいます。ですので、自分が不得意なことについてはそれを得意とする人に聴いていけばいいのです。そのときに誰が何を得意としているのか、これを知っていないと誰に助けを求めればいいのか分かりませんので、そこがポイントになってきます。このように誰が何を知っているのかを知っているということを、経営学ではトランザクティブメモリーといいます。このトランザクティブメモリーを上手に発揮していくためには、お互いに見知った関係であるということが重要です。単にメール上だとか、Web上で知っているというだけではなく直接会った経験がある、そういった相手であるほど誰が何を得意としているのかという経験が非常に鮮明になるとこれまでの研究で明らかになっています。
もう一つのネットワークは社外のネットワークです。より広く新たな知識や発想を得る上では普段会っていない他社や他の業界、他の国の人々と交流することが非常に重要になってきます。一つ例を挙げると、いささか古い例ではありますが、トヨタ生産方式の生みの親と言われる大野 耐一さんという方が1956年にアメリカに視察旅行に出かけました。この時のメインの訪問先は当時のゼネラル・モーターズやフォードといったメーカーでした。ところが彼がアメリカで一番強い影響を受けたのはスーパーマーケットだったそうです。スーパーマーケットのセルフ方式をみてトヨタ生産方式の代名詞とも言えるジャストインタイムを思いついたといわれています。全く異業種の取組から革新的なアイデアを着想しましたが、そこで重要になったのがこの大野 耐一さんが物事の本質をずっと問い続けたということです。スーパーの売場と工場の生産現場とは全く違うように見えます。ところが大野 耐一さんはスーパーにおけるセルフサービス販売を見て、これは後工程であるお客さまが前工程である商品棚に自分で商品を取りにいって生産すると、そのように見てとったのです。これは生産管理の用語でいうと後工程引取りといいますが、まさにその様子をスーパーを見て思いついたということで、まさに慧眼というべき観察力です。平時から自分が解くべき課題の本質を問い続けていたからこそ出来たことだと思います。
今日のまとめです。大きな転換期を迎える時代において、今後生き抜く上では第一に得意を伸ばすことが重要です。一方で現在の得意にこだわりすぎると視野狭窄に陥る可能性があります。そこでネットワークを通じ、視野を広げることが重要となります。その際、誰が何を知っているか、何を得意としているかを知るトランザクティブメモリー、これを鍛えることが重要です。また、異なる業界や異なる文化の人々と交流する上では表面的な違いに惑わされず、現象の根底にある本質を見極めることが重要となってきます。
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