DiscoverWebコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」
Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」
Claim Ownership

Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」

Author: ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平

Subscribed: 394Played: 4,530
Share

Description

WebマーケティングやWeb活用で手が止まってしまったり、悩んでいる中小・小規模事業者の皆様へ、根本的なウェブに対する考え方・捉え方をお届け。
316 Episodes
Reverse
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 この記事で得られること このページでは、AI時代におけるメールマーケティングの現状と、これから何を変えるべきかをまとめています。ざっと目を通してもらうと、次のようなポイントが整理できます。 チャットツールやSNSが増えても、メールマーケティングが依然として強い理由と、今後5〜10年の見通し 送信側と受信側、それぞれでAIがメールに与えている具体的な影響と、テクニック頼みが通用しにくくなる背景 これからのメールマーケティングで押さえるべき設計の考え方と、実際の始め方・ツール選定のポイント 結論から言うと、メールマーケティングは今も主力チャネルであり、AIによって「やりやすくなる部分」と「ごまかしが効かなくなる部分」がはっきり分かれてきています。テクニックを盛る前に、サービスや商品の設計と、要約されても伝わるメール内容に切り替えることが重要になります。 メールマーケティングは「終わらない」どころか、むしろ強くなっている AIの話題やコンテンツマーケティングの話題は増えていますが、その陰でメールマーケティングはあまり語られなくなっています。チャットツールやSlackのようなものが普及し始めた頃から「そろそろメールは厳しいのではないか」と言われ続けてきましたが、現場感としてはBtoBを中心にメール経由のコミュニケーションは依然として非常に強いチャネルのままです。 「メールが弱くなった」と言われるケースの多くは、社内連絡や既存顧客との日常的なやり取りの話です。そこは確かにチャットツールに置き換わりました。しかし、見込み客へのセールスや情報提供のチャネルとしては、メールの代わりになるものは出ていません。 一時期、BtoCではLINEなどのメッセージングアプリがメールの代替になるのではないかと言われました。LINE公式アカウントからクーポンやお知らせを送るような取り組みは成立していますが、メールマーケティングでやっているような「濃いコミュニケーション」までは置き換えられていない状態です。 理由はいくつかありますが、大きいのは公私の切り分けです。メッセージアプリはどうしてもパーソナルなやり取りのイメージが強く、セールスや会社からの情報と混ぜたくない、という感覚があります。LINEの有料プランなどを使えばプロフィールを分けることもできますが、あまり親切な設計にはなっておらず、現実としてはメールが使われ続けています。 既存顧客との継続的な接点としても、特にBtoBではメールが主力のままです。代替手段とされてきたチャットやメッセージアプリが、売上面で決定的な成果を出しているかというと、そうはなっていません。こうした状況を見ると、メールは今後しばらく主力チャネルであり続けると考えてよいです。 加えて、ゼロクリックサーチ(検索結果の要約だけ見て、サイトには来ない検索行動)やブランド検索の増加によって、ユーザーは「信頼できる会社や個人を見つけたら、そこからの情報だけを追う」という行動に寄っていきます。その時にダイレクトに届く手段としてのメールは、むしろ価値が上がっていると言えます。 送信側のAI活用:ツールを変えるだけで変わる部分 AIとメールの関係でまず押さえたいのが、送信側のAI活用です。ここは昔から「最適化」という文脈でいろいろな機能がありましたが、今はそれが本格的にAIとして組み込まれたツールが増えています。 AIで楽になる仕事:コンテンツ作成と配信のPDCA Validityのレポート「The State of Email 2025 from Litmus」と、それを参照しているNukesendの「2025 AI Email Marketing Trends」などによると、メールキャンペーンでAIを使っているマーケターはすでに多数派で、クリック率や売上でも非AIより良い結果が出ていると整理されています。 メールマーケティングは、やろうとするとどうしても手がかかるチャネルです。件名を考え、本文を書き、配信時間を決めて、ABテストをして、ステップメール(あらかじめ決めたシナリオで自動配信するメール)を設計して……と、ひと通りやろうとするとかなりの工数になります。 そこで今大きく効いているのが、コンテンツ作成と配信のPDCAに対するAIの支援です。 件名の案出しとテストパターンの生成 配信時間の最適化(読まれやすい時間帯の自動判定) ステップメールやキャンペーンシナリオの構成案やトピック案の生成 こういった部分はAIが非常に得意です。海外の調査では、メール1通を作るのに平均2週間ほどかかっていたものが、AIの活用によって6分の1程度まで短縮されたというデータも出ています。コンテンツ作成がボトルネックでメールマーケティングに踏み出せなかった方にとっては、今はかなり良いタイミングになっています。 これまで、ステップメールのシナリオ作成や、メール登録+ダウンロードコンテンツのようなフロントエンド商品づくりが重くて手を付けられなかった場合も、今はAIを活用することで一気に形にしやすくなります。メールの中身を考える負荷が下がるので、「やりたいけれど時間がない」状態から抜けやすくなります。 AIに任せてよいところと、任せてはいけないところ とはいえ、すべてをAIに丸投げしてよいかというと、そうはなりません。現場の声としても、ネタの元からすべてAIで一括生成するのは良くないという意見が多く出ています。 AIに任せてよいのは、例えば次のような部分です。 社内の資料や既存コンテンツを読み込ませて、メール本文のたたきを作らせる 書いた文章を分かりやすい構成や文章に整えてもらう 件名やリード文の候補を複数出してもらい、テストにかける 一方で、「そもそも何を伝えるのか」「どんな価値を提供するのか」といった元ネタや設計は、人間が持っている必要があります。ここまでAIに渡してしまうと、中身が薄くなり、要約された時に何も残らないメールになってしまいます。 イメージとしては、ネタと方向性は自分たちで決めて、その先の具体化やブラッシュアップをAIに手伝ってもらう形がちょうど良いです。チャットGPTやGeminiのような対話型AIに「自社の商品・サービス」「最近のお客様の状況」などを投げて、「この前提でメール案を出して」と依頼すると、かなり使えるものが出てきます。 メール配信ツール選び:AI機能があるものを前提にする メールマーケティングをやるなら、メール配信ツールを使うことは大前提です。今もローカルでCGIを動かしたり、ただメールを一斉送信するだけの仕組みを使っているケースもありますが、そろそろクラウド型の配信ツールへの乗り換えを考えた方がよい段階になっています。 特に、次のようなAI機能を持っているツールを選ぶと、効果と運用負荷のバランスが一気に変わります。 件名の自動最適化や複数パターンのテスト機能 読者一人ひとりの開封傾向をもとにした配信時間の最適化 ステップメールやキャンペーンシナリオの提案・自動配分 こういった機能はAI登場以前から存在していましたが、AIによって精度と使いやすさが大きく上がっている領域です。ツール側が最先端を追いかけてくれていれば、自動的に恩恵を受けられます。 一方で、現場の感覚としては、メールの本文エディタがまだ少し使いづらいツールも多いです。AIと本文エディタがシームレスにつながっていて、情報の入力から本文生成、配信設定までを一気通貫で支援してくれるツールは、まだそこまで多くありません。もしそういったものが出てきたら、私自身もすぐに試したくなる領域です。 海外ツールを検討する価値 メールマーケティングツールは、海外製の方が機能面でも価格面でも進んでいるケースが多いです。日本国内のツールだと、月額1〜3万円くらいのプランが普通にありますが、海外ツールに乗り換えるだけでコストを大きく圧縮できるケースもあります。例えば半分〜10分の1などもありえます。 為替の影響はあるものの、現時点では海外ツールの方が割安で、AIまわりの実装も早い傾向があります。最近は日本語対応しているサービスも増えているので、まず海外ツールを候補に入れて検討するのがおすすめになります。 開封率というボトルネックと、AIが効くポイント どれだけよいメールを書いても、開封されなければすべてがそこで止まってしまいます。メールマーケティングにおいて、開封率は一番大きなボトルネックです。 何も考えずに大量配信していると、開封率が10%台というケースも珍しくありません。私のところでは、そもそも好きで登録してくださっている方が多いので、開封率は5〜6割を超えることも普通ですが、それでも半分近くは読まれていない計算になります。 お客様の現場で運用する際には、ひとつの目安として次のようなラインを置いています。 当日開封率30%以上をキープする できれば40%以上を目指す トラッキングオフなどで計測されない開封も増えている前提で見る ここに効いてくるのが、AIによる配信時間と件名の最適化です。一人ひとりの開封パターンを学習し、「この人はこの時間帯だと読んでくれやすい」というタイミングで配信してくれる機能は、すでに実装されていて、精度も上がっています。 こうした機能は、AIが登場する前から存在していましたが、アルゴリズムの進化でより効果が出るようになっています。コンテンツ部分と配信周りの両方をAIにサポートさせることで、メールマーケティングのハードルはかなり下がります。 受信側のAI変化:サマライズが「テクニック売り」を無効化していく 送信側以上に、これから影響が大きくなるのが受信側のAIです。特に、メールの要約機能がいろいろなツールに組み込まれ始めています。 Gmailを使っていると、ある程度の長さがあるメールなら、上の方にそのメールの概要(サマリー)が出てくる場面が増えています。iPhoneなどでも、OSレベルで要約機能が入ってくる流れがあります。 さらに、ChatGPTが組み込まれているブラウザ「Atlas」では、画面の左にウェブページ、右にチャットGPTというレイアウトで表示され、そのページを開いた瞬間に「このページで多くの人が気にしそうな質問」がプリセットで3つほど並ぶようになっています。 例えばショッピングサイトを見ていると、 この商品と他社製品の機能を比較する この商品の価格が最安かどうかを調べる 自分の用途に合っているかどうかを整理する といった質問が、あらかじめボタンとして表示されます。ユーザーは自分でプロンプトを打たなくても、その中から選ぶだけで知りたい情報を整理してもらえるようになります。 これと同じことがメールでも起きると、従来の「読ませてその気にさせる」タイプのテクニックが一気に効かなくなる状態になります。 セールスメールが要約され、比較される前提になる 例えば、あるセールスメールで「新商品のキャンペーン」「セミナーの案内」「期間限定の割引」などを案内していたとします。GmailやOutlook側でジェネレーティブAIと連携し、次のようなプリセットが並ぶ未来は、そこまで遠くありません。 過去12ヶ月のキャンペーンと比べて、本当にお得かどうかをチェックする 競合他社の似たサービスと価格・機能を比較する 自分にとってどんなメリットがあるかを一言でまとめる ユーザーがボタンを押すだけで、AIがメールの中身を読み込み、他の情報源も参照しながら「これは本当にお得か」「この会社はどういうポジションか」をまとめてくれるようになります。こうなると、表面的なお化粧や煽りコピーだけで売るやり方は、かなり厳しくなります。 ゼロクリックサーチによって、ランディングページ上で一生懸命工夫しても、検索結果の要約だけで用が足りてしまうケースが増えました。メールも同じように、コンテンツの本質だけが評価され、ダイレクトマーケティング的なテクニックの価値はどんどん薄れていく流れになります。 「期間限定キャンペーン」がAIに暴かれる日 特に、メールのフロントエンド商品として「月末だからキャンペーン」「年末だけの特別割引」といったやり方を繰り返している場合、AIにはすぐに見抜かれます。 例えばAIに この会社は昨年どのくらいの頻度で同じようなキャンペーンを打っているか 「期間限定」と言いながら、実際にはどれくらい延長していることが多いか 競合と比べて本当に値引率が高いのか といったことを調べさせると、過去のメールやウェブ上の情報から簡単にパターンを出してきます。その方がお客様にとっては親切なので、メールクライアント側がそうした機能を標準装備してくる可能性は十分にあります。 Googleはすでに、自社プロダクト間のオートメーションを簡単に組める仕組みを出していて、「Google側がデフォルトでいろいろやる」方向に向かっています。アルファベット、マイクロソフト、OpenAIといったプレイヤーが関わる領域では、テクニック頼みの施策はいずれ意味を失う前提で考えた方が安全になります。 もし何らかの理由で、メールクライアント側のAI要約が想定ほど普及しなかったとしても、商品・サービスの中身を鍛え、本質的な価値で売る準備をしておくことはまったく無駄になりません。その上でテクニックがまだ効くなら、プラスアルファとして活かせるからです。 BtoBの「メール一斉配信で刈り取る」モデルも変わる 特にBtoBでは、一斉配信するメールを「刈り取りの場」として売上を作るモデルが多くあります。サブスクモデルになる前の初期契約を、メールへの反応を起点に取っていくスタイルです。 ところが、メールクライアント側でAIが要約と比較をしてくれるようになると、「とりあえずテクニックで一度だけ買ってもらう」やり方は厳しくなります。どのチャネルでも、コンテンツだけでなくテクニック売りは通じにくくなると見ておいた方が安全です。 LINEなどプラットフォーム依存のチャネルは、AI要約への対応が少し遅れるかもしれませんが、Googleやマイクロソフト、OpenAIが関わるチャネルについては、早い段階で影響が出ます。 これからのメール設計:要約されても伝わる前提にする では、こうした変化の中で、これからのメールマーケティングはどう設計すればよいでしょうか。大きな方向性としては、次の三つになります。 テクニックではなく、サービスや商品の本質的な価値で勝負する AIに要約されても、伝えたいことがきちんと残る構成にする メール1通の中で必要な情報が完結するように設計する メールの本文がすべて読まれない前提は、これから一層強くなります。その一方で、AIから見ると「メール1通の中で完結している情報」の方が扱いやすいので、むしろメールの中にきちんと情報を入れておいた方がよい場面が増えていきます。 今までは、Gmailなどで下の方が省略されてしまうこともあり、「長くなりすぎないようにしよう」「詳細はサイトに飛ばして読んでもらおう」という考え方が主流でした。これからは、ランディングページをそのままメールとして送るくらいの発想でも良くなります。 AIから見れば、いろいろなサイトを跨いで情報を集めるより、ひとつのメールの中で必要な情報が揃っている方が扱いやすいからです。Google側がこれを締め付けるインセンティブもあまりないので、メール1通の中で完結させる方向に振ってしまって問題ありません。 大事なのは、 このメールは何を言いたいのか どんなサービス・商品を、どんな位置づけで提案しているのか 読み手にとってどんな価値があるのか といった本質的なメッセージが、要約されてもブレずに残るようにすることです。 メールマーケティングはあと何年使えるチャネルか ここまで聞くと「AIがここまで進むなら、そもそもメールは近いうちに意味がなくなるのでは」と感じる方もいるかもしれません。現場感としては、メールは少なくとも今後5年は十分に戦えるチャネルであり、そのまま習慣として10年続いてもおかしくないと見てよいです。 メールマーケティングが本当に意味を失うとしたら、例えば次のような世界観になります。 Gmailがすべてのメールを取り込み、RSSフィードのようにトピックごとに自動で整理する ウェブ上のコンテンツとメールをまとめて、「自分が追いたいテーマ」のダッシュボードを自動生成する ユーザーはそのダッシュボードだけ見ていれば、外部との情報接点のほとんどをカバーできる こうした文化が定着すれば、メールという単体のチャネルの意味合いは変わってきます。ただ、現時点でチャットGPTやGeminiを日常的な購買行動に使っている人はまだそこまで多くなく、そこに到達するまでには時間がかかります。 少なくとも、今からメールマーケティングを始めて、5年スパンで育てる価値は十分にあります。AIによって意味がなくなり始めているどころか、むしろ「本質で勝負するメールに切り替えるチャンス」が来ていると捉えてもらうのがよいです。 中小企業向けの実感:まだまだメールは読まれている 私自身のところでは、ポッドキャストを配信して、それをかなり丁寧にテキストコンテンツ化しています。今ご覧いただいているような形のコンテンツを、そのままメールで自動的にお送りしている運用です。 メールとしてもしっかり読み物になるようにページを作り込み、その内容を配信するだけですが、開封率も高く、そこからのお問い合わせも実際に発生しています。登録してくださっている方々は、ほとんどが中小企業・小規模事業者の方々です。 その実感からも、中小企業向けのビジネスであっても、メールは普通に読まれていると考えて問題ありません。チャットやSNSが増えたからといって、「メールは誰も読んでいない」と決めつけてしまうのはもったいないです。 メールマーケティングをどう始めるか:まずは設計とリストづくりから では、「メールマーケティングをやった方がよいのは分かった。では何から始めればよいのか」という話です。ここで大事なのは、とりあえず送り始めればいい、というものではないという点です。 よくあるNGが、リストを購入して一斉送信してしまうパターンです。これはもう、やらない方がよいですし、むしろマイナスに働くこともあります。 現実的には、 半年〜1年くらいのスパンでリストを育てる前提を置く どんな情報をどの順番で届けると、お客様にとって価値が高いかを設計する そのうえで、AIに本文作成や件名案出しを手伝わせる といった流れで進めるのが現実的です。最初の設計だけでも相談したい、という場合でも構いません。メールマーケティングの設計やステップメールの組み立てだけのご相談も受け付けています。 業種によって向き不向きがあるのも事実ですが、そのあたりも含めて「この業種ならこういうやり方が合いやすい」といったストックはありますので、気になる方はお問い合わせいただければと思います。 メールマーケティングは「数字が見える」から楽しくなる メールマーケティングの良さのひとつは、開封率やクリック率、反響などが数字ではっきり見えることです。テストを重ねると、件名ひとつ、配信時間ひとつで反応がどう変わるかが分かりやすく、マーケティング好きな方にとってはハマりやすい分野になります。 一方で、これからはテクニックだけで数字を作るのではなく、サービス設計とメール内容の本質を磨いていくことがますます重要になります。AIに要約され、比較される前提でメールを設計していくと、メールというチャネル自体の価値も長持ちします。 お知らせ:ショート動画配信とご相談窓口について 最後に、いくつかお知らせです。 最近は、単発のYouTubeショート動画をほぼ毎日1本、TikTok、Instagram、Facebookでも、それぞれのチャネルで1日1回程度、縦型のショート動画を配信しています。YouTubeは昼、それ以外は夜7時前後に出していることが多いです。 1本あたり2分前後で、毎回ひとつのトピックだけを取り上げています。セールス要素は入れていませんので、「2分でサッとインプットして、自社の現場にどう活かすかを考えてみる」という習慣づけに使ってもらえると嬉しいです。 また、12月は何かと忙しい時期ですが、来年に向けたご相談や、無料診断・無料相談は引き続きお問い合わせフォームから受け付けています。メールマーケティングに限らず、ウェブまわり全般で「どこから手を付けるべきか整理したい」という段階でも構いません。 ラウンドナップWebコンサルティングでは、中小企業・小規模事業者専門で、ウェブのコンサルティングから各種サポートまでをワンストップで提供しています。今回の内容が、メールマーケティングに一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。 関連リンク Validity「The State of Email 2025 from Litmus」 Nukesend「2025 AI Email Marketing Trends」 ChatGPT Atlas 公式ページ FAQ AI時代でもメールマーケティングに取り組む価値はありますか。 はい、あります。チャットツールやSNSが普及しても、特にBtoBではメールが主力チャネルであり続けています。AIによってテクニック頼みのやり方は通用しにくくなりますが、そのぶんサービスや商品の本質的な価値で勝負するメールに切り替えれば、少なくとも今後5年は十分に成果を出せるチャネルになります。 AIのメール要約が進むと、どんなメールが通用しなくなりますか。 「読ませてその気にさせる」ことを前提にしたテクニック重視のメールは、AI要約と他社比較の前では効果が落ちていきます。例えば、実態としては頻繁に実施しているのに「期間限定キャンペーン」と繰り返すような手法は、過去の配信履歴や他社情報と照らし合わせればすぐに見抜かれます。要約されても伝えたい価値が残るメールに切り替えることが重要になります。 メールマーケティングを始めるとき、まず何から取り組めばよいですか。 まずは、「どんな人に、どんな価値のある情報を、どの順番で届けるか」という設計から始める必要があります。同時に、クラウド型のメール配信ツールを導入し、件名や配信時間、ステップメールなどのPDCAをAI機能も活用しながら回せる状態を作ると効率的です。リストは購入せず、半年〜1年かけて育てていく前提で考えると、無理のない運用になります。 AIにはメール本文の作成をどこまで任せてよいですか。 ネタの元やメッセージの核になる部分は自社で持ち、具体的な文章化や構成の整理、件名やリード文の候補出しといった部分をAIに任せるのが適切です。コンテンツの元ネタまで含めて一括生成させると、中身が薄くなり、要約されたときに何も残らないメールになりやすくなります。 海外製のメール配信ツールを使うメリットはありますか。 あります。海外のメール配信ツールは、AIを活用した件名最適化や配信時間の自動調整、ステップメールの設計支援など、機能面で先行しているものが多くあります。価格面でも、日本製ツールの1〜3万円クラスから乗り換えるだけで、半分〜10分の1程度にコストを抑えられるケースもあります。最近は日本語対応も進んでいるので、まず候補に入れて検討する価値があります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 今回は、ビジネスの決断に本当に役立つ情報にどうしたら、うまくたどり着けるか・見つけられるかというテーマです。ただ情報を「集める」のではなく、自分の判断や行動につながる情報を“探索”するための考え方です。 この記事で得られること このページを読むと、次のようなポイントが分かります。 ネガティブ情報に振り回されない「いいところ探し」の視点 ─ 世の中の事例や他社の取り組みを見るときに、ダメ出しではなく「ここはいいな」「ここだけ真似したい」を見つけるための具体的な考え方。 「探す前に考える」ことで、質の高い情報に出会いやすくする方法 ─ なんとなく検索するのではなく、事前に「知りたいことリスト」を持った上で情報を取りに行くための簡単な習慣。 AIやニュース、SNSに触れるときに、自分の感覚を守るコツ ─ ChatGPT や Gemini を含む対話型AIの使い方のポイントと、他人の意見を先に見過ぎないためのちょっとした工夫。 情報収集ではなく「情報探索」に切り替える なぜ、”情報をたくさん集めているのに決断につながらない”事が起きるのか 情報は集めているつもりなのに、いざというときに「結局どれを選べばいいのか分からない」「行動に移せない」という感覚はないでしょうか。 私自身も、自分の情報の取り方を振り返る中で「ここに1つ、分かりづらいけれど原因がある」と感じるようになった内容を、今回ご紹介します。 「情報収集」という言葉から自然に行ってしまうのは、 すぐに役に立ちそうなノウハウやテクニックを 大量の情報の中から「宝探し」のように見つけてきて そのまま“ポン付け”しようとする といったスタイルです。 ただ、このやり方だと、仮に「すぐ使えそうなノウハウ」が見つかったとしても、 他の人も同じ情報にたどり着いていて、優位性にならない 自分の状況と合っているかどうかの判断があいまい そもそも「そのまま使えるノウハウ」自体がそんなに多くない といった問題が出てきます。 ではどうしたら、自分の判断や行動につながる形で情報を“探索”して見つけることが出来るのでしょうか? 「情報収集」と「情報探索」の違い ここで一度、言葉の定義をはっきりさせておきます。 情報収集 ─ 目の前にある情報の中から、使えそうなノウハウやテクニックを拾ってくるイメージ。 情報探索 ─ 先に「自分は何を知りたいのか」「どんな判断をしたいのか」を考えた上で、   必要な情報を筋道立てて集め、判断や行動につなげていくプロセス。 同じニュースを読んだり、同じ本を開いたりしても、 「ただ眺める」のか、「自分の判断のために読み解く」のかで、得られるものはだいぶ変わります。 この前提を押さえた上で、ここから2つのポイントを整理していきます。 ポイント1:情報の「いいところ探し」をする ネガティブ情報が増えやすい理由 今の世の中を見ていると、ニュースサイトにしても、SNSにしても、多くの情報がネガティブ寄りになっていると感じませんか。 そうなっているのは、分断や対立を煽るような話題、感情的なぶつかり合いのようなやり取りの方が、どうしても注目を集めやすいからです。 結果として、 ネガティブな情報や炎上しそうな話題の方が、拡散されやすい 誰かを批判したり、何かを否定する情報が目に入りやすい という状態になっているのが、SNSやネットニュースです。 当然、経営やビジネスの判断に使う情報は、これではどうしようもありません。むしろ時間の無駄になるかもしれません。 なぜなら、ネガティブな情報は、「これはやってはいけない」という”選択肢を減らす”役には立つかもしれませんが、「何をやるのか」というストレートな行動に繋がりづらいからです。 ネガティブ情報は「選択肢を減らす」役割にとどまる理由 例えば、100個の選択肢があるとします。 ネガティブな情報は、 「この2つは危ないからやめておこう」 「このパターンだけは避けよう」 といった形で、せいぜい1〜2個の選択肢を消す役割を果たします。 もちろん、それにも意味はありますし、重要な役割です。 ただ、100個あった選択肢が98個になるだけでは、次に踏み出す一歩はまだ見えてきません。 そこで意識したいのが、「いいところ探し」です。 「ここはいいよね」を意識的に探す 他社の事例やニュース、誰かの意見を見たときに、最初から粗探しをしない。これが重要です。 具体的には、 「いろいろあるけれど、ここはいいな」 「この決断はすごいな」 「この部分だけなら、うちでも真似できるかもしれない」 といった“いいところ”を見つけにいく習慣を持つことが効果的です。 どんな情報であっても、大なり小なり ここでこういう決断をしたのはすごい この場面でこうやって人を動かしているのは参考になる この一部分だけ切り出せば、うちでも試せそう といったポイントは、どこかに潜んでいることが多いです。 そこを意識的に拾っていくと、「やってはいけないこと」を知るだけでなく、「やってみてもいいこと」の候補が増えていきます。 そしてこの「やってみてもいいこと」は先ほどのネガティブ情報のような「無数の選択肢の中から、いくつか選択肢を消すだけ」ではなく、これをやろう!という、行動に繋がるダイレクトアクションに繋がる情報なのです。つまり、ポジティブに選ンだ情報は行動に直結しやすいのです。 1.その場で言語化しておこう この時1コ追加の注意です。「なんとなくいいな」と思っただけでは、時間が経つとその感覚を忘れてしまいます。 そこでおすすめなのが、 なぜ自分はそれを「いい」と感じたのか どこが魅力的に映ったのか どんな場面でなら自社でも試せそうだと思ったのか といった「考えの筋道」を、その場で軽くメモしておくことです。 ポイントは、完璧な分析をする必要はまったくないということ。 「多分こういう理由でいいと思ったんだろうな」という程度で構いません。 あとから見返したときに、 自分の頭の中でどういう連想が起きていたのか どの順番で「これやってみようかな」という気持ちになったのか が分かるくらいで十分です。 2.「自分のやりやすい形」でmemoを取ろう このときのメモ方法は、本当に何でも大丈夫です。 スマホのメモ帳に、思いついたことを打ち込む 紙のノートに、殴り書きで箇条書きしておく 移動中などは、音声で録音しておく 私自身は、打てる状況ならメモ帳に打ち込み、難しいときは音声で録音して、あとから生成AIにまとめてもらうことが多いです。 昔は「音声を録ったあとに、もう一度聞き返して、自分で書き起こす」のが大変でしたが、今は ChatGPT や Gemini などの対話型AIに読み込ませれば、要約や整理を任せることができます。 音声で話すと、自分でも意外だった考えや感情が、そのまま言葉として出てくることがあり、頭の中を丸ごと取り出せる感覚があります。 そういう意味でも、メモとしてはとても相性が良いと感じています。 3「その場で考える」から実行につながるんだと考えよう もう1つ加えて大事なのは、いいと思ったその場で、実行までの筋道をざっくり考えておくことです。 「あとで時間があるときに考えよう」とメモだけ残しても、そのときの感情や熱量は薄れてしまい、結局手を付けないまま終わってしまうことも多いからです。 「いいところ探し」をしながら、その場で、 自社ならどこを真似できるか 最初の一歩をどこに置くか 誰を巻き込めば動き出せそうか といったことを軽く考えて、理由と合わせて記録しておく。 これだけでも、情報を「読んで終わり」から、「読んで動く」に近づけていくことができます。 ポイント2:探す前に「何を知りたいか」を考える “なんとなく探し”ても、良い情報は見つかりにくい 次のポイントは、情報を探す前に、何を知りたいのか先に考えておくということです。 よく「仮説と検証」と言われますが、その情報バージョンのようなイメージです。 「何かいい情報ないかな」「これに役立ちそうなものないかな」と、ふわっとした気持ちのまま情報を探していると、なかなか良い情報に出会いません。 人間のアンテナには限界があるので、全方位に広げたままだと、本当に必要なものをキャッチしにくいからです。無指向性よりも指向性があった方が良いのです。 「知りたいことリスト」を持っておく そこでおすすめなのが、自分の「知りたいことリスト」をつくっておくことです。 難しいものではなく、 今、事業で気になっていること 近いうちに決めないといけないテーマ いつか深掘りしたいと感じている論点 といったものを、思いつくままメモに書き出しておくイメージです。 そして、それを毎朝さっと眺めるくらいで構いません。 全部を覚えておく必要はありませんが、「自分は今こういうことを知りたがっている」という情報が、潜在意識の方に入っていきます。 すると、ニュースを読んだり、人と話したりしているときに、 「あれ、これはあのテーマに関係あるかもしれない」 「この事例は、あの悩みに引っかかるな」 と、自然と「ピコーン」と反応しやすくなるんですね。 毎回、「この情報は自分のどのリスト項目に当てはまるか」を頭の中で照合するのは現実的ではありませんが、事前に方向性を決めておくことで、感度が上がるイメージです。 ニュースを見るときの「問い」の持ち方 例えば、ある会社のニュースを見たとき、 事前に「知りたいことリスト」が意識されていると、 「なぜこの会社はこの対応を選んだんだろう」 「この結果になる前の段階では、どんな意思決定があったんだろう」 「この立場の人は、このときどう感じていたんだろう」 といった追加の問いが自然と出てきます。 ここから先は、自分の「思考の鎖」をつなげていく作業です。 最近であれば、ChatGPT や Gemini のような対話型AIに対して、 「このニュースのこの部分について、似たような事例はないか」 「この決断に至るまでに、どんな選択肢や背景があり得るか」 といった形で質問を投げ、引用付きの情報を出させることで、関連情報を広げていくこともできます。 重要なのは、最初の問いがふわっとしていないことです。 「うちにとって一番いい施策を教えて」といった、条件も前提もないオープンクエスチョンだけだと、どうしても精度の低い回答になりがちです。 「この条件で」「今こういう状況で」「こういうことを実現したい」という形で、自分の思考の鎖を1つずつつなげながら質問していくことが、AIを使う上でもポイントになります。 対話型AIを使うときの前提と注意点 対話型AIを情報探索に使うときは、いくつか前提を持っておくと安心です。 引用付きの情報を優先する ─ 何かを事実として扱うときは、出典がきちんと示されている情報を重視する。 推論と事実を分けて読む ─ AIが推測して話している部分と、実際の引用情報の部分を意識的に分けて確認する。 重要なところは公式情報でダブルチェックする ─ 特にお金や法務に関わる部分は、最終的には公式サイトなどで確認する。 料金体系やプラン名などはどんどん変わっていくので、具体的な金額はここでは挙げませんが、 上位モデルが使える有料プランの方が、精度や安定性が高いと感じています。 実際、上位モデルを使うと、情報の拾い方もだいぶ変わってくる印象があります。 また、AIを使わない場合でも、 このテーマなら、あの雑誌や専門書を読んでみよう この分野なら、社内の誰々が詳しそうだから聞いてみよう というように、「知りたいこと」から逆算して、情報源や相談先を選んでいく感覚が大切です。 「とりあえず情報を入れ続ける」のではなく、 考える → 情報を得る → また考える → 必要なら誰かに聞く というサイクルを回していくと、得られる情報の質も、自分の考えの整理のされ方も、大きく変わってきます。 ポイント3:まずは自分の感覚で考える SNSやレビューを「先に」見ないようにすべき理由 もう一つ、情報探索という意味でとても大事だと感じているのが、「先に他人の意見を見過ぎない」ということです。 今のSNSやニュースサイトは、 ある意見に対して、他の人がどう反応したかがすぐ見える コメント欄や引用ポストの雰囲気に引きずられやすい という特徴があります。 それ自体が悪いわけではないのです。しかし「最初から他人の反応ばかり見てしまうと、自分の感覚を信じにくくなってしまう」ことがある。これが重要です。 これは情報に限らず、例えば映画や漫画、その他の娯楽も同じです。 レビューや評価を先に見てしまうと、それに引きずられてしまい、素直に楽しめなくなることがありますよね。 自分の「レーダー」「アンテナ」を鍛える 自分のレーダーやアンテナを鍛えるには、「まず自分でどう感じたか」を大事にする必要があります。情報探索という意味で見ると。 他人の評価や点数を先に見てしまうのは、極端に言えば、外から聞こえてくる声をただ眺めているだけの状態になりがちです。それは「情報を集めている」というより、ただ流れてくるものを浴びているだけとも言えます。 そうではなく、まずは、 自分はこの情報をどう感じたか どこが良いと思って、どこに違和感を覚えたのか を一度自分で考えてから、後から他人の意見を見に行く。 そうすると、 自分とは全然違う考え方があると分かる 自分の考えをより深くしてくれる、別の視点に出会える といった形で、他人の意見を「材料」として取り入れやすくなります。 どちらが優れているかという話ではなく、自分の考えを持った上で比較するのが大切だと感じています。 ビジネスとメンタルを守るための「いいところ探し」 分断・煽り情報に触れ続けるリスク 改めて、「いいところ探し」にはもう一つ重要な側面があります。 それは、自分の心を守るということです。 ページビューやインプレッションを集めても、昔ほど広告収入にならない状況もあって、 どうしても、 対立や分断を煽るコンテンツ 誰かを攻撃することで注目を集める投稿 のような情報が増えがちです。 そういった情報ばかり見続けていると、 心が荒れてしまう 他人を攻撃することでストレスを発散しようとしてしまう という状態に近づいてしまいます。 これは、自分がされたくないことを、他人に対してやっている状態でもありますし、最終的には誰も得をしません。 「世界にも良いものはたくさんある」と実感する 一方で、「いいところ探し」を意識していると、 ニュースや事例、誰かの取り組みを見たときに、 「この決断はすごいな」 「こういう工夫をしているのは素敵だな」 「この部分だけでも、うちで真似してみたいな」 というように、世の中にある「良いもの」「良い動き」が目に入りやすくなります。 これは、精神衛生の面でもとても大きいと感じています。 特に、今のように事業環境が厳しく、 資金繰りが苦しい 人手不足が続いている 倒産件数も増えているという話を、商工会などから耳にする といった状況の中では、経営者自身が倒れてしまうとどうしようもなくなるという現実があります。 だからこそ、自分の心を守る意味でも、「いいところ探し」は非常に大事だと感じています。 ここまでのまとめ:情報探索の2つ(+1つ)の原則 ここまでお話ししてきた内容を、改めて整理すると次の通りです。 いいところ探しをする ─ ネガティブな情報は「選択肢を減らす」役割にとどまることが多い。 ─ 他社の事例やニュースを見たときは、まず「どこを真似できるか」「どこが良いか」を探す。 ─ いいと思ったら、その理由と実行までの筋道を、その場で簡単にメモしておく。 探す前に考える ─ なんとなく情報を探すのではなく、「知りたいことリスト」を持っておく。 ─ そのリストを意識しながらニュースや情報に触れると、「ここが気になる」というポイントに気づきやすくなる。 ─ ChatGPT や Gemini などの対話型AIを使うときも、ざっくりした質問ではなく、自分の思考の鎖を乗せていく。 まず自分の感覚で考える ─ 先に他人の意見やレビューを見過ぎない。 ─ 自分はどう感じたかを一度整理してから、他人の意見を「材料」として取り入れる。 ─ そうすることで、自分のレーダーやアンテナがだんだん鍛えられていく。 この3つを意識するだけで、同じ情報に触れていても、得られるものがかなり変わってくるはずです。 「いろいろ読んだり調べたりしているのに、行動に結びつきにくい」と感じている方は、まず1つ目の「いいところ探し」から試してみていただくのがおすすめです。 ショート動画配信と、ご質問の送り先について 最後に少しだけお知らせです。 ポッドキャストとは別に、YouTube ショートや Instagram、TikTokなどでも、2〜3分の短い音声・動画を配信しています。 だいたい週に1〜2回、まとめて何本か撮影して、そのまま編集して出しているので、 自分でも「千本ノックを受けているような感覚」で、少し疲れるのですが、できるだけ続けています。 朝のちょっとした時間に、さっと聞き流すだけでも、また違った気づきがあるかもしれません。 どのプラットフォームでも構わないので、ふと思い出したときに覗いていただけたら嬉しいです。 また、ご質問やお悩みがあれば、匿名でも構いませんので、 ラウンドナップWebコンサルティングのお問い合わせフォームから送っていただければと思います。 ポッドキャストや各種コンテンツの中で、できる限り丁寧にお答えしていきます。 関連リンク OpenAI 公式サイト(ChatGPT など) Google Gemini 公式サイト 中小企業庁 経営サポート(公式) こころの健康・メンタルヘルス(厚生労働省 公式) よくある質問(FAQ) Q1. 「情報収集」と「情報探索」は、何が違うのですか? 「情報収集」は、目の前にある情報の中から、使えそうなノウハウやテクニックを拾ってくるイメージです。 一方で「情報探索」は、先に「自分は何を知りたいのか」「どんな判断をしたいのか」を考えた上で、必要な情報を筋道立てて集め、判断や行動につなげるプロセスを指しています。 Q2. ネガティブな情報はビジネスに役立たないのでしょうか? ネガティブな情報にも意味はあり、「これはやってはいけない」という注意喚起として、選択肢を減らす役割を果たします。 ただし、それだけでは「では何をやるのか」という前向きな決断にはつながりにくいため、同時に「いいところ探し」をして、実行候補になる前向きな情報も集めていくことが大事だと考えています。 Q3. 「いいところ探し」は具体的にどうやれば良いですか? 他社事例やニュース、誰かの意見を見たときに、まず粗探しをするのではなく、「ここはいいな」「この部分だけなら真似できそうだな」という点を意識的に探します。 そして、なぜそう感じたのか、どんな場面なら自社で試せそうかを、その場で簡単にメモしておくと、あとから実行に移しやすくなります。 Q4. 情報を探す前に「考える」とは、具体的に何をすれば良いですか? まず、今の自分や自社が「何を知りたいのか」をリストアップしておきます。 そのリストを毎朝さっと眺めておくだけでも、ニュースや本、人との会話の中で、「これはあのテーマに関係ありそうだ」と自然に反応しやすくなります。 その上で、必要な情報源や相談相手を選んでいくと、質の高い情報に出会いやすくなります。 Q5. 生成AI(ChatGPT や Gemini など)を情報探索に使うときの注意点はありますか? ざっくりしたオープンクエスチョンだけを投げるのではなく、「こういう状況で」「こういうことを知りたい」という前提を伝えながら質問を重ねていくことが大切です。 また、引用付きの情報を優先し、AIが推論している部分と事実の部分を分けて読むこと、重要な内容は公式情報でダブルチェックすることも意識しておくと安心です。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第578回:ビジネスの決断のための情報探索の2つのポイント「いいところ探し」と「考えてから探す」の原則 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
画像で内容のまとめ ポッドキャスト書き起こし 良いマーケティングエージェンシーを選ぶためのチェックポイント 今回は、Xのポストでも少し引用したのですが、マーケティングエージェンシーを選ぶ際に押さえておきたいポイントについてお話しします。これはウェブ広告に限らず、サイト制作やコンサルティングなど、皆さんのパートナーとなる会社を選ぶ際にも役立つ内容です。 こういったテーマは、どうしても業界ごとのポジショントークになりがちです。その業界で長く仕事をしていると、自然と特定の切り口で物事を見てしまいますし、商売としてそう発言せざるを得ない側面もあるでしょう。 私もなるべくポジショントークにならないよう心がけていますが、普段から中小企業の「現場主義」を掲げてコンサルティングを行っているため、どうしてもその視点が強くなる点はご容赦ください。 今回この話題を取り上げようと思ったのは、海外の中小企業向けマーケティング会社のCEOが書いた記事を読み、「なるほど、これは皆さんにシェアしたい」と感じたからです。その記事で挙げられていた項目を引用しつつ、私自身の経験や知見を交えて解説していきます。 今回の内容を聞いていただくことで、現在パートナーを探している方は、選定時の質問や検討の材料になるでしょう。また、すでに付き合いのある会社がいる方は、改めて関係性を見直すことで成果が出やすくなったり、今後の付き合い方を考える目安になったりするはずです。皆さんにとってより良い関係性を築くきっかけとして、今回のチェックポイントを活用していただければと思います。 海外の失敗事例から学ぶ、エージェンシー選びの重要性 今回ご紹介するのは、『Duct Tape Marketing』という会社のCEO、サラ・ネイ氏が書いた「Questions to ask before hiring a marketing agency」という記事です。 元記事はリンクを載せておきますので、ぜひGoogle翻訳などを使って読んでみてください。より中立的な視点が得られるかと思います。 10 Questions to Ask Before Hiring a Marketing Agency or fCMO https://ducttapemarketing.com/questions-to-ask-before-hire-a-marketing-agency/ 記事では、2つの極端な失敗例が挙げられています。 1. 内容を理解しないまま、高額なSEOサービスを3年契約してしまった 一つは、いわゆる「丸投げ」状態で、月8,000ドル(約120万円)のSEOサービスを3年契約で縛られてしまったケースです。成果については書かれていませんが、失敗例として挙げられている以上、おそらく出ていなかったのでしょう。月額120万円は、コンテンツ制作費を含んでいるかは不明ですが、中小企業から中堅企業にとってかなりの投資額です。 2. 広告アカウントの所有権がなく、トラブルになった もう一つは、月1万ドル(約150万円)をかけてGoogle広告を運用していたものの、広告アカウントの所有権が自社になかったために、トラブルに発展したケースです。 これらの事例は、導入を分かりやすくするためのものかもしれませんが、金額の大小はあれど、実際に起こりがちな生々しい話でもあります。特にSNS関連では、もっとドロドロした話も耳にします。 今回は誰かを批判することが目的ではありませんので、早速チェックすべきポイントについて見ていきましょう。 契約前に確認すべき7つの重要ポイント 1. 広告アカウントやデータの所有権は自社にあるか? 最初に出てくるのが、広告アカウントや解析ツールのアカウント、データの所有権を自社で持てるかという点です。 これは日本のまともな代理店であれば、口酸っぱく言っていることなので、常識になりつつあるとは思います。お客様自身でアカウントを作成してもらうか、代理店が作成して譲渡するなど、お客様がいつでも管理画面を見られるようにするのが一般的です。しかし、地方などでは「管理画面はお見せできません」という代理店がまだ存在するという話も聞きます。 確認すべき質問 「契約が終了した際、広告や解析ツールをスムーズに自社で引き継ぎ、管理・運用できますか?」 「広告費用やコンバージョン数など、管理画面で確認できるデータを、いつでも私たち自身が見られる状態にしてもらえますか?」 もし代理店から「自社のアカウント内で運用しているので切り離せません」といった説明を受けた場合は、本当に注意してください。 元データにアクセスできず、代理店が作成したレポート経由でしか数字を見られない状況は非常に危険です。まず、そうした古いやり方をしている会社であること自体がリスクですし、パートナーとして対等な関係を築く意識が低い可能性があります。 データは会社の生命線です。お互いがいつでもデータを見て、それに基づき意見交換をしながら改善を進めていくのが本来あるべき姿です。データを見せない、あるいは契約終了後にアカウントを譲渡できない会社とは、基本的に付き合わない方が良いでしょう。 また、「こちらで全部やりますから、皆さんは見なくていいですよ」といったように、クライアントを依存させようとする姿勢の会社も避けるべきです。「見方が分からないなら教えますので、ぜひ見てください」と言ってくれる会社を選びましょう。 2. 「成功の定義」は売上に繋がっているか? 次に、「何を成功とみなすか」が明確になっているか、という点です。 ここで注意したいのは、成功の定義がアクセス数、クリック数、SNSのフォロワー数といった、ウェブ上のデジタルな数字だけで完結していないか、という点です。これらはKPI(重要業績評価指標)にはなり得ますが、必ずしも売上に直結するとは限りません。 そうした指標だけを見て、「コンバージョンが増えましたね、良かったですね」で終わってしまう会社は避けましょう。 確認すべきポイント 増えたコンバージョンの「中身」まで気にしてくれるか? 「問い合わせ内容は悪化していませんか?」「営業に繋がらない問い合わせが増えていませんか?」といった確認をしてくれるか? 施策実施後、「その後の成約率はどうでしたか?」「見込み客の熱量はどうでしたか?」といった、最終的な成果まで踏み込んでくれるか? 特に最近は問い合わせフォームへの営業メールなども多く、ツールの設定によってはコンバージョン数が実態と乖離して跳ね上がることがあります。その数字だけを見て何の疑いもなく「成功です」と報告するような代理店は危険です。 クリック数やフォロワー数が業績と明確に連動していると双方で合意できているなら話は別ですが、そうでなければ、最終的な売上まで気にしてくれるパートナーを探しましょう。可能であれば、問い合わせ内容などを共有できる関係を築くのが理想です。 3. 短絡的な施策だけでなく、大局的な戦略はあるか? 個別の戦術、例えば「新しいページを作りましょう」「広告の出稿先を増やしましょう」といった単発の提案は出てくるものの、その背景にある大きな戦略が見えない会社は避けた方が良いでしょう。 ウェブマーケティングの競争は激化・飽和しており、短期的に「これをやれば上がる」という魔法のような施策はほとんどありません。「将来的にこういう姿を目指すために、今はこれをやります」という中長期的な視点に基づいた全体像がなければ、施策は場当たり的になり、投資対効果も悪化します。 確認すべき質問 提案された施策が「何を目的として」いて、「自社をどのような姿にするために」必要なのか、その意図を尋ねる。 提案された手段(How)だけでなく、その目的(What)や理由(Why)をきちんと説明してくれる会社を選びましょう。 手段だけを提案するのは楽ですし、実行するのも簡単です。しかし、それが成果にどう繋がるかはやり方次第です。 もし定例会などで提案された内容がよく分からなければ、「よく分かりません」と正直に伝えることが大切です。その質問に対して、きちんと相手に合わせて分かりやすく説明できるのが、本当に良いパートナーです。専門家の言うことだからと萎縮せず、臆せずに質問しましょう。そこで相手の本当の実力が見えてきます。 4. 契約終了後のプロセスは明確か? どんな契約にも終わりは来ます。契約が終了した後のことを明確にしてくれる会社を選びましょう。 特に伴走支援型の契約は、終わりが見えなくなりがちです。「もっとやる余地があります」「他社がやっているから、うちもやった方がいい」と言い出せば、課題はいくらでも作り出せます。しかし、だらだらと契約を続けるのが良いわけではありません。 マーケティングは会社の利益の源泉であり、最終的には自社でコントロールできるよう自立を目指すべきです。 良い会社は、いつか自分たちが身を引くことがクライアントのためになると理解しているので、「契約が終わった際は、スムーズに引き継げるようになっています」という体制を整えています。逆に、クライアントを依存させようとする会社は、「うちを辞めるとこれができなくなりますよ」とか、「引き継ぎに時間がかかるので2ヶ月前に言ってください」といった、ソフトウェア契約のダークパターンのようなことを言ってくる場合があります。 契約終了時の条件を事前に聞くこと、そして契約書をしっかりレビューすることが重要です。契約書は、できれば法律の専門家にチェックしてもらうのが一番ですが、最低でも内容をよく確認し、安易に同意しないようにしましょう。 5. 提案者と実際の担当者は同じか? 提案や商談の際に、実際に誰が担当してくれるのかが明確になっていない会社は注意が必要です。 これは以前のポッドキャストでもお話ししましたが、「会社で選ぶより担当者で選べ」という視点が重要です。提案の場には、案件を獲得するためにスキルが高い人が出てくるのが一般的です。しかし、実際の運用は別の担当者が行うケースが少なくありません。 会社の中には優秀な人から駆け出しの人まで様々です。優秀な担当者は、当然ながら単価の高い大きな案件にアサインされがちです。 確認すべき質問 * 「この提案をしてくれたあなたが、実際に担当してくれるのですか?」 * もし担当が別の人なら、「では、その担当者にも同席してもらえますか?できれば、その方にプレゼンをしてもらえますか?」とお願いする。 「提案に来てくれた人とは馬が合ったのに、実際の担当者とは合わなかった」「レベル感が違った」ということは本当によくあります。実際に誰が担当するのかを事前に確認し、可能であれば会わせてもらえる会社に相談しましょう。 6. 社内チームと連携する姿勢はあるか? 代理店側だけで完結できることは、どんどん少なくなっています。 例えばコンテンツ制作一つとっても、昔は情報を集めて網羅的な記事を書けばある程度成果が出ましたが、今はE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が重視され、その会社ならではのオリジナリティが求められます。そのためには、社内の担当者や専門家にインタビューしたり、営業やカスタマーサポートのチームと連携したりすることが不可欠です。 良い代理店は、こうした社内連携の重要性を理解しているため、最初から「社内の〇〇部門の方ともお話しさせてください」といった形で、積極的に巻き込もうとする姿勢を見せます。 逆に、「全部うちでやりますから大丈夫ですよ」というスタンスの会社は、今後厳しくなるでしょう。皆さんと一緒になって、社内を巻き込みながらプロジェクトを進めてくれる会社を選びましょう。 7. レポートやAIの活用方針は適切か? その他、元記事で挙げられているものとして、レポートの実例や、AIと人間の役割分担についての確認があります。 レポートについて 毎月20〜30ページにも及ぶ、数字ばかりが並んだレポートを送ってくる会社がありますが、これはあまり良くありません。レポートは、皆さんが最低限の時間で現状を把握するためにあるべきです。読んでみて「ストーリーがない」「結局何を言いたいのか分からない」と感じるレポートは、良いレポートとは言えません。 本来、レポートには「現状の数字からこういうことが言える→だから、次はこのように改善すべきだ→具体的にはこの施策を実行する」というストーリーがあるはずです。定型的なツールから出力しただけのレポートではなく、そうしたストーリーが見えるレポートを提出してくれるか、実例を見せてもらうと良いでしょう。 AIの活用について 「どこでAIを使っていますか?」と聞くことも、今の時代は重要です。広告クリエイティブやコンテンツ作成など、AIは様々な場面で活用されますが、そのリスクや適切な使い方を理解しているかは確認すべきです。私たちもAIを使う際は、リスクヘッジのためにも必ずその旨を伝えるようにしています。誠実な会社であれば、AIの活用方針についてきちんと説明してくれるはずです。 まとめ:良いパートナー選びの最終チェック チェックリストの再確認 これまでお話ししてきたポイントをまとめます。 アカウントとデータの所有権:データは自社の所有物としていつでも閲覧・移行できるか。 成功の定義:最終的な売上など、自社の事業目標に繋がる形で設定されているか。 戦略の有無:単発の戦術ではなく、大きな戦略に基づいた提案か。 契約終了時の対応:契約をだらだら引き延ばさず、スムーズに終われる体制か。 実際の担当者:事前に担当者が誰か分かり、その人物と話せるか。 社内連携の姿勢:自社の他部署も巻き込んで進める意識があるか。 AIの活用方針:AIを使っていることを明示し、適切に活用しているか。 これらの点は、提案書をもとに確認したり、分からないことは「なぜですか?」と質問したりすることで見極めることができます。意地悪ではなく、お互いの認識を合わせるために、納得できるまで確認し続けることが大切です。 最も大切なのは「卒業を応援してくれる」姿勢 もし端的に一つだけ挙げるとすれば、「クライアントの卒業を応援してくれる会社」が良いパートナーだと思います。 そうした会社は、皆さんの会社の成長を第一に考えてくれます。だからこそ、データをきちんと見せてくれますし、契約の終わり際もクリーンです。そして、皆さんが自立できるよう、しっかりと成果を残そうと努力してくれます。 もちろん「卒業」といっても、関係が完全に切れるわけではありません。私たちの場合も、プロジェクトが一段落した後に、定額の相談プランのような形で関係を続けるケースが多くあります。一度築いた関係性の上で、新たな課題が出てきたらまた協力する。そうした「入学と卒業を繰り返す」ような関係が理想的です。 年末に向けて、来期のパートナーを検討し始める時期かと思います。ぜひ今回の内容を参考にしていただければ幸いです。 それでは、今回も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。 中小企業、小規模事業者を中心にウェブの活用支援と実行サポートを行っております、株式会社ラウンドナップの代表取締役、中山がお送りいたしました。また次回もよろしくお願いいたします。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 広告や解析のアカウントは誰が所有すべき? 基本は自社所有。契約終了後も自社で閲覧・管理できる形にして、代理店側の統合アカウントに依存しないよう確認します。 成功の定義はどう決める? 表示回数やフォロワー数だけでなく、問い合わせ内容や受注など売上につながる指標まで含め、双方で合意します。 単発施策と全体設計、どちらを優先? 単発施策は状況依存。まず中期的な全体設計を共有し、その上で手段を選びます。 契約終了時は何を確認する? アカウント引き継ぎ、権限、データの移行、通知期限など。卒業を前提にスムーズに終われる条件を契約で明確化します。 担当者体制はどう見極める? 提案時の人が実運用も担当するかを確認。可能なら実担当を同席させ、説明のわかりやすさも見ます。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第577回:中小企業がWebのパートナー選びでトラブルを避ける実務ポイント は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
ChatGPTでがっかりした経験はありませんか? 今回は、対話型AI、特ChatGPTやGeminiについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。 ChatGPTのような文章生成AIを使った際に、「なかなか満足のいく回答が得られない」「思ったような品質にならない」と感じた経験はないでしょうか。 一度は軽い絶望感や、がっかりした気持ちを味わった方も多いかもしれません。その結果、「やっぱりまだ実用的ではないな」と感じ、使うのをやめてしまった方もいるのではないでしょうか。 このようなことが起こる大きな理由の一つは、私たちが対話型AIの「得意なこと」をきちんと把握していないからかもしれません。今回の内容を読んでいただくことで、ChatGPTやGeminiなどから、より質の高い、実用的な回答を引き出すヒントが得られるはずです。 そのためには、まずAIがどのようにして文章を生成しているのか、その仕組みを少しだけ知っておくことが近道になります。そこで本記事では、まずAIの仕組みを分かりやすさを優先して解説し、その上で「なぜ思った通りの回答が返ってこないのか」「どうすれば質の高い回答を引き出せるのか」について、具体的なポイントを解説していきます。 AIが苦手な「オープンクエスチョン」と得意な「条件付け」 生成AIから満足のいく回答を引き出せない方の使い方を見ていると、ある共通点に気づきます。それは、「オープンクエスチョン」をしてしまっているケースが非常に多いということです。 例えば、以下のような質問です。 「最高の〇〇を考えてください」 「我が社にとってベストで、他にないようなものを作ってください」 「最高の提案をしてください」 実は、AIはこのような漠然とした質問がとても苦手です。その理由は後ほどAIの仕組みの部分で詳しく説明しますが、まずはこの点を覚えておいてください。 では、逆にAIは何が得意なのでしょうか。それは、条件や関連情報を適切に与え、方向性を定めた上で、ゴールまでの道筋を模索させることです。つまり、入り口と出口がはっきりしている課題解決を得意としています。 「問いを立てる能力」の本当の意味 よく「AIを使いこなすには、問いを立てる能力が重要だ」と言われます。「問いを立てる能力」と聞くと、優れた質問をする力のように思われがちですが、本質は少し違います。これはむしろ、適切な「初期の条件付け」を行い、「どうなってほしいか」というAIにとってのゴールを明確に設計し、指示する能力だと捉えると、より具体的になります。 もちろん、考える過程をAIに手伝ってもらうことは有効ですが、すべてを丸投げして「とりあえず売上を上げるために一番やるべきことを教えて」のように質問すると、たいていは漠然とした、どこかで聞いたことがあるような一般的な内容が返ってくるだけです。 AIを使いこなすとは「丸投げ」ではない 「AI」と聞くと、どうしても「丸投げで答えを出してくれる魔法の道具」というイメージがあるかもしれません。しかし、本当にAIを使いこなす能力とは、丸投げする能力ではなく、AIが最も得意なことを、得意なやり方でやらせてあげる能力です。 これが上手な人は、AIから単なる情報ではなく、実務で本当に役立つ質の高いアウトプットを引き出すことができます。 なぜAIは平凡な回答しかできないのか?その仕組みを解説 では、なぜオープンクエスチョンではありきたりな答えしか返ってこないのでしょうか。その理由を理解するために、ChatGPTのような対話型AIが文章を生み出す仕組みを簡単に見ていきましょう。 文章生成の心臓部「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」 少し専門的な言葉になりますが、ChatGPTなどは「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」という技術がベースになっています。これは以下のような仕組みで動いています。 トランスフォーマー(Transformer) 単語を、様々な特徴を持つパラメータの集合体(ベクトル)に変換する仕組みです。ゲームのキャラクターに「素早さ」「力」「特殊能力」といった多数のパラメータがあるように、一つの単語を多くの側面から数値化して捉えます。 自己回帰型 直前の文脈(一つ前や二つ前の文章)を踏まえて、「次にどの単語が来ると最も自然か」を予測し、言葉を紡ぎ出していく仕組みです。 つまり、AIは与えられた文脈や情報に基づいて、最も適切と思われる単語を確率的に繋ぎ合わせることで、文章を生成しているのです。 AIは「既存の知識のつながり」から答えを見つける AIが単語を選ぶ際の根拠となるのは、「モデル」と呼ばれる膨大な知識データベースです。このモデルは、インターネット上のテキストなどを事前に学習(プリトレーニング)して作られた、いわばAIの脳みそです。AIの回答は、すべてこのモデルの中にある知識や単語同士のつながりが元になっています。 ここで重要なのは、AIはすでにある言葉と言葉の結びつきや、既存の概念を元にして答えを生成するという点です。「最高の提案」のようなオープンクエスチョンを投げかけると、なぜ平凡な答えが返ってくるのか。それは、特に条件が指定されていなければ、AIは世の中で「最高の提案」という言葉と一緒によく使われる、ごく一般的な単語の組み合わせを提示するしかないからです。「よくある質問」には「よくある答え」が返ってくるのは、ある意味で当然なのです。 「今までにないもの」が生まれない理由 「他社がやっていないこと」や「今までにないアイデア」を求めても、期待外れの結果に終わることが多いのも、この仕組みを考えれば理解できます。 「どこにもないもの」とは、言い換えれば「まだ言葉と言葉が結びついていないもの」です。AIは既存のデータのつながりを元に回答を生成するため、そもそもデータの中に存在しない、あるいは関連性が極めて薄い組み合わせを自発的に生み出すことは原理的に非常に困難です。 誰も思いつかないような突飛なアイデアは、AIのデータベース(モデル)の中では単語同士の関連性がないため、そもそも選択肢に上がってきません。このAIの基本原理を理解しておくことが、うまく付き合っていくための第一歩です。 AIから質の高い回答を引き出す3つのポイント では、どうすればAIの能力を最大限に引き出せるのでしょうか。それは、AIが苦手なことをさせるのではなく、得意な土俵で仕事をさせることです。具体的には、以下の3つのポイントが重要になります。 ポイント1:具体的な「条件付け」で考える範囲を絞る まず最も重要なのが、人間がAIのために適切な条件を与えることです。漠然と問いかけるのではなく、以下のよう考えるべき範囲を具体的に絞り込んであげましょう。 目的:何を得たいのか、何を実現したいのか、誰にどんな結果をもたらしたいのか。 制限・境界条件:予算の上限、使えるリソース(人員、時間)、関連する法律や規制、競合が強い領域など。 ここで欲張って条件を緩くするよりは、むしろ現実的な制約をできるだけ多く与える方が、AIは質の高い回答を出しやすくなります。絞り込みすぎたと感じたら、そこから一つずつ条件を緩めていく、というアプローチがおすすめです。これは、人間に仕事を依頼する時と同じだと考えると分かりやすいでしょう。 ポイント2:「うまくいった例」をデータとして蓄積する AIに良いヒントを与えるために、成功事例や参考情報をデータとして蓄積していくことも非常に効果的です。これは社内のナレッジとしても財産になります。 社内の成功事例:過去にAIを使って良い回答が得られた質問(プロンプト)と、その回答をセットで保存しておきましょう。Googleフォームやスプレッドシートのような簡単な仕組みで十分です。 外部の参考情報:他社の事例や業界の動向、新しい組み合わせで成功した商品のニュースなど、参考になりそうな情報をテキスト形式でまとめておき、AIに読み込ませられるように準備します。 こうした「うまくいった例」をAIにインプットすることで、AIは「こういう観点で言葉のつながりを探せば、良い答えにたどり着きそうだ」というヒントを得ることができ、回答の精度が格段に向上します。 ポイント3:「探索」と「深掘り」のフェーズを分ける 一つの質問で、アイデア出しからプランニングまですべてを一度にやらせようとすると、AIの回答は散漫になりがちです。思考のプロセスをフェーズ分けすることをおすすめします。 探索フェーズ:まず、アイデアの種を見つけるために、あえてオープンクエスチョンを使い、幅広く情報を集めます。ここで出てきた回答はあくまでたたき台と捉え、人間が吟味し、方向性を絞り込みます。 深掘りフェーズ:探索フェーズで得られたいくつかの候補を元に、「ポイント1」で挙げたような具体的な条件付けを行い、実現可能性や具体的なプランニングをAIに考えさせます。 このように、アイデアを広げる「探索」の段階と、一つのアイデアを具体化する「深掘り」の段階を明確に分けることで、思考が整理され、最終的なアウトプットの質も高まります。 まとめ:AIとの上手な付き合い方 これまで見てきたように、AIから期待通りの回答が得られないと感じていた方は、無意識にAIの苦手なことをさせていたのかもしれません。自分の質問がオープンクエスチョンになっていないか、あるいは条件付けが非現実的でないか、一度見直してみてください。 人間とAIの役割分担を考える AIは決して万能ではありません。少なくとも今のところは、得意な分野と苦手な分野がはっきりと存在します。AIを使いこなすとは、その特性を理解し、人間がやるべき「条件設定」や「最終判断」と、AIが得意な「膨大な情報の中から最適な組み合わせを見つける」作業をうまく分担することです。 この役割分担を意識するだけで、これまでのAIとの関わり方が変わり、仕事の進め方やアウトプットの質が大きく向上する可能性があります。 AIの仕組みを学ぶことが、一歩先を行くカギになる 今回お話しした「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」のようなAIの裏側の仕組みは、少し難しく感じるかもしれません。機械学習などの専門用語に抵抗を感じるのも自然なことです。 しかし、こうした基礎知識は、AIをよりうまく使うための大きな助けになります。実際に現場を見ていても、やはりAIを最も使いこなしているのは、その仕組みを理解しているエンジニアの方々だと感じます。簡単な書籍や検定などを通じて基礎知識を得ておくことは、今後大きなアドバンテージになるでしょう。 今回の内容が、皆さんとAIとの付き合い方を見直すきっかけになれば幸いです。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 対話型AIを使っても良い回答が出ないのはなぜ? 質問がオープンすぎて、対話型AIが既存の情報からありきたりな回答を出してしまうからです。 対話型AIが得意な質問方法とは? 具体的で明確な条件を設定し、対話型AIが探索しやすい状況を作ることです。 対話型AIはゼロから新しいアイデアを生み出せるの? いいえ、対話型AIは基本的に既存情報の組み合わせで回答を作るため、完全に新しい発想は苦手です。 どうやって対話型AIに良い回答を出させるの? 成功事例や明確な目的、制限などの条件をしっかり伝えることが重要です。 対話型AI活用で結果が出ない時の改善方法は? 質問方法や条件設定を見直し、より具体的で絞り込んだ質問をすることです。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第576回:Webマーケで対話型AIからより良い回答を得るコツをAIの仕組みから考える は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
ポッドキャスト一部抜粋 Googleアナリティクスの「MCPサーバー」本当に誰にでも便利なツールか? 今回は、Googleアナリティクスの「MCPサーバー」とは?そしてそれは誰もが使うべき便利なものなのか…?結論から言えば違います。ある程度データ解析やGAが分かっている人でないとリスクが大きいです。 詳しい内容は、Podcast本編をお聞き下さい。 Google アナリティクスの MCP サーバーを試す | Google for Developers Google Analytics MCPサーバーは誰のため?ツールの本当の価値と選び方 今回は、以前からお話ししようと思っていた「Google Analytics MCPサーバー」についてです。ただ、このテーマ、どうお伝えしようか考えていたのですが、必ずしもポジティブな内容にはならないかもしれません。 というのも、このMCP機能は自然言語、つまり私たちが普段話す言葉でAIに指示を出せることから、「分析が簡単になる」「民主化される」といったイメージが先行しているように感じます。しかし、私自身が深く向き合えば向き合うほど、これは分析に慣れていない方が安易に手を出すべきではない、少し注意が必要なツールだな、と感じています。 そこで今回は、MCPが本当に役立つのはどういう人なのか、という話に加えて、そもそも業務で使うツールとどう向き合い、どう選ぶべきか、という本質的なテーマに繋げてお話しできればと思います。 「新しいツールを導入したけど、結局使わなくなってしまった」「便利になるはずが、逆に手間が増えてしまった」そんな経験がある方にとって、きっとヒントになることがあるはずです。 Google Analytics MCPサーバーは、本当に初心者向けなのか? 結論:分析に慣れていないなら、まだスルーで良い まず、今回の話で一番お伝えしたい結論からお話しします。 もしあなたがWebサイト分析の初心者であるなら、「Google Analytics MCPサーバー」のことは、一旦忘れてしまって問題無いと思っています。 ここで言う「初心者」とは、例えば次のような方をイメージしています。 Googleアナリティクスに出てくる「指標」や「ディメンション」といった言葉の意味が、まだ曖昧にしか分からない。 それらのデータを組み合わせることで、どんな発見や気づきが得られるのか、具体的なイメージが持てない。 普段、アナリティクスの画面を見ても、なんとなくアクセス数を確認するくらいで、他のデータをどう活用すればいいか分からない。 もし少しでも当てはまるようであれば、現時点でMCPを無理に使う必要性は全くないでしょう。それよりも、まずはGoogleアナリティクスの画面に慣れ親しみ、そこにあるデータが何を意味しているのかを一つひとつご自身の言葉で理解していくこと。その上で、Looker Studioのようなツールを使って、自分の手でデータを可視化しながらレポートを組み立てていく経験を積む方が、はるかに実践的で有益です。 MCPが真価を発揮するのは「データと壁打ち」できる人 では、MCPはどのような人にとって強力な武器になるのでしょうか。 それは、一言でいえば「データと対話(壁打ち)ができる中級者以上の方」です。 具体的には、各指標の意味を正確に理解し、「このデータとこのデータを掛け合わせたら、こんなことが分かるはずだ」といった仮説をご自身の中に持てるスキルがある方です。 私自身がMCPをよく使うのは、例えば他のデータと組み合わせて、相関関係を探ったり回帰分析をするような場面です。そうした少し手間のかかる集計を、対話形式でスピーディに進められるのは大きな魅力です。 例えば、私のコンサルティングでは、毎月決まった数字を報告する定型レポートではなく、その時々の状況に応じてストーリーを組み立て、最適なご提案をすることを大切にしています。その場で「この角度から見たらどうだろう?」「このデータと組み合わせたら何が見える?」と、AIと壁打ちをしながら分析を深めていくような使い方には、MCPは非常によくマッチします。 逆に言えば、毎月決まった形式のレポートを作成することが主な業務であれば、MCPを使うメリットはあまり感じられないかもしれません。それならば、APIやBigQueryを使ってデータを確実に取得する仕組みを構築する方が、はるかに効率的でしょう。 MCPを使いこなすための注意点と、私の実践例 AIに「解釈」や「推論」をさせてはいけない MCPをある程度使えるようになった方でも、一つ注意していただきたい点があります。それは、少なくとも最初はAIに「解釈」や「推論」を求めない、ということです。 データの「集計」をさせるのは非常に有効です。しかし、その結果を元に「このデータから改善点を提案してください」とか「課題に優先順位をつけてください」といった判断を委ねるのは避けるべきです。 なぜなら、現状のAIから返ってくるのは、きちんとした前提条件付けなどを行わない会議リ、当たり障りのない、どこかで聞いたことがあるような一般的な内容がほとんどだからです。 例えば、AIはデータの中で変化率が大きい箇所を機械的に指摘してはくれますが、それがビジネス全体にどれだけの影響を与えるか、という視点が抜け落ちがちです。 例えば、全体のアクセスが10万ある中で、ある1ページの直帰率が20ポイント悪化した、という報告をさも重要そうに回答することがあります。 しかしこれは、1ページ当たりの数字の変化としては大きいですが、全体へのインパクトはごく僅かですよね。また、もし全体の数字へのインパクトが多かったとしても、ビジネス的にはどうでもいい変化もあるわけです(見込み客以外のアクセスが季節的に増えるページなど)。 先に検証やデータの設計がないと… この辺りは、何が大事で何が大事では無いのかというルール付けや、そもそもそのルールや重み付けを作れるように先に検証やデータの設計をしないといけないわけです。 それを行う前提であればいいのですが、それを「きっとAIはそこまで考えてくれる」と思ってMCPServerに関わらずAIに解釈や推論をさせると、「意味がない」ばかりか「適切ではない」方向に導かれる可能性すらあると感じています。 あくまで定量的な事実を集計・整理するためにツールを使い、そこからの解釈や判断は人間が行う。この線引きが非常に重要になります。これをしなければ、まだ使わない方がいいというのが私の考えなんですね。まずはWebUIから普通に使って覚えた方が良いです。 余談「数字を鵜呑みにしない」という言葉の本当の意味 ちなみに、時々、「AIが出した数字は鵜呑みにしてはいけない」というアドバイスを見かけますが、私はこの考え方に少し違和感があります。 なぜなら、そもそも信頼できないかもしれないデータを出してくるツールを使うこと自体が、時間の無駄に繋がる、と考えるべきでは?と思うからです。 ツールと向き合う上で本当に大切なのは、「どこまでの範囲で、どのような指示を出せば、出力された結果を100%信頼(鵜呑みに)できるか」という安全な領域を見極め、その仕組みを自分で作れるかどうかです。毎回「この数字は本当だろうか?」と疑っていては、効率化は望めません。 例えば、集計をさせる際に「どのカラムのどのデータを使って算出したか」を併せて出力させるように指示すれば、その結果が妥当かどうかを人間がすぐに判断でき、信頼性を担保することが可能になります。 ツール選びで失敗しないために、考えておきたいこと ここからは、MCPの話から少し視野を広げて、業務ツール全般との向き合い方についてお話しします。 ツールはあなたの能力を増幅させる「掛け算」 まず大前提として、ツールは「魔法の杖」ではありません。あなたのスキルがゼロの状態を、ツールが1から10にしてくれることは基本的にないのです。 ツールとは、あなたが持っている能力や、やろうとしていることを、より速く、より効率的に実行するための「掛け算」の役割を果たすものだと考えてください。つまり、あなたの能力を何倍にも増幅させてくれる存在です。 その価値は、大きく「省力化」と「能力の拡張」の2つに分けられます。この基本を理解しておくと、ツール選びのミスマッチを大きく減らせるはず。 「ピンとくるか」を一つの判断基準に 新しいツールを検討する際、その機能一覧や紹介画面を見て、「この機能を使えば、自分のあの業務がこのように改善されそうだ」と具体的にイメージできるでしょうか。もし、その場で使い方がピンとこないのであれば、そのツールはあなたにとってまだ早いか、そもそも合っていない可能性が高いと言えます。 もちろん、「このツールを使いこなせるようになりたい」という強い意志がある場合は別です。ただしその場合は、ツールを「使う」というタスクとは別に、「ツールの使い方を学ぶ」という、もう一つのタスクが発生することを覚悟しておきましょう。「なんとなく使っていれば、そのうち分かるようになるだろう」という期待は、残念ながらあまり持たない方が賢明です。 まとめ:最初の失敗を避け、一歩ずつ着実に進むために Google Analytics MCPサーバーは、データと対話できるスキルを持つ人にとっては、分析の幅を大きく広げてくれる、非常に可能性を秘めたツールです。私自身、API経由で取得したデータ複数と、それ以外でも例えば国勢調査のような公開データセットと組み合わせることで、これまで見えなかった新たな発見に繋がることがあり、その楽しさを実感しています。 しかし、その大きな可能性ゆえに、最初のステップでつまずいてほしくない、という強い思いがあります。特に組織の中で、一度「AIを使ってみたけどダメだった」という印象がついてしまうと、その後の新しい挑戦がしにくくなる空気が生まれてしまうかもしれません。それは、長い目で見れば会社にとって大きな損失です。 だからこそ、特にデータ分析のような専門領域においては、焦らず慎重に進めていただきたいのです。もしあなたが今、Webサイトの分析に課題を感じているなら、新しいツールに飛びつく前に、まずは分析の基礎を学び、目の前にあるデータを深く理解することから始めてみてはいかがでしょうか。 MCPは今、世間の話題としては少し落ち着いていますが、本当に使いこなしている人たちは、SNSなどで発信するのではなく、静かにその恩恵を受けています。皆さんも、そうした領域に到達するために、ぜひ一歩ずつ着実に歩みを進めてみて頂ければ幸いです。 参考情報 Google Analytics Data API 概要 | Google for Developers まずは公式のドキュメントです。このAPIで何ができるのか、どのような機能(メソッド)があるのかがまとめられています。技術的な内容も含まれますが、全体像を把握する上で最も正確な情報源 Google for Developers 実際にAPIを試してみたい方向けの、公式クイックスタートガイド Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Q. GoogleアナリティクスMCPServerとは何ですか?私にも使えますか? A. 自然言語(ふだんの言葉)で各種生成AIツールを通じて、Googleアナリティクスのデータにアクセスできる機能です。しかし、データの指標やディメンションの意味を深く理解している中級者以上の方に向いており、初心者の方にはまだお勧めできません。 Q. なぜ初心者はGoogleアナリティクスMCPを使うべきではないのですか? A. 各指標の意味やデータの組み合わせ方を理解していないと、かえって手間が増えたり、判断を誤ったりする可能性があるためです。まずは基本を理解することが重要です。 Q. Web分析の初心者として、まず何から始めればよいですか? A. まずはWeb UI(通常のGoogleアナリティクスの画面)を通じて、各データが何を意味するのかを理解することから始めましょう。その後、Looker Studioなどでデータを可視化し、自分でレポートを組み立てる練習が有効です。 Q. ツールを導入して失敗しないための選び方のポイントは何ですか? A. 「そのツールで何ができるか」という機能一覧を見るだけでなく、「自社がその機能をどう活用できるか」を具体的にイメージできるかが重要です。イメージが湧かなければ、まだ導入は早いか、自社に合っていない可能性があります。 Q. AIにデータ分析から改善提案までさせるのは有効ですか? A. 現状ではおすすめできません、有用な応答を期待すべきではないです。AIの提案は一般的で当たり障りのない内容になりがちで、個別の事業状況に合わせた深い洞察は得られにくいからです。集計などの作業は任せても、解釈や判断は人が行うべきです。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第575回:Google Analytics MCPサーバーは初心者は避けるべき理由と、そもそもの「ツールの選び方」とは は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
なぜ今、生成AIの「正しい使い方」を知るべきなのか 「ChatGPTを試してみたけれど、思ったような答えが返ってこない」「ハルシネーション(AIが嘘をつくこと)が怖くて、結局使わなくなってしまった」こうした経験はありませんか。特に、ChatGPTが話題になり始めた頃に一度触ってみて、その印象が更新されないままになっている方も多いのではないでしょうか。 しかし、人手不足が深刻化する現代において、AIを活用した生産性向上は、もはや避けては通れない経営課題です。現場で体を動かす仕事は人に頼るしかありませんが、それ以外の多くの業務はAIによって効率化できる可能性があります。今回は、ウェブマーケティングという分野に限定せず、すべてのビジネスパーソンが今日から実践できる、生成AIとの正しい付き合い方について、私の試行錯誤から得た知見を余すところなくお伝えします。 まず押さえるべき、生成AI活用の2つの大前提 AIツールを使いこなす上で、まず共有しておきたい大切な前提が2つあります。ここを誤解してしまうと、「AIは使えない」という結論に至りがちなので、しっかりと確認していきましょう。 前提1:有料プランへの投資を惜しまない 多くの生成AIツールには無料プランがありますが、ビジネスで本格的に活用するなら、有料プラン(ChatGPTの場合は月額3,000円程度の「Plusプラン」など)の利用を強く推奨します。このコストを惜しんではいけません。企業であれば、福利厚生の一環として導入するのも一つの手です。 なぜなら、有料プランにはコストを上回る明確なメリットがあるからです。 回答速度の向上:何より、遅いのは一番のストレスです。思考が中断されず、スムーズな対話が可能になります。 上位モデルの利用:より高精度で賢いAIモデルが使えるため、回答の質が格段に向上します。 便利な機能の解放:後述する「カスタム指示」の高度な設定や、定型作業を自動化する「GPTs」など、業務効率を飛躍的に高める機能が利用可能になります。 この投資は、必ず元が取れると断言できます。まずは使い倒そうと考えている方だけでも、有料プランから始めてみてください。 前提2:AIは「20→80」を担うパートナーと心得る 次に重要なのが、AIへの「期待値の調整」です。物事を0から100までのプロセスで考えたとき、AIが最も得意とするのは、20から80までの部分、つまり「ある程度の方向性が見えているものを、具体的な形に仕上げていく」作業です。 逆に、0から20の「全く新しいアイデアを生み出す」部分や、80から100の「個別の状況に合わせて細部を詰める」部分は、人間の深い洞察力や経験が必要であり、AIはあまり得意ではありません。「〇〇業界で、集客できる新たなプランを10個考えて」といった漠然とした指示では、AIは一般的な当たり障りのない回答しかできません。これはAIの能力が低いのではなく、問いの立て方、つまりAIへの依頼の仕方が適切でないのです。 AIはあくまで、人間の思考を加速させる「掛け算」のツールです。まずは人間が「叩き台」となるアイデアや方向性を用意し、それをAIに渡して磨き上げてもらう、という付き合い方を意識しましょう。 ChatGPTをビジネス仕様に育てる具体的な設定方法 ここからは、ChatGPTをより強力なビジネスパートナーにするための具体的な設定について解説します。これらの設定は、一度行っておくだけで、その後のAIとの対話の質を大きく向上させます。(ChatGPTを前提に話しますが、Geminiなど他のツールでも基本的な考え方は同じです) カスタム指示:AIを「従順な部下」から「有能な参謀」へ 「カスタム指示(Custom Instructions)」は、ChatGPT全体の応答スタイルをあらかじめ設定しておく機能です。ここに適切な指示を書き込むことで、AIの応答品質は劇的に変わります。特に重要なのが、以下の3点です。 1. AIの「迎合性」を破壊し、「自分の脳の外側」に出る 対話型AIは、その仕組み上、ユーザーが望むであろう回答を返すように最適化されがちです。あなたが提示した意見に同意し、プランを肯定する。これでは、あなたの思考の範囲を超えるアイデアは永遠に生まれません。ビジネスでブレークスルーを起こすには、自分の中にはない視点や、計画の盲点を突くような意見こそが必要です。 そこで、カスタム指示に「返信は常に中立な立場で、懸念点などがあれば批判も含めて回答するようにしてください」といった趣旨の一文を必ず加えてください。これにより、AIはあなたのご機嫌取りをやめ、客観的な分析者として機能し始めます。耳の痛い指摘を恐れず、AIに健全な緊張関係を強いること。これが、思考の壁を打ち破るための鍵です。 2. 「引用なき情報」を排除し、意思決定の質を高める AIが生成するもっともらしい嘘、「ハルシネーション」はビジネス上の大きなリスクです。「論拠(ソース)のないデータに価値はない」という鉄則を、AIとの対話にも適用せねばなりません。 そこで、「回答は『事実』と『推論』に分けて記載し、事実には必ず引用元を提示してください」という指示を追加します。これにより、回答のどの部分が信頼できる情報で、どの部分がAIのアイデアなのかを明確に区別できます。「事実」は引用元を辿って裏付けを取り、「推論」はあくまでアイデアとして吟味する。この一手間が、誤った情報に基づく意思決定を防ぎます。 3. 言葉遣いを調整し、コミュニケーションを円滑に AIの回答は、時に専門用語が多かったり、体言止めで分かりにくかったりします。「自然で平易な日本語で回答してください。専門用語は、最初の一回だけ意味を括弧書きで補足してください」のように、読みやすい文章スタイルを指示しましょう。「高校生にも分かるように」といった具体的なレベル設定も有効です。これらの指示は、使っていく中で気になった点を「今後こうならないように指示を追加して」とChatGPT自身に聞き、随時更新していくのがおすすめです。 プロジェクト:専門分野ごとの役割を与える カスタム指示はあくまで「全体設定」です。「〇〇の専門家として回答して」といった役割設定をここに入れてしまうと、レストラン選びのようなプライベートな相談のときにも専門家として振る舞ってしまい不便です。 そこで活用したいのが「プロジェクト」機能。これはフォルダのようなもので、「マーケティング相談用」「会計相談用」といったプロジェクトごとに、専用の指示を設定できます。これにより、相談内容に応じてAIのペルソナを切り替えられるのです。私の場合は、スマホで閲覧するために「出力をコンパクトにまとめる」といった見た目の調整用プロジェクトも作っており、こうした使い分けも非常に便利です。 GPTs:定型作業を自動化する専用ボットを作る レシート画像を読み込ませて経費の仕訳をさせたり、議事録の音声を要約させたり、といった繰り返し行う定型作業は「GPTs(ジーピーティーズ)」機能を使って自動化しましょう。 これは、特定の目的に特化した自分だけのオリジナルAIチャットボットを作成できる機能です。 一度設定してしまえば、あとはファイルを渡すだけでAIがよしなに処理してくれるようになります。こうした定型作業を一つずつGPTs化していくことで、あなたはより創造的な業務に時間を使えるようになります。この機能も有料プランでのみ利用可能です。 AIの能力を最大限に引き出す質問(プロンプト)のコツ ここまでの設定を終えたら、あとは「いかに上手に質問するか」が鍵となります。基本は、あなたが他の人に何かを相談したり、仕事を依頼したりする時と同じように、丁寧な情報提供を心がけることです。 私が意識しているのは、「現在・過去・未来」のフレームワークです。「(過去)これまで〇〇という経緯があり、(現在)今△△という状況です。(未来)最終的に□□という状態を目指しています。そのために、こういう方法を考えていますが、これについて評価と、具体的な実行ステップを提案してください」というように、背景や目的、そして自分なりの叩き台を伝えることが重要です。 AIからの回答がしっくりこなかった場合は、一人で悩む必要はありません。「正直、今の回答はいまいちでした。より精度の高い回答を得るためには、こちらから他にどんな情報を提供すればよいですか?」とAIに「逆質問」してみてください。AIとの対話を通じて、協力して回答の質を高めていくという意識を持ちましょう。 まとめ:AIを使いこなし、変化の時代を乗り越える 今回は、生成AIをビジネスで活用するための心構えと具体的な設定方法について、私の実践知を交えて解説しました。 前提として、有料プランを使い、AIの得意な領域(20→80)で活用する。 「カスタム指示」で、AIの迎合性を排除し、引用を徹底させることで「有能な参謀」に育てる。 「プロジェクト」や「GPTs」を使い、用途に応じて役割分担と自動化を進める。 質問する際は、背景や目的、叩き台を具体的に伝え、「逆質問」も活用する。 これらのポイントを押さえるだけで、生成AIはあなたの業務を力強くサポートしてくれるパートナーに変わるはずです。まずは今回ご紹介した内容を参考に、改めてAIとの対話を試してみてください。きっと、以前とは違う手応えを感じられるでしょう。 関連情報 ChatGPT 公式サイト Google Gemini 公式サイト Microsoft Copilot 公式サイト Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 生成AIを使ってみたが、期待したような質の高い回答が得られないのはなぜですか。 AIは、0から1を生み出すような漠然とした質問が苦手です。AIは思考の「20から80」を担うのが得意なので、質問者が「0から20」にあたる前提条件や背景、目的を具体的に伝えることで、回答の質は大きく向上します。 ChatGPTの無料プランと有料プランでは何が違いますか。ビジネスで使うならどちらが良いですか。 ビジネスで利用する場合、有料プランをお勧めします。回答速度が速く、より高性能なモデルを利用できます。また、本編で解説している「カスタムGPT」の作成など、業務効率化に役立つ機能は有料プランでしか使えません。費用対効果は高いと考えられます。 AIが嘘の情報(ハルシネーション)を答えるのが心配です。対策はありますか。 はい、設定で対策が可能です。カスタム指示(Custom Instructions)に「事実と推論を分けて記載し、事実には必ず引用元を提示してください」といった指示を入れることで、情報の信頼性を自分で確認しやすくなり、ハルシネーションのリスクを低減できます。 AIに専門的な内容を質問する際に、毎回同じ設定をするのが面倒です。効率化する方法はありますか。 ChatGPTの「プロジェクト」機能を使うと解決できます。例えば「マーケティング相談用」プロジェクトを作成し、そのプロジェクト専用の指示として「あなたはマーケティングの専門家として回答してください」と設定しておけば、その都度指示を入力する手間が省けます。 AIへの質問の仕方がわかりません。どのような情報を含めれば、精度の高い回答が得られますか。 「現在・過去・未来」の情報を盛り込むと効果的です。具体的には、「(過去)これまでこういう経緯があり、(現在)今こういう状況で、こういう課題がある。(未来)最終的にこうなりたい」といった背景や目的を伝えることで、AIは文脈を理解し、より的確な回答を生成しやすくなります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第574回:中小企業の不安を無くし、良い回答を得るための「生成AIの必須設定」 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
なぜあなたのタスク管理はうまくいかないのか?多くの人が陥る「一つの誤解」とは ToDoリスト、GTD、ポモドーロ・テクニック…世の中には数多くのタスク管理術が存在します。しかし、「色々と試したけれど、どうもうまくいかない」と感じている方も多いのではないでしょうか。タスクに追われ、計画通りに進まず、自己嫌悪に陥ってしまう。その根本的な原因は、テクニックの問題ではなく、タスク管理に対する「ある誤解」にあるのかもしれません。 今回は、その誤解を解き、タスク管理を成功に導くための最も重要な考え方についてお話しします。 タスク管理の目的は「自己成長」ではない 結論から言うと、タスク管理が失敗する最大の理由は、「タスク管理」と「自己成長」を混同してしまっているからです。 私たちはタスクリストを作成するとき、無意識のうちに「もっと効率的に、もっと多くのことをこなせる理想の自分」を基準に計画を立てがちです。「これくらいは出来なければいけない」という成長目標を、日々のタスク管理に持ち込んでしまうのです。 しかし、タスク管理の本来の目的は、「今の自分を最大限に活用すること」です。理想の自分ではなく、現実の自分の能力やコンディションを基準に、最もパフォーマンスが高まる方法を見つけ出すためのツールなのです。 この2つを切り離して考えること。それが、あらゆるタスク管理術を機能させるための、最も重要で、最初に行うべきステップです。 「今の自分」を最大限に活用する鍵は「客観視」にある では、「タスク管理」と「自己成長」を切り離し、「今の自分」を最大限に活用するためにはどうすればよいのでしょうか。その鍵は「自分自身を客観視する」ことにあります。 「これくらいで出来るはずだ」という主観や思い込みを一度捨て、データに基づいて「今の自分」がどのような状態なのかを冷静に把握する必要があります。ここからは、そのための具体的な3つのステップをご紹介します。 ステップ1:作業時間を正確に計測する まずは、自分が一つの作業にどれくらいの時間をかけているのかを、客観的なデータとして記録することから始めましょう。「提案書作成なら3時間くらいかな」「メール返信は1件5分だろう」といった感覚的な見積もりは、実際の結果と大きくずれていることがほとんどです。 私の場合、デスクトップ上の作業をすべて記録するタイマーアプリを使っていますが、使い始めた当初は、自分の感覚と実際の作業時間の差に驚くことばかりでした。このような客観的なデータを集めることで、初めて現実的な計画を立てるための土台ができます。 ステップ2:自分の「パフォーマンスの波」を受け入れる 次に、自分がどのような時にモチベーションが上がり、どのような時に下がるのかを把握します。「モチベーションは常に高く保つべきだ」と考えがちですが、人間である以上、パフォーマンスに波があるのは当然です。1日の中でも、驚くほど集中できる時間もあれば、どうしても集中力が続かない時間も存在します。 大切なのは、その波を否定せず、受け入れることです。その上で、「どうすればハイパフォーマンスモードに入れるか」という自分だけのスイッチを探しましょう。自分の特性を冷静に理解することが重要です。 ステップ3:パフォーマンスレベルに合わせたタスクを割り振る 作業時間と自分のパフォーマンスの波を把握したら、それに基づいてタスクを割り振ります。ポイントは、パフォーマンスのレベルを「高・中・低」の3段階くらいに分け、それぞれに適したタスクをあらかじめ用意しておくことです。 ハイパフォーマンス時:思考力や創造性が求められる、重要なタスク ミドルパフォーマンス時:定型的な業務や、ある程度集中力が必要なタスク ローパフォーマンス時:単純作業や情報収集など、やる気がなくてもできるタスク 特に重要なのが「ローパフォーマンス用のタスク」です。「やる気がない時は何もしない」のではなく、「今の自分でもこれならできる」というタスクを用意しておくことで、自己嫌悪に陥るのを防ぎ、少しでも業務を前に進めることができます。 タスク遂行を後押しする「ルール化」の力 自分を客観視して立てた計画を、さらに確実に実行するための補足的なテクニックが「ルール化」です。 休息のルール化:パフォーマンス維持に不可欠な休息を、「このタスクが終わったら5分休む」のように強制的にスケジュールに組み込みます。 「嫌なこと」のルール化:開きたくないメールなど、後回しにしがちなタスクは「何も考えずに即開封する」といった機械的なルールで処理し、心理的負担が増えるのを防ぎます。 まとめ:自分を受け入れ、タスク管理を本当の武器にする タスク管理を成功させる秘訣は、高度なテクニックを学ぶことではありません。まずは「タスク管理」と「自己成長」を明確に切り離すこと。そして、そのために「今の自分」を客観的に知り、受け入れることから始めてみてください。 現実の自分を土台にして初めて、GTDやポモドーロ・テクニックといった手法が真価を発揮します。「自分で決めたことを遂行できた」という小さな成功体験の積み重ねは、やがて大きな自信につながるはずです。タスク管理を、自分を縛るものではなく、自分を最大限に活かすための強力な武器にしていきましょう。 関連情報 Getting Things Done® (GTD®):タスク管理・生産性向上メソッドGTDの公式サイト Pomodoro® Technique: 時間管理術ポモドーロテクニックの公式サイト。25分の作業と短い休憩を繰り返すことで集中力を維持します。 Timing Tracker: 作業時間を記録・分析するためのタイムトラッキングツールの一つです。(中山が使用) 厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト: 生産性向上や労働時間管理に関する公的な情報や支援策 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 色々なタスク管理術を試しても、なぜうまくいかないのでしょうか? 多くのタスク管理術は、自分自身を客観的に把握していることが前提になっています。自分の作業ペースや集中力の波を理解しないままテクニックだけを導入しても、計画と現実の間に乖離が生まれ、うまくいかないことが多いのです。 タスク管理を始める上で、まず何から手をつければ良いですか? まず「自分を知る」ことから始めるのが重要です。具体的には、①自分の作業時間を客観的に記録する、②どういう時に集中できるか・できないかを把握する、③パフォーマンスの波に合わせてタスクを割り振る、という3つのステップが有効です。 どうしてもやる気が出ない時、どうタスクと向き合えば良いですか? やる気が出ない時間があることを前提に、あらかじめ「低いパフォーマンスの時にやるタスク」を用意しておくことをお勧めします。何もしない状況を避け、少しでも前に進めることで自己嫌悪を防ぎ、生産性を維持できます。 計画通りにタスクが進まず、自己嫌悪に陥ってしまいます。 タスク管理と「自己成長」を一緒に考えてしまうと、理想と現実のギャップから自己嫌悪に陥りがちです。まずは「今の自分を最大限に活かす」という視点でタスク管理を行い、自己成長は別の課題として切り離して考えると、精神的な負担が軽くなります。 タスクを効率的にこなすために、すぐに実践できることはありますか? 「休息」と「嫌なことの処理」をルール化することです。例えば「1時間作業したら5分休む」「開けたくないメールは即時開封する」のように機械的なルールを設けることで、意思決定の負荷を減らし、結果的に全体の生産性を高めることができます。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第573回:Web担当者のための「燃え尽きを防ぐ」タスク管理のポイントとは は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
はじめに:Google検索 vs 生成AI、Web集客の未来はどうなる? ChatGPTの利用者はGoogleの1%以下というデータ、信じて大丈夫でしょうか。本エピソードでは、こうしたニュースを鵜呑みにする危険性と、中小企業経営者が持つべき視点を取り扱います。 SEOやAIといった手法論争よりも大切なのは、自社のお客様が何を使って情報を探しているかを知ること。時代に左右されない、本質的なWebマーケティング戦略を築くためのヒントがここにあります。 「Google検索は今後も勝ち続けるのか、それともChatGPTのような生成AIが情報探索のメインになるのか」。Webに関わる方なら、一度はこんな議論を見聞きしたことがあるかもしれません。 今回は、この勝ち負けの話ではなく、私たち中小企業の経営者やWeb担当者が、この状況をどう受け止め、ニュースをどう読み解いていけばよいかについてお話しします。 結論から言うと、現時点でどちらが勝つかは誰にも分かりません。ですから、大切なのは勝ち負けを予測することではなく、変化するお客様の行動にどう向き合っていくか、という視点です。 「Google 140億回 vs ChatGPT 6600万回」この数字をどう読み解くか 検索回数の比較データとその背景 最近、ある調査データが話題になりました。それによると、1日あたりの検索(あるいはそれに準ずる行動)の回数は、Googleが約140億回であるのに対し、ChatGPTでは推定約6600万回だということです。この数字だけを見ると、ChatGPTの利用はGoogleの1%にも満たず、まだまだ影響は小さいように見えます。 確かに、20年以上の歴史があり、私たちの生活に深く根付いているGoogleの検索という習慣は、そう簡単には変わりません。絶対数で言えば、Googleが圧倒的であることは事実でしょう。 データ比較の落とし穴:本当に見るべきは「問題解決の質」 しかし、この「回数」という数字だけで物事を判断するのは、少し早いかもしれません。本来、私たちが評価すべきなのは、検索の回数ではなく「そのツールでどれだけ問題が解決できたか」です。 Google自身も、少ないクリックでユーザーの問題を解決することを目指しています。何度も検索しなければならない状態は、決して良い体験とは言えません。 そう考えると、検索回数というボリュームだけで比較することには、あまり意味がないことが分かります。重要なのは、お客様が抱える問題が、どのツールによって、どれだけスムーズに解決されているかという「質」の部分です。 検索以外の行動も見逃せない また、先ほどのデータは「検索っぽい行動」に絞って比較していますが、これも一つの側面に過ぎません。ChatGPTのような生成AIは、これまでGoogle検索では解決しづらかった、より対話的で個人的な悩み相談などにも使われています。 つまり、生成AIは、これまでGoogleがカバーしてこなかった新たな「問題解決」の領域を切り拓いている可能性があるのです。「検索」という枠だけで比較すると、この変化を見誤ってしまうかもしれません。 中小企業が今、本当にやるべきこと 大きなデータより「目の前のお客様」というフィールドデータを信じる では、私たち中小企業は、この変化の時代にどう対応すればよいのでしょうか。結論はシンプルです。世の中の大きなデータやトレンドに一喜一憂するのではなく、「目の前のお客様が何を使っているか」をきちんと把握することです。 世の中でChatGPTの利用がどれだけ増えたか、Googleの利用がどれだけ減ったか、というマクロな情報を気にする必要はありません。たとえ世の中全体では少数派だったとしても、自社のお客様が新しいツールを使い始めているのであれば、それに対応する必要があるからです。 顧客との関係構築が、今後のマーケティングの鍵 そのためには、お客様が普段、どういう場面で、どんなツールを使って情報を集めているのかを、定期的にチェックする仕組みが不可欠です。 お客様に直接聞いてみる ご契約いただいた際にアンケートやヒアリングを行う こうした地道な活動を通じて、お客様の行動(カスタマージャーニー)を具体的に把握することが、何よりも強力な武器になります。 もし、今お客様との接点が少なく、何をしているか分からないという状況であれば、今後のWeb活用は厳しくなる可能性があります。まずは、お客様との関係性を構築し、その声を聞ける仕組みを作ることが最優先です。 まとめ:トレンドに振り回されず、顧客と向き合うWeb戦略を 「Googleか、AIか」という二者択一の議論には、あまり意味がありません。どちらかのツールが優れている、という話ではなく、お客様の問題解決の方法が多様化している、という事実を捉えることが大切です。 私たち中小企業がやるべきことは、次の3つに集約されます。 ニュースの数字を鵜呑みにせず、その背景を考える 世の中の大きなトレンドより、目の前のお客様の行動(フィールドデータ)に注目する お客様の行動を把握するために、顧客との関係性を構築する 外部の大きな情報に振り回されるのではなく、自社の足元をしっかりと見つめ、お客様と向き合うこと。それこそが、これからの時代を生き抜くための、最も確実なWeb戦略と言えるでしょう。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Q. 結局、これからはGoogle検索とChatGPT、どっちが強くなるのでしょうか? A. 現時点では「分からない」というのが誠実な答えです。どちらが勝つかを予測するより、両方のツールによって顧客の情報収集行動がどう変化しているかに注目し、自社のお客様が実際に何を使っているかを把握することが重要です。 Q. ChatGPTの利用者は少ないと聞きましたが、AI対策はまだしなくても大丈夫ですか? A. 利用回数のデータだけを見て「少ない」と判断するのは早計です。これまで検索では解決できなかった問題がAIで解決されるなど、利用の「質」が変わってきています。すぐに焦る必要はありませんが、自社顧客の動向は注意深く観察し始めることをお勧めします。 Q. SEOはもう時代遅れになるのでしょうか? A. すぐに時代遅れになることはないでしょう。多くの人が長年の習慣でGoogle検索を利用しており、この行動は簡単には変わりません。ただし、AIによる情報探索が普及すればSEOのあり方も変化する可能性があります。手法に固執せず、顧客との接点を多角的に持つことが大切です。 Q. AI時代のWeb集客について、何から手をつければいいか分かりません。 A. まずは、自社のお客様が「普段どのように情報を集めているか」を直接ヒアリングすることから始めましょう。アンケートやインタビューを通じて顧客の行動を具体的に把握することが、効果的なWeb戦略の第一歩になります。 Q. 大きなトレンドについていくのが大変です。中小企業はどうすればいいのでしょうか? A. 世の中全体の大きなデータやトレンドに振り回される必要はありません。それよりも、目の前のお客様との関係構築に注力し、彼らが何に困り、どんなツールを使っているかという「フィールドデータ」を大切にしましょう。足元の顧客理解こそが、変化の時代を乗り切る近道です。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第572回:「Google検索対ChatGPT検索」を考える意味はあるのか? は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Googleの生成AI機能、日本上陸で問われる新たなウェブ戦略 先日、Googleの検索結果に生成AIが要約を表示する「AIモード(AI Overview)」が、ついに日本でも利用可能になりました。多くの方が、ご自身のビジネスに関連するキーワードで、どのような結果が表示されるか試されたのではないでしょうか。 しかし、競合や市場の動向を調べること以上に、まず確認すべき重要なポイントがあります。それは、「自社について検索した際に、生成AIがどのような情報を生成するか」です。今回は、生成AI検索の時代に必須となる「ブランド情報の防衛」という観点について、その重要性と具体的な対策をお話しします。 生成AI検索と従来の検索、その決定的な違いとは なぜ、自社に関する生成AIの結果をモニタリングする必要があるのでしょうか。それは、生成AIによる検索体験が、従来の検索とは根本的に異なる特性を持っているからです。 単一の「答え」として提示されることの危うさ 従来のGoogle検索では、あるキーワードで検索すると、様々なウェブサイトがリスト形式で表示されました。私たちはその中から複数の情報を比較・検討し、「この情報は信頼できそうだ」「こちらは少し違う視点だ」と、総合的に判断を下すことができました。 一方、AIモードやAI Overviewは、多くの場合、単一の要約された「答え」を提示します。複数の意見が併記されることもありますが、基本的には一つのまとまった回答として表示されるため、ユーザーはそれをそのまま事実として受け入れてしまいがちです。検索結果に表示される多様な視点が失われ、生成AIが生成した一つの回答が、そのまま世間の認識として広まってしまうリスクをはらんでいます。 生成AIは「事実」を語っているわけではない ここで理解しておくべきなのは、大規模言語モデル(LLM)は、情報の正しさや善悪を判断しているわけではない、という点です。大規模言語モデル(LLM)は、膨大なテキストデータから文脈における単語同士の関連性パターンを学習し、次に来る確率が最も高いと判断した言葉を予測して繋ぎ合わせることで、文章を生成しています。つまり、ファクトチェックの機能が働いているわけではありません。 そのため、学習データの中に誤った情報や古い情報、あるいは意図的に操作された情報が含まれていると、LLMはそれを「事実」として学習し、回答に含めてしまう可能性があります。これが、生成AI時代のブランド管理を難しくする大きな要因です。 生成AI時代に潜む新たな脅威「ブランドへの意図的な攻撃」 このLLMの特性は、悪意を持った第三者による攻撃のリスクも生み出します。実際に、海外メディアでもこうした攻撃手法を「Directed Bias Attacks」と名付け、警鐘を鳴らしています。これは、特定のブランドに対して意図的に偏った(バイアスのかかった)情報をウェブ上に大量に拡散することで、生成AIに「このブランドはネガティブな情報と関連が深い」と誤って学習させ、その評判を毀損する回答を生成させようとする攻撃です。 例えば、特定の企業に関する事実無根のネガティブな情報を、様々なブログや掲示板に大量に書き込む、といった手法が考えられます。実際に、これまでご支援してきたクライアントの社名やサービス名で生成AI検索を試した際、過去の古い情報や、たった一件のネガティブなレビューブログに内容が引きずられてしまうケースが見られました。こうした状況は、意図的な攻撃がなくとも起こりうるのですから、「Directed Bias Attacks」は決して対岸の火事ではありません。 私たちが今すぐ始めるべき「生成AI時代のブランド衛策」 では、こうしたリスクに対して、私たちはどのように備えればよいのでしょうか。重要なのは、受け身ではなく能動的に自社の情報を管理していく「自衛」の姿勢です。 1. 定期的なモニタリング まずは、自社が生成AIによってどのように語られているかを把握することから始めましょう。 何を調べるか:会社名、サービス名、商品名、代表者名など。可能であれば「会社名 評判」「サービス名 ブラック」といった、想定されうるネガティブな掛け合わせキーワードも試してみましょう。 どのプラットフォームで調べるか:現状、世界のシェアのほとんどを占めている「ChatGPT」と、これから検索の中心になっていくであろう「GoogleのAIモード/AI Overview」の2つは最低限チェックすることをお勧めします。 どのくらいの頻度で調べるか:特にBtoBビジネスや採用活動に力を入れている企業の場合、評判がビジネスに直結しやすいため、少なくとも週に1回程度はチェックする習慣をつけるのが理想です。 2. 問題を発見した場合の対処法 モニタリングの過程で、事実と異なる情報や、意図しないネガティブな情報が表示された場合は、迅速な対応が必要です。 幸い、現在のGoogleのAIモードやChatGPTは、回答の根拠となった「情報源(ソース)」へのリンクを表示してくれます。まずはその情報源を特定し、ウェブサイトの運営者に連絡して記述の修正を依頼することが第一歩です。 同時に、自社のウェブサイトやオウンドメディア、プレスリリースなどを通じて、正しい情報を積極的に発信していくことも極めて重要です。正確で質の高い情報を増やすことで、生成AIが参照する情報源を上書きし、より適切な回答が生成されるよう働きかけていきます。 3. 法的対応の現状と難しさ 生成AIが生成した内容について、プラットフォーム提供者(GoogleやOpenAIなど)の法的な責任を問うことは、現状の法律では非常に難しいとされています。サービス自体が成り立たなくなる可能性もあるため、法整備が追いついていないのが実情です。だからこそ、誰かが守ってくれるのを待つのではなく、自ら情報を守る「自衛」が、現時点で最も現実的かつ効果的な選択肢となります。 まとめ:ブランド管理は「第二のウェブサイト運用」へ AIモードやAI Overviewは、まだ広告が本格実装されていないなど、Google自身も様々なテストを行っている段階です。しかし、今後デフォルトの検索体験がAI中心に移行していくことは、ほぼ間違いないでしょう。 その時、生成AIが語る自社の姿は、見込み客や取引先、そして未来の従業員が目にする「第二の公式サイト」とも言える存在になります。ウェブサイトを定期的に更新し、メンテナンスするように、生成AI検索における自社の情報も、継続的にモニタリングし、改善していく。これからのウェブ担当者には、そうした新しいタスクが求められていくのではないでしょうか。 まずは一度、ご自身の会社名で生成AIに問いかけてみてください。そこから、新しい時代のウェブ戦略が始まります。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Googleの「AIモード」とは何ですか?従来の検索と何が違うのですか? Googleの検索結果にAIによる要約(AI Overview)が表示されたり、AIと対話しながら情報を探せる新しい検索機能です。従来の検索が複数のサイトを一覧表示するのに対し、AIモードは一つの要約された回答を提示する傾向がある点が大きな違いです。 AI検索が自社の評判にどんなリスクをもたらすのですか? AIは様々な情報を統合して一つの回答を生成するため、過去の誤った情報や一部のネガティブな意見が増幅され、あたかもそれが事実であるかのように表示されるリスクがあります。これにより、ブランドイメージが意図せず損なわれる可能性があります。 自社の評判をAI検索でチェックする際、具体的に何をすればよいですか? 自社の会社名やサービス名で検索し、どのような情報が表示されるかを確認してください。「株式会社〇〇 評判」「〇〇サービス 内容」のように、見込み客が検索しそうなキーワードで試すことが重要です。これを定期的に行い、情報の変化を監視する必要があります。 AI検索で自社に不利な情報が表示された場合、どう対処すればよいですか? まず、AIが参照している可能性のある情報源(ウェブサイトやブログ記事など)を特定します。その情報源の管理者に連絡し、記述の修正や削除を依頼することが一つの方法です。また、自社の公式サイトなどで正確な情報を発信し、AIが正しい情報を学習するよう促すことも重要です。 なぜAIは誤った情報やネガティブな情報を表示してしまうのですか? AI(大規模言語モデル)は、情報の正しさや善悪を判断しているわけではありません。ウェブ上の膨大な情報から、単語や文章の関連性が高いものを確率的に予測して文章を生成しています。そのため、学習データに偏りや誤りがあれば、それがそのまま出力に反映されてしまうことがあります。   配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第571回:放置は危険… Google AIモードや ChatGPTが潜在的に持つ 自社の評判への脅威 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Google品質評価者向けガイドラインとは?AI時代の検索品質とウェブサイト運営への影響 先日、Googleの「品質評価者向けガイドライン(Search Quality Rater Guidelines)」にマイナーチェンジがあったというニュースがありました。 今回の変更自体は小規模なものですが、この機会に「品質評価者向けガイドライン」がそもそもどのようなもので、Google検索の品質にどう関わっているのか、その本質について改めて掘り下げてみたいと思います。 このガイドラインについて、「評価者がサイトを見て良いと判断すれば順位が直接上がる」といった誤解や、逆に「単なる参考意見に過ぎない」と過小評価されているケースも少なくありません。 そこで今回は、公式情報や過去の経緯も交えながら、その役割と活用法、そしてウェブサイト運営者がどう向き合うべきかを解説していきます。 品質評価者向けガイドライン(Search Quality Rater Guidelines)PDF https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/en//searchqualityevaluatorguidelines.pdf 2025年9月の改定:AI生成コンテンツへの視点強化 今回の変更点は、主にAIや自動生成コンテンツに関する評価基準を、より詳しく記述することに焦点が当てられました。具体的には、以下の2点が挙げられます。 YMYLトピックにおけるAI Overviewの厳格化 「YMYL (Your Money Your Life)」とは、人々のお金や健康、安全といった人生に大きな影響を与える可能性のあるトピックを指します。Googleはこれらの領域のコンテンツに対して、以前から特に厳しい品質基準を設けています。 今回の改定では、AIが検索結果の要約を生成する「AI Overview」において、YMYLトピックをより厳しく評価するよう、品質評価者に求める内容が追記されました。これは、AIによる情報生成のスピードを重視するあまり、情報の品質担保が疎かになるリスクを考慮したものと考えられます。 実際に、Googleの内部情報(AIモードを支えるProject Magi / Magit など)では、AI Overviewなどで情報を素早く提供することを重視していますが、その速さゆえにスパム的な情報が混入しやすい側面も指摘されています(Fast Searchは汚染に弱い)。こうした背景から、人の目による品質評価の基準を厳格化する必要があったのでしょう。 自動生成されたメインコンテンツへの厳しい評価 ガイドラインでは、ページの核となる「メインコンテンツ(MC)」についても言及されています。特に、AIなどで自動生成された、単なるコピーや言い換え(パラフレーズ)に過ぎないような質の低いコンテンツは、最低評価の対象とすることが改めて明記されました。これは、昨今増加している質の低いAI生成コンテンツへの対策を強化する意図があると考えられます。 品質評価者の評価は、検索結果にどう反映されるのか 品質評価者(Search Quality Rater)の数は、全世界で1万人から1万6千人ほどいると言われています。彼らの判断基準を統一するために、このガイドラインが存在します。しかし、彼らの評価が特定のウェブサイトの順位を直接上下させるわけではありません。 では、その評価は何に使われるのでしょうか。それは、Googleの検索アルゴリズムを学習・改善するための「教師データ」として活用されます。 機械学習モデルの育成プロセス 品質評価者の判断は、主に以下のプロセスで利用され、間接的ですが強力に検索結果に影響を与えます。 教師あり学習 品質評価者が「このページは最高品質だ」と評価したものを「正解」としてAIモデルに与え、「人間が良いと感じるコンテンツ」とは何かを学習させます。 強化学習 明確な正解データがない場合でも、評価者の判断を「報酬」としてモデルに与え、より良い結果を出力できるようにチューニングしていきます。 このようにして育てられたAIモデルが、最終的に検索順位を決定するアルゴリズムの一部(例えば「RankEmbed」と呼ばれるシグナルなど)に組み込まれていきます。つまり、評価者の判断は、特定のサイトを直接評価するのではなく、Googleの「良し悪しを判断する脳」そのものを賢くするために使われているのです。 なぜガイドラインは公開されているのか?その経緯 この「品質評価者向けガイドライン」は、もともとGoogleの内部資料であり、公開を前提としたものではありませんでした。しかし、約10年前(2013年~2014年頃)にその存在がリークされ、内容が世に知られることとなりました。 当初は非公式な情報でしたが、Googleはその後、透明性や説明責任の観点から、この文書の存在を公式に認め、公開する方針に転換しました。 本来、Googleは検索順位を不正に操作するブラックハット的な手法を避けるため、具体的な評価基準を明かしたがりません。しかし、一度漏洩してしまった以上、隠し続けるよりも、ウェブサイト制作者に「Googleが目指す品質」を示す方が有益だと判断したのでしょう。 ガイドラインから読み解く、Googleが求めるコンテンツ このガイドラインは、SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)に携わる者にとって、Googleが何を「良いコンテンツ」と考えているかを知るための貴重な一次情報です。目次を眺めるだけでも、その要点が分かります。 YMYL:健康や金融など、誤情報が重大な害をもたらすカテゴリへの注意喚起 Needs Met:ユーザーの検索意図をどれだけ満たしているかの評価基準 Page Quality:コンテンツそのものの質や、サイト全体の評価方法 E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness):「経験」「専門性」「権威性」「信頼性」の4つの指標 全文は英語で160ページ以上ありますが、一度は目を通しておくことで、Googleの思想を深く理解できます。 まとめ:ガイドラインを正しく理解し、本質的なサイト改善へ 今回のガイドラインの微変更自体が、すぐにウェブサイト運営に大きな影響を与えるわけではありません。しかし、このガイドラインの存在と、その使われ方を理解しておくことは非常に重要です。 品質評価者の評価が、機械学習モデルの教師データとして使われているという事実を知ることで、小手先のテクニックではなく、Googleが評価基準として示している「ユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツとは何か」という観点で重要です。 また、SEO業者などから情報を提供された際に、それを鵜呑みにせず、冷静に判断するための知識としても役立ちます。 この機会に、改めてガイドラインの内容に触れ、ご自身のウェブサイトがGoogleの目指す方向性と合致しているかを確認してみてはいかがでしょうか。 関連情報 Search Quality Evaluator Guidelines (PDF) Googleが公開している品質評価者向けガイドラインの原文(英語) 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル Googleがウェブサイト制作者向けに公開している、公式ガイダンス Googleの内部情報が続々判明。司法省の反トラスト法裁判の公開資料から読み解く、検索順位の決まり方 本記事で触れた「Magi」などの内部情報についての詳細情報 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Googleの「品質評価者ガイドライン」とは、一体何ですか。 Googleが検索結果の品質を確かめるために、外部の評価者(クオリティレーター)に渡しているマニュアルです。どんなWebサイトが良いサイトなのか、その基準が具体的に書かれています。 このガイドラインは、自社のサイトの検索順位に直接影響しますか。 いいえ、直接的には影響しません。評価者がサイトを見て「良い」と判断しても、すぐに順位が上がるわけではありません。しかし、その評価データはGoogleの検索アルゴリズムを賢くするための「学習データ」として使われるため、間接的に重要な役割を果たしています。 よく聞く「E-E-A-T」とは何で、なぜ重要なのでしょうか。 E-E-A-Tは「経験・専門性・権威性・信頼性」の頭文字です。Googleが、特に金融や健康など人々の生活に大きく関わる情報(YMYL)において、信頼できる情報かどうかを判断するための重要な基準としているためです。 AIが作ったコンテンツは、Googleから低く評価されてしまうのでしょうか。 内容によります。AIが作ったというだけで低評価になるわけではありません。ただ、単に他のサイトの情報を言い換えただけのような、独自性のない低品質なコンテンツは、最低評価の対象になるとガイドラインで示されています。 Web担当者は、このガイドラインの情報をどう活用すれば良いですか。 ガイドラインを読むことで、Googleがユーザーにとって価値のあるサイトをどう考えているかが分かります。小手先のSEOテクニックではなく、ユーザーのために質の高いコンテンツを作ることの重要性を再確認し、サイト改善の方向性を決める指針として活用できます。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第570回:【実際】Google検索品質評価ガイドラインはAI検索のどこに影響する?RankEmbed・学習モデルなど は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
AIを使いこなす第一歩:苦手分野の克服から始める中小企業のAI活用術 AI(人工知能)を使いこなすことは、今や中小企業にとって最も投資対効果の高い施策の一つと言えるでしょう。しかし、「AIが重要だ」と頭では理解していても、実際に自社でどう活用すれば良いのか、具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。 多くのケースでは、チャット画面でAIに質問をしたり、アイデアの壁打ち相手になってもらったりといった、シンプルな使い方に留まってしまいがちです。そして、「意外と使えないな」「現場の業務にはあまり役立たないな」という結論に至ってしまうことも少なくありません。 そこで今回は、AIというツールをどのように捉え、事業に組み込んでいけば良いのか、その考え方のヒントをお伝えします。 AI活用の最適解:まずは自社の「苦手」を克服することから 結論から言うと、AI導入の最初のステップとしては、自社の「ボコ」、つまり苦手な部分やうまくやれていない部分を埋めるために使うことをお勧めします。どの会社にも、得意なこと(デコ)と苦手なこと(ボコ)があるはずです。例えば、「顧客サポートは得意だけれど、新規の営業活動は苦手だ」あるいはその逆、といった具合に。 まずは、その「ボコ」の部分をAIで補うことから考えてみてください。これが、AI活用をスムーズに進めるための鍵となります。 なぜ「得意」を伸ばすことから始めてはいけないのか 自分たちの強み、つまり「デコ」の部分を創り出すために、最初からAIに頼るのは得策ではありません。なぜなら、AIは既存の膨大なデータから学習し、最も多くの人が喜ぶ「平均的な答え」を導き出すように訓練されているからです。 もし、すべての企業がAIの提案だけをベースに強みを作ろうとすると、最終的にはどこも似たようなサービスや戦略に行き着いてしまいます。これは、いわゆるコモディティ化(独自性がなくなり、価格競争に陥ること)を招く危険性があります。AIは突飛なアイデアや、まだ誰も気づいていないような新しい価値をゼロから生み出すことは苦手なのです。 もちろん、AIに事業のアイデアを相談すること自体は可能です。しかし、返ってくるのは既存の枠組みの中での提案であり、他社を圧倒するような独自の強みを教えてくれるわけではありません。 AIで時間を生み出し、人でしかできない価値を創造する AIの役割は、企業の苦手な部分(ボコ)を平均レベルまで引き上げ、効率化することです。そうして生まれた時間や費用といったリソースを、今度は自分たちの得意な部分(デコ)をさらに伸ばすために再投資する。この役割分担が、AI時代の成功戦略だと考えています。 例えば、以下のような「ボコ」を埋める作業はAIが得意とするところです。 問い合わせフォームへの一次対応を自動化する メールマガジンやダイレクトメール(DM)の文案を作成する 煩雑なルーチンワークを自動化する これらは多くの企業が過去に苦労してきた分野であり、ウェブ上にも豊富な成功事例やデータが存在するため、AIは精度の高い答えを出してくれます。 具体的な活用事例 実際に、AIや関連技術を活用して業務を効率化し、人の能力をより価値の高い仕事へシフトさせている事例は数多くあります。 コールセンター: 簡単な質問はAIチャットボットや音声AIが対応し、複雑な問題にだけ経験豊富なスタッフが対応することで、顧客満足度を向上させる。 職人技が求められる業界: 運搬などのルーチン作業をロボットに任せることで、職人は新商品の開発といった、より創造的な仕事に集中できるようになる。 技術伝承: 熟練者の動きをVR(仮想現実)などで記録・共有し、新人教育のコストと時間を削減。熟練者は本来の業務や、さらなる技術革新に時間を使えるようになる。 このように、AIを使って人の時間をいかに確保するか、という視点で自社の業務を見直してみると、「ここを任せられたら、もっと価値のある仕事ができるのに」というポイントが見つかるはずです。 AI活用で失敗しないための心構え 一方で、AI活用がうまくいかないケースとしてよく見られるのが、「新規事業をAIと相談しながら決めよう」というアプローチです。前述の通り、これは非常に難しい挑戦です。 市場のデータ分析などをAIに手伝わせ、最終的に人が意思決定をするのであれば問題ありません。しかし、AIに頼りきりで未知の領域に進もうとするのは、成功の確率が低いと言わざるを得ません。なぜなら、成功の前例がないからです。 今、世の中で成功している企業の独自の強みは、最初はうまくいくかどうかわからない中で、「これがきっとうまくいくはずだ」と信じてやり続けた結果であることがほとんどです。つまり、前例のないところから価値は生まれます。AIは、その前例のない道をゼロから切り拓くためのツールではないのです。 「0」に何を掛けても「0」 AIの能力は「掛け算」に例えられます。人間の持つスキルや知識が「1」や「3」であれば、AIを掛け合わせることで「10」や「30」に増幅させることができます。しかし、元になるスキルや知識が「0」の状態では、いくら高性能なAIを掛けても結果は「0」のままです。 「ノーコード(プログラミング知識なしで開発できるツール)でAIを使えば、専門知識がなくても何でもできる」といった情報を見かけることもありますが、そのままビジネスの根幹を担うようなシステムを作るのは非常に危険です。重要な業務で使うものは、必ず人間が主体となり、AIはあくまでその能力を拡張するサポート役として位置づけるのが現実的です。 まとめ:AIとの上手な役割分担でビジネスを加速させる AIに対して過度な期待を抱くのではなく、その特性を理解し、うまく役割分担をすることが重要です。 AIの役割:自社の苦手な業務(ボコ)を効率化し、コストを削減する。 人間の役割:AIによって生み出された時間やリソースを使い、自社の強み(デコ)をさらに磨き上げる。 まずはこの考え方に基づき、業務改善のパートナーとしてAIを導入してみてはいかがでしょうか。AIとの付き合いに慣れていく中で、より高度な活用方法や、自社のビジネスを飛躍させるための新たなアイデアも生まれてくるはずです。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Q1. AIを社内に導入したいのですが、何から始めればいいか分かりません。 A1. まずは自社の苦手な業務や、時間のかかっている作業を洗い出すことから始めましょう。AIは、そうした「弱み」を補強し、業務を効率化するツールとして活用するのが最も効果的です。 Q2. AIを使って新しいサービスや事業のアイデアを考えられますか。 A2. AIにゼロから新しいものを生み出させるのは難しいです。既存のデータから平均的な答えを出すのは得意ですが、前例のない独創的なアイデア出しは苦手です。新規事業はあくまで人間が主導し、AIは情報収集などの補助として使うのが現実的です。 Q3. AIを導入する上で、最も注意すべきことは何ですか。 A3. AIに過度な期待をしないことです。AIは人間の能力を拡張する「掛け算」のツールであり、使う側に知識や目的がなければ良い結果は生まれません。万能ではないと理解し、目的を明確にして活用することが重要です。 Q4. AIで業務を効率化した後、生まれた時間をどう使うべきですか。 A4. 効率化で生まれた時間やコストは、自社の強みをさらに伸ばすために再投資することをお勧めします。顧客サポートの質向上や研究開発など、人間にしかできない付加価値の高い仕事に集中することで、企業の競争力が高まります。 Q5. ITの専門知識があまりなくてもAIは使えますか。 A5. はい、活用できます。ただし「何を解決したいか」という目的意識は必要です。例えば「問い合わせ対応を効率化したい」という目的があれば、専門家でなくてもツールを活用できます。まず自社の課題を明確にすることが、AI活用の第一歩となります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第569回:中小企業のWeb+AI活用は、苦手業務(凹)を減らして強さ(凸)を伸ばす時間に充てるところから始めよう は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Podcastの概要 AIに仕事を奪われるという現場の不安を解消するカギは、作業ではなく「提供している価値」を明確に伝えることです。会社としての透明性、現場とのコミュニケーション設計など、経営者とWeb担当者が知っておくべきポイントをまとめました。 AI導入がもたらす従業員の不安と、その向き合い方 AIの活用が広がる中で、「自分の仕事が奪われるのではないか」という不安や、AI導入に対する社内の反発に悩む経営者や担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。AIの導入が、従業員の満足度や幸福度にどう影響するのかは、多くの企業にとって大きな関心事です。 実際に、AI導入に反発がある会社もあれば、積極的に取り入れてうまく活用している会社もあります。今回は、この違いがどこから生まれるのか、そして従業員の満足度を保ちながらAIを活用していくにはどうすればよいのかについて、考えていきたいと思います。 AIを「脅威」と感じるか、「味方」と感じるかの分水嶺 早速結論からお伝えします。AI導入によって自分の存在意義が失われると感じてしまうか、それとも自分の価値を高める機会と捉えられるか。その分かれ目は、自分の仕事をどのレベルで捉えているかにあります。 自分の仕事を「作業レベル」で捉える危険性 「自分はこの作業をしているから、会社にとって価値がある」というように、自分の価値を「作業」そのものに見出している場合、AIによる代替への不安や拒否感を抱きやすくなります。作業がAIに置き換えられてしまうと、自分の存在価値が揺らいでしまうためです。 自分の仕事を「価値レベル」で捉える重要性 一方で、「この作業を通じて、会社にこういう価値を提供している」あるいは「この価値を提供するために、今この作業を行っている」というように、生み出す「価値」に自分の役割を見出している場合、考え方は大きく変わります。AIを、その価値をより効率的に、より大きくするためのツール、つまり「自己拡張ツール」として捉えることができるようになるのです。 従業員の視座を高めるマネジメントの役割 この考え方は、マネジメント層の方にとって非常に重要です。従業員に仕事をお願いする際、単に「この作業をやってほしい」と伝えるのではなく、「この作業は、我々が提供する〇〇という価値を生み出すための重要な仕事だ」と伝える。このように、仕事の意味付けを変えてあげることが、従業員の視座を一つ引き上げ、AI時代への適応を促します。 「価値レベル」で仕事を捉えられるようになると、従業員は「自分の価値をさらに高めるにはどうすればいいか」という観点で物事を考え始めます。これは、AI時代に不可欠な「好奇心」や「モチベーション」を維持することにも直結します。 AIと従業員満足度に関する調査が示すこと こうした考え方は、様々な調査結果によっても裏付けられています。 AIを「人間を補完する存在」と認識する重要性 ある調査では、AIを自分の仕事を補完してくれる存在と認識している人ほど、仕事の尊厳や意味を維持・向上させているという結果が出ています。 導入時の「透明性」と「従業員の参加」 別の調査では、AI導入の目的などの「透明性」を確保し、意思決定に「従業員を参加」させることで、AIは円滑に定着し、従業員のウェルビーイングを支援できると報告されています。逆にこれらが欠けると、不安や否定的な影響を招きやすくなります。 利便性の裏にある「目的感」の喪失リスク ロボットと共に働く現場の調査では、身体的な負担が軽減される一方で、「目的感」や「自律性」が失われがちで、結果としてストレスやモチベーション低下につながるケースも指摘されています。便利になるからこそ、仕事の意味を再確認するケアが必要です。 会社としての方針を示し、分断を防ぐ AI活用の度合いに部署ごとの差が生まれると、「なぜあの部署は便利なツールを使わないんだ」といった社内の分断や争いにつながりかねません。これを防ぐためにも、経営者は「会社としてAIをどのように活用し、どのような価値を目指すのか」という明確な方針を示すことが不可欠です。 「皆さんの価値は作業自体ではなく、それによって生み出す価値にある。だから、作業はAIに任せられる部分をうまく活用し、皆さんはより付加価値の高い仕事に集中してほしい」といったメッセージを発信していくことが重要になります。 変化の激しい時代を、どう生き抜くか 私自身も、コンサルタントとして多くの作業に囲まれていますが、AIという存在を前提とした上で、「どうすればお客様に支払っていただく以上の価値を提供できるか」を常に考えるようにしています。絶望するのではなく、好奇心とモチベーションを保ち、生産性や付加価値をどう高めていくかを考えることで、AIは非常にポジティブな存在になります。 現在のAIを巡る状況は、インターネット黎明期によく似ていると言われます。当時は「ネットで物など売れない」といった声も多くありましたが、今や当たり前のインフラです。AIが今後どうなるかは誰にも分かりませんが、少なくともそれを前向きに捉え、自分にとって何が役立つかを考え、楽しく活用していく姿勢が、この変化の時代を豊かに生きる鍵ではないでしょうか。 まとめ:自分の価値を再定義する AIの導入に際して従業員の満足度を維持し、会社全体の成長につなげるためには、従業員一人ひとりが自分の仕事を「価値レベル」で捉え直すことが重要です。そして、経営者やマネジメント層は、そのための環境づくりと明確な方針を示す責任があります。 ぜひ、自分を「手段の代替存在」として捉えるのではなく、AIを使って「生み出す価値」を最大化する存在として、自身の役割を再定義してみてください。そうすることで、心も楽になり、新たな可能性が見えてくるはずです。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Q1. AIを導入すると、従業員のモチベーションが下がってしまうのではないかと心配です。 A1. 従業員が自分の仕事を「作業」と捉えている場合、AIに代替される不安からモチベーションが低下しやすくなります。一方で、その作業を通じて「どんな価値を提供しているか」という視点を持てれば、AIを自己の価値を高めるツールとして前向きに活用でき、意欲を維持・向上させることが可能です。 Q2. AIに仕事を奪われると不安に思う従業員に、経営者はどう接すればよいですか? A2. 会社としてAIをどう活用したいのかという方針を「透明性」を持って伝え、従業員の意見を聞きながら「参加」を促すことが重要です。AIは敵ではなく、皆さんの価値を高めるためのものであることを伝え、心理的安全性を確保することが不安の解消につながります。 Q3. AIをうまく活用できる人と、拒否感を抱く人の違いは何でしょうか? A3. 自分の役割を「作業レベル」で考えている人は、AIを自分の仕事を奪う脅威と捉えがちです。対照的に、自分の役割を「価値提供レベル」で考えている人は、AIを自分の能力を拡張するツールとして捉え、積極的に活用していく傾向があります。 Q4. 従業員満足度を下げずにAI導入を進めるには、何に気をつければよいですか? A4. 導入前に、従業員の仕事に対する意味付けや納得感をケアすることが不可欠です。AI導入の目的を明確に伝え、従業員が自らの仕事の意義を見失わないようサポートすること、そして身体的負担の軽減と引き換えに失われがちな「目的感」や「自律性」を維持できるような仕組み作りが求められます。 Q5. AI時代に、自分の仕事の価値をどう見出していけばよいのでしょうか? A5. これまで行ってきた「作業」そのものではなく、その作業を通じて「生み出してきた価値」に目を向けることが重要です。積み上げた経験を一つ上の概念に消化し、AIというツールを前提とした上で、より高い付加価値を提供できる存在として自分を捉え直すことが、これからの時代を生き抜く鍵となります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第568回:「己の仕事イコール何と考えるか?」がAI導入への姿勢を変える? は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Podcastの概要 「WebやDXを進めたいが、担当者がいない」。これは多くの中小企業経営者が抱える悩みではないでしょうか。人材の採用・育成には多大なコストと時間がかかります。中小企業白書のデータを基に、社外の専門家をうまく活用する「外部パートナー戦略」に焦点を当てます。コスト効率、柔軟性、そして成果につながるパートナーの見つけ方までお話しします。 2025年版「中小企業白書」全文 | 中小企業庁 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 WebやDXを進めたいのですが、社内に専門知識を持つ人材がいません。どうすればよいでしょうか。 無理に人材を採用・育成するよりも、信頼できる外部の専門家やパートナーを探すのが現実的な解決策となり得ます。専門知識を持つ外部人材と柔軟に連携することで、コストを抑えながらDXを推進できます。 人材育成に取り組むべきだと分かっていますが、なかなかうまくいきません。 中小企業白書のデータでも、特に小規模な企業では人材育成が難しい状況が示されています。無理に進めるよりも、まずは外部の専門家の力を借りて事業を動かし、その中で社内の知見を育てていくという方法も有効です。 外部の会社にWebマーケティングを依頼すると、費用が高そうで躊躇してしまいます。 大規模な開発会社は高額になりがちですが、フリーランスや小規模なコンサルティング会社であれば、従業員を一人雇用するより低いコストで依頼できる場合があります。月数万円からの相談プランを提供している会社もあります。 外部のフリーランスや小規模な会社に頼む場合、どのような点に気をつければよいですか。 現場での実務経験が豊富か、自社の立場に立って伴走してくれるかを見極めることが重要です。ツールの知識だけでなく、事業全体のことを考えて提案・実行できるパートナーを選びましょう。過去の実績やコミュニケーションの相性も確認することをお勧めします。 社外のパートナーを活用する主なメリットは何ですか。 専門知識を比較的低いコストで確保できる点に加え、社会保険料などの間接費用がかからないという金銭的メリットがあります。また、契約の柔軟性が高く、事業の状況に応じて契約内容を見直しやすいことも大きな利点です。 はじめに:中小企業白書から考える、これからの人材戦略 多くの中小企業にとって、Webやデジタルの活用は事業成長に不可欠です。しかし、その推進役となる「人材」の確保に悩んでいる経営者や担当者の方は少なくないでしょう。今回は、中小企業白書・小規模企業白書のデータを元に、これからの時代における人材戦略、特に「内製(人材育成)」と「外部パートナーの活用」について考えていきます。 現場で多くの企業からご相談いただく「人材がいない」「どう育てればいいか分からない」といった悩みは、白書のデータからも多くの企業が共通して抱える課題であることがわかります。この記事では、その現状を踏まえ、中小企業が取るべき現実的な選択肢について掘り下げていきます。 中小企業における人材育成の現状と課題 半数以上の企業が人材育成を強化、しかし… 中小企業白書のアンケート調査によると、5年前と比較して全体の半数以上の企業が「人材育成を強化している」と回答しています。これは前向きな傾向ですが、見方を変えれば、まだ半数近くの企業は強化に至っていないとも言えます。 特に、従業員数が少ない企業ほど、人材育成を行えていないというデータも出ています。小規模な事業であるほど、育成に割くリソースやノウハウがない、あるいは育成対象となる人材の採用自体が難しいという、構造的な課題が浮かび上がります。 人材育成が売上に繋がるデータの裏側 白書では「人材育成に取り組んでいる会社の方が、売上高や付加価値率の変化率が高い」というデータも示されています。具体的には、人材育成を強化した企業の売上高変化率(中央値)が約10.7%増であるのに対し、行わなかった企業では2.3%増に留まっています。 このデータだけを見ると「やはり人材育成こそが正解だ」と感じるかもしれません。しかし、これは「そもそも成長する余力のある企業が、人材採用や育成にも投資できている」という側面が強い可能性があります。人材育成は時間もコストもかかり、必ず成功するとは限りません。現状でリソースに余裕がない企業が、無理に内製化の道に進むのは得策ではないかもしれません。 もう一つの選択肢「社外人材の活用」 活用はまだ道半ば、しかし需要は高まっている 人材育成の難しさに対するもう一つの選択肢が、副業やフリーランスといった社外人材の活用です。しかし、白書のデータによれば、外部人材を活用している企業は全体の約2割に留まっており、まだ一般的な選択肢にはなっていないのが現状です。 一方で、副業をしたい、あるいは既に行っている人の数は、この10年で大きく増加しています。つまり、「専門知識を活かして働きたい」という人と、「専門知識を求めている」企業との間に、まだうまくマッチングが起きていない状況があると考えられます。 DX推進の大きな壁「人材」と「費用」 この「人材」の問題は、特にDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において顕著です。白書では、DX推進の主要なボトルネックとして、以下の2点が突出して挙げられています。 DXを推進する人材が不足している 外部の会社に依頼すると費用負担が大きい 社内で人材を確保しようとすると採用が難しく、外部の専門会社に見積もりを取ると数百万円規模の費用がかかる。このジレンマが、多くの中小企業のDX推進を阻んでいる大きな要因です。 これからの時代に取るべき現実的な選択とは 中小企業が選ぶべきパートナーの条件 大手ITベンダーや制作会社は、プロジェクト単位で多くの人員を動かすため、どうしても費用が高額になりがちです。体力のある中堅企業以上であれば、そうした会社と組むメリットは大きいでしょう。 しかし、多くの中小企業にとっては、もっと小回りが利き、現場の事情を理解してくれるパートナーと組むことが現実的です。フリーランスや、私たちのような小規模な支援会社がその選択肢となります。パートナーを選ぶ際には、以下のような点を確認するとよいでしょう。 ツールの知識だけでなく、現場での実務経験が豊富か 自社の立場に立ち、やりたいことを引き出して一緒に考えてくれるか(伴走してくれるか) 小さな相談にも気軽に応じてもらえるような、柔軟なコミュニケーションが可能か 単なる「先生」ではなく、現場で共に汗を流してくれるパートナーを見つけることが重要です。 外部パートナー活用のコストメリット 外部パートナーの活用は、コスト面でも大きなメリットがあります。従業員を一人雇用すれば、給与だけでなく社会保険料などの間接的な費用も発生します。その負担は決して小さくありません。 一方、外部への業務委託であれば、そうした費用はかからず、必要なスキルを必要な分だけ活用できます。これは、今後の事業環境を考えると、非常に効率的で合理的なお金の使い方と言えるでしょう。また、万が一ミスマッチがあった場合でも、契約を見直しやすいという柔軟性も魅力です。 まとめ:信頼できるパートナーと二人三脚で進むことの重要性 今回の中小企業白書のデータから見えてきたのは、人材不足、特にデジタル分野における課題の深刻さです。この状況において、中小企業が取るべき現実的な戦略は、「信頼できる外部パートナーを見つけ、二人三脚で事業を進めていく」ことではないでしょうか。 無理に内製化に固執するのではなく、外部の専門知識をうまく活用し、自社はコア業務や人でなければできない仕事に集中する。そのような体制を築くことが、これからの時代を乗り越えていくための鍵になると考えています。 詳細はPodcastをお聞き下さい。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第567回:2025年中小企業白書から読む「Web人材は育成か外注化か」コストと成果で考える最適解 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
AI・デジタル活用の浸透を阻む壁。その正体と乗り越えるための7つのポイント AIをはじめとするデジタル技術の活用が企業の競争力を左右する時代になりました。しかし、「新しいツールを導入したものの、なかなか社内に浸透しない」「経営層と現場の温度差が大きい」といった悩みを抱える経営者やWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。 実は、その問題は日本だけでなく、世界中の多くの企業が直面している共通の課題です。今回は、グローバルなコンサルティング企業キャップジェミニの調査レポート『The Digital Culture Challenge』を参考に、デジタル変革を成功させるために本当に重要なこと、特に組織の「文化」に焦点を当てて、具体的な7つのポイントを解説していきます。 デジタル変革を阻む最大の壁は「企業文化」 多くの組織がデジタル技術を導入しても、変革が定着しない最大の理由は、技術そのものではなく「企業文化」にあります。レポートによると、調査対象となった約1500社の企業が、変革の最大の障壁として文化的な問題を挙げています。 最新のAIツールを導入したとしても、それを使う人々の意識や行動様式、組織全体の価値観が変わらなければ、本当の意味での変革は起こりません。大切なのは、新しい技術を迎え入れるための土壌、つまり「デジタル文化」を組織の中に育んでいくことです。 経営層と現場の間に横たわる「認識のギャップ」 このレポートで特に興味深いのは、経営層と現場従業員の間に存在する「認識のギャップ」です。多くの場合、経営層は「うちはデジタル化が進んでいる」と考えていても、現場の従業員は「全く使いやすい状況になっていない」「仕組みが整っていない」と感じています。 このギャップが存在する限り、部門間のデータ連携や協力体制はうまく機能しません。会社として一丸となって新しいアイデアを実行していくためには、まずこの認識のズレを埋め、全員が同じ方向を向く必要があります。 デジタル文化を組織に根付かせる「7つの習慣」 では、具体的にどのような文化を育てていけばよいのでしょうか。レポートでは、デジタル変革を成功させるために重要な7つの要素が挙げられています。これらは、単なるスローガンではなく、日々の業務に落とし込むべき「習慣」と捉えると分かりやすいでしょう。 1. 顧客志向:顧客が本当に喜ぶことは何か? まず基本となるのが、全ての変革を「顧客のため」という視点から始めることです。自分たちがどう変わるかではなく、「どうすれば顧客にもっと価値を提供できるか」を起点に考えることで、デジタル活用の目的が明確になります。 2. イノベーション:新しい挑戦を許容する空気 特にAIのような変化の速い分野では、「まず試してみる」という姿勢が不可欠です。失敗を恐れず、新しいことに挑戦できる心理的安全性が確保されているかどうかが、変化への対応力を大きく左右します。この1、2年の遅れは、ウェブサイト制作が出始めた頃とは比較にならないほどのビハインドになりかねません。 3. データ駆動:経験や勘を「言語化」し共有財産に 「データ駆動」と聞くと、難しい分析をイメージするかもしれません。しかし、ここで重要なのは、個人の経験や勘といった「暗黙知」を、誰もが理解できる「言語化」された情報、つまり「形式知」に変えていくことです。熟練の職人が無意識に行っている工夫を動画に撮り、なぜそうするのかを一緒に解き明かしていく。そうして得られた情報を蓄積・共有することが、組織全体の能力向上に繋がります。 4. オープンさ:誰もが自由に意見を言える環境 年齢や役職に関係なく、誰もがフラットに意見を交換できる環境は、新しいアイデアの源泉です。「これを言ったら自分が担当させられるから言わない」といった空気が蔓延していては、貴重な気づきが埋もれてしまいます。まずは、どんな意見も一度受け止めてみるという姿勢が大切です。 5. 共同:部門間の壁を越えた協力体制 営業、製造、カスタマーサポートなど、顧客と接点を持つ各部門は、それぞれ異なる貴重な情報を持っています。しかし、部門ごとの目標(KPI)が協力の妨げになることも少なくありません。会社全体として最適な成果を出すために、部門間でスムーズに連携し、情報を共有できる仕組みが求められます。 6. デジタル思考:「まずデジタルで楽にできないか」と考える 繰り返し行う作業に直面したとき、「これまで通り手作業でやった方が早い」と考えるのではなく、「一度仕組み化すれば、後がずっと楽になるのではないか」と考える習慣を持つことが重要です。最初は少し手間がかかるかもしれませんが、その一度の苦労が、将来の大きな生産性向上に繋がります。 7. 機敏性:変化に素早く適応する これはビジネスの世界でよく言われる「アジリティ(Agility)」に近い考え方です。完璧な計画に固執するのではなく、状況の変化に応じて柔軟に方針を転換し、迅速に行動することが求められます。まず小さな単位で実行し、そこから得られたフィードバックを元に素早く学習・修正を繰り返していく。こうしたアプローチが、不確実性の高い時代を乗り切る上で不可欠な要素となります。 成功企業から学ぶ、変革を推進する具体的なアクション レポートでは、デジタル変革の最前線を走る企業が、これらの文化を醸成するために具体的な施策を講じていることも紹介されています。 評価制度の見直し:結果だけでなく、新しいことに挑戦したか、他部門と協力したかといった「プロセス」も評価対象に加える。 経営層のロールモデル化:経営層自らがデジタルツールを使いこなし、変革への強い意志を行動で示す。 ボトムアップの促進:現場の意見を積極的に吸い上げ、経営判断に活かす仕組みを作る。 スキルアップへの投資:研修や外部パートナーの活用を通じて、従業員のデジタルリテラシー向上を支援する。 これらは、評価制度という分かりやすい部分から手をつけることで、組織全体へのメッセージにもなります。 中小企業こそ、今が変革のチャンス 「大企業だからできることだ」と感じるかもしれません。しかし、むしろ意思決定のスピードが速く、組織の規模が小さい中小企業の方が、こうした文化変革は進めやすい側面があります。 大切なのは、完璧を目指していきなり全てを変えようとするのではなく、まずは従業員へのアンケートや、評価項目を少し見直すなど、できることから一歩ずつ着実に進めていくことです。 技術はあくまで手段です。本当に重要なのは、その技術を使いこなし、会社の成長に繋げるための「人」と「文化」です。今回の7つのポイントを参考に、自社の文化を見つめ直すきっかけにしていただければ幸いです。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Q1: なぜ高価なデジタルツールを導入しても、社内に浸透しないのでしょうか? A1: 技術やツールの問題ではなく、企業の「文化」や「行動意識」が変わっていないことが最大の原因と考えられます。新しいツールを受け入れ、活用するための土壌となる企業文化を見直さない限り、本当の意味での変革は定着しません。 Q2: デジタル化を進めたいのですが、経営層と現場の社員とで意識がズレている気がします。どうすれば良いですか? A2: 意識のギャップは多くの企業が抱える問題です。まず経営層がデジタル活用のロールモデルとなり、現場の意見を積極的に取り入れるボトムアップの仕組みを作ることが重要です。双方がオープンに話せる文化を醸成することから始めましょう。 Q3: デジタル変革を成功させるために、具体的にどんなことから始めれば良いですか? A3: まずは「顧客志向」や「データに基づいた判断」「新しいことへの挑戦を許容する雰囲気」など、7つの重要な要素を意識することから始めましょう。全てを一気に行うのではなく、KPIの見直しや、プロセスを評価する制度の導入など、できることから着手するのが効果的です。 Q4: 社員から新しいアイデアや意見が出てこないのですが、どうすれば活発になりますか? A4: 意見をオープンに言える「心理的安全性」の確保が不可欠です。「意見を言ったら担当させられる」といった風潮をなくし、どんな意見もまずは受け止める姿勢を経営層が示すことが大切です。年齢や経験に関わらず、フラットに議論できる場を作りましょう。 Q5: 部署間の連携がうまくいかず、データや情報が共有されません。何か解決策はありますか? A5: 部署ごとに目標が異なり、協力すると自部署の評価が下がるような仕組みになっていないか見直す必要があります。会社全体で協力することのメリットを示し、部署横断の目標設定や、協力姿勢そのものを評価する仕組みを取り入れることが有効です。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第566回:AI・デジタル活用を 浸透させる7つのポイントとは?『The Digital Culture Challenge』レポート紹介 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
AI-SEOだけ行っていませんか?AI検索対策で本当に重要な「土台強化」とは AI検索の時代が本格化する中で、「AI対策」という言葉をどう捉えればよいのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。これまでの常識が通用しなくなるのではないか、何か特別な対策をしないと乗り遅れてしまうのではないか、という不安もあるかもしれません。 しかし、結論から言えば、今本当に取り組むべきは、目新しい「AI対策」ではなく、これまでも重要だったウェブサイトの「土台強化」です。今回は、その理由を私の経験も交えながら、詳しく解説していきます。 「AI対策なら一気に逆転できる」という幻想 最近、SEOの営業の現場では、「AI対策をしましょう」という提案が増えています。FAQコンテンツの作成、構造化データの実装、ページの冒頭で「この記事から得られること」を明記するなど、LLMO(大規模言語モデル最適化)といった新しい言葉と共に、様々な施策が語られています。 もちろん、これらの施策がユーザーにとって有益な場合もあります。例えば、記事の冒頭で何が得られるかを書いてもらうのは、読み手からすれば非常に親切です。「きっとこういうことが書いてあるだろう」と期待して読み進めたら、結局よくわからなかった、というブログ記事ほどがっかりするものはありませんから。 しかし、ここで注意したいのは、「AI対策さえやれば、これまで上手くいっていなかった状況を一気に逆転できる」と考えてしまうことです。特に、今までコンテンツの充実やサイトの使いやすさといった基本的な部分にあまり取り組んでこなかった場合、そうした期待を抱きがちです。後発の企業であれば、「今までのルールが全部リセットされた方が嬉しい」と考えてしまう気持ちも分かります。 ですが、残念ながらその考え方は、倫理的な問題ではなく、「実際、効果がない」ということをまずお伝えしなければなりません。 Googleは明確な答えを教えてくれない そもそも、AI検索に関して「これをすれば必ずうまくいく」という明確な手法は、今後も出てこないでしょう。なぜなら、Google自身も、もはや細かいパラメータ調整で検索結果をコントロールしているわけではないからです。 そのため、Googleの外部にいる私たちは、検索結果の傾向から施策を推測する「リバースエンジニアリング」的なアプローチを取るしかありません。そして、Googleの内部の人間にしても、公式に発表できるのは「漠然とした抽象的なものを出すしかない」のが現状です。このような状況で、「こうすれば絶対に上がります」と断言するような人がいれば、それは信頼すべきではないでしょう。 サイトの「基礎評価」がAIの露出を決めるという事実 では、何を信じるべきか。そのヒントは、2025年6月30日から7月17日(米国太平洋時間)にかけて実施されたGoogleコアアルゴリズムアップデートの傾向にあります。 このアップデートで観察された重要な動きの一つに、「通常の検索結果で順位が下がったサイトは、AIオーバービュー(GoogleのAIによる要約回答)での露出も同様に減少する」という傾向がありました。これは、海外の著名なSEO専門家であるグレン・ゲイブ氏なども指摘している点です。 この事実は、私たちに極めて重要な示唆を与えてくれます。それは、AIオーバービューやAIモードは、従来のウェブ検索という大きな枠組みの中の「表現形態の一つ」に過ぎないということです。何か特別な判断基準があるわけではなく、あくまでサイトの品質や評価という土台があった上で、AIという見せ方で表示されているに過ぎません。 つまり、サイトの品質が低い状態で小手先のAI対策だけを行っても、AIに引用されたり、露出が増えたりすることはないのです。私の肌感覚としても、コンテンツの充実といった地道な取り組みの方が、結果的にAIでの露出も増えていると感じています。 もし、あなたのサイトが現時点で十分なアクセスを集められていないのであれば、投資対効果という面で言えば、まずは従来同様の基本的なSEO、つまりユーザーのニーズに応えるコンテンツを作り、サイトを使いやすくしていくことが、AI時代においても最も有効な一手なのです。 ChatGPTの進化も「Google評価」の重要性を裏付けている この流れは、Google検索だけに限りません。多くの人が利用するChatGPTの進化も、同じ方向を指し示しています。(※本稿の元となったポッドキャストの収録は2025年8月15日時点のものです) ChatGPTは、GPT-4からGPT-5へと進化する中で、モデルの思想が大きく変わりました。以前のモデルは、膨大な知識を学習し、自らの中に「知識を持つ」構造でした。しかし、この方法はモデルを再構築するのに約5億ドル(700〜800億円)もの費用がかかるなど、計算機資源やコストの増大という限界が見えてきました。 そこでGPT-5では、知識を内包するのではなく、外部のツール(検索など)を使いこなし、理論を立てる「思考する頭脳」としての性能を強化する方向に舵を切ったのです。実際に上位プランの思考モデル(Thinkingモデル)を使うと、頻繁に外部へ検索しにいく挙動が見られます。 この、外部から正確な情報を参照する技術を「グラウンディング」と呼びます。では、その情報収集先はどこか。断定はできませんが、現状では「おそらくGoogleでしょう」と考えられています。 だとすれば、Google上で高く評価されているサイトの情報は、ChatGPTによって引用される可能性も高まるということです。実際、ChatGPT経由のトラフィックはまだ全体の1%にも満たない程度ですが、コンバージョン率は高い傾向にあるため無視はできません。つまり、Googleから評価される良いサイトを作ることが、結果的にさまざまな生成AIへの対策にも繋がっていくのです。 本質的な課題は「組織の泥臭い人間関係」にある ここまで「質の高いコンテンツを」と話してきましたが、現場の担当者の方からはこんな声が聞こえてきそうです。 「そんな簡単に作れたら苦労しないですよ。コンテンツは出したい。でも、出せないんです。関係者にレビューをお願いしても、なかなか時間も取ってもらえないし、いろんな理由をつけられてフィードバックも返ってこない…。月に1、2ページ作るのがやっとで、それではなかなか効果も出ないんです」 ウェブで言われる「コンテンツを作りましょう」という簡単な言葉の裏には、こうした大変な現実があります。そして、この問題の根源は、多くの場合「ネタがない」ことではなく、「組織論」に行き着きます。 E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)で重視される「Experience(経験)」、つまり現場から上がってきた生の声や言葉遣いで構成されたコンテンツは、端的にお客様に響きます。そして、お客様に響くものは、最終的にGoogleのアルゴリズムも評価するようになるはずです。その価値あるコンテンツを生み出せる企業こそが、本当に強いのです。 問題は、その「現場の声」をどう吸い上げて形にするか。それは多くの場合、製造、マーケティング、サービスの現場といった部署間の関係性、もっと言えば「お互いの仲の良さ」といった、非常に泥臭い話に落ち着きます。 私たちのような外部のコンサルタントの仕事も、実はこの「組織の調整役」を担うことが少なくありません。 みんなでミーティングを開き、「こういう状況なんでなんとかやってもらえませんかね」と、内部では言いにくいことを代弁する「悪役」や「外圧」として動くこともあります。 またある時には、各部署の間に立ってそれぞれのメリットを翻訳し、理解を深めることで、「それなら自分たちにもメリットがあるから協力しよう」という流れを作ることもあります。特に営業部門などは、メリットを提示することで大きく動いてくれることが多いのです。 最終的なゴールは、私たちが居なくても組織が自ら情報発信を続けられる「自走できる」状態を作ることです。そして、その鍵は、綺麗な「仕組み」を作ること以上に、社内の少しウエットな人間関係をどう構築するか、という点にあるのです。 新しい技術に飛びつきたくなる気持ちはよく分かります。しかし、今こそ自社の足元を見つめ直し、顧客に価値を届けるための情報発信の仕組みという「土台」を固めるべき時ではないでしょうか。 AI対策という言葉に惑わされず、まずはウェブサイトの基本的な品質向上に取り組むこと。それが、AIが浸透した未来のウェブで勝ち残るための、最も確実な一歩となるはずです。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 話題のAI検索対策(FAQ作成や構造化データなど)は、すぐにやるべきですか? サイト全体の品質や評価がまだ高くない場合、それだけを行っても効果は限定的です。まずは良質なコンテンツの作成やサイトの使いやすさの向上など、基本的な施策に取り組むことが先決です。 GoogleのAI Overviewで自社のサイトを表示させるには、どうすればいいですか? AI Overview単体を狙う特別な施策よりも、サイト全体の評価を高めることが重要です。Googleから評価されるような、ユーザーにとって価値のあるサイト作りが、結果的にAI Overviewでの露出に繋がります。 サイトの評価がまだ高くないのですが、AI時代には何から手をつければ良いですか? AIを意識しすぎず、従来通りの基本的なSEO対策から始めるのが最も効果的です。ユーザーのニーズに応えるコンテンツを充実させ、サイトの構造を分かりやすく整えるなど、基礎を着実に進めましょう。 ChatGPTのような生成AIへの対策も必要になりますか? 最新のChatGPTは、外部の検索エンジンから情報を引用する傾向を強めています。そのため、Googleで評価されるサイトを作ることが、結果的にChatGPTで引用される可能性を高めることになります。特別な対策は現時点では不要です。 コンテンツを増やしたいのですが、社内の協力が得られず進みません。どうすればいいですか? コンテンツ作成が進まない問題は、多くの場合、社内の情報共有や協力体制といった組織的な課題に起因します。関係部署との対話を通じて、情報発信の重要性やメリットを共有し、協力体制を築くことから始める必要があります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第565回:AI-SEOだけ行っていませんか?AI検索対策で重要なのは今まで通りの土台強化 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
昔と今でこんなに違う。SEO業界の収益構造 今回は、前回のポッドキャストでお話しした「SEO業界の収益構造がどのように変わってきているか」というテーマを深掘りしていきたいと思います。 これは、特定の企業の内部情報ではなく、あくまで私のネットワークや、クライアント様に提案される資料などから感じ取る「現場の肌感覚」として捉えていただければ幸いです。 かつての収益の柱:「テクニカルSEO」と「コンテンツSEO」 皆さんは、SEO業界が何で収益を上げていると思われますか。多くの方は「Webサイトの検索順位を上げるための様々な施策」を想像するのではないでしょうか。それは、かつては正解でした。 昔は、専門的な技術(テクニカルSEO)を駆使することで、明確に成果を出すことができました。そして2014年頃、日本で「コンテンツマーケティング」という言葉が広まり始めます。これは、企業から顧客へ情報を押し出す「プッシュ型」ではなく、顧客に有益な情報を提供して惹きつけ、関係性を育んでいく「インバウンドマーケティング」という考え方が注目された時期と重なります。 この流れの中で、「コンテンツSEO」という言葉が生まれました。本来、コンテンツはSEOのためだけにあるのではなく、顧客とのコミュニケーション手段です。しかし、テクニカルな手法が通用しにくくなる中で、良質なコンテンツを作ることがSEOの主要な施策として定着し、現在まで続いているという認識が一般的かもしれません。売上の構成比で言えば、テクニカルな施策が3割、コンテンツ制作が7割、といったイメージでしょうか。 なぜ従来のモデルでは「食えなく」なったのか? しかし、現在ではその構造が大きく変わってきていると感じています。正直なところ、従来のテクニカルな施策とコンテンツ制作だけでは、ビジネスとして成り立たせるのが難しくなっているのです。 例えば、Webサイト全体の診断(オーディット)のような大規模なメンテナンス業務は、四半期や年に一度といったスパンで需要があります。これらはある程度の単価になりますが、AIの活用で効率化が進んでいるため、以前ほどの価値は提供しにくくなっています。 毎月継続的に行うような細かなチューニング業務は、すぐに行うべき施策が尽きてしまうため、継続的な仕事として成立しにくいのが実情です。提案はできても、クライアント様の社内体制が追い付かず「実施できない」というボトルネックに突き当たることも少なくありません。 コンテンツ制作についても同様です。検索キーワードの候補(サジェスト)を網羅するだけ、といったいわゆる「こたつ記事」は、本当に効果が出なくなりました。実際にクライアント様のサイトを分析しても、そうした記事からの流入がほとんどないケースが大半です。サイト全体の評価を高める効果も、限定的だと感じます。 多くのクライアント様も「月々10万円、20万円を払ってコンテンツを作り続けても、意味があるのだろうか」と気づき始めており、コンテンツ制作の単価は下落傾向にあります。高い価格では売れなくなってきているのです。 SEO会社がシフトする新たな収益の柱 では、SEO会社はどこに収益の軸足を移しているのでしょうか。現場で感じる大きな流れは、主に以下の3つです。 1.ローカルSEOとAI対応という新たな潮流 一つは、ローカル領域へのシフトです。MEO(Map Engine Optimization)やローカルSEOと呼ばれる分野で、実店舗を持つビジネスにとって重要なGoogleマップでの表示を最適化する施策です。この分野は、残念ながら悪質な業者も多いのが現状ですが、Webサイト本体のSEOだけではカバーしきれないニーズに応える形で、提案を行う会社が増えている印象です。 もう一つは「AI対応」です。まだ日本には本格導入されていませんが、Googleが海外で進めている検索結果へのAI導入を見据え、「AIに最適化されたコンテンツ作り」や「既存サイトの改修」を提案するケースが増えています。将来への投資として、これに応じる企業も多いようです。 2.人材マッチング・派遣という選択肢 次に、人材関連のビジネスです。企業のWeb担当者として専門人材を送り込んだり、フリーランスと企業をマッチングさせたりして、仲介手数料を得るモデルです。これはウェブマーケティング業界全体で数年前から見られる動きですが、SEO会社がこれまで培ってきたブランド力を活かして、この事業を収益の柱に加えるケースが増えています。 うまく軌道に乗れば大きな収益が見込めるため、多くの会社が参入しています。ただし、提供される人材の質は担当者やサービスによって大きく異なるため、注意が必要です。 3.「教える側」に回るエデュケーション事業 もう一つの大きな柱が、エデュケーション(教育)関連事業です。これは、同業者である制作会社や広告代理店、あるいは地域の企業を取りまとめる組織などに対して、SEOやコンテンツ制作のツール、あるいはノウハウそのものを販売する、いわば「ツルハシを売る」ビジネスです。 特に海外のツール提供企業は、ツールの使い方だけでなく、そのツールを使いこなすための前提となる考え方や学習コンテンツの提供に非常に力を入れています。対面での個別サポートが苦手な会社でも、ツールや仕組みの販売は比較的行いやすいため、今後AIと絡めてこの分野に注力する会社はさらに増えていくでしょう。 SEO会社へ依頼する際に気をつけるべきこと こうした業界の変化を踏まえ、外部のパートナーに依頼する際には、いくつか知っておいていただきたいことがあります。 依頼したい分野の専門性を確認する まず、SEO会社の収益構造がこのように多角化しているという事実を知っておくことが重要です。その上で、自社が本当に依頼したい分野において、その会社がどれほどの専門性や実績を持っているのかを必ず確認しましょう。 例えば、人材紹介を大きな収益源としている会社であれば、テクニカルなSEO施策に関するスキルを持ったスタッフが少ない可能性も考えられます。それは良い悪いではなく、会社としての成り立ちの問題です。自社のニーズと、相手の強みが合致しているかを見極めることが大切です。 付記:私たちは「SEO専門会社」ではありません ちなみに、私はしばしばSEOの専門会社と見られがちですが、そうではありません。私は、Webの活用に悩む中小企業や小規模事業者の「右腕」となり、戦略立案から実行までを伴走支援することです。 Webサイトをどう改善すればよいか分からない、一度失敗してしまったが次は成功させたい、そういった企業様に寄り添い、社内にノウハウを蓄積しながら、どうしても手が回らない部分の作業を代行しています。その過程で、まずは検索エンジンからのアクセスを確保することが多いため、結果的にSEOに関するお話が多くなる、というのが実情です。 顧客と業界の変化、そしてこれからのSEO 顧客の関心は「順位」から「成果」へ クライアント様側の変化も感じています。「どうすれば順位が上がりますか?」という質問よりも、「どうすればもっと問い合わせが増えますか?」「どうすれば売上が上がりますか?」といった、事業の成果に直結する問いが増えてきました。これは、多くの企業が事業目線でWeb活用を捉えられるようになってきた、非常に良い傾向だと感じています。 【余談】AI Overview(旧AIモード)に揺れる業界 一方で、業界全体がGoogleのAI導入(AI Overview)に大きく揺れています。海外ではすでに導入が始まっており、Webサイト運営者やSEO関係者の間では、その影響を巡って賛否両論、まさに議論が絶えない状況です。これが当たり前の未来だと受け入れる人々と、これまでのやり方が通用しなくなることに反発する人々との間で、意見がぶつかり合っています。 本来であれば、メディアが中立的な立場で情報を整理すべきですが、残念ながら現状は、PV(ページビュー)を稼ぎやすい、対立を煽るような話題に偏りがちです。これは、ある意味でコンテンツマーケティングの行き詰まりを示しているのかもしれません。 SEOは目的ではなく、ブランド構築の一手段 これからの時代、SEOを単体で考えてはいけません。SEOはあくまで、自社のターゲット顧客に存在を知ってもらうための一つの「手段」でしかありません。 本当に取り組むべきは、自社が何者で、どのような価値を提供できるのかを伝え、顧客との信頼関係を築いていく「ブランド構築」です。それはWebサイトの中だけで完結するものではなく、オフラインの活動も含めた会社全体の取り組みです。その上で、Webという領域でブランド構築を加速させるための一つのパーツとして、SEOが存在します。この主従関係を見誤ると、大きな失敗につながる可能性がありますので、ぜひ気をつけていただきたいです。 関連情報 Google 検索の基本事項 | Google Search Central Googleが公式に公開している、検索エンジンにコンテンツを掲載するための最も重要な要素をまとめたガイドライン Overview of AI Overviews and how they work (The Keyword – Google) 本文中でも触れられている「AI Overview」についてのGoogle公式ブログ記事です(英語)。仕組みや考え方について解説 Google でローカル ビジネスのランキングを改善する方法 – Google ビジネス プロフィール ヘルプ ローカルSEO(MEO)の核となる、Googleビジネスプロフィールのランキング要因について解説した公式ヘルプページ AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス | Google Search Central AIを利用してコンテンツを作成する際の、Googleの公式な見解とガイダンス Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Q1. 最近のSEO会社は、主に何で収益を上げているのでしょうか? 従来のテクニカルSEOやコンテンツ作成だけでなく、ローカルSEO(MEO)、AI関連施策の提案、Web担当者の人材マッチングや派遣、そして分析ツールや教育プログラムの販売などに収益の軸をシフトさせている会社が増えています。 Q2. 昔ながらのコンテンツ作成を依頼しても、効果が出にくくなったのはなぜですか? 検索エンジンの進化により、単にキーワードを網羅しただけでは評価されにくくなったためです。また、多くの企業が気づき始めたことで価格競争が起き、質の低いコンテンツが作られるケースも増え、結果としてサイト全体の評価向上に繋がらないことが多くなっています。 Q3. SEO会社に施策を依頼する際、何を注意すれば良いですか? その会社が「自社が依頼したい分野」にどれだけ精通しているかを確認することが重要です。人材紹介やツール販売が主な収益源になっている場合もあるため、依頼する施策の実績や社内体制を具体的に確認することをおすすめします。 Q4. ローカルSEO(MEO)単体での施策は効果がありますか? ローカルSEOは、最終的にWebサイトの内容や、提供するサービス・商品の質を改善することに行き着きます。情報登録を100%にしたり、口コミを増やすテクニックだけを追い求めても本質的な解決にはならず、効果は限定的です。 Q5. これからのWebサイト活用で、SEOをどう考えれば良いですか? SEOを目的と捉えるのではなく、自社の存在をターゲットに知ってもらい、ブランドを構築していくための「手段の一つ」と考えることが大切です。会社全体での取り組みを、Webという分野でどう表現し、伝えていくかという視点を持つことが重要になります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第564回:SEO業界の「提供価値」と「収益の柱」はどんどん変わっている…? は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
SEOの最新情報、本当に毎日追う必要はある? 今回のテーマは、多くのお客様からご質問をいただく「SEOの最新情報のチェック頻度」についてです。特に検索エンジン周りの情報は流れが速く、「常に最新情報を押さえないと乗り遅れてしまうのではないか」という危機感をお持ちの方も少なくないでしょう。 かつては、デジタルマーケティングの中でもSEOは特に情報のスピードが速いという風潮がありました。しかし、その状況は大きく変化しています。今回は、現代のSEOにおいて最適な情報収集のペースと、その理由について詳しく解説していきます。 結論:SEO情報のチェックは「月2〜3回」で十分 結論から申し上げると、SEOの最新情報を追いかける頻度は、月に2〜3回程度で十分だと考えています。1週間に1回でも多いくらいかもしれません。私自身、企業のデジタル関連全般のコンサルティングを手がけており、SEO以外の情報収集も行っていますが、SEOに特化した情報をチェックする頻度はかなり減っています。それでも、業務への影響はほとんど感じていません。 最新情報を追いかけることに時間を費やしても、得られるものは以前に比べてかなり少なくなっているのが現状です。なぜ、そのように言えるのでしょうか。それには、過去と現在のSEO環境の大きな違いが関係しています。 なぜ頻繁な情報収集は不要になったのか? 1. Googleの進化と「考察の余地」の減少 今から10年、15年ほど前、ペンギンアップデートやパンダアップデートといった言葉が頻繁に聞かれた時代がありました。当時はGoogleのアルゴリズムがまだ未成熟で、Googleが発信する細かい情報や特許情報などから、多くの専門家が「次の一手」を考察していました。 私も2003年頃からWebマーケティングに関するブログを運営してきましたが、当時はそうした情報を追いかけることで、他社に先駆けて「SEOハック」的な裏技を見つけ、実践することが可能でした。また、ペナルティに繋がる行為をいち早く察知し、回避することも重要でした。 しかし、現在のGoogleは「品質の高いコンテンツを作り、オリジナルの内容を入れ、ユーザーのニーズに合ったものを信頼性を担保しながら作りましょう」という、非常に抽象度の高い方針を掲げるのみです。アルゴリズムがAI駆動になったことで、Googleの内部の人間でさえその全てを把握することは困難になっています。これにより、私たち外部の人間が細かいテクニックを考察する余地がほとんどなくなってしまったのです。 2. SEOメディアの「ワイドショー化」 考察できる情報が少なくなった結果、SEO関連のニュースを発信するメディアにも変化が見られます。トラフィックを集めるために、Google関係者の少しした発言を針小棒大に取り上げたり、本来であれば記事にするまでもない細かな事象をニュースにしたりする「ワイドショー化」の傾向が強まっています。 例えば、最近Googleの広報体制に変更があり、これまで情報発信を担ってきたダニー・サリバン氏の役割や、彼が使っていたX(旧Twitter)アカウントの運用方針が変わるという発表がありました。これに対して一部では、「Googleは対話を軽視している」といった過剰な反応が見られましたが、実態としては組織内の体制変更に過ぎません。 このように、些細な言動に憶測を交えて報じるニュースが増えており、その多くは知っていても知らなくても実務にはほとんど影響のない情報です。メディア側も、こうした細かいネタを拾わなければ、毎日の記事更新が難しいという事情があるのでしょう。 【具体例】海外有名メディアの月間レポートから見る「最新情報」の実態 ここで、海外の著名なSEO情報サイト「Search Engine Roundtable」が毎月公開しているレポートを例に見てみましょう。2025年7月のレポートで取り上げられているトピックは、以下のようなものがほとんどです。 2025年6月のコアアルゴリズムアップデートが開始・終了したという報告 アップデート終了後もランキングの変動(ボラティリティ)が続いているという内容 過去のヘルプフルコンテンツアップデート(HCU)で影響を受けたサイトの一部が回復したという話 Googleにインデックスされていないサイトは、サイト全体の信頼性が低いことを意味する「可能性がある」という考察 AI Overview(Google検索のAI機能)がインドやイギリスに拡大したというニュース これらの見出しを見て、あまり興味が湧かなかった方も多いのではないでしょうか。ほとんどが事後報告や、すぐには具体的な対策に結びつかない情報です。かつてはもっと読み応えのある考察記事がありましたが、今はこれくらいの粒度の情報がニュースの中心になっています。 今、本当に時間をかけるべきこと 最新情報を追いかける時間を減らし、代わりに以下のようなことに注力する方が、はるかにコストパフォーマンスが高いと言えます。 業務の効率化:AIなどの新しい技術を活用し、既存の業務をどう効率化・省力化できるか検討する。 本質的な価値の追求:自社の製品やサービスを磨き、顧客にとっての価値を高める。 顧客理解の深化:顧客が何を求めているのかを深く理解し、その情報をどう届けるかを考える。 コアアルゴリズムアップデートのような大きな動きを即座に検知できたとしても、すぐに行動できることは何もありません。分析に時間がかかり、対策が明らかになるまでには長いスパンが必要です。それならば、もっと本質的な部分に時間とリソースを割くべきです。3ヶ月に1回程度、信頼できるパートナーと大枠の方針を定め、月1回程度のペースで軌道修正していく。このくらいのサイクルが、現代のSEOには最も適しているでしょう。 SEOに裏技はもうありません。優れたサービスを育て、それをどうすればお客様に知ってもらえるか。この漠然とした問いに対して、地道な積み重ねを続けていくことこそが、成功への唯一の道筋です。 まとめ:情報過多の時代だからこそ、冷静な距離感を 「最新情報を知らないと損をするのではないか」と心配されている方は、どうぞ安心してください。SEOの最新情報を毎日追いかける必要は全くありません。月に数回、まとめサイトの見出しに目を通す程度で十分です。むしろ、情報に振り回されず、自社のビジネスと顧客に真摯に向き合うことの方が、はるかに重要です。 SEO業界も、AIの台頭によって大きなビジネスモデルの転換期を迎えています。そのあたりのお話は、また別の機会に詳しくお伝えできればと思います。 関連情報 Google Search Central Blog: GoogleのアルゴリズムアップデートやSEOに関する公式発表 AI Features and Your Website | Google Search Central: AI Overviewなどの生成AI機能とウェブサイトの関係について解説した公式ドキュメント Google Search ranking updates: Google検索のランキングアップデートに関する公式のリリース履歴 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Q1. SEOに関する最新情報は、どのくらいの頻度でチェックすれば良いのでしょうか。 A1. 結論から言うと、月に2、3回程度で十分です。毎日や毎週チェックしても、得られるものに対して時間的なコストパフォーマンスが合わない状況になっています。 Q2. なぜ最近のSEOニュースは、頻繁に追いかける価値が低くなったのですか。 A2. GoogleのアルゴリズムがAI駆動になり、人間が考察できる余地が少なくなったためです。結果として、メディアで報じられる情報も、本質的ではない些細な内容や、関係者の発言を切り取ったワイドショー的なものが増えています。 Q3. 最新情報を追わないと、何か大きなリスクや機会損失はありませんか。 A3. 10年ほど前はそうした側面もありましたが、今はほとんどありません。重要なアルゴリズムアップデートがあっても、すぐに有効な対策が打てるわけではないため、速報性を追うメリットは非常に少ないです。 Q4. では、情報収集の代わりに、何に時間を使うべきなのでしょうか。 A4. 自社の製品やサービスそのものを磨き、顧客にどうすれば届けられるかを考える時間に使うべきです。また、AIなどを活用して日々の業務をいかに効率化、省力化できるかを考え、実践することも重要です。 Q5. Googleのコアアルゴリズムアップデートの情報は、どのように扱えば良いですか。 A5. 「いつ始まり、いつ終わったのか」そして「全体的にどのような傾向があったのか」という概要を、後からまとめて把握する程度で問題ありません。速報を知っても具体的なアクションは取れないため、一喜一憂せず、冷静に状況を見ることが大切です。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
なぜ、新しい取り組みは進まないのか? https://media.blubrry.com/web_marketing_jp/content.blubrry.com/web_marketing_jp/_562-2025_07_31_19_11.mp3 新しいプロジェクトを始めようとしても、なかなか周囲を巻き込めなかったり、自分が良いと思っても他の人が動いてくれなかったり。多くの人が、そうしたストレスやモチベーションの維持に悩んだ経験があるのではないでしょうか。変化の激しい現代において、組織としてスムーズに物事を進める力は、企業の競争力の根源とも言えます。今回は、自分自身、そして周囲の人たちと共に、円滑に新しい一歩を踏み出すための考え方についてお話しします。 社内の人を「お客様」として捉え直す まず押さえておきたいのは、「周囲の人は、自分の思った通りに動いてくれるものだ」という前提を持たないことです。この前提に立つと、現実とのギャップに苦しんでしまいます。 私がこうしたご相談、特に「社風やリソース不足で、周りが動いてくれない」と悩む担当者の方にお伝えしている視点があります。それは、「自社の人たちを、マーケティングやセールスにおける『お客様』として考えてみてはどうでしょうか」ということです。 この視点を持つだけで、物事の見え方は大きく変わります。例えば、見込み客に商品を購入してもらうまでには、相手の目線に立ち、「何が不安なのか」「なぜ次のステップに進めないのか」を考えますよね。それと全く同じことを、ぜひ社内の人たちにも向けてみてください。行動を変えてもらう、という点では、商品を売ることも、社内で協力してもらうことも、本質は同じです。相手の立場を理解し、「どうすれば気持ちよく動いてもらえるか」を考えることが、すべての出発点になります。 小さなきっかけで行動を促す「ナッジ理論」 具体的な方法論として、まず知っておくと便利なのが「ナッジ(Nudge)理論」です。これは行動経済学の考え方で、「(肘で)そっと後押しする」という意味の通り、何かを禁止したり、報酬で釣ったりするのではなく、小さなきっかけを与えることで、人の行動を良い方向に変えていこうとするアプローチです。 例えば、こんな話を聞いたことはないでしょうか。 経費削減のために「紙を節約しろ」「無駄な印刷はするな」と言うのではなく、プリンターの初期設定を「両面印刷」にするだけで、紙の使用量が減った。 「エレベーターではなく階段を使え」と呼びかけるより、階段に「この段数で〇〇カロリー消費」と表示する方が、利用者が増えた。 アイデア共有会のような重い場を設けるのではなく、休憩室にホワイトボードを設置し、誰でも気軽に書き込めるようにしたことで、意見交換が活発になった。 強制するのではなく、「ちょっとやってみようかな」と思えるきっかけを作ることがポイントです。以前のポッドキャストでお話しした「毎日30秒のウェブサイト振り返り」も、このナッジ理論に近い考え方に基づいています。 行動変容の5ステップ「ADKARモデル」 もう一つ、人の行動変容を体系的に理解するためのフレームワークとして「ADKAR(アドカー)モデル」があります。これは、人が変化を受け入れ、行動を起こすまでのプロセスを5つのステップに分けたものです。 A: Awareness(認識) 変化の必要性を認識しているか。 D: Desire(欲求) 変化に参加したい、それを支持したいと思っているか。 K: Knowledge(知識) どうやって変化すればよいか、やり方を知っているか。 A: Ability(能力) 実際に変化を実行する能力や環境があるか。 R: Reinforcement(定着) 変化を継続させ、定着させる仕組みがあるか。 人が動いてくれない時、この5つのステップのどこでつまずいているのかを分析することで、原因が見えてきます。 見落とされがちな「知識」と「能力」の壁 特に私が現場で見ていて忘れられがちだと感じるのが、3番目の「知識(Knowledge)」と4番目の「能力(Ability)」のステップです。 例えば、最近よくある生成AIの話。「ChatGPTはこんなに便利で、時短もできる」という情報を知っていて(認識)、自分も楽になるなら「やりたい」と思っている(欲求)。ここまではスムーズです。しかし、「じゃあ、なぜ使っていないの?」と聞くと、手が止まってしまう人が少なくありません。 この「やりたいのに、やっていない」というギャップの背景には、知識と能力の壁が隠れています。 知識の壁:「アカウント作成は?」「個人情報はどこまで入力していいの?」「書き込んだ内容は誰かに見られる?」といった具体的な使い方への不安や疑問。 能力の壁:「新しいことを覚える時間的・精神的な余裕がない」「会社の上の人がAIに否定的で、使っているところを見せたくない」といった、スキル以外の環境的な制約。 こうした状況を理解せずに「やる気がない」と結論づけてしまうと、話は進みません。「何が不安なのか」「何が妨げになっているのか」を丁寧にヒアリングし、ペアで作業する時間を作ったり、業務の一部を一時的に引き受けたりと、具体的な障壁を取り除いてあげることが、行動を後押しする鍵となります。 【余談】生成AI活用のヒント:完璧な答えを求めない使い方 少し話が逸れますが、生成AIの活用について面白い事例がありました。「日経トップリーダー」2025年8月号に掲載されていた中小企業の特集です。ある企業が、自社で商品パッケージを作る際に生成AIを活用したのですが、その使い方が非常に示唆に富んでいました。 多くの場合、私たちは生成AIに「一発で正解のデザイン」を求めてしまいがちです。そして、うまくいかないと「これは使えない」と諦めてしまいます。しかし、その企業は違いました。彼らはAIを、「自分たちのイマジネーションを刺激し、気づきを得るためのツール」と位置づけたのです。 100個の失敗作から1つでもヒントが得られれば良い。自分たちが何を求めているかを知るきっかけになれば良い。そのくらいの「外れてOK」というスタンスでAIと対話した結果、最終的に素晴らしいパッケージデザインのたたき台が生まれ、細かい部分をデザイナーに依頼することで、見事にプロジェクトを成功させたのです。 生成AIは、常に完璧な答えを返す魔法の箱ではありません。もっとゆるく、自分たちの思考を助けるパートナーとして付き合っていく。この距離感が、中小企業における活用のヒントになるのではないでしょうか。 まとめ:変化に強い、しなやかな組織を目指して 社内の人を動かすことは、一朝一夕に実現するものではありません。ナッジ理論のように小さく始めたり、ADKARモデルで相手の状況を分析したりしながら、ボトルネックを一つひとつ解消していく地道な作業が必要です。 私たちコンサルティング会社としては、お客様と長く契約を結ばせていただくことが売上には繋がります。しかし、私たちが本当に目指しているのは、お客様の会社の中に変化に対応できる文化や仕組みが根付き、最終的には私たちがいなくても自走できる状態になって「笑顔で卒業」していただくことです。 AIの台頭により、既存の資産の価値が変化する中で、状況に応じて皆で動ける「足回りの良さ」こそが、これからの企業の競争力になります。今回の内容が、そのための第一歩となれば幸いです。 おすすめ資料 雑誌『日経トップリーダー 2025年8月号』AI活用特集 書籍『ナッジ 行動経済学による意思決定の科学』 関連エピソード 第561回「他社のマネは無駄ではない – 30秒振り返りで始めるウェブ活用」 第560回「新しいことに取り組むときのポイント」 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 ナッジ理論とは何ですか? 小さな後押しで行動を変える行動経済学の考え方です。強制や報酬ではなく「やってもいいかも」と感じる仕組みを設計します。 ADKARモデルの5要素は何ですか? 認識( Awareness )、欲求( Desire )、知識( Knowledge )、能力( Ability )、定着( Reinforcement )の5段階で行動変容を整理するフレームです。 社内を「お客さま視点」で見るメリットは? 動いてくれない理由をニーズや不安として捉え直し、解決策をマーケティング発想で設計できるため、抵抗が減ります。 生成AIは最初に何から始めるべき? まずはスマホアプリで日常的な簡単質問を試し、正解よりも「気づき」を得る使い方から始めると定着しやすくなります。 スモールスタートが重要な理由は? 大きな施策は失敗コストが高くモチベーション維持も難しいためです。小さな成功を積み重ねる方が長期的に成果を生みます。 詳細はPodcastをお聞き下さい。 https://media.blubrry.com/web_marketing_jp/content.blubrry.com/web_marketing_jp/_562-2025_07_31_19_11.mp3 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第562回:ADKARモデルでスモールスタートを成功させる、中小企業のウェブ活用 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Web活用の「最初の一歩」が踏み出せない…その悩み、解決できます 「Web活用を始めなければいけないとは分かっているけれど、何から手をつければいいのか分からない」。多くの中小企業の経営者やWeb担当者の方が、そうした悩みを抱えています。新しい施策を始めたいと思っても、様々な理由で自分や組織を動かせずにいる、というご相談は後を絶ちません。 もしかしたら、あなたも「Web活用」という大きなテーマの前で、足がすくんでしまっているのではないでしょうか。今回は、なぜその「第一歩」がこれほどまでに重く感じられるのか、その背景にある勘違いを解き明かし、明日から、いえ、今日から実践できる具体的なスモールステップをご紹介します。 なぜ動けない?Web活用の第一歩を阻む3つの「勘違い」 Web活用がうまくいっている企業と、なかなか一歩を踏み出せない企業。その違いは、特別なツールや莫大な予算ではありません。多くの場合、考え方の違いにあります。動けないケースでよく見られるのは、主に次の3つのような考え方です。 勘違い1:自社に合った「魔法の手法」さえ見つかれば、すぐに動けるはずだ。 勘違い2:他社がやっていることを今さら真似しても、追いつけないし意味がない。 勘違い3:最初から最も効率の良いやり方をしないと、かけたコストが無駄になってしまう。 特に、「他社の真似は無意味だ」という思い込みと、「自分たちに最適な手法を探し続ける」という姿勢が、行動を妨げる大きな要因になっている、と現場のコンサルティングを通じて感じています。 他社の真似は「無駄」ではなく「価値ある一歩」 「うまくいっている会社は、何か特別なことや、たくさんのお金をかけないと分からないような専門的な手法を駆使しているに違いない」。そう思っていないでしょうか。しかし、実際に多くの企業の現場に入ってみると、行われていることは決して特別なことではありません。 成功している企業の多くに共通しているのは、「もっと良いものはないか」と探し続ける時間があるなら、たとえ他社の真似であっても、まずは手を動かして何かを変えていこうという文化があることです。本当に地道に、マイナスにならないであろう施策をコツコツと積み上げ、その中で得られた知見をもとに改善を繰り返していく。その結果として、大きな成果が生まれているのです。 他社がやり続けている施策というのは、それ自体に一定の価値があり、投資に見合う効果を生み出せているからこそ継続できているわけです。そうした「先人の知恵」は、むしろ積極的に真似をしていく価値があります。 武道や芸事の世界には「守破離(しゅはり)」という言葉があります。まずは師の教えや型を「守り」、次にそれを自分なりに応用して「破り」、最終的に自分独自の新しいものを生み出す「離」に至る、という成長の段階を示したものです。Web活用もこれと同じで、最初は他社の成功事例を真似る「守」から始めることで、得られるものは非常に多いのです。 「このコンテンツを作りたいけれど、他社も同じような記事を書いているから意味がないのでは…」そう思って止まってしまうのは、非常にもったいないことです。たとえ同じテーマでも、自社の言葉で語り、実践を通じて得た知見は、必ず独自の価値を持つ財産になります。 あなただけの「魔法の手法」は、待っていても現れない もう一つの大きな勘違いは、「自社に完璧にフィットする魔法のようなやり方」を探し続けてしまうことです。しかし、そうした情報が自然と手元に舞い込んでくることは、まずありません。 Web活用の手法というのは、基本的にはやるべきことの組み合わせです。それをどれだけ精度高く、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを速く回せるかという、ある意味で地道な努力の連続なのです。手法そのものよりも、「自社の製品やサービスは、なぜお客様に喜ばれているのか」という商売の根幹をどれだけ深く理解しているかが重要になります。 この解像度が低いままだと、「最新のすごい手段がありますよ」といった営業トークに乗りやすくなってしまいます。しかし、インスタントに成果が出るような魔法は、今の時代には存在しません。 競争社会において、何もしないでいる時間は「ゼロ」ではなく「マイナス」です。行動している会社は、一日一日と経験値を積み上げています。効率が悪くてもいい、他社の真似でもいい。まずは何かを始めることで、そのプロセスからしか得られない、次につながる貴重な視座が手に入ります。 今日から始める!毎日30秒のWeb活用スモールステップ では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。Webマーケティングのボトルネックになりがちなのは、集客(SEOや広告、SNS)の「受け皿」となる自社のWebサイトです。ここが整っていなければ、どんなにアクセスを集めても、まるでザルで水をすくうように無駄になってしまいます。 そこで、最初の一歩として誰でも簡単に始められるアクションをお勧めします。 ステップ1:毎朝30秒、自社のWebサイトを見てみる まずは、自分たちの会社のホームページを毎日見ていますか、という問いから始めましょう。顧客がPCで見ているか、スマートフォンで見ているかを意識しながら、毎朝30秒でいいので自社サイトを眺めてみてください。そして、「自分がお客さんだったら、ここがこうだったらもっと良いのに」という点を1日1個見つけることを日課にするのです。 オフラインの店舗で、自社の接客がどうなっているか、何時から何時まで開いているかを知らない、ということはあり得ません。オンラインでもそれは同じです。この小さな習慣が、Webサイトへの関心を高め、改善への大きな一歩となります。 ステップ2:月に1〜2回、気づきを共有する場を設ける 毎日見つけた改善点を、個人の中だけで留めておくのはもったいないです。月に1〜2回、1時間程度で構わないので、チームで「他の人はどう見ているのか」を突き合わせるブレスト会議を開いてみましょう。 ここでの目的は、責任を追及することではありません。「自分が思っていたことは、見る人によってはデメリットにもなり得るんだな」というように、多角的な視点を得ることです。他者の意見を知るだけで、物事の見え方は大きく変わります。 ステップ3:改善点や課題を「言語化」して蓄積する 日々の気づきや会議での意見は、必ず文字に起こしてチェックリストのように蓄積していきましょう。もやもやとした感覚が言語化されることで、課題が明確になります。また、記録として残しておくことで、後からコンサルタントのような外部の専門家が入った際に、それ自体が非常に価値のある情報資産となります。 この3つのステップを繰り返すことで、Web活用は「やらなければいけない重いタスク」から、「自分ごととして改善していくプロジェクト」へと変わっていくはずです。 まとめ:特別なことでなく、できることから始めよう Web活用を始めるにあたり、特別なやり方を探したり、他社の真似を躊躇したりする必要は全くありません。むしろ、何もしないことで、日々前進している他社との差は開いていく一方です。最初からコストパフォーマンスや時間対効果を求めすぎると、何も始められなくなってしまいます。 まずは、今回ご紹介した「毎日30秒のサイトレビュー」から始めてみてください。行動することでしか見えてこない世界があり、そのプロセス自体が会社の大きな力になります。 私たちラウンドナップ・Webコンサルティングは、これまで600社以上のコンサルティング経験を通じて、特にリソースが限られる中小企業の皆様が、無理なく着実にWeb活用を進めていくためのお手伝いをしています。 もし、この記事を読んで「少し話を聞いてみたい」「自社の場合はどうすれば?」と思われた方は、お気軽に無料相談をご利用ください。 特に、決済権を持つ経営者や上司の皆様へ。Web活用は担当者に丸投げするのではなく、ぜひトップの方から関心を持ち、負担の少ない形で会社全体をサポートしながら進めていただきたいと思います。組織一丸となって取り組むことが、成功への一番の近道です。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Q. Web活用を始めたいのですが、何から手をつければ良いか分かりません。 A. まずは自社のウェブサイト(ホームページ)の改善から始めるのがおすすめです。集客施策の受け皿となるサイトが整っていないと、他の施策が無駄になってしまう可能性があるためです。 Q. 他社と同じようなWeb施策を今からやっても、効果はあるのでしょうか。 A. 効果は十分に期待できます。他社が継続している施策は、一定の価値がある証拠です。まずは真似をすることから始め、自社の知見を蓄積していくことが重要になります。 Q. Webマーケティングで最も効率の良い方法を見つけてから始めたいです。 A. 最も効率の良い方法を最初から見つけるのは困難です。何も始めないことは機会損失に繋がります。まずは効率が悪くても行動を起こし、検証を重ねて改善していくプロセスが大切です。 Q. Webサイトを改善するための、今日からできる具体的なアクションはありますか。 A. 毎日30秒で良いので自社のウェブサイトを見てください。顧客目線で改善点を見つけ、記録していくことから始めましょう。それをチームで共有する時間を設けることも有効です。 Q. Web施策を進める上で、担当者任せにしないためにはどうすれば良いですか。 A. 経営者や上長が率先して関心を持つことが重要です。例えば、毎日サイトを見る習慣を上司から始めるなど、負担にならない範囲で共に取り組み、会社全体でサポートする姿勢が求められます。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第561回:他社の真似は無駄ではない&毎日30秒のWeb活用スモールステップ は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Web専門家との向き合い方、あなたのスタンスは? Webサイト制作会社や広告代理店、ITコンサルタントといった専門家と仕事をするとき、皆さんはどのような態度で接しているでしょうか。あるいは、どのような接し方をしがちでしょうか。 専門家との関わり方は、大きく二つの方向に分かれるように思います。一つは、「相手は専門家で、自分の知らないことをたくさん知っているのだから、基本的には言われたことを受け入れ、それをどう消化するかを考えよう」という受容的な姿勢です。もう一つは、自分たちの領域に踏み込まれるような感覚から壁を作ってしまい、互いに理解し合うよりも、どこかぶつかり合ってしまうような姿勢です。 どちらの姿勢が良いのでしょうか。私がこれまでの経験から強くおすすめし、そして実際に成果が出やすいと確信しているのは、これからお話しするアプローチです。 成果を生む専門家との付き合い方:「ビジネスのプロ」として対等な対話を まず大前提として、お互いを尊重し合える関係性が不可欠です。そもそも、信頼して様々なことを話せる相手、会社、担当者を選ぶ必要があります。その上で最も重要なのは、皆さんが「自分たちは自分たちのビジネスの専門家である」という自覚を持つことです。 Webやデジタルの領域は専門性が高く、知らないことが多いからといって気後れする必要は全くありません。むしろ、プロとして納得がいくまで質問を重ね、「自分はこう思うが、どうだろうか」と意見をぶつけ、すり合わせを行っていく姿勢をおすすめします。これは喧嘩を推奨しているわけではなく、あくまで相互尊重の精神に基づき、納得できる着地点を見つけるためのプロセスです。 なぜ「プロセス」が重要なのか? Webサイト制作やコンサルティングといったプロジェクトには、最終的な成果物が設定されています。Webサイトなら新しいホームページの公開、コンテンツ制作なら記事そのもの、コンサルティングなら戦略の立案と実行がそれにあたります。 しかし、本当に会社の血肉となり、ノウハウとして蓄積される価値はどこにあるのでしょうか。それは、成果物に至るまでの「プロセス」の中にこそ数多く存在します。 ビジネスである以上、最終的な成果が求められるのは当然です。しかし、どんな仕事でも、そこに至るまでのプロセスがどれだけ豊かであったか、つまり、試行錯誤やテスト、他者との対話や議論といった経験が、個人の成長や会社のノウハウ蓄積、人材育成に大きく影響します。知らないことがある者同士がぶつかり合い、納得いくまで議論を尽くす。このプロセス自体に、非常に大きな価値があるのです。 特に、Webやデジタルの分野では「やったことがない」「周りより遅れている」といった気持ちから、どうしても受け身になりがちです。しかし、そうした感情は一旦脇に置いて、納得するまで議論を尽くしてください。そのために多少スケジュールが遅れたとしても、中途半端なまま進んでしまうより、最終的な関係性や成果の質は格段に高まります。 Webサイト制作は自社を見つめ直す絶好の機会 Webサイトの制作や、そのための戦略立案は、自分たちの事業を棚卸しする絶好の機会です。戦略を考える際には、3C分析や4P(Product, Price, Place, Promotion)分析といったフレームワークを用いることがありますが、その過程で以下のような問いと向き合うことになります。 なぜ、お客様は私たちを選んでくれるのだろうか? なぜ、私たちはこの品質を高く維持できているのだろうか? なぜ、競合は私たちのこの部分を真似できないのだろうか? 普段の業務では、こうした本質的な問いを考える機会はなかなかありません。Webサイトという自社の「写し鏡」のようなものを作っていく過程は、自分たちの強みや価値を再発見する、非常に面白いプロセスなのです。実際に、コンサルティングの一環でWebサイト制作を支援すると、お客様から「自分たちがこういう会社だったと改めて気づいた」という声を数多くいただきます。 私たち専門家も、業界の勉強はしていきますが、現場にしかない知識や、会社ごとの文化や事情までは分かりません。だからこそ、「現場ではこう言われている」「お客様はこう言っているが、どう思うか」といった生の情報をぶつけてもらえると、得られる情報や最終的なアウトプットの質が何倍にも向上するのです。 成功の鍵を握るパートナー選びのポイント では、どうすればこうした有意義なプロセスを共に歩めるパートナーを見つけられるのでしょうか。 無料相談で「力量」を見極める パートナー選びの段階で、相手が「共にプロセスを創っていける相手か」を見極めることが重要です。無料相談などの機会は、相手の力量を測る絶好のタイミングです。 その場で的確な答えが返ってくるか、毎回「持ち帰り検討します」とならないか、そして何より、適切な質問によって自分たちから情報を引き出してくれるか。そうした観点で、問い合わせのメールや電話、実際の面談に臨んでみてください。このような対話ができるパートナーと仕事ができれば、Webの領域を超えて、自社の考え方の癖や見逃しがちなポイントに気づくきっかけにもなり、個人としても会社としても素晴らしい資産になるはずです。社内の人間関係では、率直な意見交換が部署間の対立や、いわゆる「サイロ化」(組織が孤立し連携が取れなくなる状態)につながることもありますが、利害関係の少ない外部パートナーとならば、より建設的な議論ができるという側面もあります。 「実際の担当者」と話すことの重要性 問い合わせや初回の相談の際には、一つ重要なリクエストをすることをおすすめします。それは、「もし契約した場合、実際にプロジェクトを進める担当者と話をしたい」と伝えることです。 残念ながら、最初の相談には社内で最も能力の高い人や営業に長けた人が出てきて、実際のプロジェクトは別の担当者が進める、というケースは少なくありません。それでは、相談時に納得できても、プロジェクトが始まってから「話が違う」と感じてしまう可能性があります。最初の段階で、実際に伴走してくれる人との相性を確かめることが、プロジェクト成功の確率を大きく高めます。 (余談)リモートワークの課題と未来への期待 ビデオ会議が普及したことで、遠方のお客様とも仕事ができるようになり、本当に嬉しく思っています。しかし、ビデオ会議では画面から得られる情報に限界があるのも事実です。本当は、お客様の会社に直接伺い、現場の雰囲気や社員同士のやり取りを肌で感じたい、と思うことが多々あります。 もし、VR(仮想現実)技術などを使って、お客様の視点で会社の中を歩き回り、現場の様子を観察できるようになったら、もっと解像度の高いアウトプットができるのに、と日々考えています。ファミリーレストランにあるような配膳ロボットにセンサーを付けて、遠隔で社内を移動しながら皆さんと話せるようになれば、移動時間というコストを価格に転嫁することなく、より深いコンサルティングが提供できるかもしれません。そんな技術の発展を心待ちにしています。 Web担当者が新任の場合、どうすれば良いか? この話をすると、「自分は最近Web担当になったばかりで、自社のこともまだよく分かっていない」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。その場合の考え方は二つあります。 チームでサポートする体制を築く 一つ目は、必ず会社のことをよく理解している上司や先輩に同席してもらうことです。新任の担当者一人にプロジェクトを任せても、正直なところ、うまくいくケースは稀です。それは能力の問題ではなく、周りを動かし、巻き込んでいく権限や影響力が不足していることが大きな原因です。プロジェクトを円滑に進めるためにも、チームで臨む体制を作ってください。 もう一つは、担当者は一人でも、周りがその担当者を支える雰囲気を作ることです。「会社の代表として、彼(彼女)が専門家としっかり話せるように、みんなで情報を集め、サポートしよう」という体制です。そうした状況を私たち専門家も理解できれば、「この点については、〇〇部のAさんにヒアリングしてきてもらえませんか?」といった、具体的な協力体制を前提とした提案が可能になります。 中小企業の経営者は必ずしも前面に出る必要はない 中小企業においては、「経営者がすべてやるべきだ」という意見もありますが、私は現場感から言うと、必ずしもそうは思いません。経営者には経営という最も重要な仕事があります。もちろん、創業直後などのフェーズであれば別ですが、事業が軌道に乗っているのであれば、現場のことは信頼できる担当者に任せ、経営者は本来の仕事に集中するべきです。そのための体制づくりこそが重要だと考えています。 まとめ:プロセスを重視し、事業のプロとして専門家と向き合おう 今回の話をまとめます。Webやデジタルといった専門領域のプロと向き合う際には、決して気後れすることなく、「自分たちは自分たちの事業のプロである」という意識を持ってください。そして、お互いを尊重しながら、納得できるまで対話を尽くす。良いパートナーであれば、その姿勢を歓迎してくれるはずです。 この記事でお伝えした考え方は、私の20年以上にわたるコンサルティング経験、特にエドガー・シャインが提唱したプロセス・コンサルテーションというアプローチを重視してきた背景に基づいています。もちろん、これが唯一の正解だとは思いません。しかし、「確かにそうだな」と感じていただけたのであれば、ぜひその考え方に自信を持って、今後のプロジェクトに取り組んでみてください。 よく頂くご質問 Q1. Webコンサルタントなどの専門家と話すとき、どのような態度で臨めば良いですか。 相手を尊重しつつも、ご自身は「自社のビジネスのプロ」であるという自覚を持ち、納得できるまで質問や議論を尽くす姿勢が重要です。その対話のプロセス自体が、自社のノウハウという貴重な資産になります。 Q2. 信頼できるWebコンサルタントは、どうやって見つければ良いですか。 無料相談などを活用し、相手がその場で的確な回答を返せるか、また自社の課題を引き出すような深い質問ができるかを見極めましょう。可能であれば、契約前に実際のプロジェクト担当者と話す機会を持つことをお勧めします。 Q3. Webサイト制作を依頼する価値は、サイトが完成することだけですか。 いいえ。サイト制作の過程で、専門家との対話を通じて自社の事業や強みを客観的に棚卸しすることに大きな価値があります。そのプロセスで得られる気づきは、サイトだけでなく今後の事業活動全体の資産となります。 Q4. Web担当になったばかりで自社のことも詳しくないのですが、専門家と対等に話せるか不安です。 ご心配ありません。まずは事業をよく知る上長などを交えて対話を進めたり、周りがあなたをサポートする体制を整えたりすることが大切です。そうした状況を正直に伝えることで、専門家側も適切な協力体制を考えやすくなります。 Q5. 専門家から提案されたことは、すべて受け入れなければならないのでしょうか。 いいえ、その必要はありません。自社の現場感覚や顧客の声を元に「私はこう思うが、どうだろうか」と意見をぶつけ、議論を深めることが、より良い成果につながります。お互いの知見を掛け合わせることで、最良の答えが生まれます。 https://media.blubrry.com/web_marketing_jp/content.blubrry.com/web_marketing_jp/_560-2025_07_19_1_15.mp3 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第560回:Webコンサルティングの価値は結果以上に”プロセス”にある。専門家との付き合い方とは は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
loading
Comments 
loading