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Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」
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この記事で得られること(要点)
次の3点です。いずれも「何を書くか」ではなく、「どの順番で伝えるか」を見直すための視点です。
今の消費者が、商品・サービス選びの初期段階で何を確認しているのか(足切り条件)が分かる
メリットを先に並べるだけでは生まれやすい違和感と、その回避方法が分かる
販売ページや営業トーク(トークスクリプト)に、どう落とし込めばいいかの考え方が分かる
今回のテーマ:比較検討情報は「何から」出すべきか
今回のテーマは、比較検討に必要な情報をどの順番で提示するかです。言い換えると、「まず魅力を伝えるのか」「先に不安や条件を整理するのか」という話になります。この順番を見直すだけで、反応が大きく変わるケースが増えています。
なぜ今、「売れづらい」と感じるのか
率直に言って、今は物が売れづらくなっていると感じる場面が多いのではないでしょうか。これはB2B(企業間取引)でもB2C(一般消費者向け)でも共通です。これまで効果があった施策が、ここ数年で効きづらくなっていると感じている方も少なくないはずです。
たとえば、同じチラシの打ち出しでも反応が鈍くなったり、Web上でも「今の訴求が本当に届いているのか分からない」と感じたりすることがないでしょうか?問い合わせの際に聞かれるポイントが変わってきた、という変化を感じているケースもあるでしょう。要因はさまざまですが、今回はその中でも「情報の出し順」に焦点を当てて考えていきます。
従来の定石は「メリットを積む→最後に条件」だった
これまで一般的だったのは、まず「魅力的な情報」をしっかり伝えて興味を高め、その後で価格や制約などに触れる流れ。広告用のLP(ランディングページ)は特に、この構造になりやすいですし、商品紹介ページでも似た形が多いと思います。
この考え方は、良い点を十分に伝えれば、多少のハードル(価格が高い、導入が大変など)があっても納得してもらえる、という前提に立っています。ただ、この順番自体が、今の消費者心理と少しずつズレてきていると感じています。その背景にあるのが、「できれば選びたくない」という感覚。
今の消費者は「できれば選びたくない」
今の消費者は、不安を強く感じやすい傾向があります。大きな成果を狙うよりも、「失敗しないこと」を優先したいという気持ちが前に出やすくなっています。無駄な時間を使いたくない、余計な思考や出費を増やしたくない、という感覚です。
この意識は、タイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)といった言葉にも表れています。突き詰めると、「ムダを避けたい」「判断にかかるコストを下げたい」という発想です。そのため、メリットを読む前に「自分の条件に合っているか」をまず確認しようとします。
「選ぶため」ではなく「検討対象から外すため」にまず比較検討する
商品やサービスを比較検討する際、お客さんは必ずしも上から順に丁寧に読んでいるわけではありません。まずは自分の中で譲れない条件を探し、検討対象から外すための判断をしています。その条件がクリアできて初めて、「検討する価値がある」と感じてもらえます。
たとえば、お客さんが早い段階で確認したい条件の例は、次のようなものでしょうか?まず確認しておきたいことと言う観点で。
金額はどれくらいか(この範囲に収めたい、という基準)
購入形態や縛りはどうか(サブスクは避けたい、契約期間の縛りがあるかなど)
導入後に必要な工数はどれくらいか(工数を割きたくない、考えることを増やしたくない)
社内外への説明コストはどうか(選んだ理由を細かく説明する必要があるか)
ページは上から順に読まれない:ザッピングの正体
ページを見るとき、多くの読者は全体をざっと確認します。一見するとざっと見ているだけで「ちゃんと読んでいない」ように見えます。ザッピングですね。しかし経験上、これは実際には必要な情報を探しているケース多いと思います。ページの中からまず確認しておきたい前提条件の部分を探しているわけです。
ヒートマップやマウストラッキングを見ると、勢いよく下までスクロールしている人がいます。流し見に見えても、本人は「譲れない条件」に関する情報を探しています。条件が分からない状態が続くと、不安になり、疑いながら読み進めてしまうのです。
後出しは「早く言ってくれよ」を生む
条件がページの後半にまとめて出てくる構造は、悪いユーザー体験になりやすいです。なぜなら、良い点を読んで期待が高まった後に、価格や制約、必要な工数が出てくると、「思っていたより高い」「そこまで手間がかかるのか」と感じがちだから。売り手に悪意がなくても、読み手はがっかりしてしまいます。
その結果、「それなら最初に教えてほしかった」と感じます。これがよくない。
このがっかりは、購入を見送るだけで終わりません。本来であれば他の人に紹介してくれる可能性があった商品やサービスでも、紹介されにくくなります。場合によっては、良くない印象だけが残ってしまうことも。
先に条件を見せると、読んでもらえる人が増える
なので今の時代はむしろ「足切りになりやすい条件を先に、自然な形で提示」しましょう。「価格はこのくらいです」「こういう条件があります」「こういう作業が必要になります」と事実を整理して伝えるだけで十分です。大切なのは、読者が探し回らなくても判断できる状態をつくることです。
また、条件が分かると、人は意外と落ち着いて検討できます。条件が完全に一致しなくても、「この条件なら一度読んでみよう」と、心を少し開いて読み進めてくれる事も多いです。その結果、一定の割合で「多少条件は厳しいけれど、価値がある」と判断して選ばれるケースも出てきますので、拾えることもある。
いちばん避けたいのは「メリットだけでごり押し」
最も避けたいのは、都合の悪い情報を伏せたまま、良い点だけを並べて押し切ろうとする形です。これは、今の消費者が特に嫌がりやすいパターンだと感じています。だからこそ、条件を先に示し、納得した人が続きを読む流れが、現在の現実的な定石になりつつあります。
不安が強い時代ほど、「最初に判断材料」がほしい
値上がりが続く中で、消費行動はどうしても慎重になります。Deloitteが公表している「2025 Holiday Retail Survey」では、ホリデー商品の値上がりを予測する人が77%、翌年は景気が悪化すると見ている人が57%という数字が紹介されていました。こうした空気感が強いほど、最初の判断材料を先に示すことの効果は高まります。
2025 Deloitte Holiday Retail Survey | Deloitte Insights
同様に、PwCの「Holiday Outlook 2025」でも、今後6ヶ月で支出を抑える必要があると考える人が84%という調査結果が紹介されています。購入に慎重な人が増えるほど、「検討のムダ」を避ける動きが強くなり、情報の出し順がより重要になります。
Holiday Outlook 2025 | PwC
また、バイナウ・ペイ・レイター(BNPL:Buy Now, Pay Later)の市場が伸びている点も示唆的です。社会的な議論はありますが、見方を変えれば「多少予算を超えても、納得すれば買う人がいる」ということでもあります。だからこそ、最初に必要な情報を整理したうえで、評価・検討してもらう設計が欠かせません。
The Buy Now, Pay Later Market | Consumer Financial Protection Bureau
情報の並べ方を整理する
ここまでの話を整理します。ポイントは「メリットを削ること」ではありません。「条件を前に出し、安心して読み進められる状態をつくる」ことです。情報の順番ひとつで、読み手の受け取り方は大きく変わるからです。
並べ方
読み手の状態
起きやすいこと
メリットを先に出し、足切り条件は後半
条件が分からず疑いながら読む
後出しでがっかりしやすい
先に条件を示し、その後でメリット
判断材料が揃い、落ち着いて読める
「読む価値がある」と感じてもらいやすい
条件を隠し、メリットだけでごり押し
不信感が強まりやすい
今の消費者に敬遠されやすい
実務での見直しポイント:ページと営業トークに落とす
商品紹介ページでも、サービス紹介ページでも基本は同じです。
キャッチコピーや主な魅力は示しつつ、必要な情報は早めに分かるようにした方が、結果として下まで読まれやすくなります。
「こういう人に向いている」「こういう場合は別の選択肢の方が合うかもしれない」といった書き方は、かなり有効です。読者が自分ごととして判断しやすくなるからです。
イメージ・例としては見直しの際は、例えば次のようなポイントが分かりやすい位置にあるかを確認してみてはどうでしょうか。それぞれの商品やサービスに合わせて頂ければと思います
価格・料金の目安(どこを見れば把握できるか)
購入形態・契約条件(縛りや更新、サブスクかどうか)
導入後に必要な工数(何を、どれくらいやる必要があるか)
検討時に迷いやすい前提条件(対応範囲、対象外になりやすいケース)
「合う人/合わない人」が分かれるポイント(説明が必要になりやすい点)
お客さんに聞いて、ページとトークスクリプトへ反映する
検証も重要です。お客さんへヒアリングしてみてください。そこで得た声を、サイトや営業トーク(トークスクリプト)に反映させていくと、改善につながりやすくなります。
生の声はたいていの場合「予想外」です。
※インタビューでは、次のような質問が等をしてみて下さい。嬉しかった点だけで終わらせず、「不安だった点」を丁寧に拾うことが重要です。
最初にどこが気になり、どんな順番で確認しましたか
良い点以外で、不安に感じたところはどこでしたか
「これは先に分かって助かった」「先に知りたかった」と思った情報は何ですか
検討をやめようと思った瞬間があるとしたら、何がきっかけでしたか
社内外に説明する場面で、説明しづらいと感じた点はありましたか
まとめ
今の消費者は、できれば選ぶ手間そのものを減らしたいと考えています。そのため、比較検討では「選ぶ」前に「検討対象から外す」行動が強くなり、まず足切り条件を探しています。販売ページや営業トークも、その判断材料を先に渡す設計に変えるだけで、反応が変わることがあります。
メリットを伝えること自体が悪いわけではありません。条件を後出しにして期待を裏切ってしまう流れが、結果的に損になりやすい、という話です。まずは、自社のページで「お客さんが最初に気にすること」がすぐに見つかるかどうかを点検してみてくださいね。
関連リンク
2025 Deloitte Holiday Retail Survey | Deloitte Insights
Holiday Outlook 2025 | PwC
The Buy Now, Pay Later Market | Consumer Financial Protection Bureau
Guide to Heatmaps in Clarity | Microsoft Learn
FAQ
比較検討の情報は、なぜ「出す順番」が重要なのですか?
今は、以前効いていた施策が効きづらくなり、問い合わせで聞かれるポイントも変わってきています。お客さんが最初に気にする条件を先に示すだけで、読む姿勢が変わりやすいからです。
消費者が「できれば選びたくない」と感じるのは、どんな背景からですか?
失敗したくない気持ちが強く、無駄な時間や判断コストを避けたい傾向があるからです。タイパやコスパという言葉の流行も、その価値観の表れだと中山は捉えています。
販売ページは、上から順に読まれていないのですか?
上から丁寧に読むというより、全体を走査しながら必要な情報を探す動きが多いと中山は見ています。ヒートマップやマウストラッキングでは、下まで一気に動く行動が見えることもあります。
先に出すべき「足切り条件」とは、どんな情報ですか?
金額の目安、購入形態や縛り、導入後に必要な工数など、譲れない条件を判断するための情報です。これが先に分かると「検討のムダではない」と思って読み進めやすくなります。
ページ改善のために、どんなインタビューをすればいいですか?
最初に気にした点、確認した順番、良い点以外の不安点などを聞くのが有効です。得たフィードバックを、サイトや営業トーク(トークスクリプト)に反映すると改善が起きやすいと中山は話しています。
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■Podcast /Webinar への質問は
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運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第583回:タイパ重視のユーザーに対してやるべき事は?|良いことばかり書いても売れない時代のWeb戦略 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
皆さんこんにちは、ラウンドナップウェブコンサルティングの中山です。本日も「会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャスト」を始めていきたいと思います。ぜひとも最後までお聞きいただければと思います。
今回は、YouTubeショートなどで配信している2分前後の動画のまとめ回です。各回の始めに内容のタイトルを流し、それぞれ1分から3分程度お話ししております。YouTubeショート、Facebookのリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日リアルタイム配信も行っておりますので、隙間時間の活用として、ぜひそちらも合わせてチェックしてみてください。
ショート動画など配信先
Youtubeショート:https://www.youtube.com/@Web-Consulting/shorts
Instagram:https://www.instagram.com/roundupconsulting/reels/
TikTok:https://www.tiktok.com/@roundup_web
StandFM(音声のみ):https://stand.fm/channels/620ddacbeb302d8b48c746c9
話題1:SEOでの集客には「お客様ロールプレイ」が効果大
検索エンジンからの集客を重視する場合、まず行っていただきたいのが「お客様ロールプレイ」です。これは、お客様が検索しそうなキーワードを使って、皆さん自身が実際に検索を行い、どのような結果が出るかを確認する作業のことです。
単なる競合調査と思われるかもしれませんが、それ以上に重要なのはGoogleの検索結果の変化を確認することです。現在、検索結果にはショッピング枠や地図などが大きく表示されるようになり、キーワードによって表示内容は大きく異なります。
Googleは検索キーワードに応じて最適な表示を常に変化させています。そのため、定期的にお客様の視点で検索画面をチェックすることが重要です。検索結果はパーソナライズされるため、必ずシークレットモードなどで確認することをお勧めします。「なぜか検索流入が減った」といった原因も、このロールプレイで判明することが多々あります。
話題2:画像検索SEOの優先度はどれくらい重要視すべきか
「画像検索SEOは重要ですか?」という質問をよく受けます。一般的には重要だと言われることもありますが、現場の実感としては、積極的にリソースを割くほどの優先度ではないと考えています。
アパレルやECサイトにおいては確かに重要ですが、それ以外の業種で画像検索経由の流入が購入につながるケースは稀です。画像が表示されたとしても、ユーザーは慣れているサイトで購入する傾向があります。
サイト全体の評価向上などの副次的効果はあるものの、ビジネスへのインパクトは限定的です。画像検索SEOにこだわるよりも、他の施策にリソースを集中させた方が良いでしょう。
話題3:未経験でもWebマーケティングの仕事へ転職できるか
未経験からWebマーケティング職へ就けるかどうかは、「未経験」の中身によります。もし社会人経験や対人業務の経験が全くない場合は、非常に厳しいと言わざるを得ません。
マーケティングは広い意味での「客商売」です。個人のアフィリエイトのように誰とも会わずに完結するイメージがあるかもしれませんが、企業のWebマーケティングは、マネジメントやセールスの経験が求められます。
逆に、営業や接客、マネジメントの実務経験があれば、Webの知識が未経験でも十分に可能性があります。ビジネスの基礎があれば、Webの知識は後から習得できるからです。
未経験から目指す場合のアプローチとしては以下が考えられます。
接客や営業経験を強みとして、キャリアパスを作る
自分でWebサイトを立ち上げ、実際に集客や販売を行って実務経験を作る
話題4:Webマーケティング系の資格は意味があるのか
資格の有用性は「意味」をどう捉えるかによって変わります。
案件獲得や転職のアピールとして:あまり意味はありません。多くのクライアントはWeb系の民間資格を知らないため、判断基準になりにくいからです。
自分自身のスキルアップとして:大きな意味があります。現在の現場では、特定の専門知識だけでなく、幅広く対応できるジェネラリストが求められています。
資格勉強は、普段触れない領域の知識を強制的に学ぶ良い機会となります。自分の対応領域を広げ、結果としてクライアントへの提案力を高めるために活用するのが良いでしょう。
話題5:Web集客においてアクセス解析データを見てはいけない時
デジタルマーケティングではデータ分析が重要視されますが、アクセス数が月間4桁程度の中小企業サイトの場合、統計的に有意なデータを得ることは困難です。
データが少ない段階では、アクセス解析に時間をかけるよりも、実際のお客様へのヒアリングを重視してください。具体的には以下の3点を聞くことをお勧めします。
タイミング:いつ検討を始め、いつ決定したのか
判断基準:親しみやすさ、納期、価格など、何を軸に選んだのか
比較対象:競合他社だけでなく、「自分でやる」「何もしない」という選択肢も含める
これらをヒアリングした上で、自社サイトがそれに応える構成になっているかを確認することで、自然と反響が得られるようになります。
話題6:会議の生産性が下がるAI議事録の特徴
AIによる議事録作成ツールは非常に便利ですが、後で見返した時に「要領を得ない」「分かりにくい」と感じることはありませんか。
その原因の多くは、AIの性能ではなく、人間側の話し方にあります。社内の略語、指示語(あれ、それ)、文脈依存の曖昧な表現を多用すると、AIは正確に記録できません。
AI議事録を導入する場合は、AIにも伝わるように主語を明確にし、略語を避けて話すルールを設けてみてください。これは議事録の精度向上だけでなく、普段のコミュニケーションの質を高めることにもつながります。
このエピソードで解決できるWeb活用の疑問
SEO対策としてまず何をすべきですか?
「お客様ロールプレイ」が効果的です。お客様が検索しそうなキーワードで実際に検索し、自社や競合がどう表示されるかを確認してください。Googleの検索結果は頻繁に変化するため、シークレットモードを使って定期的にチェックすることをお勧めします。
画像検索SEOは優先して取り組むべきですか?
多くのビジネスにおいて優先度は低いです。アパレルやECサイト以外では、画像検索経由での購入(コンバージョン)に至るケースは稀です。限られたリソースは他の施策に割り当てるのが現実的です。
未経験からWebマーケティング職へ転職できますか?
接客や営業などの「対人スキル」があれば可能性は十分にあります。Webマーケティングは客商売であるため、ビジネス経験があればツールや知識は後から習得可能です。逆に顧客折衝の経験がない場合は難易度が高くなります。
Webマーケティング系の資格は取得する意味がありますか?
対外的なアピールとしては効果が薄いですが、自身のスキルアップとしては有用です。実務ではジェネラリスト的な能力が求められるため、資格学習を通じて苦手分野や未経験領域の知見を広げることには価値があります。
アクセス解析で見ても改善点が見つからない場合はどうすればいいですか?
アクセス数が少ない段階では統計的なデータ分析は困難です。その場合、実際のお客様に「検討のタイミング」「判断基準」「比較対象(やらないという選択肢含む)」をヒアリングし、サイトの構成を見直す方が効果的です。
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運営・進行
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代表取締役・コンサルタント 中山陽平
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投稿 第582回:ショート動画まとめ回「SEOでの集客がメインのWebサイトでは「お客さまロールプレイ」が効果大です」など は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
皆さんこんにちは、ラウンドナップウェブコンサルティングの中山です。本日も「会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャスト」を始めていきたいと思います。ぜひとも最後までお聞きいただければと思います。
今回は、YouTubeショートなどで配信している2分前後の動画のまとめ回です。各回の始めに内容のタイトルを流し、それぞれ1分から3分程度お話ししております。YouTubeショート、Facebookのリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日リアルタイム配信も行っておりますので、隙間時間の活用として、ぜひそちらも合わせてチェックしてみてください。
ショート動画など配信先
Youtubeショート:https://www.youtube.com/@Web-Consulting/shorts
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StandFM(音声のみ):https://stand.fm/channels/620ddacbeb302d8b48c746c9
話題1:AIに「0から1」を任せていませんか?
中小企業においてAI活用がうまくいかないパターンの一つとして、「0から1にする部分」までAIにやらせようとしているケースがあります。
0から1を作るというのは、AIには絶対に無理というわけではありませんが、やはりパートナーとしての人間がいないと厳しく、AIが本来の力を発揮できない部分です。「新規事業のアイデアを出して」「キャッチコピーを作って」と指示しても、平凡なものしか出てこないことが多いのはそのためです。
AIは「掛け算」の存在である
AIはあくまで「掛け算」の存在であり、使う人の能力を倍々にしていくものです。しかし、元の数字(ゼロ)を何倍にしてもゼロのままです。
人の力や人間力が動いている属人的な部分を、AIでより強くする
その人がコア業務に集中できるよう、周りの雑務を減らす(逆の掛け算)
このように、0.5倍の労力で済むようにする、といった発想を持っていただくと、活路が見えてくるのではないでしょうか。
話題2:中小企業が生成AI活用でノウハウを得るために大事なこと
AI活用に挫折してしまう会社さんは少なくありません。その大きな原因の一つは、「AIを使えばすぐに便利さやメリットが得られる」という風潮にあると考えています。
最初は「壁」にぶつかるのが当たり前
実際には、活用しようとすると最初に壁にぶち当たります。「便利になると思ったのに全然ならないじゃないか」という怒りやストレスを感じることも多いでしょう。しかし、そこを何とかクリアしていくと、急に便利さが自分に舞い降りてくる、その繰り返しのプロセスが必要です。
最初から美味しい結果があると思わず、「これを乗り越えた先にいいものが待っている」という心得を持つこと。試行錯誤の過程で、「自分たちにはこういう使い方が合っている」というノウハウが見つかります。これが活用できる会社になるために重要です。
話題3:WebコンテンツをChatGPTで作る際の判断基準
Webコンテンツにおいて、生成AIをどう使うかは悩ましい問題です。全てをAIで作れば低品質になり、スパムと判定されるリスクもあります。そこでお勧めするのは、全体の流れを大きく3つに分け、「最初」と「最後」を人間が担うという考え方です。
人間が担うべき工程
一番最初(アイデア・企画):どういう人に対して何を伝えるのか、という根本の部分は人間が考えるべきです。
一番最後(監修):内容に誤りがないか、テイストやトーンが自社に合っているかなど、最終的な品質管理は人間が見る必要があります。
AIに任せるべき工程
その間の部分、例えば「構成をどうするか」「情報を肉付けしてより良くする」「誤字脱字のチェック」などは、生成AIを積極的に使うことで品質が上がります。
頭とお尻の部分は人間が監修し、真ん中をAIに任せる。このブロック分けを意識してみてください。
話題4:Webページの文章が分かりづらい原因「論理の飛躍」
Webページの文章が分かりづらいと言われる場合、その原因として多いのが「論理の飛躍」です。
論理の飛躍とは
例えば、「明日の朝は冷える。だから早く起きましょう」と言われたら、違和感がありますよね。しかし、話している人の中では以下のような論理がつながっています。
明日の朝はすごく冷える
早めに暖房をつけて、動けるようにしておかないと遅刻してしまう
だから早く起きよう
このように、自分の中で当たり前と思っていることや、あえて話す必要がないと思っている前提が抜けていると、相手には伝わりません。専門的なことに詳しい人ほどこの傾向があります。「自分の論理の流れは、相手にとっても当たり前だろうか?」と疑ってみることが、分かりやすさへの第一歩です。
話題5:Webコンテンツの形選びに潜む勘違い(テキストか動画か)
「Webコンテンツはテキストがいいのか、動画がいいのか」という議論がありますが、ここに落とし穴があります。どうしても「これが一番いい」という一つの形態に収めてしまいがちですが、実際には一つに絞る必要はありません。
シチュエーションに応じた柔軟性
ユーザーの好みやシチュエーションによって、適した形は異なります。
テキストで読みたい人
動画で見たい人
印刷して紙で読みたい人(PDFなど)
できるだけ幅広い形に対応させておくのがベストです。もしリソースの問題で一つに絞らなければならない場合は、読み上げ機能への対応や一覧性の高さなど、汎用性が高い「テキスト」が無難であると考えます。
話題6:ブログ記事の外部参照リンクは示すべきか、隠すべきか
ブログ記事などで引用を行う際、出典元へのリンクを貼ると「ユーザーがそちらへ逃げてしまうのではないか」と心配される方がいます。結論から言えば、きちんと引用元を示してリンクを貼るべきです。
誠実さが信頼とSEO評価につながる
今のユーザーは、リンク先へ飛んだとしても、すぐに戻ってきます。「行って帰ってこない」というケースは稀です。
むしろ、重要な情報をピックアップし、「もともとはこのサイトの情報ですよ」と正直に示す誠実さが、ユーザーに良い印象を与えます。また、blockquoteタグやciteタグを使って適切に引用することは、SEOの観点からもプラスになります。引用で悩んだら、隠さずにしっかりと明示することをお勧めします。
まとめ
今回のYouTubeショートまとめは以上になります。このようなトピックを、YouTubeショート、Facebookリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日配信しております。昼活のようなイメージで、毎日の習慣としてチェックしていただければ幸いです。
Web活用についてご不安なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。ラウンドナップウェブコンサルティングの中山がお送りいたしました。また次回もよろしくお願いいたします。
Web活用と生成AIに関するよくある質問
中小企業において生成AI活用がうまくいかない主な原因は何ですか
AIに「0から1」の創造を任せてしまっていることが原因です。AIは掛け算のツールであり、人間が作ったベース(1)がないと力を発揮できません。アイデア出しやコピー作成などの属人性が高い部分は人間が担い、AIはそのサポートや拡張(作業量削減など)に使うという役割分担が重要です。
WebコンテンツをChatGPTで作成する際の品質管理はどうすべきですか
制作工程を3つに分け、最初(企画・ターゲット設定)と最後(監修・トーン確認)は必ず人間が行うべきです。AIは中間の工程(構成案の作成、情報の肉付け、誤字脱字チェックなど)で活用することで、品質を落とさずに効率化を図ることができます。
Webサイトの文章が分かりにくいと言われるのですが、どう改善すればよいですか
「論理の飛躍」が起きていないか確認してください。自分の中で当たり前だと思っている前提条件や文脈を省略してしまうと、読者には伝わりません。専門知識がある人ほど陥りやすいため、思考の過程を丁寧に言語化して間を埋めることを意識すると改善します。
コンテンツはテキストと動画、どちらで作るのが正解ですか
どちらか一つに絞る必要はありません。ユーザーの状況や好みによって適した形式は異なるため、可能であれば両方用意するのが理想です。リソースが限られる場合は、読み上げや検索性など汎用性が高いテキストコンテンツをベースにすることをお勧めします。
ブログ記事で外部サイトへのリンクを貼るとSEOやユーザー行動に悪影響がありますか
いいえ、むしろ出典元を明示しリンクを貼るべきです。適切な引用は情報の信頼性を高め、ユーザーに誠実な印象を与えます。ユーザーがリンク先へ移動しても戻ってくるケースがほとんどであり、SEOの観点からも正しい引用タグを用いたリンク設置はプラスに働きます。
配信スタンド
Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892
YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN
Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj
Amazon Music Amazon Podcasts
■Podcast /Webinar への質問は
こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7
運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第581回:ショート動画まとめ回「AIにゼロ→イチを任せていませんか?それがAIの返事に満足できない原因かも?」など は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
皆さんこんにちは、ラウンドナップ・ウェブコンサルティングの中山です。本日も「会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャスト」を始めていきたいと思います。ぜひとも最後までお聞きいただければと思います。
今回は年末年始ということで、YouTubeショートなど各プラットフォームで毎日配信している1〜2分前後の動画コンテンツを、ポッドキャスト用にいくつかまとめてお送りしようと思います。
すでに実験的に開始して3ヶ月ほど経過しており、試行錯誤している段階ではありますが、およそ100本ほど公開しています。その中から1週間分ほどをピックアップしてお届けします。特定のテーマに限らず、その時々に伝えたいことをベースに発信しています。
ショート動画向けに作成しているため、本来は画面上のタイトルで内容がわかるものですが、音声のみのポッドキャストでは伝わりにくい部分があります。そのため、合間に合成音声でタイトルをアナウンスしますので、その内容についての話題だと思ってお聞きください。
もし内容を面白いと感じていただけたら、YouTubeショート、Facebookページ、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日お昼の12時頃に配信していますので、ぜひフォローしていただけると嬉しいです。それでは、まずはこちらをお聞きください。
ショート動画など配信先
Youtubeショート:https://www.youtube.com/@Web-Consulting/shorts
Instagram:https://www.instagram.com/roundupconsulting/reels/
TikTok:https://www.tiktok.com/@roundup_web
StandFM(音声のみ):https://stand.fm/channels/620ddacbeb302d8b48c746c9
話題1:自社に関する生成AIの誤情報を放置していませんか
評判管理というタスクは企業の中で重要度を増しています。Web上で誰もがつながり、情報共有できる現代において、過去の些細な不祥事などが一つあるだけで信頼が失墜し、採用や業務提携に影響が出ることも少なくありません。
もちろん、うかつな行動を慎むことが前提ですが、デタラメな情報の流布を防ぐという意味でも評判管理は非常に重要です。
具体的なチェック方法
検索エンジンの観点では、評判が良くない会社とセットで検索されやすいキーワードをチェックすることをお勧めします。
「ブラック」
「悪徳」
「離職」
こうしたネガティブなワードと、自社の「会社名」や「代表者名」を組み合わせて検索してみてください。調べられる語彙はある程度決まっていますので、定期的にこれらをチェックし、自社の評判を確認することをお勧めします。
話題2:Webマーケティングの新手法や新技術:いつやるべきかの判断基準
Web業界は新しい技術やPR手法が次々と登場します。どれを取り入れるべきか悩ましいところですが、考え方を少し変えてみることをお勧めします。
顧客視点での導入判断
「将来主流になるから」「みんなが使い出すから」という受け身の姿勢ではなく、以下のように考えてみてください。
自分たちの顧客に使ってもらいたいものか
顧客にとって大きな価値があるものか
世の中に存在する様々なものの中から、ターゲットとする顧客に価値を提供できるものを探します。見つけたものが流行していようがいまいが、顧客に提案し、一緒に取り組むことでお互いにプラスになる「Win-Win」な関係を目指してください。
このように情報収集を行うことで、モチベーションも変わり、自社にも顧客にもプラスの結果をもたらすことができるはずです。
話題3:Webサイトの「なんとなくの違和感」を放置していませんか
Webサイトに対して感じる定性的なモヤモヤや、「なんとなくおかしい」という感覚。そこから議論を始めても全く問題ありません。
むしろ、現場に近い人たちの感覚を拾い上げることが、実質的で生々しい改善につながることが多々あります。そうした声を拾える仕組みを作っておくことをお勧めします。
実際に施策として実行するか、予算をかけるかは別の議論ですが、データには表れない現場の声を吸い上げ、実際の改善につなげられる企業は強いです。ぜひそうした感覚を大切にしてプロジェクトを進めてください。
話題4:SEOにおける「サジェストローラー作戦」は古いのか
あるキーワードに対してGoogleが提示するサジェストワードを網羅してコンテンツを作る「サジェストローラー作戦」。これには賛否両論ありますが、あくまで手法の話であり、品質の話とは分けて考えるべきです。
手法と品質を分けて考える
あるトピックスに関して価値のある情報を積み上げていくこと自体は、何ら悪いことではありません。問題なのは、ネット上の情報を再構成しただけの「低品質」なコンテンツで網羅を目指すやり方です。これはAI時代においては効果がありませんし、以前から効果は薄いものでした。
一方で、自分たちの知識やまとめ方を駆使し、品質が高く顧客に役立つコンテンツを作る観点で行うのであれば、全く問題なく、むしろプラスに働きます。
話題5:Web戦略とAI活用:強みの強化より先にやるべきこと
これからAIを活用・導入しようとしている企業にお勧めするのは、「自分たちの弱みを減らす方向」での活用です。
AIを使って従業員の能力を伸ばし、強みを増やそうとするのは魅力的ですが、難易度は高いです。一方、弱みを減らすことは比較的難易度が低く、成果が出やすい傾向にあります。
AIが持つ知識は様々なベストプラクティスの集合体であるため、物事を「平均値まで持っていく」ことに長けています。逆に、他社にない独自の強みや突飛な発想を生み出すことは苦手です。
そのため、まずは弱みを減らす領域でAIを活用して評価を得て、慣れてから強みを伸ばすというステップで進めることをお勧めします。
おわりに
今回のYouTubeショートまとめは以上になります。
毎日お昼頃にYouTubeショート、Facebookリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで配信しています。毎日の習慣、昼活のようなイメージでチェックしていただければと思います。
Web活用についてご不安なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。ラウンドナップ・ウェブコンサルティングの中山がお送りいたしました。また次回もよろしくお願いいたします。
Podcastの内容に関するFAQ
自社に関するネット上の悪い評判や生成AIの誤情報は、どのようにチェックすればよいですか?
検索エンジンで、自社名や代表者名と一緒に「評判」「ブラック」「悪徳」などのネガティブなキーワードを組み合わせて検索し、定期的にチェックすることをお勧めします。生成AIについても同様に自社について質問し、誤った情報が出ていないか確認することが重要です。
Webマーケティングの新しい技術や手法は、どのタイミングで導入すべきですか?
「将来流行るから」という理由ではなく、「自社の顧客にとって価値があるか」を基準に判断することをお勧めします。顧客にメリットがあり、自社とのWin-Winな関係が築けるものであれば、流行に関わらず導入を検討してください。
Webサイトに対して感じる「なんとなくの違和感」は、改善の根拠になりますか?
はい、なります。数値データには出ない定性的な違和感は、現場の生々しい感覚を反映していることが多く、重要な改善点である可能性があります。現場の声を拾い上げ、議論の出発点とすることを推奨します。
SEO対策としての「サジェストローラー作戦」は、現在でも有効ですか?
手法自体が悪いわけではありませんが、単にネット上の情報を網羅しただけの低品質なコンテンツ作成は有効ではありません。AI時代においては、自社の独自の知識や経験に基づいた、顧客に役立つ高品質なコンテンツを作ることが重要です。
これから業務にAIを導入する場合、どのような方針で活用するのが効果的ですか?
AIは既存のベストプラクティスに基づき平均点まで引き上げることが得意なため、まずは「弱みの削減」や「業務の効率化」に活用することをお勧めします。独自の強みを伸ばすのは難易度が高いため、まずは弱みを減らすことから始めて成功体験を積むのが良いでしょう。
配信スタンド
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運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第580回:ショート動画まとめ回「Web集客の前に自社に関する生成AIの誤情報を放置していませんか?など は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
このPodcastで得られること
このPodcastでは、AI時代におけるメールマーケティングの現状と、これから何を変えるべきかを整理しています。ざっと目を通してもらうと、次のようなポイントが分かるようになっています。
チャットツールやSNSが増えても、メールマーケティングが依然として強い理由と、今後5〜10年の見通し
送信側と受信側、それぞれでAIがメールに与えている具体的な影響と、テクニック頼みが通用しにくくなる背景
これからのメールマーケティングで押さえるべき設計の考え方と、実際の始め方・ツール選定のポイント
結論から言うと、メールマーケティングは今も主力チャネルのひとつであり、AIによって「やりやすくなる部分」と「ごまかしが効かなくなる部分」がはっきり分かれてきているという状況です。テクニックを盛る前に、サービスや商品の設計と、要約されても伝わるメール内容に切り替えることが重要になります。
AI時代でもメールマーケティングが主力チャネルであり続ける理由
AIの話題やコンテンツマーケティングの話題が増える一方で、メールマーケティングそのものが語られることは以前より減っています。「チャットツールやSlackが普及したから、そろそろメールは厳しいのではないか」といった声も長くありますが、現場感としてはBtoBを中心に、メール経由のコミュニケーションは依然として非常に強いチャネルのままです。
「メールが弱くなった」と言われる場面の多くは、社内連絡や既存顧客との日常的なやり取りの話です。そこは確かにチャットツールに置き換わりました。ただし、見込み客へのセールスや情報提供のチャネルとして、メールの代わりになるものはまだ出てきていません。
一時期、BtoCではLINEなどのメッセージングアプリがメールの代替になるのではないかと言われました。LINE公式アカウントからクーポンやお知らせを送る取り組みは成立していますが、メールマーケティングで行っているような腰を据えた「濃いコミュニケーション」までは置き換えられていない状態です。
大きな理由のひとつが公私の切り分
大きな理由のひとつが公私の切り分けです。メッセージアプリはどうしてもパーソナルなやり取りのイメージが強く、そこにセールスや会社からの情報を混ぜたくない、という感覚があります。LINEの有料プランを使えばプロフィールを分けることもできますが、あまり親切な設計とは言いにくく、現実としてはメールが使われ続けています。
BtoBではメールが主力
既存顧客との継続的な接点としても、特にBtoBではメールが主力のままです。代替手段として挙げられるチャットやメッセージアプリが、売上面で決定的な成果を出しているかというと、そうはなっていません。こうした状況からも、メールは今後しばらく主力チャネルであり続けると考えてよいです。
さらに、ゼロクリックサーチ(検索結果ページ上の要約やスニペットだけで用が足りてしまい、サイト自体にはアクセスされない検索行動)やブランド検索の増加によって、ユーザーは「信頼できる会社や個人を見つけたら、そこからの情報だけを追う」という行動に寄っていきます。そのときにダイレクトに届く手段としてのメールは、むしろ価値が上がっていると言えます。
送信側から見たAIとメールマーケティング
AIとメールの関係で、まず押さえておきたいのが送信側のAI活用です。ここは昔から「最適化」という文脈でさまざまな機能がありましたが、今はそれが本格的にAIとして組み込まれたツールが増えています。
AIで楽になる仕事:コンテンツ作成と配信のPDCA
Validityのレポート「The State of Email 2025 from Litmus」と、それを参照しているNukesendの「2025 AI Email Marketing Trends」などによると、メールキャンペーンでAIを使っているマーケターはすでに多数派で、クリック率や売上でも非AIより良い結果が出ていると整理されています。
メールマーケティングは、しっかりやろうとするとどうしても手がかかるチャネルです。件名を考え、本文を書き、配信時間を決めて、ABテストをして、ステップメール(あらかじめ決めたシナリオで自動配信するメール)を設計して……と、一通りやろうとするとかなりの工数になります。
そこで今大きく効いているのが、コンテンツ作成と配信のPDCAに対するAIの支援です。具体的には次のような部分です。
件名の案出しとテストパターンの生成
配信時間の最適化(読まれやすい時間帯の自動判定)
ステップメールやキャンペーンシナリオの構成案やトピック案の生成
こういった領域はAIが非常に得意です
こういった領域はAIが非常に得意です。海外の調査では、以前は「メール1通の制作に2週間以上かかる」と答えていたチームが全体の6割以上だったところ、AI活用が進んだ結果、それが1桁台まで減ったというデータも出ています。コンテンツ作成がボトルネックでメールマーケティングに踏み出せなかった方にとっては、今はかなり良いタイミングになっています。
これまで、ステップメールのシナリオ作成や、「メール登録+ダウンロードコンテンツ」のようなフロントエンド商品(最初の接点づくり用の小さめのオファー)づくりが重くて手を付けられなかった場合も、今はAIを活用することで一気に形にしやすくなります。メールの中身を考える負荷が下がることで、「やりたいけれど時間がない」状態から抜けやすくなるという実感があります。
AIに任せてよいところと、任せてはいけないところ
とはいえ、すべてをAIに丸投げしてよいかというと、そうはなりません。現場の声としても、ネタの元からすべてAIで一括生成するのは良くないという意見が多く出ています。
AIに任せてよいのは、例えば次のような部分です。
社内の資料や既存コンテンツを読み込ませて、メール本文のたたきを作らせる
書いた文章を分かりやすい構成や文章に整えてもらう
件名やリード文の候補を複数出してもらい、テストにかける
一方で、「そもそも何を伝えるのか」「どんな価値を提供するのか」といった元ネタや設計は、人間が持っている必要があります。ここまでAIに渡してしまうと、中身が薄くなり、要約された時に何も残らないメールになってしまいます。
イメージとしては、ネタと方向性は自分たちで決めて、その先の具体化やブラッシュアップをAIに手伝ってもらう形がちょうど良いです。ChatGPTやGeminiのような対話型AIに「自社の商品・サービス」「最近のお客様の状況」などを投げて、「この前提でメール案を出して」と依頼すると、かなり使えるものが出てきます。
メール配信ツール選び:AI機能があるものを前提にする
メールマーケティングをやるなら、メール配信ツールを使うことは大前提です。今もローカルでCGIを動かしたり、ただメールを一斉送信するだけの仕組みを使っているケースもありますが、そろそろクラウド型の配信ツールへの乗り換えを考えた方がよい段階になっています。
特に、次のようなAI機能を持っているツールを選ぶと、効果と運用負荷のバランスが一気に変わります。
件名の自動最適化や複数パターンのテスト機能
読者一人ひとりの開封傾向をもとにした配信時間の最適化
ステップメールやキャンペーンシナリオの提案・自動配分
こうした機能はAI登場以前から存在していましたが、AIによって精度と使いやすさが大きく上がっている領域です。ツール側が最先端を追いかけてくれていれば、自動的にその恩恵を受けられます。
一方で、現場の感覚としては、メールの本文エディタがまだ使いづらいツールも多いのが正直なところです。AIと本文エディタがシームレスにつながっていて、情報の入力から本文生成、配信設定までを一気通貫で支援してくれるツールは、まだそこまで多くありません。もしそういったものが出てきたら、私自身もすぐに試したくなる領域です。
海外ツールを検討する価値
メールマーケティングツールは、海外製の方が機能面でも価格面でも進んでいるケースが多いです。日本国内のツールだと、月額1〜3万円くらいのプランが普通にありますが、海外ツールに乗り換えるだけでコストを大きく圧縮できるケースもあります。例えば、半分〜10分の1程度になることもあります。
為替の影響はあるものの、現時点では海外ツールの方が割安で、AIまわりの実装も早い傾向があります。最近は日本語対応しているサービスも増えているので、まず海外ツールを候補に入れて検討するのは十分意味があります。
開封率というボトルネックと、AIが効くポイント
どれだけよいメールを書いても、開封されなければすべてがそこで止まってしまいます。メールマーケティングにおいて、開封率は一番大きなボトルネックです。
何も考えずに大量配信していると、開封率が10%台というケースも珍しくありません。私のところでは、そもそも好きで登録してくださっている方が多いので、開封率は5〜6割を超えることも普通ですが、それでも半分近くは読まれていない計算になります。
お客様の現場で運用する際には、ひとつの目安として次のようなラインを置いています。
当日開封率30%以上をキープする
できれば40%以上を目指す
トラッキングオフなどで計測されない開封も増えている前提で見る
ここに効いてくるのが、AIによる配信時間と件名の最適化です。一人ひとりの開封パターンを学習し、「この人はこの時間帯だと読んでくれやすい」というタイミングで配信してくれる機能は、すでに実装されていて、精度も上がっています。
こうした機能はAI登場前から存在していましたが、アルゴリズムの進化でより効果が出るようになっています。コンテンツ部分と配信周りの両方をAIにサポートさせることで、メールマーケティングのハードルはかなり下がると感じています。
受信側のAI変化:サマライズが「テクニック売り」を無効化していく
送信側以上に、これから影響が大きくなるのが受信側のAIです。特に、メールの要約機能がいろいろなツールに組み込まれ始めています。
Gmailを使っていると、ある程度の長さがあるメールなら、上の方にそのメールの概要(サマリー)が出てくる場面が増えています。iPhoneなどでも、OSレベルで要約機能が入ってくる流れがあります。
さらに、ChatGPTが組み込まれているブラウザ「ChatGPT Atlas」では、画面の左にウェブページ、右にChatGPTというレイアウトで表示され、そのページを開いた瞬間に「このページで多くの人が気にしそうな質問」がプリセットで3つほど並ぶようになっています。
例えばショッピングサイトを見ていると、次のような質問があらかじめボタンとして表示されます。
この商品と他社製品の機能を比較する
この商品の価格が最安かどうかを調べる
自分の用途に合っているかどうかを整理する
ユーザーは自分でプロンプトを打たなくても、その中から選ぶだけで知りたい情報を整理してもらえるようになります。これと同じことがメールでも起きてくると、従来の「読ませてその気にさせる」タイプのテクニックが一気に効かなくなる可能性があります。
セールスメールが要約され、比較される前提になる
例えば、あるセールスメールで「新商品のキャンペーン」「セミナーの案内」「期間限定の割引」などを案内していたとします。GmailやOutlook側でジェネレーティブAIと連携し、次のようなプリセットが並ぶ未来は、近い将来の話として十分考えられます。
過去12ヶ月のキャンペーンと比べて、本当にお得かどうかをチェックする
競合他社の似たサービスと価格・機能を比較する
自分にとってどんなメリットがあるかを一言でまとめる
ユーザーがボタンを押すだけで、AIがメールの中身を読み込み、他の情報源も参照しながら「これは本当にお得か」「この会社はどういうポジションか」をまとめてくれるようになります。こうなると、表面的なお化粧や煽りコピーだけで売るやり方は、かなり厳しくなると見ておいた方が安全です。
ゼロクリックサーチによって、ランディングページ上で一生懸命工夫しても、検索結果の要約だけで用が足りてしまうケースが増えました。メールも同じように、コンテンツの本質だけが評価され、ダイレクトマーケティング的なテクニックの価値はどんどん薄れていく流れになります。
「期間限定キャンペーン」がAIに暴かれる日
特に、メールのフロントエンド商品として「月末だからキャンペーン」「年末だけの特別割引」といったやり方を繰り返している場合、AIにはパターンがすぐに見抜かれます。
例えばAIに、次のようなことを調べさせたとします。
この会社は昨年どのくらいの頻度で同じようなキャンペーンを打っているか
「期間限定」と言いながら、実際にはどれくらい延長していることが多いか
競合と比べて本当に値引率が高いのか
過去のメールやウェブ上の情報から、こうしたパターンは簡単に出せてしまいます。その方がお客様にとっては親切なので、メールクライアント側がそうした機能を標準装備してくる可能性も十分にあります。
Googleはすでに、自社プロダクト間のオートメーションを簡単に組める仕組みを出していて、「Google側がデフォルトでいろいろやる」方向に向かっています。アルファベット、マイクロソフト、OpenAIといったプレイヤーが関わる領域では、テクニック頼みの施策はいずれ意味を失う前提で考えておく方が安全です。
仮に、メールクライアント側のAI要約が想定ほど普及しなかったとしても、商品・サービスの中身を鍛え、本質的な価値で売る準備をしておくことはまったく無駄になりません。その上でテクニックがまだ効くなら、プラスアルファとして活かせばよいからです。
BtoBの「メール一斉配信で刈り取る」モデルも変わる
特にBtoBでは、一斉配信するメールを「最初の受注をまとめて取る場」として位置づけるモデルが多くあります。サブスクモデルになる前の初期契約を、メールへの反応を起点に取っていくスタイルです。
ところが、メールクライアント側でAIが要約と比較をしてくれるようになると、「とりあえずテクニックで一度だけ買ってもらう」やり方は厳しくなります。どのチャネルでも、コンテンツだけでなくテクニック売りは通じにくくなると見ておいた方が安全です。
LINEなどプラットフォーム依存のチャネルは、AI要約への対応が少し遅れるかもしれませんが、Googleやマイクロソフト、OpenAIが関わるチャネルについては、早い段階で影響が出てきます。
これからのメール設計:要約されても伝わる前提にする
では、こうした変化の中で、これからのメールマーケティングはどう設計すればよいのでしょうか。大きな方向性としては、次の三つになります。
テクニックではなく、サービスや商品の本質的な価値で勝負する
AIに要約されても、伝えたいことがきちんと残る構成にする
メール1通の中で必要な情報が完結するように設計する
メールの本文がすべて読まれない前提は、これから一層強くなります。その一方で、AIから見ると「メール1通の中で完結している情報」の方が扱いやすいので、むしろメールの中にきちんと情報を入れておいた方がよい場面が増えていきます。
今までは、Gmailなどで下の方が省略されてしまうこともあり、「長くなりすぎないようにしよう」「詳細はサイトに飛ばして読んでもらおう」という考え方が主流でした。これからは、ランディングページをそのままメールとして送るくらいの発想でも問題ありません。
AIから見れば、いろいろなサイトを跨いで情報を集めるより、ひとつのメールの中で必要な情報が揃っている方が扱いやすいからです。Google側がこれを締め付けるインセンティブもあまりないので、メール1通の中で完結させる方向に振ってしまって構わないと考えています。
大事なのは、次のような本質的なメッセージが、要約されてもブレずに残るようにすることです。
このメールは何を言いたいのか
どんなサービス・商品を、どんな位置づけで提案しているのか
読み手にとってどんな価値があるのか
メールマーケティングはあと何年使えるチャネルか
ここまで聞くと、「AIがここまで進むなら、そもそもメールは近いうちに意味がなくなるのでは」と感じる方もいるかもしれません。現場感としては、メールは少なくとも今後5年は十分に戦えるチャネルであり、そのまま習慣として10年続いてもおかしくないと見ています。
メールマーケティングが本当に意味を失うとしたら、例えば次のような世界観になります。
Gmailがすべてのメールを取り込み、RSSフィードのようにトピックごとに自動で整理する
ウェブ上のコンテンツとメールをまとめて、「自分が追いたいテーマ」のダッシュボードを自動生成する
ユーザーはそのダッシュボードだけ見ていれば、外部との情報接点のほとんどをカバーできる
こうした文化が定着すれば、メールという単体のチャネルの意味合いは変わってきます。ただ、現時点でChatGPTやGeminiを日常的な購買行動に使っている人はまだそこまで多くなく、そこに到達するまでには時間がかかります。
少なくとも、今からメールマーケティングを始めて、5年スパンで育てる価値は十分にあると考えています。AIによって意味がなくなり始めているどころか、むしろ「本質で勝負するメールに切り替えるチャンス」が来ている、と捉えてもらうのが良いと思います。
中小企業の現場での実感:まだまだメールは読まれている
私自身のところでは、ポッドキャストを配信して、その内容をかなり丁寧にテキストコンテンツ化しています。今ご覧いただいているような形のコンテンツを、そのままメールで自動的にお送りしている運用です。
メールとしてもしっかり読み物になるようにページを作り込み、その内容を配信するだけですが、開封率も高く、そこからのお問い合わせも実際に発生しています。登録してくださっている方々は、ほとんどが中小企業・小規模事業者の方々です。
その実感からも、中小企業向けのビジネスであっても、メールは普通に読まれていると考えて問題ありません。チャットやSNSが増えたからといって、「メールは誰も読んでいない」と決めつけてしまうのはもったいないです。
メールマーケティングをどう始めるか:まずは設計とリストづくりから
「メールマーケティングをやった方がよいのは分かった。では何から始めればよいのか」という問いに対しては、とりあえず送り始めればいい、というものではないとお伝えしています。
よくあるNGが、リストを購入して一斉送信してしまうパターンです。これはもう、やらない方がよいですし、むしろマイナスに働くこともあります。
現実的には、次のような流れで考えるのがよいです。
半年〜1年くらいのスパンでリストを育てる前提を置く
どんな情報をどの順番で届けると、お客様にとって価値が高いかを設計する
そのうえで、AIに本文作成や件名案出しを手伝わせる
最初の設計だけでも相談したい、という場合でも構いません。メールマーケティングの設計やステップメールの組み立てだけのご相談も受け付けています。
業種によって向き不向きがあるのも事実ですが、そのあたりも含めて「この業種ならこういうやり方が合いやすい」といったストックはありますので、気になる方はお問い合わせいただければと思います。
メールマーケティングは「数字が見える」から楽しくなる
メールマーケティングの良さのひとつは、開封率やクリック率、反響などが数字ではっきり見えることです。テストを重ねると、件名ひとつ、配信時間ひとつで反応がどう変わるかが分かりやすく、マーケティング好きな方にとってはハマりやすい分野になります。
一方で、これからはテクニックだけで数字を作るのではなく、サービス設計とメール内容の本質を磨いていくことがますます重要になります。AIに要約され、比較される前提でメールを設計していくと、メールというチャネル自体の価値も長持ちします。
お知らせ:ショート動画配信とご相談窓口について
最後に、いくつかお知らせです。
最近は、単発のYouTubeショート動画をほぼ毎日1本、TikTok、Instagram、Facebookでも、それぞれのチャネルで1日1回程度、縦型のショート動画を配信しています。YouTubeは昼、それ以外は夜7時前後に出していることが多いです。
1本あたり2分前後で、毎回ひとつのトピックだけを取り上げています。セールス要素は入れていませんので、「2分でサッとインプットして、自社の現場にどう活かすかを考えてみる」という習慣づけに使ってもらえると嬉しいです。
また、12月は何かと忙しい時期ですが、来年に向けたご相談や、無料診断・無料相談は引き続きお問い合わせフォームから受け付けています。メールマーケティングに限らず、ウェブまわり全般で「どこから手を付けるべきか整理したい」という段階でも構いません。
ラウンドナップWebコンサルティングでは、中小企業・小規模事業者専門で、ウェブのコンサルティングから各種サポートまでをワンストップで提供しています。今回の内容が、メールマーケティングに一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
まとめ
AI時代のメールマーケティングは、「終わるか・続くか」という二択ではなく、テクニック中心から本質中心へと役割がシフトしている段階にあります。送信側ではAIがコンテンツ作成や配信のPDCAを大きく助けてくれ、受信側ではAIによる要約や比較によって、ごまかしの利かない世界に向かっています。
その中で、私が現場で強く感じているのは次のポイントです。
メールは今後5年〜10年スパンで見ても、主力チャネルとして十分に戦える
AIによって「やりやすくなる部分」と「ごまかしが効かなくなる部分」がはっきり分かれてきている
サービスや商品の本質的な価値と、要約されても伝わるメール設計に舵を切ることが重要
メールマーケティングをこれから始めるにしても、すでに運用しているものを立て直すにしても、AIを「時短のための道具」としてだけでなく、「本質に集中するための環境づくり」としてどう活かすかが鍵になります。
関連リンク
Validity「The State of Email 2025 from Litmus」
Nukesend「2025 AI Email Marketing Trends」
ChatGPT Atlas 公式ページ
FAQ
AI時代でもメールマーケティングに取り組む価値はありますか。
はい、あります。チャットツールやSNSが普及しても、特にBtoBではメールが主力チャネルであり続けています。AIによってテクニック頼みのやり方は通用しにくくなりますが、そのぶんサービスや商品の本質的な価値で勝負するメールに切り替えれば、少なくとも今後5年は十分に成果を出せるチャネルになります。
AIのメール要約が進むと、どんなメールが通用しなくなりますか。
「読ませてその気にさせる」ことを前提にしたテクニック重視のメールは、AI要約と他社比較の前では効果が落ちていきます。例えば、実態としては頻繁に実施しているのに「期間限定キャンペーン」と繰り返すような手法は、過去の配信履歴や他社情報と照らし合わせればすぐに見抜かれます。要約されても伝えたい価値が残るメールに切り替えることが重要になります。
メールマーケティングを始めるとき、まず何から取り組めばよいですか。
まずは、「どんな人に、どんな価値のある情報を、どの順番で届けるか」という設計から始める必要があります。同時に、クラウド型のメール配信ツールを導入し、件名や配信時間、ステップメールなどのPDCAをAI機能も活用しながら回せ
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は、ビジネスの決断に本当に役立つ情報にどうたどり着くかというテーマでお話しします。単に情報を「集める」のではなく、自分の判断や行動につながる形で情報を“探索する”ための考え方について整理していきます。
この記事で得られること
このページを読むと、次のようなポイントが分かります。
ネガティブ情報に振り回されない「いいところ探し」の視点
─ 世の中の事例や他社の取り組みを見るときに、ダメ出しではなく「ここはいいな」「ここだけ真似したい」を見つけていくための具体的な考え方。
「探す前に考える」ことで、質の高い情報に出会いやすくする方法
─ なんとなく検索するのではなく、事前に「知りたいことリスト」を持った上で情報を取りにいくための簡単な習慣。
AIやニュース、SNSに触れるときに、自分の感覚を守るコツ
─ ChatGPT や Gemini を含む対話型AI(人工知能)の使い方のポイントと、他人の意見を先に見過ぎないためのちょっとした工夫。
先に結論:情報探索の3つの原則
本文では順を追ってお話ししますが、先に要点だけまとめておきます。
「いいところ探し」をする
ネガティブな情報は「これはやらない」という選択肢を減らす役割にとどまりがちです。
他社事例やニュースを見たときは、まず「どこが良いか」「どこなら真似できそうか」を探し、いいと思った理由と実行までの筋道をその場でメモしておくことが大事です。
探す前に考える
なんとなく情報を探すのではなく、あらかじめ「知りたいことリスト」を持った状態でニュースや情報に触れることで、「これは自分のテーマに関係ありそうだ」というポイントに気づきやすくなります。
ChatGPT や Gemini などの対話型AIを使うときも、ざっくりとした質問ではなく、自分の前提や状況を踏まえた具体的な問いにしていくことがポイントです。
まず自分の感覚で考える
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のコメントやレビューを先に見過ぎると、自分の感覚が分からなくなりがちです。
まずは自分はどう感じたのかを一度整理してから、他人の意見を「材料」として取り入れることで、自分のレーダーやアンテナを鍛えていくことができます。
情報収集ではなく「情報探索」に切り替える
なぜ「情報をたくさん集めているのに決断できない」のか
情報は集めているつもりなのに、いざというときに「結局どれを選べばいいのか分からない」「行動に移せない」という感覚はないでしょうか。
私自身も、自分の情報の取り方を振り返る中で、「ここに1つ、分かりづらいけれど原因があるな」と感じるようになったポイントがあります。それが、「情報収集」と「情報探索」を混同してしまっているという点です。
「情報収集」という言葉から自然に行ってしまいがちなスタイルは、たとえば次のようなものです。
すぐに役に立ちそうなノウハウやテクニックを
大量の情報の中から「宝探し」のように見つけ出して
そのまま“ポン付け”しようとする
ただ、このやり方だと、たとえ「すぐ使えそうなノウハウ」が見つかったとしても、
他の人も同じ情報にたどり着いていて、優位性にならない
自分の状況と本当に合っているかどうかの判断があいまい
そもそも「そのまま使えるノウハウ」自体がそんなに多くない
といった問題が出てきます。
ではどうすれば、自分の判断や行動につながる形で情報を“探索”して見つけていけるのか。ここが今回のテーマです。
「情報収集」と「情報探索」の違い
まず、言葉の定義をはっきりさせておきます。
概念
イメージ
情報収集
目の前にある情報の中から、使えそうなノウハウやテクニックを拾ってくるイメージ。
情報探索
先に「自分は何を知りたいのか」「どんな判断をしたいのか」を考えた上で、必要な情報を筋道立てて集め、判断や行動につなげていくプロセス。
同じニュースを読んだり、同じ本を開いたりしても、
「ただ眺める」のか、「自分の判断のために読み解く(自社ならどう応用できるかを考えながら読む)」のかで、得られるものはだいぶ変わります。
この前提を押さえたうえで、ここから「情報探索」を実践するための2つ(+1)のポイントを整理していきます。
ポイント1:情報の「いいところ探し」をする
ネガティブ情報が増えやすい理由
今の世の中を見ていると、ニュースサイトにしても、SNSにしても、多くの情報がネガティブ寄りになっていると感じませんか。
分断や対立をあおるような話題や、感情的なぶつかり合いのようなやり取りの方が、どうしても注目を集めやすいからです。その結果、SNSやネットニュースの世界では、ネガティブな情報や炎上しそうな話題が拡散されやすくなり、誰かを批判したり、何かを否定する情報が目に入りやすくなっていると感じます。
当然ですが、経営やビジネスの判断に使う情報としては、これだけではどうしようもありません。むしろ時間の無駄になることさえあります。
ネガティブな情報は、「これはやってはいけない」という選択肢を減らす役割にはなりますが、「では何をやるのか」というストレートな行動にはつながりにくいことが多いからです。
ネガティブ情報は「選択肢を減らす」役割にとどまりやすい
例えば、100個の選択肢があるとします。ネガティブな情報は、
「この2つは危ないからやめておこう」「このパターンだけは避けよう」
といった形で、せいぜい1〜2個の選択肢を消す役割を果たしてくれます。もちろん、それにも意味はありますし、重要な役割です。
ただ、100個あった選択肢が98個になっただけでは、次に踏み出す一歩はまだ見えてきません。そこで意識したいのが、「いいところ探し」です。
「ここはいいよね」を意識的に探す
他社の事例やニュース、誰かの意見を見たときに、最初から粗探しをしない。これがとても重要です。
具体的には、次のような視点で見ていきます。
「いろいろあるけれど、ここはいいな」
「この決断はすごいな」
「この部分だけなら、うちでも真似できるかもしれない」
どんな情報であっても、大なり小なり、
ここでこういう決断をしたのはすごい
この場面でこうやって人を動かしているのは参考になる
この一部分だけ切り出せば、うちでも試せそう
といったポイントが、どこかに潜んでいることが多いです。
そこを意識的に拾っていくと、「やってはいけないこと」を知るだけでなく、「やってみてもいいこと」の候補が増えていきます。
そしてこの「やってみてもいいこと」は、ネガティブ情報のように「無数の選択肢の中からいくつか選択肢を消すだけ」ではありません。
「これをやってみよう」というダイレクトな行動に直結しやすい情報です。ポジティブに選んだ情報ほど、行動に結び付きやすいと考えています。
1. その場で言語化しておく
ここで1つ注意点があります。「なんとなくいいな」と思っただけでは、時間が経つとその感覚を忘れてしまうことが多いです。
そこでおすすめなのが、次のような「考えの筋道」を、その場で軽くメモしておくことです。
なぜ自分はそれを「いい」と感じたのか
どこが魅力的に映ったのか
どんな場面でなら自社でも試せそうだと思ったのか
ポイントは、完璧な分析をする必要はまったくないということです。
「多分こういう理由でいいと思ったんだろうな」という程度で構いません。
あとから見返したときに、自分の頭の中でどういう連想が起きていたのか、どの順番で「これやってみようかな」という気持ちになったのかが分かるくらいで十分です。
2. 「自分のやりやすい形」でメモを取る
このときのメモ方法は、本当に何でも大丈夫です。
スマホのメモ帳に、思いついたことを打ち込む
紙のノートに、殴り書きで箇条書きしておく
移動中などは、音声で録音しておく
私自身は、打てる状況ならメモ帳に打ち込み、難しいときは音声で録音しておいて、あとから生成AIにまとめてもらうことが多いです。
昔は「音声を録ったあとに、もう一度聞き返して、自分で書き起こす」のが大変でしたが、今は ChatGPT や Gemini などの対話型AIに読み込ませれば、要約や整理を任せることができます。
音声で話すと、自分でも意外だった考えや感情が、そのまま言葉として出てくることがあります。頭の中を丸ごと取り出しておける感覚があって、メモとしてはとても相性が良いと感じています。
3. 「その場で考える」と実行につながりやすい
もう1つ大事なのは、いいと思ったその場で、実行までの筋道をざっくり考えておくことです。
「あとで時間があるときに考えよう」とメモだけ残しても、そのときの感情や熱量は薄れてしまい、結局手を付けないまま終わってしまうことも多いからです。
「いいところ探し」をしながら、その場で、
自社ならどこを真似できるか
最初の一歩をどこに置くか
誰を巻き込めば動き出せそうか
といったことを軽く考えて、理由と合わせて記録しておく。これだけでも、情報を「読んで終わり」から、「読んで動く」状態に近づけていくことができます。
ポイント2:探す前に「何を知りたいか」を考える
「なんとなく探し」では良い情報に出会いにくい
次のポイントは、情報を探す前に、何を知りたいのか先に考えておくということです。よく「仮説と検証」と言われますが、その情報バージョンのようなイメージです。
「何かいい情報ないかな」「これに役立ちそうなものないかな」と、ふわっとした気持ちのまま情報を探していると、なかなか良い情報に出会えません。
人間のアンテナには限界があるので、全方位に広げたままだと、本当に必要なものをキャッチしにくくなります。いわば「無指向性」よりも、「このテーマを中心に見ていく」と指向性を持たせた方が良いのです。
「知りたいことリスト」をつくっておく
そこでおすすめなのが、自分の「知りたいことリスト」をつくっておくことです。難しいものではなく、
今、事業で気になっていること
近いうちに決めないといけないテーマ
いつか深掘りしたいと感じている論点
といったものを、思いつくままメモに書き出しておくイメージです。
そして、それを毎朝さっと眺めるくらいで構いません。全部を覚えておく必要はありませんが、「自分は今こういうことを知りたがっている」という情報が、潜在意識の方に入っていきます。
すると、ニュースを読んだり、人と話したりしているときに、「あれ、これはあのテーマに関係あるかもしれない」「この事例は、あの悩みに引っかかるな」といった形で、自然と「ピコーン」と反応しやすくなっていきます。
毎回、「この情報は自分のどのリスト項目に当てはまるか」を頭の中で照合するのは現実的ではありませんが、事前に方向性を決めておくことで、感度が上がるイメージです。
ニュースを見るときの「問い」の持ち方
例えば、ある会社のニュースを見たとき、事前に「知りたいことリスト」が意識されていると、次のような問いが自然と出てきます。
「なぜこの会社はこの対応を選んだんだろう」
「この結果になる前の段階では、どんな意思決定があったんだろう」
「この立場の人は、このときどう感じていたんだろう」
ここから先は、自分の「思考の鎖」をつなげていく作業です。
対話型AIに「思考の鎖」を乗せて質問する
最近であれば、ChatGPT や Gemini のような対話型AIに対して、
「このニュースのこの部分について、似たような事例はないか」「この決断に至るまでに、どんな選択肢や背景があり得るか」
といった形で質問を投げ、引用付きの情報を出させることで、関連情報を広げていくこともできます。
重要なのは、最初の問いがふわっとしていないことです。
「うちにとって一番いい施策を教えて」といった、条件も前提もないオープンクエスチョンだけだと、どうしても精度の低い回答になりがちです。
「この条件で」「今こういう状況で」「こういうことを実現したい」という形で、自分の思考の鎖を1つずつつなげながら質問していくことが、AIを使う上でもポイントになります。
対話型AIを使うときの前提と注意点
対話型AIを情報探索に使うときは、いくつか前提を持っておくと安心です。
引用付きの情報を優先する ─ 何かを事実として扱うときは、出典がきちんと示されている情報を重視する。
推論と事実を分けて読む ─ AIが推測して話している部分と、実際の引用情報の部分を意識的に分けて確認する。
重要なところは公式情報でダブルチェックする ─ 特にお金や法務に関わる部分は、最終的には公式サイトなどで確認する。
料金体系やプラン名などはどんどん変わっていきますが、現時点での私の経験では、上位モデルが使える有料プランの方が、精度や安定性が高いと感じています。実際、上位モデルを使うと、情報の拾い方もだいぶ変わってくる印象があります。
AI以外の情報源も「知りたいこと」から逆算する
対話型AIを使わない場合でも、
「このテーマなら、あの雑誌や専門書を読んでみよう」「この分野なら、社内の誰々が詳しそうだから聞いてみよう」
というように、「知りたいこと」から逆算して、情報源や相談相手を選んでいく感覚が大切です。
「とりあえず情報を入れ続ける」のではなく、
考える → 情報を得る → また考える → 必要なら誰かに聞く
というサイクルを回していくと、得られる情報の質も、自分の考えの整理のされ方も、大きく変わってきます。
ポイント3:まずは自分の感覚で考える
SNSやレビューを「先に」見ないようにすべき理由
もう一つ、情報探索という意味で非常に大事だと感じているのが、「先に他人の意見を見過ぎない」ということです。
今のSNSやニュースサイトは、ある意見に対して他の人がどう反応したかがすぐ見えますし、コメント欄や引用ポストの雰囲気に引きずられやすい構造になっています。
それ自体が悪いわけではありません。ただ、最初から他人の反応ばかり見てしまうと、自分の感覚を信じにくくなってしまうことがある。この点はとても重要だと感じています。
これは情報に限らず、例えば映画や漫画、その他の娯楽も同じです。レビューや評価を先に見てしまうと、それに引きずられてしまい、素直に楽しめなくなることがありますよね。
自分の「レーダー」「アンテナ」を鍛える
自分のレーダーやアンテナを鍛えるには、「まず自分でどう感じたか」を大事にする必要があります。情報探索という意味で見ると、ここは避けて通れません。
他人の評価や点数を先に見てしまうのは、極端に言えば、外から聞こえてくる声をただ眺めているだけの状態になりがちです。それは「情報を集めている」というより、ただ流れてくるものを浴びているだけとも言えます。
そうではなく、まずは、
自分はこの情報をどう感じたか
どこが良いと思って、どこに違和感を覚えたのか
を一度自分で考えてから、後から他人の意見を見に行く。
そうすると、
自分とは全然違う考え方があると分かる
自分の考えをより深くしてくれる、別の視点に出会える
といった形で、他人の意見を「材料」として取り入れやすくなります。どちらが優れているかという話ではなく、自分の考えを持った上で比較するのが大切だと感じています。
ビジネスとメンタルを守るための「いいところ探し」
分断・煽り情報に触れ続けるリスク
改めて、「いいところ探し」にはもう一つ重要な側面があります。それは、自分の心を守るということです。
ページビューやインプレッションを集めても、昔ほど広告収入にならない状況もあって、どうしても、
対立や分断を煽るコンテンツ
誰かを攻撃することで注目を集める投稿
のような情報が増えがちです。
そういった情報ばかり見続けていると、心が荒れてしまったり、他人を攻撃することでストレスを発散しようとしてしまったりする方向に近づいていきます。これは、自分がされたくないことを、他人に対してやっている状態でもありますし、最終的には誰も得をしません。
「世界にも良いものはたくさんある」と実感する
一方で、「いいところ探し」を意識していると、ニュースや事例、誰かの取り組みを見たときに、
「この決断はすごいな」
「こういう工夫をしているのは素敵だな」
「この部分だけでも、うちで真似してみたいな」
というように、世の中にある「良いもの」「良い動き」が目に入りやすくなります。これは、精神衛生の面でもとても大きいと感じています。
特に、今のように事業環境が厳しく、
資金繰りが苦しい
人手不足が続いている
倒産件数も増えているという話を、商工会などから耳にする
といった状況の中では、経営者自身が倒れてしまうとどうしようもなくなるという現実があります。だからこそ、自分の心を守る意味でも、「いいところ探し」は非常に大事だと感じています。
ここまでのまとめ:情報探索の2つ(+1つ)の原則
ここまでお話ししてきた内容を、改めて整理すると次の通りです。
いいところ探しをする
─ ネガティブな情報は「選択肢を減らす」役割にとどまることが多い。
─ 他社の事例やニュースを見たときは、まず「どこを真似できるか」「どこが良いか」を探す。
─ いいと思ったら、その理由と実行までの筋道を、その場で簡単にメモしておく。
探す前に考える
─ なんとなく情報を探すのではなく、「知りたいことリスト」を持っておく。
─ そのリストを意識しながらニュースや情報に触れると、「ここが気になる」というポイントに気づきやすくなる。
─ ChatGPT や Gemini などの対話型AIを使うときも、ざっくりした質問ではなく、自分の思考の鎖を乗せていく。
まず自分の感覚で考える
─ 先に他人の意見やレビューを見過ぎない。
─ 自分はどう感じたかを一度整理してから、他人の意見を「材料」として取り入れる。
─ そうすることで、自分のレーダーやアンテナがだんだん鍛えられていく。
この3つを意識するだけで、同じ情報に触れていても、得られるものがかなり変わってくるはずです。
「いろいろ読んだり調べたりしているのに、行動に結びつきにくい」と感じている場合は、まず1つ目の「いいところ探し」から試してみていただくのがおすすめです。
ショート動画配信と、ご質問の送り先について
最後に少しだけお知らせです。
ポッドキャストとは別に、YouTube ショートや Instagram、TikTokなどでも、2〜3分の短い音声・動画を配信しています。
だいたい週に1〜2回、まとめて何本か撮影して、そのまま編集して出しているので、自分でも「千本ノックを受けているような感覚」で、少し疲れるのですが、できるだけ続けています。
朝のちょっとした時間に、さっと聞き流すだけでも、また違った気づきがあるかもしれません。どのプラットフォームでも構いませんので、ふと思い出したときに覗いていただけたら嬉しいです。
また、ご質問やお悩みがあれば、匿名でも構いませんので、ラウンドナップWebコンサルティングのお問い合わせフォームから送っていただければと思います。ポッドキャストや各種コンテンツの中で、できる限り丁寧にお答えしていきます。
関連リンク
OpenAI 公式サイト(ChatGPT など)
Google Gemini 公式サイト
中小企業庁 経営サポート(公式)
こころの健康・メンタルヘルス(厚生労働省 公式)
よくある質問(FAQ)
Q1. 「情報収集」と「情報探索」は、何が違うのですか?
「情報収集」は、目の前にある情報の中から、使えそうなノウハウやテクニックを拾ってくるイメージです。
一方で「情報探索」は、先に「自分は何を知りたいのか」「どんな判断をしたいのか」を考えた上で、必要な情報を筋道立てて集め、判断や行動につなげるプロセスを指しています。
Q2. ネガティブな情報はビジネスに役立たないのでしょうか?
ネガティブな情報にも意味はあり、「これはやってはいけない」という注意喚起として、選択肢を減らす役割を果たします。
ただし、それだけでは「では何をやるのか」という前向きな決断にはつながりにくいため、同時に「いいところ探し」をして、実行候補になる前向きな情報も集めていくことが大事だと考えています。
Q3. 「いいところ探し」は具体的にどうやれば良いですか?
他社事例やニュース、誰かの意見を見たときに、まず粗探しをするのではなく、「ここはいいな」「この部分だけなら真似できそうだな」という点を意識的に探します。
そして、なぜそう感じたのか、どんな場面なら自社で試せそうかを、その場で簡単にメモしておくと、あとから実行に移しやすくなります。
Q4. 情報を探す前に「考える」とは、具体的に何をすれば良いですか?
まず、今の自分や自社が「何を知りたいのか」をリストアップしておきます。
そのリストを毎朝さっと眺めておくだけでも、ニュースや本、人との会話の中で、「これはあのテーマに関係ありそうだ」と自然に反応しやすくなります。
その上で、必要な情報源や相談相手を選んでいくと、質の高い情報に出会いやすくなります。
Q5. 生成AI(ChatGPT や Gemini など)を情報探索に使うときの注意点はありますか?
ざっくりしたオープンクエスチョンだけを投げるのではなく、「こういう状況で」「こういうことを知りたい」という前提を伝えながら質問を重ねていくことが大切です。
また、引用付きの情報を優先し、AIが推論している部分と事実の部分を分けて読むこと、重要な内容は公式情報でダブルチェックすることも意識しておくと安心です。
配信スタンド
Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892
YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN
Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj
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■Podcast /Webinar への質問は
こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7
運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第578回:ビジネスの決断のための情報探索の2つのポイント「いいところ探し」と「考えてから探す」の原則 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
画像で内容のまとめ
ポッドキャスト書き起こし
良いマーケティングエージェンシーを選ぶためのチェックポイント
今回は、Xのポストでも少し引用したのですが、マーケティングエージェンシーを選ぶ際に押さえておきたいポイントについてお話しします。これはウェブ広告に限らず、サイト制作やコンサルティングなど、皆さんのパートナーとなる会社を選ぶ際にも役立つ内容です。
こういったテーマは、どうしても業界ごとのポジショントークになりがちです。その業界で長く仕事をしていると、自然と特定の切り口で物事を見てしまいますし、商売としてそう発言せざるを得ない側面もあるでしょう。
私もなるべくポジショントークにならないよう心がけていますが、普段から中小企業の「現場主義」を掲げてコンサルティングを行っているため、どうしてもその視点が強くなる点はご容赦ください。
今回この話題を取り上げようと思ったのは、海外の中小企業向けマーケティング会社のCEOが書いた記事を読み、「なるほど、これは皆さんにシェアしたい」と感じたからです。その記事で挙げられていた項目を引用しつつ、私自身の経験や知見を交えて解説していきます。
今回の内容を聞いていただくことで、現在パートナーを探している方は、選定時の質問や検討の材料になるでしょう。また、すでに付き合いのある会社がいる方は、改めて関係性を見直すことで成果が出やすくなったり、今後の付き合い方を考える目安になったりするはずです。皆さんにとってより良い関係性を築くきっかけとして、今回のチェックポイントを活用していただければと思います。
海外の失敗事例から学ぶ、エージェンシー選びの重要性
今回ご紹介するのは、『Duct Tape Marketing』という会社のCEO、サラ・ネイ氏が書いた「Questions to ask before hiring a marketing agency」という記事です。
元記事はリンクを載せておきますので、ぜひGoogle翻訳などを使って読んでみてください。より中立的な視点が得られるかと思います。
10 Questions to Ask Before Hiring a Marketing Agency or fCMO
https://ducttapemarketing.com/questions-to-ask-before-hire-a-marketing-agency/
記事では、2つの極端な失敗例が挙げられています。
1. 内容を理解しないまま、高額なSEOサービスを3年契約してしまった
一つは、いわゆる「丸投げ」状態で、月8,000ドル(約120万円)のSEOサービスを3年契約で縛られてしまったケースです。成果については書かれていませんが、失敗例として挙げられている以上、おそらく出ていなかったのでしょう。月額120万円は、コンテンツ制作費を含んでいるかは不明ですが、中小企業から中堅企業にとってかなりの投資額です。
2. 広告アカウントの所有権がなく、トラブルになった
もう一つは、月1万ドル(約150万円)をかけてGoogle広告を運用していたものの、広告アカウントの所有権が自社になかったために、トラブルに発展したケースです。
これらの事例は、導入を分かりやすくするためのものかもしれませんが、金額の大小はあれど、実際に起こりがちな生々しい話でもあります。特にSNS関連では、もっとドロドロした話も耳にします。
今回は誰かを批判することが目的ではありませんので、早速チェックすべきポイントについて見ていきましょう。
契約前に確認すべき7つの重要ポイント
1. 広告アカウントやデータの所有権は自社にあるか?
最初に出てくるのが、広告アカウントや解析ツールのアカウント、データの所有権を自社で持てるかという点です。
これは日本のまともな代理店であれば、口酸っぱく言っていることなので、常識になりつつあるとは思います。お客様自身でアカウントを作成してもらうか、代理店が作成して譲渡するなど、お客様がいつでも管理画面を見られるようにするのが一般的です。しかし、地方などでは「管理画面はお見せできません」という代理店がまだ存在するという話も聞きます。
確認すべき質問
「契約が終了した際、広告や解析ツールをスムーズに自社で引き継ぎ、管理・運用できますか?」
「広告費用やコンバージョン数など、管理画面で確認できるデータを、いつでも私たち自身が見られる状態にしてもらえますか?」
もし代理店から「自社のアカウント内で運用しているので切り離せません」といった説明を受けた場合は、本当に注意してください。
元データにアクセスできず、代理店が作成したレポート経由でしか数字を見られない状況は非常に危険です。まず、そうした古いやり方をしている会社であること自体がリスクですし、パートナーとして対等な関係を築く意識が低い可能性があります。
データは会社の生命線です。お互いがいつでもデータを見て、それに基づき意見交換をしながら改善を進めていくのが本来あるべき姿です。データを見せない、あるいは契約終了後にアカウントを譲渡できない会社とは、基本的に付き合わない方が良いでしょう。
また、「こちらで全部やりますから、皆さんは見なくていいですよ」といったように、クライアントを依存させようとする姿勢の会社も避けるべきです。「見方が分からないなら教えますので、ぜひ見てください」と言ってくれる会社を選びましょう。
2. 「成功の定義」は売上に繋がっているか?
次に、「何を成功とみなすか」が明確になっているか、という点です。
ここで注意したいのは、成功の定義がアクセス数、クリック数、SNSのフォロワー数といった、ウェブ上のデジタルな数字だけで完結していないか、という点です。これらはKPI(重要業績評価指標)にはなり得ますが、必ずしも売上に直結するとは限りません。
そうした指標だけを見て、「コンバージョンが増えましたね、良かったですね」で終わってしまう会社は避けましょう。
確認すべきポイント
増えたコンバージョンの「中身」まで気にしてくれるか?
「問い合わせ内容は悪化していませんか?」「営業に繋がらない問い合わせが増えていませんか?」といった確認をしてくれるか?
施策実施後、「その後の成約率はどうでしたか?」「見込み客の熱量はどうでしたか?」といった、最終的な成果まで踏み込んでくれるか?
特に最近は問い合わせフォームへの営業メールなども多く、ツールの設定によってはコンバージョン数が実態と乖離して跳ね上がることがあります。その数字だけを見て何の疑いもなく「成功です」と報告するような代理店は危険です。
クリック数やフォロワー数が業績と明確に連動していると双方で合意できているなら話は別ですが、そうでなければ、最終的な売上まで気にしてくれるパートナーを探しましょう。可能であれば、問い合わせ内容などを共有できる関係を築くのが理想です。
3. 短絡的な施策だけでなく、大局的な戦略はあるか?
個別の戦術、例えば「新しいページを作りましょう」「広告の出稿先を増やしましょう」といった単発の提案は出てくるものの、その背景にある大きな戦略が見えない会社は避けた方が良いでしょう。
ウェブマーケティングの競争は激化・飽和しており、短期的に「これをやれば上がる」という魔法のような施策はほとんどありません。「将来的にこういう姿を目指すために、今はこれをやります」という中長期的な視点に基づいた全体像がなければ、施策は場当たり的になり、投資対効果も悪化します。
確認すべき質問
提案された施策が「何を目的として」いて、「自社をどのような姿にするために」必要なのか、その意図を尋ねる。
提案された手段(How)だけでなく、その目的(What)や理由(Why)をきちんと説明してくれる会社を選びましょう。
手段だけを提案するのは楽ですし、実行するのも簡単です。しかし、それが成果にどう繋がるかはやり方次第です。
もし定例会などで提案された内容がよく分からなければ、「よく分かりません」と正直に伝えることが大切です。その質問に対して、きちんと相手に合わせて分かりやすく説明できるのが、本当に良いパートナーです。専門家の言うことだからと萎縮せず、臆せずに質問しましょう。そこで相手の本当の実力が見えてきます。
4. 契約終了後のプロセスは明確か?
どんな契約にも終わりは来ます。契約が終了した後のことを明確にしてくれる会社を選びましょう。
特に伴走支援型の契約は、終わりが見えなくなりがちです。「もっとやる余地があります」「他社がやっているから、うちもやった方がいい」と言い出せば、課題はいくらでも作り出せます。しかし、だらだらと契約を続けるのが良いわけではありません。
マーケティングは会社の利益の源泉であり、最終的には自社でコントロールできるよう自立を目指すべきです。
良い会社は、いつか自分たちが身を引くことがクライアントのためになると理解しているので、「契約が終わった際は、スムーズに引き継げるようになっています」という体制を整えています。逆に、クライアントを依存させようとする会社は、「うちを辞めるとこれができなくなりますよ」とか、「引き継ぎに時間がかかるので2ヶ月前に言ってください」といった、ソフトウェア契約のダークパターンのようなことを言ってくる場合があります。
契約終了時の条件を事前に聞くこと、そして契約書をしっかりレビューすることが重要です。契約書は、できれば法律の専門家にチェックしてもらうのが一番ですが、最低でも内容をよく確認し、安易に同意しないようにしましょう。
5. 提案者と実際の担当者は同じか?
提案や商談の際に、実際に誰が担当してくれるのかが明確になっていない会社は注意が必要です。
これは以前のポッドキャストでもお話ししましたが、「会社で選ぶより担当者で選べ」という視点が重要です。提案の場には、案件を獲得するためにスキルが高い人が出てくるのが一般的です。しかし、実際の運用は別の担当者が行うケースが少なくありません。
会社の中には優秀な人から駆け出しの人まで様々です。優秀な担当者は、当然ながら単価の高い大きな案件にアサインされがちです。
確認すべき質問
* 「この提案をしてくれたあなたが、実際に担当してくれるのですか?」
* もし担当が別の人なら、「では、その担当者にも同席してもらえますか?できれば、その方にプレゼンをしてもらえますか?」とお願いする。
「提案に来てくれた人とは馬が合ったのに、実際の担当者とは合わなかった」「レベル感が違った」ということは本当によくあります。実際に誰が担当するのかを事前に確認し、可能であれば会わせてもらえる会社に相談しましょう。
6. 社内チームと連携する姿勢はあるか?
代理店側だけで完結できることは、どんどん少なくなっています。
例えばコンテンツ制作一つとっても、昔は情報を集めて網羅的な記事を書けばある程度成果が出ましたが、今はE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が重視され、その会社ならではのオリジナリティが求められます。そのためには、社内の担当者や専門家にインタビューしたり、営業やカスタマーサポートのチームと連携したりすることが不可欠です。
良い代理店は、こうした社内連携の重要性を理解しているため、最初から「社内の〇〇部門の方ともお話しさせてください」といった形で、積極的に巻き込もうとする姿勢を見せます。
逆に、「全部うちでやりますから大丈夫ですよ」というスタンスの会社は、今後厳しくなるでしょう。皆さんと一緒になって、社内を巻き込みながらプロジェクトを進めてくれる会社を選びましょう。
7. レポートやAIの活用方針は適切か?
その他、元記事で挙げられているものとして、レポートの実例や、AIと人間の役割分担についての確認があります。
レポートについて
毎月20〜30ページにも及ぶ、数字ばかりが並んだレポートを送ってくる会社がありますが、これはあまり良くありません。レポートは、皆さんが最低限の時間で現状を把握するためにあるべきです。読んでみて「ストーリーがない」「結局何を言いたいのか分からない」と感じるレポートは、良いレポートとは言えません。
本来、レポートには「現状の数字からこういうことが言える→だから、次はこのように改善すべきだ→具体的にはこの施策を実行する」というストーリーがあるはずです。定型的なツールから出力しただけのレポートではなく、そうしたストーリーが見えるレポートを提出してくれるか、実例を見せてもらうと良いでしょう。
AIの活用について
「どこでAIを使っていますか?」と聞くことも、今の時代は重要です。広告クリエイティブやコンテンツ作成など、AIは様々な場面で活用されますが、そのリスクや適切な使い方を理解しているかは確認すべきです。私たちもAIを使う際は、リスクヘッジのためにも必ずその旨を伝えるようにしています。誠実な会社であれば、AIの活用方針についてきちんと説明してくれるはずです。
まとめ:良いパートナー選びの最終チェック
チェックリストの再確認
これまでお話ししてきたポイントをまとめます。
アカウントとデータの所有権:データは自社の所有物としていつでも閲覧・移行できるか。
成功の定義:最終的な売上など、自社の事業目標に繋がる形で設定されているか。
戦略の有無:単発の戦術ではなく、大きな戦略に基づいた提案か。
契約終了時の対応:契約をだらだら引き延ばさず、スムーズに終われる体制か。
実際の担当者:事前に担当者が誰か分かり、その人物と話せるか。
社内連携の姿勢:自社の他部署も巻き込んで進める意識があるか。
AIの活用方針:AIを使っていることを明示し、適切に活用しているか。
これらの点は、提案書をもとに確認したり、分からないことは「なぜですか?」と質問したりすることで見極めることができます。意地悪ではなく、お互いの認識を合わせるために、納得できるまで確認し続けることが大切です。
最も大切なのは「卒業を応援してくれる」姿勢
もし端的に一つだけ挙げるとすれば、「クライアントの卒業を応援してくれる会社」が良いパートナーだと思います。
そうした会社は、皆さんの会社の成長を第一に考えてくれます。だからこそ、データをきちんと見せてくれますし、契約の終わり際もクリーンです。そして、皆さんが自立できるよう、しっかりと成果を残そうと努力してくれます。
もちろん「卒業」といっても、関係が完全に切れるわけではありません。私たちの場合も、プロジェクトが一段落した後に、定額の相談プランのような形で関係を続けるケースが多くあります。一度築いた関係性の上で、新たな課題が出てきたらまた協力する。そうした「入学と卒業を繰り返す」ような関係が理想的です。
年末に向けて、来期のパートナーを検討し始める時期かと思います。ぜひ今回の内容を参考にしていただければ幸いです。
それでは、今回も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
中小企業、小規模事業者を中心にウェブの活用支援と実行サポートを行っております、株式会社ラウンドナップの代表取締役、中山がお送りいたしました。また次回もよろしくお願いいたします。
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
広告や解析のアカウントは誰が所有すべき?
基本は自社所有。契約終了後も自社で閲覧・管理できる形にして、代理店側の統合アカウントに依存しないよう確認します。
成功の定義はどう決める?
表示回数やフォロワー数だけでなく、問い合わせ内容や受注など売上につながる指標まで含め、双方で合意します。
単発施策と全体設計、どちらを優先?
単発施策は状況依存。まず中期的な全体設計を共有し、その上で手段を選びます。
契約終了時は何を確認する?
アカウント引き継ぎ、権限、データの移行、通知期限など。卒業を前提にスムーズに終われる条件を契約で明確化します。
担当者体制はどう見極める?
提案時の人が実運用も担当するかを確認。可能なら実担当を同席させ、説明のわかりやすさも見ます。
配信スタンド
Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892
YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN
Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj
Amazon Music Amazon Podcasts
■Podcast /Webinar への質問は
こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7
運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第577回:中小企業がWebのパートナー選びでトラブルを避ける実務ポイント は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
ChatGPTでがっかりした経験はありませんか?
今回は、対話型AI、特ChatGPTやGeminiについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
ChatGPTのような文章生成AIを使った際に、「なかなか満足のいく回答が得られない」「思ったような品質にならない」と感じた経験はないでしょうか。
一度は軽い絶望感や、がっかりした気持ちを味わった方も多いかもしれません。その結果、「やっぱりまだ実用的ではないな」と感じ、使うのをやめてしまった方もいるのではないでしょうか。
このようなことが起こる大きな理由の一つは、私たちが対話型AIの「得意なこと」をきちんと把握していないからかもしれません。今回の内容を読んでいただくことで、ChatGPTやGeminiなどから、より質の高い、実用的な回答を引き出すヒントが得られるはずです。
そのためには、まずAIがどのようにして文章を生成しているのか、その仕組みを少しだけ知っておくことが近道になります。そこで本記事では、まずAIの仕組みを分かりやすさを優先して解説し、その上で「なぜ思った通りの回答が返ってこないのか」「どうすれば質の高い回答を引き出せるのか」について、具体的なポイントを解説していきます。
AIが苦手な「オープンクエスチョン」と得意な「条件付け」
生成AIから満足のいく回答を引き出せない方の使い方を見ていると、ある共通点に気づきます。それは、「オープンクエスチョン」をしてしまっているケースが非常に多いということです。
例えば、以下のような質問です。
「最高の〇〇を考えてください」
「我が社にとってベストで、他にないようなものを作ってください」
「最高の提案をしてください」
実は、AIはこのような漠然とした質問がとても苦手です。その理由は後ほどAIの仕組みの部分で詳しく説明しますが、まずはこの点を覚えておいてください。
では、逆にAIは何が得意なのでしょうか。それは、条件や関連情報を適切に与え、方向性を定めた上で、ゴールまでの道筋を模索させることです。つまり、入り口と出口がはっきりしている課題解決を得意としています。
「問いを立てる能力」の本当の意味
よく「AIを使いこなすには、問いを立てる能力が重要だ」と言われます。「問いを立てる能力」と聞くと、優れた質問をする力のように思われがちですが、本質は少し違います。これはむしろ、適切な「初期の条件付け」を行い、「どうなってほしいか」というAIにとってのゴールを明確に設計し、指示する能力だと捉えると、より具体的になります。
もちろん、考える過程をAIに手伝ってもらうことは有効ですが、すべてを丸投げして「とりあえず売上を上げるために一番やるべきことを教えて」のように質問すると、たいていは漠然とした、どこかで聞いたことがあるような一般的な内容が返ってくるだけです。
AIを使いこなすとは「丸投げ」ではない
「AI」と聞くと、どうしても「丸投げで答えを出してくれる魔法の道具」というイメージがあるかもしれません。しかし、本当にAIを使いこなす能力とは、丸投げする能力ではなく、AIが最も得意なことを、得意なやり方でやらせてあげる能力です。
これが上手な人は、AIから単なる情報ではなく、実務で本当に役立つ質の高いアウトプットを引き出すことができます。
なぜAIは平凡な回答しかできないのか?その仕組みを解説
では、なぜオープンクエスチョンではありきたりな答えしか返ってこないのでしょうか。その理由を理解するために、ChatGPTのような対話型AIが文章を生み出す仕組みを簡単に見ていきましょう。
文章生成の心臓部「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」
少し専門的な言葉になりますが、ChatGPTなどは「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」という技術がベースになっています。これは以下のような仕組みで動いています。
トランスフォーマー(Transformer)
単語を、様々な特徴を持つパラメータの集合体(ベクトル)に変換する仕組みです。ゲームのキャラクターに「素早さ」「力」「特殊能力」といった多数のパラメータがあるように、一つの単語を多くの側面から数値化して捉えます。
自己回帰型
直前の文脈(一つ前や二つ前の文章)を踏まえて、「次にどの単語が来ると最も自然か」を予測し、言葉を紡ぎ出していく仕組みです。
つまり、AIは与えられた文脈や情報に基づいて、最も適切と思われる単語を確率的に繋ぎ合わせることで、文章を生成しているのです。
AIは「既存の知識のつながり」から答えを見つける
AIが単語を選ぶ際の根拠となるのは、「モデル」と呼ばれる膨大な知識データベースです。このモデルは、インターネット上のテキストなどを事前に学習(プリトレーニング)して作られた、いわばAIの脳みそです。AIの回答は、すべてこのモデルの中にある知識や単語同士のつながりが元になっています。
ここで重要なのは、AIはすでにある言葉と言葉の結びつきや、既存の概念を元にして答えを生成するという点です。「最高の提案」のようなオープンクエスチョンを投げかけると、なぜ平凡な答えが返ってくるのか。それは、特に条件が指定されていなければ、AIは世の中で「最高の提案」という言葉と一緒によく使われる、ごく一般的な単語の組み合わせを提示するしかないからです。「よくある質問」には「よくある答え」が返ってくるのは、ある意味で当然なのです。
「今までにないもの」が生まれない理由
「他社がやっていないこと」や「今までにないアイデア」を求めても、期待外れの結果に終わることが多いのも、この仕組みを考えれば理解できます。
「どこにもないもの」とは、言い換えれば「まだ言葉と言葉が結びついていないもの」です。AIは既存のデータのつながりを元に回答を生成するため、そもそもデータの中に存在しない、あるいは関連性が極めて薄い組み合わせを自発的に生み出すことは原理的に非常に困難です。
誰も思いつかないような突飛なアイデアは、AIのデータベース(モデル)の中では単語同士の関連性がないため、そもそも選択肢に上がってきません。このAIの基本原理を理解しておくことが、うまく付き合っていくための第一歩です。
AIから質の高い回答を引き出す3つのポイント
では、どうすればAIの能力を最大限に引き出せるのでしょうか。それは、AIが苦手なことをさせるのではなく、得意な土俵で仕事をさせることです。具体的には、以下の3つのポイントが重要になります。
ポイント1:具体的な「条件付け」で考える範囲を絞る
まず最も重要なのが、人間がAIのために適切な条件を与えることです。漠然と問いかけるのではなく、以下のよう考えるべき範囲を具体的に絞り込んであげましょう。
目的:何を得たいのか、何を実現したいのか、誰にどんな結果をもたらしたいのか。
制限・境界条件:予算の上限、使えるリソース(人員、時間)、関連する法律や規制、競合が強い領域など。
ここで欲張って条件を緩くするよりは、むしろ現実的な制約をできるだけ多く与える方が、AIは質の高い回答を出しやすくなります。絞り込みすぎたと感じたら、そこから一つずつ条件を緩めていく、というアプローチがおすすめです。これは、人間に仕事を依頼する時と同じだと考えると分かりやすいでしょう。
ポイント2:「うまくいった例」をデータとして蓄積する
AIに良いヒントを与えるために、成功事例や参考情報をデータとして蓄積していくことも非常に効果的です。これは社内のナレッジとしても財産になります。
社内の成功事例:過去にAIを使って良い回答が得られた質問(プロンプト)と、その回答をセットで保存しておきましょう。Googleフォームやスプレッドシートのような簡単な仕組みで十分です。
外部の参考情報:他社の事例や業界の動向、新しい組み合わせで成功した商品のニュースなど、参考になりそうな情報をテキスト形式でまとめておき、AIに読み込ませられるように準備します。
こうした「うまくいった例」をAIにインプットすることで、AIは「こういう観点で言葉のつながりを探せば、良い答えにたどり着きそうだ」というヒントを得ることができ、回答の精度が格段に向上します。
ポイント3:「探索」と「深掘り」のフェーズを分ける
一つの質問で、アイデア出しからプランニングまですべてを一度にやらせようとすると、AIの回答は散漫になりがちです。思考のプロセスをフェーズ分けすることをおすすめします。
探索フェーズ:まず、アイデアの種を見つけるために、あえてオープンクエスチョンを使い、幅広く情報を集めます。ここで出てきた回答はあくまでたたき台と捉え、人間が吟味し、方向性を絞り込みます。
深掘りフェーズ:探索フェーズで得られたいくつかの候補を元に、「ポイント1」で挙げたような具体的な条件付けを行い、実現可能性や具体的なプランニングをAIに考えさせます。
このように、アイデアを広げる「探索」の段階と、一つのアイデアを具体化する「深掘り」の段階を明確に分けることで、思考が整理され、最終的なアウトプットの質も高まります。
まとめ:AIとの上手な付き合い方
これまで見てきたように、AIから期待通りの回答が得られないと感じていた方は、無意識にAIの苦手なことをさせていたのかもしれません。自分の質問がオープンクエスチョンになっていないか、あるいは条件付けが非現実的でないか、一度見直してみてください。
人間とAIの役割分担を考える
AIは決して万能ではありません。少なくとも今のところは、得意な分野と苦手な分野がはっきりと存在します。AIを使いこなすとは、その特性を理解し、人間がやるべき「条件設定」や「最終判断」と、AIが得意な「膨大な情報の中から最適な組み合わせを見つける」作業をうまく分担することです。
この役割分担を意識するだけで、これまでのAIとの関わり方が変わり、仕事の進め方やアウトプットの質が大きく向上する可能性があります。
AIの仕組みを学ぶことが、一歩先を行くカギになる
今回お話しした「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」のようなAIの裏側の仕組みは、少し難しく感じるかもしれません。機械学習などの専門用語に抵抗を感じるのも自然なことです。
しかし、こうした基礎知識は、AIをよりうまく使うための大きな助けになります。実際に現場を見ていても、やはりAIを最も使いこなしているのは、その仕組みを理解しているエンジニアの方々だと感じます。簡単な書籍や検定などを通じて基礎知識を得ておくことは、今後大きなアドバンテージになるでしょう。
今回の内容が、皆さんとAIとの付き合い方を見直すきっかけになれば幸いです。
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
対話型AIを使っても良い回答が出ないのはなぜ?
質問がオープンすぎて、対話型AIが既存の情報からありきたりな回答を出してしまうからです。
対話型AIが得意な質問方法とは?
具体的で明確な条件を設定し、対話型AIが探索しやすい状況を作ることです。
対話型AIはゼロから新しいアイデアを生み出せるの?
いいえ、対話型AIは基本的に既存情報の組み合わせで回答を作るため、完全に新しい発想は苦手です。
どうやって対話型AIに良い回答を出させるの?
成功事例や明確な目的、制限などの条件をしっかり伝えることが重要です。
対話型AI活用で結果が出ない時の改善方法は?
質問方法や条件設定を見直し、より具体的で絞り込んだ質問をすることです。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
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投稿 第576回:Webマーケで対話型AIからより良い回答を得るコツをAIの仕組みから考える は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
ポッドキャスト一部抜粋
Googleアナリティクスの「MCPサーバー」本当に誰にでも便利なツールか?
今回は、Googleアナリティクスの「MCPサーバー」とは?そしてそれは誰もが使うべき便利なものなのか…?結論から言えば違います。ある程度データ解析やGAが分かっている人でないとリスクが大きいです。
詳しい内容は、Podcast本編をお聞き下さい。
Google アナリティクスの MCP サーバーを試す | Google for Developers
Google Analytics MCPサーバーは誰のため?ツールの本当の価値と選び方
今回は、以前からお話ししようと思っていた「Google Analytics MCPサーバー」についてです。ただ、このテーマ、どうお伝えしようか考えていたのですが、必ずしもポジティブな内容にはならないかもしれません。
というのも、このMCP機能は自然言語、つまり私たちが普段話す言葉でAIに指示を出せることから、「分析が簡単になる」「民主化される」といったイメージが先行しているように感じます。しかし、私自身が深く向き合えば向き合うほど、これは分析に慣れていない方が安易に手を出すべきではない、少し注意が必要なツールだな、と感じています。
そこで今回は、MCPが本当に役立つのはどういう人なのか、という話に加えて、そもそも業務で使うツールとどう向き合い、どう選ぶべきか、という本質的なテーマに繋げてお話しできればと思います。
「新しいツールを導入したけど、結局使わなくなってしまった」「便利になるはずが、逆に手間が増えてしまった」そんな経験がある方にとって、きっとヒントになることがあるはずです。
Google Analytics MCPサーバーは、本当に初心者向けなのか?
結論:分析に慣れていないなら、まだスルーで良い
まず、今回の話で一番お伝えしたい結論からお話しします。
もしあなたがWebサイト分析の初心者であるなら、「Google Analytics MCPサーバー」のことは、一旦忘れてしまって問題無いと思っています。
ここで言う「初心者」とは、例えば次のような方をイメージしています。
Googleアナリティクスに出てくる「指標」や「ディメンション」といった言葉の意味が、まだ曖昧にしか分からない。
それらのデータを組み合わせることで、どんな発見や気づきが得られるのか、具体的なイメージが持てない。
普段、アナリティクスの画面を見ても、なんとなくアクセス数を確認するくらいで、他のデータをどう活用すればいいか分からない。
もし少しでも当てはまるようであれば、現時点でMCPを無理に使う必要性は全くないでしょう。それよりも、まずはGoogleアナリティクスの画面に慣れ親しみ、そこにあるデータが何を意味しているのかを一つひとつご自身の言葉で理解していくこと。その上で、Looker Studioのようなツールを使って、自分の手でデータを可視化しながらレポートを組み立てていく経験を積む方が、はるかに実践的で有益です。
MCPが真価を発揮するのは「データと壁打ち」できる人
では、MCPはどのような人にとって強力な武器になるのでしょうか。
それは、一言でいえば「データと対話(壁打ち)ができる中級者以上の方」です。
具体的には、各指標の意味を正確に理解し、「このデータとこのデータを掛け合わせたら、こんなことが分かるはずだ」といった仮説をご自身の中に持てるスキルがある方です。
私自身がMCPをよく使うのは、例えば他のデータと組み合わせて、相関関係を探ったり回帰分析をするような場面です。そうした少し手間のかかる集計を、対話形式でスピーディに進められるのは大きな魅力です。
例えば、私のコンサルティングでは、毎月決まった数字を報告する定型レポートではなく、その時々の状況に応じてストーリーを組み立て、最適なご提案をすることを大切にしています。その場で「この角度から見たらどうだろう?」「このデータと組み合わせたら何が見える?」と、AIと壁打ちをしながら分析を深めていくような使い方には、MCPは非常によくマッチします。
逆に言えば、毎月決まった形式のレポートを作成することが主な業務であれば、MCPを使うメリットはあまり感じられないかもしれません。それならば、APIやBigQueryを使ってデータを確実に取得する仕組みを構築する方が、はるかに効率的でしょう。
MCPを使いこなすための注意点と、私の実践例
AIに「解釈」や「推論」をさせてはいけない
MCPをある程度使えるようになった方でも、一つ注意していただきたい点があります。それは、少なくとも最初はAIに「解釈」や「推論」を求めない、ということです。
データの「集計」をさせるのは非常に有効です。しかし、その結果を元に「このデータから改善点を提案してください」とか「課題に優先順位をつけてください」といった判断を委ねるのは避けるべきです。
なぜなら、現状のAIから返ってくるのは、きちんとした前提条件付けなどを行わない会議リ、当たり障りのない、どこかで聞いたことがあるような一般的な内容がほとんどだからです。
例えば、AIはデータの中で変化率が大きい箇所を機械的に指摘してはくれますが、それがビジネス全体にどれだけの影響を与えるか、という視点が抜け落ちがちです。
例えば、全体のアクセスが10万ある中で、ある1ページの直帰率が20ポイント悪化した、という報告をさも重要そうに回答することがあります。
しかしこれは、1ページ当たりの数字の変化としては大きいですが、全体へのインパクトはごく僅かですよね。また、もし全体の数字へのインパクトが多かったとしても、ビジネス的にはどうでもいい変化もあるわけです(見込み客以外のアクセスが季節的に増えるページなど)。
先に検証やデータの設計がないと…
この辺りは、何が大事で何が大事では無いのかというルール付けや、そもそもそのルールや重み付けを作れるように先に検証やデータの設計をしないといけないわけです。
それを行う前提であればいいのですが、それを「きっとAIはそこまで考えてくれる」と思ってMCPServerに関わらずAIに解釈や推論をさせると、「意味がない」ばかりか「適切ではない」方向に導かれる可能性すらあると感じています。
あくまで定量的な事実を集計・整理するためにツールを使い、そこからの解釈や判断は人間が行う。この線引きが非常に重要になります。これをしなければ、まだ使わない方がいいというのが私の考えなんですね。まずはWebUIから普通に使って覚えた方が良いです。
余談「数字を鵜呑みにしない」という言葉の本当の意味
ちなみに、時々、「AIが出した数字は鵜呑みにしてはいけない」というアドバイスを見かけますが、私はこの考え方に少し違和感があります。
なぜなら、そもそも信頼できないかもしれないデータを出してくるツールを使うこと自体が、時間の無駄に繋がる、と考えるべきでは?と思うからです。
ツールと向き合う上で本当に大切なのは、「どこまでの範囲で、どのような指示を出せば、出力された結果を100%信頼(鵜呑みに)できるか」という安全な領域を見極め、その仕組みを自分で作れるかどうかです。毎回「この数字は本当だろうか?」と疑っていては、効率化は望めません。
例えば、集計をさせる際に「どのカラムのどのデータを使って算出したか」を併せて出力させるように指示すれば、その結果が妥当かどうかを人間がすぐに判断でき、信頼性を担保することが可能になります。
ツール選びで失敗しないために、考えておきたいこと
ここからは、MCPの話から少し視野を広げて、業務ツール全般との向き合い方についてお話しします。
ツールはあなたの能力を増幅させる「掛け算」
まず大前提として、ツールは「魔法の杖」ではありません。あなたのスキルがゼロの状態を、ツールが1から10にしてくれることは基本的にないのです。
ツールとは、あなたが持っている能力や、やろうとしていることを、より速く、より効率的に実行するための「掛け算」の役割を果たすものだと考えてください。つまり、あなたの能力を何倍にも増幅させてくれる存在です。
その価値は、大きく「省力化」と「能力の拡張」の2つに分けられます。この基本を理解しておくと、ツール選びのミスマッチを大きく減らせるはず。
「ピンとくるか」を一つの判断基準に
新しいツールを検討する際、その機能一覧や紹介画面を見て、「この機能を使えば、自分のあの業務がこのように改善されそうだ」と具体的にイメージできるでしょうか。もし、その場で使い方がピンとこないのであれば、そのツールはあなたにとってまだ早いか、そもそも合っていない可能性が高いと言えます。
もちろん、「このツールを使いこなせるようになりたい」という強い意志がある場合は別です。ただしその場合は、ツールを「使う」というタスクとは別に、「ツールの使い方を学ぶ」という、もう一つのタスクが発生することを覚悟しておきましょう。「なんとなく使っていれば、そのうち分かるようになるだろう」という期待は、残念ながらあまり持たない方が賢明です。
まとめ:最初の失敗を避け、一歩ずつ着実に進むために
Google Analytics MCPサーバーは、データと対話できるスキルを持つ人にとっては、分析の幅を大きく広げてくれる、非常に可能性を秘めたツールです。私自身、API経由で取得したデータ複数と、それ以外でも例えば国勢調査のような公開データセットと組み合わせることで、これまで見えなかった新たな発見に繋がることがあり、その楽しさを実感しています。
しかし、その大きな可能性ゆえに、最初のステップでつまずいてほしくない、という強い思いがあります。特に組織の中で、一度「AIを使ってみたけどダメだった」という印象がついてしまうと、その後の新しい挑戦がしにくくなる空気が生まれてしまうかもしれません。それは、長い目で見れば会社にとって大きな損失です。
だからこそ、特にデータ分析のような専門領域においては、焦らず慎重に進めていただきたいのです。もしあなたが今、Webサイトの分析に課題を感じているなら、新しいツールに飛びつく前に、まずは分析の基礎を学び、目の前にあるデータを深く理解することから始めてみてはいかがでしょうか。
MCPは今、世間の話題としては少し落ち着いていますが、本当に使いこなしている人たちは、SNSなどで発信するのではなく、静かにその恩恵を受けています。皆さんも、そうした領域に到達するために、ぜひ一歩ずつ着実に歩みを進めてみて頂ければ幸いです。
参考情報
Google Analytics Data API 概要 | Google for Developers
まずは公式のドキュメントです。このAPIで何ができるのか、どのような機能(メソッド)があるのかがまとめられています。技術的な内容も含まれますが、全体像を把握する上で最も正確な情報源
Google for Developers
実際にAPIを試してみたい方向けの、公式クイックスタートガイド
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
Q. GoogleアナリティクスMCPServerとは何ですか?私にも使えますか?
A. 自然言語(ふだんの言葉)で各種生成AIツールを通じて、Googleアナリティクスのデータにアクセスできる機能です。しかし、データの指標やディメンションの意味を深く理解している中級者以上の方に向いており、初心者の方にはまだお勧めできません。
Q. なぜ初心者はGoogleアナリティクスMCPを使うべきではないのですか?
A. 各指標の意味やデータの組み合わせ方を理解していないと、かえって手間が増えたり、判断を誤ったりする可能性があるためです。まずは基本を理解することが重要です。
Q. Web分析の初心者として、まず何から始めればよいですか?
A. まずはWeb UI(通常のGoogleアナリティクスの画面)を通じて、各データが何を意味するのかを理解することから始めましょう。その後、Looker Studioなどでデータを可視化し、自分でレポートを組み立てる練習が有効です。
Q. ツールを導入して失敗しないための選び方のポイントは何ですか?
A. 「そのツールで何ができるか」という機能一覧を見るだけでなく、「自社がその機能をどう活用できるか」を具体的にイメージできるかが重要です。イメージが湧かなければ、まだ導入は早いか、自社に合っていない可能性があります。
Q. AIにデータ分析から改善提案までさせるのは有効ですか?
A. 現状ではおすすめできません、有用な応答を期待すべきではないです。AIの提案は一般的で当たり障りのない内容になりがちで、個別の事業状況に合わせた深い洞察は得られにくいからです。集計などの作業は任せても、解釈や判断は人が行うべきです。
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投稿 第575回:Google Analytics MCPサーバーは初心者は避けるべき理由と、そもそもの「ツールの選び方」とは は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
なぜ今、生成AIの「正しい使い方」を知るべきなのか
「ChatGPTを試してみたけれど、思ったような答えが返ってこない」「ハルシネーション(AIが嘘をつくこと)が怖くて、結局使わなくなってしまった」こうした経験はありませんか。特に、ChatGPTが話題になり始めた頃に一度触ってみて、その印象が更新されないままになっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、人手不足が深刻化する現代において、AIを活用した生産性向上は、もはや避けては通れない経営課題です。現場で体を動かす仕事は人に頼るしかありませんが、それ以外の多くの業務はAIによって効率化できる可能性があります。今回は、ウェブマーケティングという分野に限定せず、すべてのビジネスパーソンが今日から実践できる、生成AIとの正しい付き合い方について、私の試行錯誤から得た知見を余すところなくお伝えします。
まず押さえるべき、生成AI活用の2つの大前提
AIツールを使いこなす上で、まず共有しておきたい大切な前提が2つあります。ここを誤解してしまうと、「AIは使えない」という結論に至りがちなので、しっかりと確認していきましょう。
前提1:有料プランへの投資を惜しまない
多くの生成AIツールには無料プランがありますが、ビジネスで本格的に活用するなら、有料プラン(ChatGPTの場合は月額3,000円程度の「Plusプラン」など)の利用を強く推奨します。このコストを惜しんではいけません。企業であれば、福利厚生の一環として導入するのも一つの手です。
なぜなら、有料プランにはコストを上回る明確なメリットがあるからです。
回答速度の向上:何より、遅いのは一番のストレスです。思考が中断されず、スムーズな対話が可能になります。
上位モデルの利用:より高精度で賢いAIモデルが使えるため、回答の質が格段に向上します。
便利な機能の解放:後述する「カスタム指示」の高度な設定や、定型作業を自動化する「GPTs」など、業務効率を飛躍的に高める機能が利用可能になります。
この投資は、必ず元が取れると断言できます。まずは使い倒そうと考えている方だけでも、有料プランから始めてみてください。
前提2:AIは「20→80」を担うパートナーと心得る
次に重要なのが、AIへの「期待値の調整」です。物事を0から100までのプロセスで考えたとき、AIが最も得意とするのは、20から80までの部分、つまり「ある程度の方向性が見えているものを、具体的な形に仕上げていく」作業です。
逆に、0から20の「全く新しいアイデアを生み出す」部分や、80から100の「個別の状況に合わせて細部を詰める」部分は、人間の深い洞察力や経験が必要であり、AIはあまり得意ではありません。「〇〇業界で、集客できる新たなプランを10個考えて」といった漠然とした指示では、AIは一般的な当たり障りのない回答しかできません。これはAIの能力が低いのではなく、問いの立て方、つまりAIへの依頼の仕方が適切でないのです。
AIはあくまで、人間の思考を加速させる「掛け算」のツールです。まずは人間が「叩き台」となるアイデアや方向性を用意し、それをAIに渡して磨き上げてもらう、という付き合い方を意識しましょう。
ChatGPTをビジネス仕様に育てる具体的な設定方法
ここからは、ChatGPTをより強力なビジネスパートナーにするための具体的な設定について解説します。これらの設定は、一度行っておくだけで、その後のAIとの対話の質を大きく向上させます。(ChatGPTを前提に話しますが、Geminiなど他のツールでも基本的な考え方は同じです)
カスタム指示:AIを「従順な部下」から「有能な参謀」へ
「カスタム指示(Custom Instructions)」は、ChatGPT全体の応答スタイルをあらかじめ設定しておく機能です。ここに適切な指示を書き込むことで、AIの応答品質は劇的に変わります。特に重要なのが、以下の3点です。
1. AIの「迎合性」を破壊し、「自分の脳の外側」に出る
対話型AIは、その仕組み上、ユーザーが望むであろう回答を返すように最適化されがちです。あなたが提示した意見に同意し、プランを肯定する。これでは、あなたの思考の範囲を超えるアイデアは永遠に生まれません。ビジネスでブレークスルーを起こすには、自分の中にはない視点や、計画の盲点を突くような意見こそが必要です。
そこで、カスタム指示に「返信は常に中立な立場で、懸念点などがあれば批判も含めて回答するようにしてください」といった趣旨の一文を必ず加えてください。これにより、AIはあなたのご機嫌取りをやめ、客観的な分析者として機能し始めます。耳の痛い指摘を恐れず、AIに健全な緊張関係を強いること。これが、思考の壁を打ち破るための鍵です。
2. 「引用なき情報」を排除し、意思決定の質を高める
AIが生成するもっともらしい嘘、「ハルシネーション」はビジネス上の大きなリスクです。「論拠(ソース)のないデータに価値はない」という鉄則を、AIとの対話にも適用せねばなりません。
そこで、「回答は『事実』と『推論』に分けて記載し、事実には必ず引用元を提示してください」という指示を追加します。これにより、回答のどの部分が信頼できる情報で、どの部分がAIのアイデアなのかを明確に区別できます。「事実」は引用元を辿って裏付けを取り、「推論」はあくまでアイデアとして吟味する。この一手間が、誤った情報に基づく意思決定を防ぎます。
3. 言葉遣いを調整し、コミュニケーションを円滑に
AIの回答は、時に専門用語が多かったり、体言止めで分かりにくかったりします。「自然で平易な日本語で回答してください。専門用語は、最初の一回だけ意味を括弧書きで補足してください」のように、読みやすい文章スタイルを指示しましょう。「高校生にも分かるように」といった具体的なレベル設定も有効です。これらの指示は、使っていく中で気になった点を「今後こうならないように指示を追加して」とChatGPT自身に聞き、随時更新していくのがおすすめです。
プロジェクト:専門分野ごとの役割を与える
カスタム指示はあくまで「全体設定」です。「〇〇の専門家として回答して」といった役割設定をここに入れてしまうと、レストラン選びのようなプライベートな相談のときにも専門家として振る舞ってしまい不便です。
そこで活用したいのが「プロジェクト」機能。これはフォルダのようなもので、「マーケティング相談用」「会計相談用」といったプロジェクトごとに、専用の指示を設定できます。これにより、相談内容に応じてAIのペルソナを切り替えられるのです。私の場合は、スマホで閲覧するために「出力をコンパクトにまとめる」といった見た目の調整用プロジェクトも作っており、こうした使い分けも非常に便利です。
GPTs:定型作業を自動化する専用ボットを作る
レシート画像を読み込ませて経費の仕訳をさせたり、議事録の音声を要約させたり、といった繰り返し行う定型作業は「GPTs(ジーピーティーズ)」機能を使って自動化しましょう。 これは、特定の目的に特化した自分だけのオリジナルAIチャットボットを作成できる機能です。
一度設定してしまえば、あとはファイルを渡すだけでAIがよしなに処理してくれるようになります。こうした定型作業を一つずつGPTs化していくことで、あなたはより創造的な業務に時間を使えるようになります。この機能も有料プランでのみ利用可能です。
AIの能力を最大限に引き出す質問(プロンプト)のコツ
ここまでの設定を終えたら、あとは「いかに上手に質問するか」が鍵となります。基本は、あなたが他の人に何かを相談したり、仕事を依頼したりする時と同じように、丁寧な情報提供を心がけることです。
私が意識しているのは、「現在・過去・未来」のフレームワークです。「(過去)これまで〇〇という経緯があり、(現在)今△△という状況です。(未来)最終的に□□という状態を目指しています。そのために、こういう方法を考えていますが、これについて評価と、具体的な実行ステップを提案してください」というように、背景や目的、そして自分なりの叩き台を伝えることが重要です。
AIからの回答がしっくりこなかった場合は、一人で悩む必要はありません。「正直、今の回答はいまいちでした。より精度の高い回答を得るためには、こちらから他にどんな情報を提供すればよいですか?」とAIに「逆質問」してみてください。AIとの対話を通じて、協力して回答の質を高めていくという意識を持ちましょう。
まとめ:AIを使いこなし、変化の時代を乗り越える
今回は、生成AIをビジネスで活用するための心構えと具体的な設定方法について、私の実践知を交えて解説しました。
前提として、有料プランを使い、AIの得意な領域(20→80)で活用する。
「カスタム指示」で、AIの迎合性を排除し、引用を徹底させることで「有能な参謀」に育てる。
「プロジェクト」や「GPTs」を使い、用途に応じて役割分担と自動化を進める。
質問する際は、背景や目的、叩き台を具体的に伝え、「逆質問」も活用する。
これらのポイントを押さえるだけで、生成AIはあなたの業務を力強くサポートしてくれるパートナーに変わるはずです。まずは今回ご紹介した内容を参考に、改めてAIとの対話を試してみてください。きっと、以前とは違う手応えを感じられるでしょう。
関連情報
ChatGPT 公式サイト
Google Gemini 公式サイト
Microsoft Copilot 公式サイト
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
生成AIを使ってみたが、期待したような質の高い回答が得られないのはなぜですか。
AIは、0から1を生み出すような漠然とした質問が苦手です。AIは思考の「20から80」を担うのが得意なので、質問者が「0から20」にあたる前提条件や背景、目的を具体的に伝えることで、回答の質は大きく向上します。
ChatGPTの無料プランと有料プランでは何が違いますか。ビジネスで使うならどちらが良いですか。
ビジネスで利用する場合、有料プランをお勧めします。回答速度が速く、より高性能なモデルを利用できます。また、本編で解説している「カスタムGPT」の作成など、業務効率化に役立つ機能は有料プランでしか使えません。費用対効果は高いと考えられます。
AIが嘘の情報(ハルシネーション)を答えるのが心配です。対策はありますか。
はい、設定で対策が可能です。カスタム指示(Custom Instructions)に「事実と推論を分けて記載し、事実には必ず引用元を提示してください」といった指示を入れることで、情報の信頼性を自分で確認しやすくなり、ハルシネーションのリスクを低減できます。
AIに専門的な内容を質問する際に、毎回同じ設定をするのが面倒です。効率化する方法はありますか。
ChatGPTの「プロジェクト」機能を使うと解決できます。例えば「マーケティング相談用」プロジェクトを作成し、そのプロジェクト専用の指示として「あなたはマーケティングの専門家として回答してください」と設定しておけば、その都度指示を入力する手間が省けます。
AIへの質問の仕方がわかりません。どのような情報を含めれば、精度の高い回答が得られますか。
「現在・過去・未来」の情報を盛り込むと効果的です。具体的には、「(過去)これまでこういう経緯があり、(現在)今こういう状況で、こういう課題がある。(未来)最終的にこうなりたい」といった背景や目的を伝えることで、AIは文脈を理解し、より的確な回答を生成しやすくなります。
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投稿 第574回:中小企業の不安を無くし、良い回答を得るための「生成AIの必須設定」 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
なぜあなたのタスク管理はうまくいかないのか?多くの人が陥る「一つの誤解」とは
ToDoリスト、GTD、ポモドーロ・テクニック…世の中には数多くのタスク管理術が存在します。しかし、「色々と試したけれど、どうもうまくいかない」と感じている方も多いのではないでしょうか。タスクに追われ、計画通りに進まず、自己嫌悪に陥ってしまう。その根本的な原因は、テクニックの問題ではなく、タスク管理に対する「ある誤解」にあるのかもしれません。
今回は、その誤解を解き、タスク管理を成功に導くための最も重要な考え方についてお話しします。
タスク管理の目的は「自己成長」ではない
結論から言うと、タスク管理が失敗する最大の理由は、「タスク管理」と「自己成長」を混同してしまっているからです。
私たちはタスクリストを作成するとき、無意識のうちに「もっと効率的に、もっと多くのことをこなせる理想の自分」を基準に計画を立てがちです。「これくらいは出来なければいけない」という成長目標を、日々のタスク管理に持ち込んでしまうのです。
しかし、タスク管理の本来の目的は、「今の自分を最大限に活用すること」です。理想の自分ではなく、現実の自分の能力やコンディションを基準に、最もパフォーマンスが高まる方法を見つけ出すためのツールなのです。
この2つを切り離して考えること。それが、あらゆるタスク管理術を機能させるための、最も重要で、最初に行うべきステップです。
「今の自分」を最大限に活用する鍵は「客観視」にある
では、「タスク管理」と「自己成長」を切り離し、「今の自分」を最大限に活用するためにはどうすればよいのでしょうか。その鍵は「自分自身を客観視する」ことにあります。
「これくらいで出来るはずだ」という主観や思い込みを一度捨て、データに基づいて「今の自分」がどのような状態なのかを冷静に把握する必要があります。ここからは、そのための具体的な3つのステップをご紹介します。
ステップ1:作業時間を正確に計測する
まずは、自分が一つの作業にどれくらいの時間をかけているのかを、客観的なデータとして記録することから始めましょう。「提案書作成なら3時間くらいかな」「メール返信は1件5分だろう」といった感覚的な見積もりは、実際の結果と大きくずれていることがほとんどです。
私の場合、デスクトップ上の作業をすべて記録するタイマーアプリを使っていますが、使い始めた当初は、自分の感覚と実際の作業時間の差に驚くことばかりでした。このような客観的なデータを集めることで、初めて現実的な計画を立てるための土台ができます。
ステップ2:自分の「パフォーマンスの波」を受け入れる
次に、自分がどのような時にモチベーションが上がり、どのような時に下がるのかを把握します。「モチベーションは常に高く保つべきだ」と考えがちですが、人間である以上、パフォーマンスに波があるのは当然です。1日の中でも、驚くほど集中できる時間もあれば、どうしても集中力が続かない時間も存在します。
大切なのは、その波を否定せず、受け入れることです。その上で、「どうすればハイパフォーマンスモードに入れるか」という自分だけのスイッチを探しましょう。自分の特性を冷静に理解することが重要です。
ステップ3:パフォーマンスレベルに合わせたタスクを割り振る
作業時間と自分のパフォーマンスの波を把握したら、それに基づいてタスクを割り振ります。ポイントは、パフォーマンスのレベルを「高・中・低」の3段階くらいに分け、それぞれに適したタスクをあらかじめ用意しておくことです。
ハイパフォーマンス時:思考力や創造性が求められる、重要なタスク
ミドルパフォーマンス時:定型的な業務や、ある程度集中力が必要なタスク
ローパフォーマンス時:単純作業や情報収集など、やる気がなくてもできるタスク
特に重要なのが「ローパフォーマンス用のタスク」です。「やる気がない時は何もしない」のではなく、「今の自分でもこれならできる」というタスクを用意しておくことで、自己嫌悪に陥るのを防ぎ、少しでも業務を前に進めることができます。
タスク遂行を後押しする「ルール化」の力
自分を客観視して立てた計画を、さらに確実に実行するための補足的なテクニックが「ルール化」です。
休息のルール化:パフォーマンス維持に不可欠な休息を、「このタスクが終わったら5分休む」のように強制的にスケジュールに組み込みます。
「嫌なこと」のルール化:開きたくないメールなど、後回しにしがちなタスクは「何も考えずに即開封する」といった機械的なルールで処理し、心理的負担が増えるのを防ぎます。
まとめ:自分を受け入れ、タスク管理を本当の武器にする
タスク管理を成功させる秘訣は、高度なテクニックを学ぶことではありません。まずは「タスク管理」と「自己成長」を明確に切り離すこと。そして、そのために「今の自分」を客観的に知り、受け入れることから始めてみてください。
現実の自分を土台にして初めて、GTDやポモドーロ・テクニックといった手法が真価を発揮します。「自分で決めたことを遂行できた」という小さな成功体験の積み重ねは、やがて大きな自信につながるはずです。タスク管理を、自分を縛るものではなく、自分を最大限に活かすための強力な武器にしていきましょう。
関連情報
Getting Things Done® (GTD®):タスク管理・生産性向上メソッドGTDの公式サイト
Pomodoro® Technique: 時間管理術ポモドーロテクニックの公式サイト。25分の作業と短い休憩を繰り返すことで集中力を維持します。
Timing Tracker: 作業時間を記録・分析するためのタイムトラッキングツールの一つです。(中山が使用)
厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト: 生産性向上や労働時間管理に関する公的な情報や支援策
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
色々なタスク管理術を試しても、なぜうまくいかないのでしょうか?
多くのタスク管理術は、自分自身を客観的に把握していることが前提になっています。自分の作業ペースや集中力の波を理解しないままテクニックだけを導入しても、計画と現実の間に乖離が生まれ、うまくいかないことが多いのです。
タスク管理を始める上で、まず何から手をつければ良いですか?
まず「自分を知る」ことから始めるのが重要です。具体的には、①自分の作業時間を客観的に記録する、②どういう時に集中できるか・できないかを把握する、③パフォーマンスの波に合わせてタスクを割り振る、という3つのステップが有効です。
どうしてもやる気が出ない時、どうタスクと向き合えば良いですか?
やる気が出ない時間があることを前提に、あらかじめ「低いパフォーマンスの時にやるタスク」を用意しておくことをお勧めします。何もしない状況を避け、少しでも前に進めることで自己嫌悪を防ぎ、生産性を維持できます。
計画通りにタスクが進まず、自己嫌悪に陥ってしまいます。
タスク管理と「自己成長」を一緒に考えてしまうと、理想と現実のギャップから自己嫌悪に陥りがちです。まずは「今の自分を最大限に活かす」という視点でタスク管理を行い、自己成長は別の課題として切り離して考えると、精神的な負担が軽くなります。
タスクを効率的にこなすために、すぐに実践できることはありますか?
「休息」と「嫌なことの処理」をルール化することです。例えば「1時間作業したら5分休む」「開けたくないメールは即時開封する」のように機械的なルールを設けることで、意思決定の負荷を減らし、結果的に全体の生産性を高めることができます。
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投稿 第573回:Web担当者のための「燃え尽きを防ぐ」タスク管理のポイントとは は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
はじめに:Google検索 vs 生成AI、Web集客の未来はどうなる?
ChatGPTの利用者はGoogleの1%以下というデータ、信じて大丈夫でしょうか。本エピソードでは、こうしたニュースを鵜呑みにする危険性と、中小企業経営者が持つべき視点を取り扱います。
SEOやAIといった手法論争よりも大切なのは、自社のお客様が何を使って情報を探しているかを知ること。時代に左右されない、本質的なWebマーケティング戦略を築くためのヒントがここにあります。
「Google検索は今後も勝ち続けるのか、それともChatGPTのような生成AIが情報探索のメインになるのか」。Webに関わる方なら、一度はこんな議論を見聞きしたことがあるかもしれません。
今回は、この勝ち負けの話ではなく、私たち中小企業の経営者やWeb担当者が、この状況をどう受け止め、ニュースをどう読み解いていけばよいかについてお話しします。
結論から言うと、現時点でどちらが勝つかは誰にも分かりません。ですから、大切なのは勝ち負けを予測することではなく、変化するお客様の行動にどう向き合っていくか、という視点です。
「Google 140億回 vs ChatGPT 6600万回」この数字をどう読み解くか
検索回数の比較データとその背景
最近、ある調査データが話題になりました。それによると、1日あたりの検索(あるいはそれに準ずる行動)の回数は、Googleが約140億回であるのに対し、ChatGPTでは推定約6600万回だということです。この数字だけを見ると、ChatGPTの利用はGoogleの1%にも満たず、まだまだ影響は小さいように見えます。
確かに、20年以上の歴史があり、私たちの生活に深く根付いているGoogleの検索という習慣は、そう簡単には変わりません。絶対数で言えば、Googleが圧倒的であることは事実でしょう。
データ比較の落とし穴:本当に見るべきは「問題解決の質」
しかし、この「回数」という数字だけで物事を判断するのは、少し早いかもしれません。本来、私たちが評価すべきなのは、検索の回数ではなく「そのツールでどれだけ問題が解決できたか」です。
Google自身も、少ないクリックでユーザーの問題を解決することを目指しています。何度も検索しなければならない状態は、決して良い体験とは言えません。
そう考えると、検索回数というボリュームだけで比較することには、あまり意味がないことが分かります。重要なのは、お客様が抱える問題が、どのツールによって、どれだけスムーズに解決されているかという「質」の部分です。
検索以外の行動も見逃せない
また、先ほどのデータは「検索っぽい行動」に絞って比較していますが、これも一つの側面に過ぎません。ChatGPTのような生成AIは、これまでGoogle検索では解決しづらかった、より対話的で個人的な悩み相談などにも使われています。
つまり、生成AIは、これまでGoogleがカバーしてこなかった新たな「問題解決」の領域を切り拓いている可能性があるのです。「検索」という枠だけで比較すると、この変化を見誤ってしまうかもしれません。
中小企業が今、本当にやるべきこと
大きなデータより「目の前のお客様」というフィールドデータを信じる
では、私たち中小企業は、この変化の時代にどう対応すればよいのでしょうか。結論はシンプルです。世の中の大きなデータやトレンドに一喜一憂するのではなく、「目の前のお客様が何を使っているか」をきちんと把握することです。
世の中でChatGPTの利用がどれだけ増えたか、Googleの利用がどれだけ減ったか、というマクロな情報を気にする必要はありません。たとえ世の中全体では少数派だったとしても、自社のお客様が新しいツールを使い始めているのであれば、それに対応する必要があるからです。
顧客との関係構築が、今後のマーケティングの鍵
そのためには、お客様が普段、どういう場面で、どんなツールを使って情報を集めているのかを、定期的にチェックする仕組みが不可欠です。
お客様に直接聞いてみる
ご契約いただいた際にアンケートやヒアリングを行う
こうした地道な活動を通じて、お客様の行動(カスタマージャーニー)を具体的に把握することが、何よりも強力な武器になります。
もし、今お客様との接点が少なく、何をしているか分からないという状況であれば、今後のWeb活用は厳しくなる可能性があります。まずは、お客様との関係性を構築し、その声を聞ける仕組みを作ることが最優先です。
まとめ:トレンドに振り回されず、顧客と向き合うWeb戦略を
「Googleか、AIか」という二者択一の議論には、あまり意味がありません。どちらかのツールが優れている、という話ではなく、お客様の問題解決の方法が多様化している、という事実を捉えることが大切です。
私たち中小企業がやるべきことは、次の3つに集約されます。
ニュースの数字を鵜呑みにせず、その背景を考える
世の中の大きなトレンドより、目の前のお客様の行動(フィールドデータ)に注目する
お客様の行動を把握するために、顧客との関係性を構築する
外部の大きな情報に振り回されるのではなく、自社の足元をしっかりと見つめ、お客様と向き合うこと。それこそが、これからの時代を生き抜くための、最も確実なWeb戦略と言えるでしょう。
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
Q. 結局、これからはGoogle検索とChatGPT、どっちが強くなるのでしょうか?
A. 現時点では「分からない」というのが誠実な答えです。どちらが勝つかを予測するより、両方のツールによって顧客の情報収集行動がどう変化しているかに注目し、自社のお客様が実際に何を使っているかを把握することが重要です。
Q. ChatGPTの利用者は少ないと聞きましたが、AI対策はまだしなくても大丈夫ですか?
A. 利用回数のデータだけを見て「少ない」と判断するのは早計です。これまで検索では解決できなかった問題がAIで解決されるなど、利用の「質」が変わってきています。すぐに焦る必要はありませんが、自社顧客の動向は注意深く観察し始めることをお勧めします。
Q. SEOはもう時代遅れになるのでしょうか?
A. すぐに時代遅れになることはないでしょう。多くの人が長年の習慣でGoogle検索を利用しており、この行動は簡単には変わりません。ただし、AIによる情報探索が普及すればSEOのあり方も変化する可能性があります。手法に固執せず、顧客との接点を多角的に持つことが大切です。
Q. AI時代のWeb集客について、何から手をつければいいか分かりません。
A. まずは、自社のお客様が「普段どのように情報を集めているか」を直接ヒアリングすることから始めましょう。アンケートやインタビューを通じて顧客の行動を具体的に把握することが、効果的なWeb戦略の第一歩になります。
Q. 大きなトレンドについていくのが大変です。中小企業はどうすればいいのでしょうか?
A. 世の中全体の大きなデータやトレンドに振り回される必要はありません。それよりも、目の前のお客様との関係構築に注力し、彼らが何に困り、どんなツールを使っているかという「フィールドデータ」を大切にしましょう。足元の顧客理解こそが、変化の時代を乗り切る近道です。
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投稿 第572回:「Google検索対ChatGPT検索」を考える意味はあるのか? は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Googleの生成AI機能、日本上陸で問われる新たなウェブ戦略
先日、Googleの検索結果に生成AIが要約を表示する「AIモード(AI Overview)」が、ついに日本でも利用可能になりました。多くの方が、ご自身のビジネスに関連するキーワードで、どのような結果が表示されるか試されたのではないでしょうか。
しかし、競合や市場の動向を調べること以上に、まず確認すべき重要なポイントがあります。それは、「自社について検索した際に、生成AIがどのような情報を生成するか」です。今回は、生成AI検索の時代に必須となる「ブランド情報の防衛」という観点について、その重要性と具体的な対策をお話しします。
生成AI検索と従来の検索、その決定的な違いとは
なぜ、自社に関する生成AIの結果をモニタリングする必要があるのでしょうか。それは、生成AIによる検索体験が、従来の検索とは根本的に異なる特性を持っているからです。
単一の「答え」として提示されることの危うさ
従来のGoogle検索では、あるキーワードで検索すると、様々なウェブサイトがリスト形式で表示されました。私たちはその中から複数の情報を比較・検討し、「この情報は信頼できそうだ」「こちらは少し違う視点だ」と、総合的に判断を下すことができました。
一方、AIモードやAI Overviewは、多くの場合、単一の要約された「答え」を提示します。複数の意見が併記されることもありますが、基本的には一つのまとまった回答として表示されるため、ユーザーはそれをそのまま事実として受け入れてしまいがちです。検索結果に表示される多様な視点が失われ、生成AIが生成した一つの回答が、そのまま世間の認識として広まってしまうリスクをはらんでいます。
生成AIは「事実」を語っているわけではない
ここで理解しておくべきなのは、大規模言語モデル(LLM)は、情報の正しさや善悪を判断しているわけではない、という点です。大規模言語モデル(LLM)は、膨大なテキストデータから文脈における単語同士の関連性パターンを学習し、次に来る確率が最も高いと判断した言葉を予測して繋ぎ合わせることで、文章を生成しています。つまり、ファクトチェックの機能が働いているわけではありません。
そのため、学習データの中に誤った情報や古い情報、あるいは意図的に操作された情報が含まれていると、LLMはそれを「事実」として学習し、回答に含めてしまう可能性があります。これが、生成AI時代のブランド管理を難しくする大きな要因です。
生成AI時代に潜む新たな脅威「ブランドへの意図的な攻撃」
このLLMの特性は、悪意を持った第三者による攻撃のリスクも生み出します。実際に、海外メディアでもこうした攻撃手法を「Directed Bias Attacks」と名付け、警鐘を鳴らしています。これは、特定のブランドに対して意図的に偏った(バイアスのかかった)情報をウェブ上に大量に拡散することで、生成AIに「このブランドはネガティブな情報と関連が深い」と誤って学習させ、その評判を毀損する回答を生成させようとする攻撃です。
例えば、特定の企業に関する事実無根のネガティブな情報を、様々なブログや掲示板に大量に書き込む、といった手法が考えられます。実際に、これまでご支援してきたクライアントの社名やサービス名で生成AI検索を試した際、過去の古い情報や、たった一件のネガティブなレビューブログに内容が引きずられてしまうケースが見られました。こうした状況は、意図的な攻撃がなくとも起こりうるのですから、「Directed Bias Attacks」は決して対岸の火事ではありません。
私たちが今すぐ始めるべき「生成AI時代のブランド衛策」
では、こうしたリスクに対して、私たちはどのように備えればよいのでしょうか。重要なのは、受け身ではなく能動的に自社の情報を管理していく「自衛」の姿勢です。
1. 定期的なモニタリング
まずは、自社が生成AIによってどのように語られているかを把握することから始めましょう。
何を調べるか:会社名、サービス名、商品名、代表者名など。可能であれば「会社名 評判」「サービス名 ブラック」といった、想定されうるネガティブな掛け合わせキーワードも試してみましょう。
どのプラットフォームで調べるか:現状、世界のシェアのほとんどを占めている「ChatGPT」と、これから検索の中心になっていくであろう「GoogleのAIモード/AI Overview」の2つは最低限チェックすることをお勧めします。
どのくらいの頻度で調べるか:特にBtoBビジネスや採用活動に力を入れている企業の場合、評判がビジネスに直結しやすいため、少なくとも週に1回程度はチェックする習慣をつけるのが理想です。
2. 問題を発見した場合の対処法
モニタリングの過程で、事実と異なる情報や、意図しないネガティブな情報が表示された場合は、迅速な対応が必要です。
幸い、現在のGoogleのAIモードやChatGPTは、回答の根拠となった「情報源(ソース)」へのリンクを表示してくれます。まずはその情報源を特定し、ウェブサイトの運営者に連絡して記述の修正を依頼することが第一歩です。
同時に、自社のウェブサイトやオウンドメディア、プレスリリースなどを通じて、正しい情報を積極的に発信していくことも極めて重要です。正確で質の高い情報を増やすことで、生成AIが参照する情報源を上書きし、より適切な回答が生成されるよう働きかけていきます。
3. 法的対応の現状と難しさ
生成AIが生成した内容について、プラットフォーム提供者(GoogleやOpenAIなど)の法的な責任を問うことは、現状の法律では非常に難しいとされています。サービス自体が成り立たなくなる可能性もあるため、法整備が追いついていないのが実情です。だからこそ、誰かが守ってくれるのを待つのではなく、自ら情報を守る「自衛」が、現時点で最も現実的かつ効果的な選択肢となります。
まとめ:ブランド管理は「第二のウェブサイト運用」へ
AIモードやAI Overviewは、まだ広告が本格実装されていないなど、Google自身も様々なテストを行っている段階です。しかし、今後デフォルトの検索体験がAI中心に移行していくことは、ほぼ間違いないでしょう。
その時、生成AIが語る自社の姿は、見込み客や取引先、そして未来の従業員が目にする「第二の公式サイト」とも言える存在になります。ウェブサイトを定期的に更新し、メンテナンスするように、生成AI検索における自社の情報も、継続的にモニタリングし、改善していく。これからのウェブ担当者には、そうした新しいタスクが求められていくのではないでしょうか。
まずは一度、ご自身の会社名で生成AIに問いかけてみてください。そこから、新しい時代のウェブ戦略が始まります。
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
Googleの「AIモード」とは何ですか?従来の検索と何が違うのですか?
Googleの検索結果にAIによる要約(AI Overview)が表示されたり、AIと対話しながら情報を探せる新しい検索機能です。従来の検索が複数のサイトを一覧表示するのに対し、AIモードは一つの要約された回答を提示する傾向がある点が大きな違いです。
AI検索が自社の評判にどんなリスクをもたらすのですか?
AIは様々な情報を統合して一つの回答を生成するため、過去の誤った情報や一部のネガティブな意見が増幅され、あたかもそれが事実であるかのように表示されるリスクがあります。これにより、ブランドイメージが意図せず損なわれる可能性があります。
自社の評判をAI検索でチェックする際、具体的に何をすればよいですか?
自社の会社名やサービス名で検索し、どのような情報が表示されるかを確認してください。「株式会社〇〇 評判」「〇〇サービス 内容」のように、見込み客が検索しそうなキーワードで試すことが重要です。これを定期的に行い、情報の変化を監視する必要があります。
AI検索で自社に不利な情報が表示された場合、どう対処すればよいですか?
まず、AIが参照している可能性のある情報源(ウェブサイトやブログ記事など)を特定します。その情報源の管理者に連絡し、記述の修正や削除を依頼することが一つの方法です。また、自社の公式サイトなどで正確な情報を発信し、AIが正しい情報を学習するよう促すことも重要です。
なぜAIは誤った情報やネガティブな情報を表示してしまうのですか?
AI(大規模言語モデル)は、情報の正しさや善悪を判断しているわけではありません。ウェブ上の膨大な情報から、単語や文章の関連性が高いものを確率的に予測して文章を生成しています。そのため、学習データに偏りや誤りがあれば、それがそのまま出力に反映されてしまうことがあります。
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投稿 第571回:放置は危険… Google AIモードや ChatGPTが潜在的に持つ 自社の評判への脅威 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Google品質評価者向けガイドラインとは?AI時代の検索品質とウェブサイト運営への影響
先日、Googleの「品質評価者向けガイドライン(Search Quality Rater Guidelines)」にマイナーチェンジがあったというニュースがありました。
今回の変更自体は小規模なものですが、この機会に「品質評価者向けガイドライン」がそもそもどのようなもので、Google検索の品質にどう関わっているのか、その本質について改めて掘り下げてみたいと思います。
このガイドラインについて、「評価者がサイトを見て良いと判断すれば順位が直接上がる」といった誤解や、逆に「単なる参考意見に過ぎない」と過小評価されているケースも少なくありません。
そこで今回は、公式情報や過去の経緯も交えながら、その役割と活用法、そしてウェブサイト運営者がどう向き合うべきかを解説していきます。
品質評価者向けガイドライン(Search Quality Rater Guidelines)PDF
https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/en//searchqualityevaluatorguidelines.pdf
2025年9月の改定:AI生成コンテンツへの視点強化
今回の変更点は、主にAIや自動生成コンテンツに関する評価基準を、より詳しく記述することに焦点が当てられました。具体的には、以下の2点が挙げられます。
YMYLトピックにおけるAI Overviewの厳格化
「YMYL (Your Money Your Life)」とは、人々のお金や健康、安全といった人生に大きな影響を与える可能性のあるトピックを指します。Googleはこれらの領域のコンテンツに対して、以前から特に厳しい品質基準を設けています。
今回の改定では、AIが検索結果の要約を生成する「AI Overview」において、YMYLトピックをより厳しく評価するよう、品質評価者に求める内容が追記されました。これは、AIによる情報生成のスピードを重視するあまり、情報の品質担保が疎かになるリスクを考慮したものと考えられます。
実際に、Googleの内部情報(AIモードを支えるProject Magi / Magit など)では、AI Overviewなどで情報を素早く提供することを重視していますが、その速さゆえにスパム的な情報が混入しやすい側面も指摘されています(Fast Searchは汚染に弱い)。こうした背景から、人の目による品質評価の基準を厳格化する必要があったのでしょう。
自動生成されたメインコンテンツへの厳しい評価
ガイドラインでは、ページの核となる「メインコンテンツ(MC)」についても言及されています。特に、AIなどで自動生成された、単なるコピーや言い換え(パラフレーズ)に過ぎないような質の低いコンテンツは、最低評価の対象とすることが改めて明記されました。これは、昨今増加している質の低いAI生成コンテンツへの対策を強化する意図があると考えられます。
品質評価者の評価は、検索結果にどう反映されるのか
品質評価者(Search Quality Rater)の数は、全世界で1万人から1万6千人ほどいると言われています。彼らの判断基準を統一するために、このガイドラインが存在します。しかし、彼らの評価が特定のウェブサイトの順位を直接上下させるわけではありません。
では、その評価は何に使われるのでしょうか。それは、Googleの検索アルゴリズムを学習・改善するための「教師データ」として活用されます。
機械学習モデルの育成プロセス
品質評価者の判断は、主に以下のプロセスで利用され、間接的ですが強力に検索結果に影響を与えます。
教師あり学習
品質評価者が「このページは最高品質だ」と評価したものを「正解」としてAIモデルに与え、「人間が良いと感じるコンテンツ」とは何かを学習させます。
強化学習
明確な正解データがない場合でも、評価者の判断を「報酬」としてモデルに与え、より良い結果を出力できるようにチューニングしていきます。
このようにして育てられたAIモデルが、最終的に検索順位を決定するアルゴリズムの一部(例えば「RankEmbed」と呼ばれるシグナルなど)に組み込まれていきます。つまり、評価者の判断は、特定のサイトを直接評価するのではなく、Googleの「良し悪しを判断する脳」そのものを賢くするために使われているのです。
なぜガイドラインは公開されているのか?その経緯
この「品質評価者向けガイドライン」は、もともとGoogleの内部資料であり、公開を前提としたものではありませんでした。しかし、約10年前(2013年~2014年頃)にその存在がリークされ、内容が世に知られることとなりました。
当初は非公式な情報でしたが、Googleはその後、透明性や説明責任の観点から、この文書の存在を公式に認め、公開する方針に転換しました。
本来、Googleは検索順位を不正に操作するブラックハット的な手法を避けるため、具体的な評価基準を明かしたがりません。しかし、一度漏洩してしまった以上、隠し続けるよりも、ウェブサイト制作者に「Googleが目指す品質」を示す方が有益だと判断したのでしょう。
ガイドラインから読み解く、Googleが求めるコンテンツ
このガイドラインは、SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)に携わる者にとって、Googleが何を「良いコンテンツ」と考えているかを知るための貴重な一次情報です。目次を眺めるだけでも、その要点が分かります。
YMYL:健康や金融など、誤情報が重大な害をもたらすカテゴリへの注意喚起
Needs Met:ユーザーの検索意図をどれだけ満たしているかの評価基準
Page Quality:コンテンツそのものの質や、サイト全体の評価方法
E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness):「経験」「専門性」「権威性」「信頼性」の4つの指標
全文は英語で160ページ以上ありますが、一度は目を通しておくことで、Googleの思想を深く理解できます。
まとめ:ガイドラインを正しく理解し、本質的なサイト改善へ
今回のガイドラインの微変更自体が、すぐにウェブサイト運営に大きな影響を与えるわけではありません。しかし、このガイドラインの存在と、その使われ方を理解しておくことは非常に重要です。
品質評価者の評価が、機械学習モデルの教師データとして使われているという事実を知ることで、小手先のテクニックではなく、Googleが評価基準として示している「ユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツとは何か」という観点で重要です。
また、SEO業者などから情報を提供された際に、それを鵜呑みにせず、冷静に判断するための知識としても役立ちます。
この機会に、改めてガイドラインの内容に触れ、ご自身のウェブサイトがGoogleの目指す方向性と合致しているかを確認してみてはいかがでしょうか。
関連情報
Search Quality Evaluator Guidelines (PDF)
Googleが公開している品質評価者向けガイドラインの原文(英語)
有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
Googleがウェブサイト制作者向けに公開している、公式ガイダンス
Googleの内部情報が続々判明。司法省の反トラスト法裁判の公開資料から読み解く、検索順位の決まり方
本記事で触れた「Magi」などの内部情報についての詳細情報
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
Googleの「品質評価者ガイドライン」とは、一体何ですか。
Googleが検索結果の品質を確かめるために、外部の評価者(クオリティレーター)に渡しているマニュアルです。どんなWebサイトが良いサイトなのか、その基準が具体的に書かれています。
このガイドラインは、自社のサイトの検索順位に直接影響しますか。
いいえ、直接的には影響しません。評価者がサイトを見て「良い」と判断しても、すぐに順位が上がるわけではありません。しかし、その評価データはGoogleの検索アルゴリズムを賢くするための「学習データ」として使われるため、間接的に重要な役割を果たしています。
よく聞く「E-E-A-T」とは何で、なぜ重要なのでしょうか。
E-E-A-Tは「経験・専門性・権威性・信頼性」の頭文字です。Googleが、特に金融や健康など人々の生活に大きく関わる情報(YMYL)において、信頼できる情報かどうかを判断するための重要な基準としているためです。
AIが作ったコンテンツは、Googleから低く評価されてしまうのでしょうか。
内容によります。AIが作ったというだけで低評価になるわけではありません。ただ、単に他のサイトの情報を言い換えただけのような、独自性のない低品質なコンテンツは、最低評価の対象になるとガイドラインで示されています。
Web担当者は、このガイドラインの情報をどう活用すれば良いですか。
ガイドラインを読むことで、Googleがユーザーにとって価値のあるサイトをどう考えているかが分かります。小手先のSEOテクニックではなく、ユーザーのために質の高いコンテンツを作ることの重要性を再確認し、サイト改善の方向性を決める指針として活用できます。
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投稿 第570回:【実際】Google検索品質評価ガイドラインはAI検索のどこに影響する?RankEmbed・学習モデルなど は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
AIを使いこなす第一歩:苦手分野の克服から始める中小企業のAI活用術
AI(人工知能)を使いこなすことは、今や中小企業にとって最も投資対効果の高い施策の一つと言えるでしょう。しかし、「AIが重要だ」と頭では理解していても、実際に自社でどう活用すれば良いのか、具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。
多くのケースでは、チャット画面でAIに質問をしたり、アイデアの壁打ち相手になってもらったりといった、シンプルな使い方に留まってしまいがちです。そして、「意外と使えないな」「現場の業務にはあまり役立たないな」という結論に至ってしまうことも少なくありません。
そこで今回は、AIというツールをどのように捉え、事業に組み込んでいけば良いのか、その考え方のヒントをお伝えします。
AI活用の最適解:まずは自社の「苦手」を克服することから
結論から言うと、AI導入の最初のステップとしては、自社の「ボコ」、つまり苦手な部分やうまくやれていない部分を埋めるために使うことをお勧めします。どの会社にも、得意なこと(デコ)と苦手なこと(ボコ)があるはずです。例えば、「顧客サポートは得意だけれど、新規の営業活動は苦手だ」あるいはその逆、といった具合に。
まずは、その「ボコ」の部分をAIで補うことから考えてみてください。これが、AI活用をスムーズに進めるための鍵となります。
なぜ「得意」を伸ばすことから始めてはいけないのか
自分たちの強み、つまり「デコ」の部分を創り出すために、最初からAIに頼るのは得策ではありません。なぜなら、AIは既存の膨大なデータから学習し、最も多くの人が喜ぶ「平均的な答え」を導き出すように訓練されているからです。
もし、すべての企業がAIの提案だけをベースに強みを作ろうとすると、最終的にはどこも似たようなサービスや戦略に行き着いてしまいます。これは、いわゆるコモディティ化(独自性がなくなり、価格競争に陥ること)を招く危険性があります。AIは突飛なアイデアや、まだ誰も気づいていないような新しい価値をゼロから生み出すことは苦手なのです。
もちろん、AIに事業のアイデアを相談すること自体は可能です。しかし、返ってくるのは既存の枠組みの中での提案であり、他社を圧倒するような独自の強みを教えてくれるわけではありません。
AIで時間を生み出し、人でしかできない価値を創造する
AIの役割は、企業の苦手な部分(ボコ)を平均レベルまで引き上げ、効率化することです。そうして生まれた時間や費用といったリソースを、今度は自分たちの得意な部分(デコ)をさらに伸ばすために再投資する。この役割分担が、AI時代の成功戦略だと考えています。
例えば、以下のような「ボコ」を埋める作業はAIが得意とするところです。
問い合わせフォームへの一次対応を自動化する
メールマガジンやダイレクトメール(DM)の文案を作成する
煩雑なルーチンワークを自動化する
これらは多くの企業が過去に苦労してきた分野であり、ウェブ上にも豊富な成功事例やデータが存在するため、AIは精度の高い答えを出してくれます。
具体的な活用事例
実際に、AIや関連技術を活用して業務を効率化し、人の能力をより価値の高い仕事へシフトさせている事例は数多くあります。
コールセンター: 簡単な質問はAIチャットボットや音声AIが対応し、複雑な問題にだけ経験豊富なスタッフが対応することで、顧客満足度を向上させる。
職人技が求められる業界: 運搬などのルーチン作業をロボットに任せることで、職人は新商品の開発といった、より創造的な仕事に集中できるようになる。
技術伝承: 熟練者の動きをVR(仮想現実)などで記録・共有し、新人教育のコストと時間を削減。熟練者は本来の業務や、さらなる技術革新に時間を使えるようになる。
このように、AIを使って人の時間をいかに確保するか、という視点で自社の業務を見直してみると、「ここを任せられたら、もっと価値のある仕事ができるのに」というポイントが見つかるはずです。
AI活用で失敗しないための心構え
一方で、AI活用がうまくいかないケースとしてよく見られるのが、「新規事業をAIと相談しながら決めよう」というアプローチです。前述の通り、これは非常に難しい挑戦です。
市場のデータ分析などをAIに手伝わせ、最終的に人が意思決定をするのであれば問題ありません。しかし、AIに頼りきりで未知の領域に進もうとするのは、成功の確率が低いと言わざるを得ません。なぜなら、成功の前例がないからです。
今、世の中で成功している企業の独自の強みは、最初はうまくいくかどうかわからない中で、「これがきっとうまくいくはずだ」と信じてやり続けた結果であることがほとんどです。つまり、前例のないところから価値は生まれます。AIは、その前例のない道をゼロから切り拓くためのツールではないのです。
「0」に何を掛けても「0」
AIの能力は「掛け算」に例えられます。人間の持つスキルや知識が「1」や「3」であれば、AIを掛け合わせることで「10」や「30」に増幅させることができます。しかし、元になるスキルや知識が「0」の状態では、いくら高性能なAIを掛けても結果は「0」のままです。
「ノーコード(プログラミング知識なしで開発できるツール)でAIを使えば、専門知識がなくても何でもできる」といった情報を見かけることもありますが、そのままビジネスの根幹を担うようなシステムを作るのは非常に危険です。重要な業務で使うものは、必ず人間が主体となり、AIはあくまでその能力を拡張するサポート役として位置づけるのが現実的です。
まとめ:AIとの上手な役割分担でビジネスを加速させる
AIに対して過度な期待を抱くのではなく、その特性を理解し、うまく役割分担をすることが重要です。
AIの役割:自社の苦手な業務(ボコ)を効率化し、コストを削減する。
人間の役割:AIによって生み出された時間やリソースを使い、自社の強み(デコ)をさらに磨き上げる。
まずはこの考え方に基づき、業務改善のパートナーとしてAIを導入してみてはいかがでしょうか。AIとの付き合いに慣れていく中で、より高度な活用方法や、自社のビジネスを飛躍させるための新たなアイデアも生まれてくるはずです。
Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問
Q1. AIを社内に導入したいのですが、何から始めればいいか分かりません。
A1. まずは自社の苦手な業務や、時間のかかっている作業を洗い出すことから始めましょう。AIは、そうした「弱み」を補強し、業務を効率化するツールとして活用するのが最も効果的です。
Q2. AIを使って新しいサービスや事業のアイデアを考えられますか。
A2. AIにゼロから新しいものを生み出させるのは難しいです。既存のデータから平均的な答えを出すのは得意ですが、前例のない独創的なアイデア出しは苦手です。新規事業はあくまで人間が主導し、AIは情報収集などの補助として使うのが現実的です。
Q3. AIを導入する上で、最も注意すべきことは何ですか。
A3. AIに過度な期待をしないことです。AIは人間の能力を拡張する「掛け算」のツールであり、使う側に知識や目的がなければ良い結果は生まれません。万能ではないと理解し、目的を明確にして活用することが重要です。
Q4. AIで業務を効率化した後、生まれた時間をどう使うべきですか。
A4. 効率化で生まれた時間やコストは、自社の強みをさらに伸ばすために再投資することをお勧めします。顧客サポートの質向上や研究開発など、人間にしかできない付加価値の高い仕事に集中することで、企業の競争力が高まります。
Q5. ITの専門知識があまりなくてもAIは使えますか。
A5. はい、活用できます。ただし「何を解決したいか」という目的意識は必要です。例えば「問い合わせ対応を効率化したい」という目的があれば、専門家でなくてもツールを活用できます。まず自社の課題を明確にすることが、AI活用の第一歩となります。
配信スタンド
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運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第569回:中小企業のWeb+AI活用は、苦手業務(凹)を減らして強さ(凸)を伸ばす時間に充てるところから始めよう は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
Podcastの概要
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は「『己の仕事=何』と考えるか?が、AI導入への姿勢を変える」という話をします。AI(Artificial Intelligence)を前にして不安が強くなるか、逆に自分の価値を高める方向に切り替えられるか。その分かれ目は、意外とシンプルです。
AIへの不安が強まる理由を、「仕事の捉え方(作業か、価値か)」で整理できます。
マネジメント側が、AI導入を「分断」にしないために押さえるべきポイントが見えてきます。
自分自身のモチベーションや好奇心を保ち、AIを自己拡張ツールとして扱う考え方が手に入ります。
仕事を「作業」として捉えるほどAIは脅威になり、仕事を「価値」として捉えるほどAIは自己拡張になりやすい。
今回の結論:AIに奪われるか、自己拡張になるかは「仕事の捉え方」で分かれる
AI導入が進むとき、「自分の仕事が奪われるのでは」という不安が出る会社もあれば、積極的に取り入れて成果につなげる会社もあります。もちろん職種や業務内容によって危機感の持ち方は変わります。ただ、そことは別の観点として、自分の仕事を何だと思っているかが、受け止め方を大きく左右します。
ここでのポイントは、仕事を作業レベルで捉えているか、作業を通じて実現する価値レベルで捉えているか、です。
なぜ「作業=仕事」だと不安が増えるのか
作業レベルで自己定義すると起きやすいこと
自分の存在意義を「この作業をしているから価値がある」と置いてしまうと、AIはその作業を置き換えうる存在に見えます。すると、どうしても不安や拒否感につながりやすくなります。
代替不安が直撃する:作業が置き換わるほど、自分の価値まで失うように感じてしまう。
AIを敵として捉えやすい:使い方を学ぶより、避ける・抵抗する方向へ傾きやすい。
意欲が下がりやすい:好奇心よりも「守り」が強くなり、成長の糸口を見つけにくい。
価値レベルで捉えると何が変わるか
一方で、「自分はこの作業を通じて、こういう価値を実現している」と捉えられると、AIは「仕事を奪うもの」ではなく、価値提供を拡張するための道具として見えやすくなります。
AIを自己拡張ツール(自分の能力を広げる道具)として扱える:作業の置き換えではなく、成果の引き上げに関心が向く。
学習や工夫が前提になる:「どう使えば価値が増えるか」に意識が向き、好奇心が保ちやすい。
心が楽になる:変化を止められない以上、嘆くより「次にどう動くか」に切り替えやすい。
ここは「気持ちの持ちよう」で片付くほど単純ではありません。ただ、視座を一段上げるだけで、見え方が変わるのは確かだと思っています。
マネジメントができること:伝え方と導入プロセスの設計
マネジメント層にとって重要なのは、AI導入を「ツール導入」で終わらせず、仕事の意味づけとセットで扱うことです。
仕事の説明を「作業」から「価値」へ
「この仕事をやっているから価値がある」と作業で語るのではなく、「この仕事は、こういう価値を生み出すからお願いしたい」と伝える。ここが土台になります。
作業は変わります。だからこそ、作業の背後にある価値が共有されていると、AIが入っても「自分は何を実現する人か」を失いにくくなります。
透明性と参加を先に作る
AI導入は、やり方次第で不安を増幅させます。だからこそ、導入前後で以下を丁寧に扱う必要があります。
透明性:会社として何を実現したくてAIを使うのか。何が変わり、何は変えないのか。
参加:現場の不安や意見を拾い、置き去りにしない形で導入を進める。
心理的安全性:不安を言語化できる状態をつくり、「敵ではない」前提を共有する。
部署によって「使う・使わない」が分かれたまま放置すると、分断や対立の火種にもなりえます。会社としての方針を出すこと自体が、導入を円滑にします。
調査から見える共通点
ここからは、私が触れた調査の話です。細部の解釈よりも、共通する示唆を押さえるのが重要だと思っています。
AIを「補完」と捉えるほど、仕事の尊厳や意味づけが保たれやすい
IT(Information Technology)分野のインタビュー調査では、AIを「人間の代替」ではなく「補完」と捉える人ほど、仕事の尊厳や意味づけ(meaningfulness)を維持・向上させやすい、という示唆が出ています。
参照: The Impact of AI on Perceived Job Decency and Meaningfulness: A Case Study(arXiv)
この示唆は、私が先ほど話した「作業ではなく価値で捉える」こととつながります。AIをパワーアップだと見られるほど、満足感や前向きさが保ちやすいという話です。
透明性・関与設計が、受容とウェルビーイングに影響する
HR(Human Resources)領域での整理でも、AI導入が従業員の満足度やメンタル面に与える影響は、透明性やコミュニケーション、そして関与の設計に左右される、という方向性が示されています。
参照: Employee Well-being in the Age of AI: Perceptions, Concerns, Behaviors, and Outcomes(arXiv)
「会社として何がしたいのか」を共有し、現場の不安を拾い、参加の形をつくる。結局は、導入の技術論だけではなく、納得感と意味づけのプロセスが鍵になります。
便利さの代償として、目的感や自立性が揺らぐことがある
ロボットと共に働く現場では、身体的負担が軽くなる一方で、目的感や自立性が失われがちだ、という話も報じられています。便利さを享受するだけだと、「自分はなぜこの仕事をしているのか」が揺れてしまうことがある、ということです。
参照: Working with robots often carries mental strain, studies find(Financial Times)
私はこの話を、知的作業でも同じ構造が起きうる、と捉えています。だからこそ、事前のケアや、仕事の意味づけの共有が重要になります。
私自身の実感:絶望より、好奇心とモチベーションを選ぶ
私自身も、作業に囲まれることは多いです。戦略立案やファシリテーションのような領域はまだ代替が進みにくいと感じつつも、「自分の価値って何なんだろう」と思うことは何度もあります。
ただ、そこで絶望するのではなく、「この前提で、どうしたら支払っていただいている金額以上の価値を出せるか」「どうすれば3倍4倍の生産性や付加価値を出せるか」を考えるようにしています。そう考えると、AIは敵ではなく、「使い倒してやろう」と思える対象に変わります。
余談:AIの今は、インターネット黎明期と似ている
今のAIの状況は、1990年代末から2000年代頭の、インターネット黎明期に似ている、と例える人がいます。私もその感覚はあります。
当時は「ネットで物なんて売れない」「わざわざパソコンで検索しない」「文字や写真では人のぬくもりが伝わらないから長続きしない」といった否定的な話を、本当によく聞きました。私がネットを触り始めたのも、その頃です。
その中で私は、ある種の生きる術としてデジタル経営で創業しました。既得権益的なプレイヤーも多く、簡単には稼げないと感じたからです。飛び込み営業をする中でも、「それ意味あるの?」「価値あるの?」「お客さん呼べるの?」と言われることは多かったです。
でも今振り返ると、ウェブでいろいろするのが当たり前になりました。AIが今後どう転ぶかは、マクロ要因もミクロ要因もあって断言できません。けれど、少なくとも私は、ポジティブに捉え、「自分にとって何が役に立つか」を考えながら活用していくのが良いと思っています。
まとめ:自分を「代替される手段」ではなく「生み出す価値」で捉える
AIの流れ自体は変えられません。だからこそ、作業そのものを積み上げてきた価値を否定せずに、それを一段上の概念に引き上げて、「自分は何を実現する人か」と捉え直す。ここが、心を楽にし、次の一手を出す助けになります。
ぜひ、自分を手段の代替存在として捉えるのではなく、それによって生み出しているものをコアバリューとして考えてみてください。
今回の内容は以上です。最近AIの話題が増えていますが、今の時期はどうしても触れざるを得ないと感じています。私は現場で泥臭いことばかりやっています。その現場感から、大事だと思うことを話していますので、よろしければ引き続きお付き合いください。
関連リンク
The Impact of AI on Perceived Job Decency and Meaningfulness: A Case Study(arXiv)
Employee Well-being in the Age of AI: Perceptions, Concerns, Behaviors, and Outcomes(arXiv)
Are robots the solution?(University of Groningen)
Google NotebookLM | AI リサーチツール&思考パートナー
Podcastのお悩み投稿フォーム – Webコンサルタント中山陽平公式
FAQ
AI導入で反発が起きる会社と、うまく進む会社の違いは何ですか。
「自分の仕事=作業」と捉えているほど代替不安が強まり、AIを脅威として見やすくなります。逆に「作業を通じて実現する価値」で役割を捉えられるほど、AIを自己拡張として扱いやすくなります。
「作業レベル」ではなく「価値レベル」で仕事を捉えるとは、具体的にどういうことですか。
「私はこの作業をしているから価値がある」ではなく、「私はこの作業を通じて、こういう価値を実現している」と捉えることです。作業は変わっても、提供する価値を軸にすると自分の立ち位置が揺れにくくなります。
マネジメント層は、AI導入のときに何を最優先で整えるべきですか。
会社として何を実現したくてAIを使うのかという透明性を出し、現場の不安や意見を拾いながら参加の形をつくることです。導入の技術論より先に、納得感と心理的安全性を押さえることが重要です。
AIが進化していく中で、モチベーションや好奇心を保つコツは何ですか。
「奪われるかどうか」ではなく、「どう使えば価値が上がるか」に視点を移すことです。価値レベルで役割を捉えると、自然と情報への向き合い方が前向きになりやすいと考えています。
便利になればなるほど、なぜ目的感や自立性が下がることがあるのですか。
便利さを享受するだけだと、「自分はなぜこの仕事をしているのか」「これから何を伸ばせばいいのか」が曖昧になりやすいからです。だからこそ、仕事の意味づけを先に共有し、導入後もケアする仕組みが必要になります。
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投稿 第568回:「己の仕事イコール何と考えるか?」がAI導入への姿勢を変える? は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
今回は、2025年版の中小企業白書・小規模企業白書を改めて見直して、「人材をどうするか」をウェブ活用・デジタル活用の観点で整理します。
結論
白書の数字と、現場での相談の実感を重ねると、次の結論になります。
採用で解決するのは不確実なので、最初から期待値を上げすぎないほうがいい
人材育成は効果が出るケースがある一方、現時点で回せていない会社が無理に始めるとコスパが合いにくい
現実解としては、信頼できる外部パートナーと柔軟に二人三脚で進める方向が取りやすい
参照元:2025年版「中小企業白書」全文 / 2025年版「小規模企業白書」全文
人材について
私自身、現場に出ていて「人材」の相談を本当によく受けます。
そもそも人材が取れない。
取れたとしても、どう社内で育成していけばいいのかわからない。
もともと社内にないスキルの人を採用したときに、育てる仕組みがない。
かといって、自走できる人材は市場に多くない。
そして、AI(人工知能)で全部がだいたいできるかというと、まだそういう段階ではない。
結果として、やりたいことがあっても進められない。これは体感としてかなり多いですし、白書を見て「同じ悩みが広く起きている」と改めて感じました。
整理したい2つの選択肢
論点は大きく2つです。
内製(人材育成)をするべきか、あるいは社外人材の活用(外部パートナー)に頼るべきか。どちらが現実的かを、白書の数字も手がかりに見ていきます。
内製(人材育成)に関する白書の見え方
人材育成を「強化している」会社は半分以上
白書のアンケート調査では、5年前と比べて全体の半分以上の会社が人材育成を強化していると回答しています。
ここは見方が難しいところで、人材育成は本来「常にやるべき」と考えるなら、まだ半分以上は強化できていないとも言えます。
従業員規模が小さいほど、人材育成ができていない
また、従業員の人数が少ない会社ほど、人材育成を行っていない(あるいは行えていない)という傾向も出ています。
小さい会社ほど、育成そのものが難しい。あるいは、育成に乗せる前段の採用がそもそも難しい。ここは、簡単に覆せない前提として置いたほうがいいと思います。
「人材育成に取り組む会社」の数字は良い。ただし、私はそのまま鵜呑みにしない
白書では、人材育成に取り組んでいる会社のほうが、売上高や付加価値率の変化率が高い、というデータが示されています。
売上高の変化率で言うと、人材育成を増やした企業は中央値として約10.7%増、人材育成を行わなかった企業は約2.3%増、という数字。
参照元:2025年版「中小企業白書」全文
ただ、私の肌感覚としては「人材育成に投資できる余裕がある会社が、もともと伸びやすい」という母集団の偏り(バイアス)も混ざっていると思っています。
人材育成って、言うのは簡単ですが、そんなにうまくいかないことも多いですよね。現時点で人材育成が回せていない状態から無理に始めると、コストをかけた割に付加価値が出ない、ということにもなりやすい印象があります。
採用は「取れたらめっけもの」くらいで組み立てたほうがいい
中途採用市場も取り合いですし、いわゆるカンディデート(候補者)が十分にいる状況ではない、という話も聞きます。
一般の従業員については、採用は不確実性が高い前提で体制を組み、運良く取れたらめっけもの、くらいで考えたほうがいい。
もちろん、経営者の後継者の話は別軸で、ちゃんと考えなければいけません。ただ、ウェブ活用やデジタル活用の担い手を「採用だけで増やす」ことに過度な期待を置くと、計画が崩れやすいと思います。
社外人材活用の現状
活用は「まだ2割くらい」。空気感が追いついていない
副業・兼業なども含めた社外人材の活用は、データ上は全体の2割ぐらいで、まだ「気軽に使える空気感」になり切っていない印象があります。
これは、プラットフォームが全くないというよりも、使う側に「社内説得の材料」や「こう使えばうまくいく」というイメージが足りていない、という側面が大きいのだろうなと見ています。
数字で見ると「活用したことがない」が多数派
調査(24,588件)では、活用状況が次のように示されています。
現在活用している:10.3%
現在は活用していないが、活用したことがある:6.8%
活用したことがない:82.9%
「どう使えばいいか分からない」というハードルが、ここに表れていると私は感じます。
一方で、副業を「やりたい人」は増えている
白書でも、副業・兼業人材の活用はまだ道半ば、という趣旨があります。
ただ、副業をやっている方・副業をやりたい方(追加就業希望者数)は、10年間でかなり増加している、という状況もあるようです。
IT(情報技術)業界周辺だと、一人で会社を立てて複数社を支援する方も普通にいます。そういう働き方自体が無理のあるものではない以上、あとは「受け入れ体制」の問題になってくるのだと思います。
参照元:副業・兼業|厚生労働省
DXの話になると、ボトルネックがより分かりやすい
このポッドキャストではウェブマーケティングやデジタル活用の話を中心にしていますが、その観点で白書を見ると、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進で詰まるポイントがはっきりしています。
「費用負担が大きい」ことと、「推進する人材が足りない」こと。大きくこの2つがボトルネックになっています。
現場感覚としても、これはその通りだと思います。外部に見積もりを出すと、プロジェクト単位になりやすく、体感としては数百万円、400万円くらいが普通に出てくるケースもあります。そこまでの投資を、回収の目処がないまま踏み出すのは難しいですよね。
参照元:産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)|経済産業省
一方で、社内で柔軟に進めようとすると、今度は「そもそも人材が取れない」という問題にぶつかる。ここが、デジタル領域での人材不足の苦しさだと思います。
じゃあどうするか
ここまでを踏まえると、私は「うまく外を使える会社になる」ことを目指すのが、2025年以降の時代感として現実的だと思っています。
大きな会社(大手ベンダーなど)は、やることがプロジェクト単位になりやすいので、どうしても高くなりやすい。相手側も人材が潤沢なわけではないので、経営としては利益率の高いクライアントと長く付き合う動きになるのは自然です。
だから、たとえば中堅企業や、ある程度の予算を確保できていて「スピードを上げたい」「追加の施策にも即応してほしい」という会社なら、大きな会社と組むのが合うケースも多いと思います。
一方で、従業員が2桁規模(10〜99人程度)の会社だと、もっと小回りが効いて、現場の知識がある人がちゃんと来るようなパートナーと組むほうが現実的になりやすい。私はそう感じています。
外部パートナー選びで見ておきたいこと
フリーランスでも全然いいと思います。そのうえで、私はインボイス(適格請求書等保存方式)対応の有無も、取引のしやすさを見極める一材料になると思っています。
参照元:No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)|国税庁
選ぶときに私が重視したいのは、次のあたりです。
過去の実績(何を、どの範囲で支援してきたか)
実際に話してみたときの感触(コミュニケーションが成立するか)
現場で運用に落とす知識があるか(ツールに詳しいだけで終わらないか)
ツールの使い方に詳しいだけで、現場で浸透させる・社内を説得する材料を組み立てる、といったところは自分では動けない、というケースも残念ながらあります。そこは、しっかり見ておいたほうがいいと思います。
育成より外注が「安い」と感じやすい背景
昔だったら、育成して会社の資産として長く勤めてもらい、将来の投資にする、という考え方も成立しやすかったと思います。
でも今は、終身雇用を前提にしない人も増えましたし、AIが話題になるように、必要な知識ややり方がどんどん変化します。何をどう学ばせればいいのか、レール自体が見えにくい。
そういう変化に慣れている会社なら研修の設計もできますが、慣れていない会社だと「どうしていいか分からない」になりやすい。だったら、フォローアップできる外部と組むほうが進めやすい、という判断になります。
お金の話で言えば、給料だけでなく、保険など周辺費用の負担もあります。経営していると、この負担が大きいのは本当によく分かります。
外部パートナーなら、必要な範囲を時間単価で買える。合わなければ切り替えもしやすい。従業員とは当然同じに扱えませんが、外部はその前提で仕事をしています。
「もう不要です」と言われるのは、言い方を整えるなら「そこまで自走できる状態になった」ということでもあるので、私は基本的には嬉しいことだと思っています。結果を残せないまま終了になるのは心苦しいですが、卒業できる状態なら前向きです。
今回のまとめ
2025年版の中小企業白書・小規模企業白書を踏まえ、デジタル領域の人材不足を「内製」と「外部活用」の観点で整理しました。
選択肢
白書・現場の見え方
つまずきやすい点
内製(人材育成)
取り組む企業のほうが売上高・付加価値率の変化率が高い傾向はある
そもそも採用・育成の余裕がないと回しにくい。無理に始めるとコスパが合わないこともある
社外人材活用(外部パートナー)
活用はまだ多数派ではないが、やりたい人が増えている流れもある
費用不安、指示の出し方・付き合い方のイメージ不足で踏み出しづらい
白書には、原価や物価高、相変わらず進んでいない後継者不足など、他にも論点があります。デジタルに関わる部分も、また別の回で扱っていこうと思います。
関連リンク
2025年版「中小企業白書」全文
2025年版「小規模企業白書」全文
産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)|経済産業省
副業・兼業|厚生労働省
No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)|国税庁
FAQ
人材不足の状況で、内製(人材育成)と外部パートナー活用はどちらが現実的ですか?
白書でも人材不足は大きな課題として見えています。人材育成は効果が出る傾向もある一方で、現時点で回せていない会社が無理に始めるとコスパが合いにくい面があります。現実解としては、信頼できる外部パートナーと柔軟に二人三脚で進める形が取りやすい、というのが私の結論です。
人材育成に取り組む企業のほうが売上が伸びる、という数字はどう見ればいいですか?
白書では、人材育成を増やした企業のほうが売上高の変化率が高いデータが示されています。ただ私は、育成に投資できる余裕がある企業がそもそも伸びやすい、という母集団の偏りも混ざっている可能性があると見ています。数字は大事ですが、そのまま当てはめると合わないケースもあります。
副業・兼業・フリーランスなどの社外人材活用が進まない理由は何ですか?
費用負担への不安に加えて、「どう使えばいいか」「どう指示を出せばいいか」のイメージが湧かないことが大きいと思います。活用したことがない企業が多数派という数字にも、その難しさが表れています。
DXが進まないボトルネックは何ですか?
白書の整理でも、DX推進の主要なボトルネックとして「費用負担が大きいこと」と「推進人材が足りないこと」が大きく出ています。外部に頼むとプロジェクト単位になりやすく、金額が跳ねやすい一方、社内で進めようとすると人材不足にぶつかりやすい、という構図です。
外部パートナーを選ぶとき、どこを見ればいいですか?
過去の実績、話してみたときの感触、現場で運用に落とす知識があるかを重視したほうがいいと思います。ツールに詳しいだけで終わらず、社内への浸透や説得材料づくりまで一緒に考えられる相手だと進めやすいです。
詳細はPodcastをお聞き下さい。
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投稿 第567回:2025年中小企業白書から読む「Web人材は育成か外注化か」コストと成果で考える最適解 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
この記事で分かること
AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが「社内に根付かない」理由が、ツールではなく文化・行動にあること
経営層・マネジメント層と現場の間に起きがちな「認識ギャップ」を、どう埋めていくかの考え方
デジタル活用を浸透させるために押さえたい「7つのポイント」と、今日から始めやすい具体策
多くの組織はデジタル技術を導入しても、文化や行動、意識を変えない限り、変革は定着しません。
今回の話題:なぜAIやデジタル施策は社内に根付かないのか
AI系の取り組みや、少し前ならDXといった「デジタル化」を進めようとしても、なかなか会社に定着しないという悩みは本当に多いです。
これは日本だけの問題なのか、それともグローバルでも起きる共通課題なのか。そもそも会社の中で新しい変革をもたらすには、どこから探るべきなのか。そういう文脈で情報収集をしている中で、面白いレポートに出会ったので、今回はその内容をベースにお話しします。
参考にしたレポート:Capgeminiの「The Digital Culture Challenge」
今回ご紹介するのは、フランスのグローバル企業キャップジェミニ(Capgemini)が出している調査レポートです。AIそのものを扱った内容ではありませんが、「デジタル変革が定着しない理由」を文化の観点から整理していて、今のAI活用にもそのまま当てはまる話が多い。
スライドシェア(SlideShare)で公開されているので、気になる方は概要欄などから辿ってみてください。
The Digital Culture Challenge; Bridging the Employee-Leadership Disconnect(SlideShare)
ちなみに、レポート類は「偏りがあるのでは」と気になる方もいると思います。もちろん営業的な意図がゼロとは言いませんが、私の感覚では極端に偏っているというより、デジタル変革の調査を継続的に出している企業として、参考にしやすい部類だと思っています。
最大の壁は「文化」:ツールが来たら変わる、では変わらない
結論をもう一度はっきり言うと、デジタル技術を導入しても、文化や行動・意識を変えない限り、変革は定着しません。
もう少し砕けて言うと、こんなすれ違いが起きやすいです。
経営者や役員側は「うちはデジタルに順応できている」と思っている
現場は「使いやすい状況になっていない」「仕組みがない」と感じている
結果として、部署間協力や新しいアイデアの実行が進まない
ここで大事なのは、「いい技術が来たら勝手に動く」ではなく、会社としての行動規範や許可範囲、方針を整えることです。企業理念のような抽象度の高い話だけでなく、もっと実務に落ちる形で「ここまでは自由にやっていい」「AIはこういう方針で使う」といったルールを用意してあげることが効いてきます。
デジタル活用を浸透させる7つのポイント
レポートでは、デジタル文化を根付かせるための要素が7つ挙げられています。私はこれを「スローガン」ではなく、日々の仕事で繰り返す習慣として捉えるのが良いと思っています。
ポイント
私の解釈(現場で起きること)
最初の一手の例
顧客志向
「自分たちが楽になる」より先に「顧客が嬉しい状態」を起点にする
顧客が困る場面を1つ選び、そこだけ改善する
イノベーション
新しいことを試すのを許す空気があるか
小さく試す枠(時間・予算・担当)を先に決める
データ駆動
「分析」以前に、暗黙知を言語化して共有できる形にする
作業を録画・録音して、理由を解きほぐす
オープンさ
意見を言った瞬間に否定されない、言いやすい環境があるか
まず受け止める、を上から徹底する
共同
部門間が「自部門最適」で止まらず協力できるか
KPIを見直し、会社最適の評価軸を混ぜる
デジタル思考
2回以上やる仕事は「仕組み化できないか」から考える
繰り返し作業を1つ選び、まず半自動化する
機敏性
変化に合わせて柔軟に動けるか(硬直しないか)
一気に変えず、段階的に試して改善する
1. 顧客志向:まず「顧客が喜ぶ状態」から逆算する
デジタル文化を根付かせるには、「自分たちがどう変わるか」よりも先に、顧客としてどうなっていたら嬉しいのかを出発点にします。そこから逆算して「じゃあ自分たちはどう変わるべきか」を考える、という順番です。
2. イノベーション:新しい挑戦を後押しする空気があるか
新しいことをやろうとすると、どうしてもブレーキがかかります。事情も立場もあるので簡単な話ではないのですが、それでも「変わらないとついていけない」のは現実です。
特にAIの波は、昔のウェブサイト制作の立ち上がり期のように「1〜2年遅れても取り戻せる」とは限らない。だからこそ会社として「まず試してみよう」という空気を作ることが大事だと思っています。
3. データ駆動:分析より先に「言語化」が要る
データドリブンというと「解析しなきゃ」「データベースに入れなきゃ」と思われがちです。ただ、現場で一番の問題になるのは、個人の中にある知識や技術が形になっていないことです。
職人系の会社さんだと特に分かりやすいのですが、「なんとなくうまくいってる」「代々やってるから」という無意識の作業がたくさんあります。誰かに聞かれて初めて「そういえば、なぜだろう」と気づくことも多い。
だからまずやるべきは、暗黙知を意識の上に引き上げて、言語化して、他の人も使える形にすることです。作業を動画で撮って「なぜこの距離なのか」「なぜこのタイミングでひと手間を入れるのか」を一緒に解きほぐしていく。そういう地道な積み重ねが、結果的にナレッジになります。
ここまで集められれば、録音して文字起こししてAIに整理させるだけでも、十分に共有できる形にしていけます。
4. オープンさ:意見が言えない空気が一番つらい
意見を言った瞬間に否定される会社と、とりあえず受け止めて考える会社では、差が出ます。これは意識変革なので簡単に変わらないし、上の人の雰囲気で決まってしまう部分もあります。
だから順番としては、上の側からオープンマインドを作っていくのが大事です。年齢や経験に限らず、フラットに「そういう見方もあるのか」と扱えるかどうかは、デジタルに限らず組織の強さに直結します。
それから、よくあるのが「意見を言うと、言った人が責任を持たされる」パターンです。これがあると、分かっていても言わなくなります。ここは文化として明言して、避ける必要があります。
5. 共同:部門間の壁を越えないと、結局動かない
営業、製造、サービス、カスタマーサポートなど、顧客接点のフェーズごとに持っている情報は違います。本来はそれを持ち寄った方が強いのに、部門ごとのKPIや目標設定が邪魔をすることがよくあります。
例えば会社としては「取るとトータルでマイナスになる顧客は取らない方がいい」ケースがあるのに、営業が件数だけで評価されていると、そういう案件を取ってきてしまう。これは個人の問題ではなく、制度設計の問題です。
6. デジタル思考:まず「楽にできないか」を考える
私自身も気をつけているのですが、2回3回やる作業は「一回目は面倒でも、仕組み化すれば二回目以降が楽になる」ことが多いです。それなのに、人は「今まで通り手を動かせば終わる」方を選びがちです。
AIでプログラムを書く話も似ています。SNSを見ていると、複雑なものが簡単にできているように見えますが、実際はできる人ができているだけです。業務を理解し、必要なものを具体的にイメージし、詳細に指示を出さないと、仕組み化は進みません。
だからこそ、「一回目で挫折しやすい」ことを前提に、少しずつ仕組み化を進められる文化を持っておくのが大事です。いきなり全部やると業務が止まりやすいので、段階的に進めるのが現実的です。
7. 機敏性:焦らず、でも止まらずに進める
この項目は少しアバウトに聞こえるかもしれませんが、変化に合わせて柔軟に動けるかどうか、という話です。焦って一気に変えると反動が来やすいし、一回失敗すると「もう二度とやらない」になりがちです。だから、きちんと進める設計が必要です。
「7つのポイント」を行動に変えるために、会社がやること
話を聞いていると「結局、評価制度なのかな」となりがちです。私は、そこはかなり本質を突いていると思います。分かりやすいし、効くからです。
私の感覚では、特に次の要素が重要です(いずれもレポートの趣旨と、現場感を重ねたものです)。
トップが方針を示し、自分でも動く(ロールモデルになる)
現場の意見を取り入れ、ズレを埋める(ボトムアップの仕組みを持つ)
結果だけでなくプロセスも評価する(チャレンジしたか、協力したかを評価軸に入れる)
小さな実験を回す枠を作る(部署横断の「試す部門」や場を用意する)
スキルアップに投資し、外部パートナーも活用する(学びによって見える景色が変わる)
特にプロセス評価は重要です。結果だけを求めると、人は萎縮します。新しいことは失敗がつきものなので、チャレンジそのものを評価に入れないと、動けなくなります。
中小企業こそ、今がチャンスだと思う理由
人が取れない、忙しい、大変。そういう状況だからこそ、文化の整備と仕組み化に取り組める余地があります。規模が小さい方が、変えやすい部分もあります。
「うちは無理だ」と思う方もいるかもしれません。でも、うまくいっている会社もスタート地点はゼロです。早く始められたか、偶然そういう人材がいたか、運の要素も正直あります。
だからこそ、他社が先に行っているかもしれないと考えつつ、できることから、ゆっくりでも進めていくのが良いと思っています。
今日からの最初の一歩
最後に、すぐ着手しやすいものを挙げます。焦って一発で変えようとせず、段階的に進める前提でどうぞ。
ギャップ診断:経営層・マネジメント層・現場それぞれに、簡単なアンケートを取って「認識のズレ」を見える化する
KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の見直し:部門最適になっていないか、プロセス評価が入っているかを点検する
とりあえず小さく試す:一部の業務・一部のメンバーで「小さな成功」を積み上げる
暗黙知の言語化:動画・録音・文字起こしなどで、技能や判断の理由を整理して共有する
意見を言っても損しない空気づくり:「言った人が全部背負う」をなくし、まず受け止める
まとめ:技術ではなく、文化と行動が変革を定着させる
「このツールがあったらうちもできるのに」と言っているうちは、変わりません。デジタルは技術を入れれば終わりではなく、会社の中の文化、行動、意識をどう変えるかが重要です。
今回の7つのポイント(顧客志向、イノベーション、データ駆動、オープンさ、共同、デジタル思考、機敏性)を意識しつつ、できるところから進めていく。これが、結果的にデジタル活用やAI活用を自然に広げていく近道になると思います。
また、私のクライアントさんでも、こういう入り口から始めて、気がついたら自然にツールが使えるようになったり、「いい情報があったら試してみよう」と思えるようになったりするケースはたくさんあります。もし、ホームページや広告だけの話ではなく、会社の土台(考え方や進め方)から整えていきたい場合は、お気軽にご相談ください。
この番組はバックナンバーも多く、質問フォームも用意しています。よければ他の回も聴いてみてください。
関連リンク
The Digital Culture Challenge; Bridging the Employee-Leadership Disconnect(SlideShare)
Cultural issues are the number one obstacle to digital transformation…(Capgemini Press Release)
Cultural issues are the number one obstacle to digital transformation…(Press Release PDF)
第566回:AI・デジタル活用を 浸透させる7つのポイントとは?『The Digital Culture Challenge』レポート紹介
The 7 Habits of Highly Effective People Signature Edition 4.0(FranklinCovey)
よくある質問
ツールを入れたのに、なぜ社内で使われなくなるのでしょうか。
技術の問題というより、文化や行動、意識が変わっていないケースが多いです。「使っていい範囲」「どう進めるか」「失敗をどう扱うか」が曖昧だと、定着しにくくなります。
経営層と現場の温度差(認識ギャップ)は、どう扱えばいいですか。
まずギャップがある前提で、アンケートなどで見える化し、現場の声を取り入れながら方針と仕組みを整えることが大切です。上だけで決め切ると、ズレが残りやすくなります。
データ駆動というと、難しい分析が必要ですか。
必ずしも分析から入る必要はありません。まずは暗黙知を言語化し、共有できる形にすることが現実的です。録音や動画、文字起こしなどで「なぜそうするのか」を解きほぐすところから始められます。
AI活用や仕組み化に挫折しがちな理由は何ですか。
一回目は手間がかかりやすく、SNSで見える「簡単にできる」印象との差で心が折れやすいからです。全部を一気に変えず、繰り返し作業を一つ選んで小さく仕組み化するのが進めやすいです。
今日からの最初の一歩として、何をやるのがよいですか。
ギャップ診断(簡単なアンケート)と、KPIの見直しが取り組みやすいです。加えて「小さく試す」枠を作り、小さな成功を積み上げると社内に広がりやすくなります。
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運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
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投稿 第566回:AI・デジタル活用を 浸透させる7つのポイントとは?『The Digital Culture Challenge』レポート紹介 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
この記事で得られること(要点)
AI検索時代でも、まず優先すべきは「サイト品質・コンテンツ・使いやすさ」という土台だと分かる
AI OverviewsやAI Modeは“特別な別ルール”ではなく、Google全体の評価の上に乗るという見立てを整理できる
ChatGPT対策を急ぐより、従来のSEOと社内のコンテンツ製造体制を整えるのがROI(投資対効果)的に有利だと腹落ちする
結論から言うと
結論から言うと、「AI対策だけで一気に逆転する」という考え方は、効果の面で現実的ではありません。AI OverviewsやAI Modeでの露出は、結局のところ元のサイト品質やコンテンツ評価がベースにあって、その上で“見せ方”として乗ってくるものです。
AI検索を見据えたSEOが難しい理由
AI検索を見据えてどうすればいいのかは、皆さん気になるところだと思います。一方で「これをやればいい」と明確に言い切れる状況でもありません。
なぜなら、Google自体が細かいパラメータをいじって単純に順位を決める、という分かりやすい構造ではないからです。
Googleの中の人が「こうすればいい」と断言できる状況ではないので、表に出るメッセージも抽象的になりやすい、という前提があります。
「これをすれば絶対上がる」という人は信頼しない
この状況で「これさえやれば絶対に上がる」と言い切る人は、私は基本的に信頼しない方がいいと思っています。
もちろん、テクニック自体に意味がないと言いたいわけではありません。
ただ、過度に“必勝法”のように語るのは危険です。AIという新しい話題が出たときほど、冷静に足元から見直す必要があります。
AI対策として提案されがちな施策と、良い面
最近は営業的にも増えてきた印象ですが、AI対策として次のような提案を見かけます。
FAQを作る
構造化データを付ける
記事冒頭に「このページを読むと得られること」を書く
たとえば冒頭で「何が得られるのか」「誰に向けた内容なのか」が分かるのは、読む側として嬉しいですよね。
タイトルを見て「たぶんこれが知れるはず」と読み始めたのに、結局よく分からないまま終わる記事は、読み手にとって一番つらいです。
ただし「AI対策で逆転できる」というのは言い過ぎ
問題は、今までコンテンツや内部構造、ユーザー体験をあまり追求してこなかったのに、ここでAI対策だけやれば一気に逆転できる、と極端に考えてしまうケースです。
これは営業する側の資料にもそう書かれていることがありますし、私自身がお客さまの提案資料経由で目にすることも多いです。
後発の立場だと「今までの努力が無に帰してくれた方が嬉しい」と感じる気持ち自体は分かります。
ですが、ここで言いたいのは倫理の話ではなく、実際の効果として薄いという点です。
コアアルゴリズムアップデートで見えた傾向
今回のコアアルゴリズムアップデート(2025年6月末に始まり、約2〜3週間で完了した想定の期間)で、ひとつ見えた動きがあります。
外部のデータを集めている会社の発表ベースではありますが、検索結果で順位が下がったサイトは、AI Overviewsでの露出も下がる傾向が観測された、という話です。
ここは重要なので補足しますが、Googleが公式にそう言ったわけではありません。海外のデータや分析に基づく「傾向」の話です。それでも、私はこの動きは納得感があります。
AI Overviews / AI Modeは「表現形態の一つ」でしかない
私の考え方として、AI OverviewsやAI Modeは、Googleにおける“表現形態の一つ”です。つまり、AIという表示枠が特別な別ルールで動いているというより、Google全体での評価がベースにあって、その上でAIの見せ方で出ている、という捉え方です。
そのため、そもそものサイトの価値や品質が高くない状態で、AI対策だけを積み上げても結果が出にくい。露出も上がりにくいし、引用もされにくい、というのがポイントです。
とは言えSEO側がAIも含めて自分たちの業務領域とするのもおかしいです。
AIでの問題解決は増えていきますし、AI時代のGoogleと従来のGoogleは仕組みも思想も大きく違うので、もはや「Search Engine」ではないという意味でSEOという言葉は実態と合っていない空虚な物でもあります。
強いて言えばSEOではなく、Google Optimizationを自称するべきです。
AI対策が効きやすいのは「土台がある」場合
AI対策が無意味だと言いたいわけではありません。土台が整っているサイトが、AIの枠でより引用されやすくする、という意味では効果が出る場面があります。
ただし、土台ができていない企業が、AI対策だけで状況を変えるのは難しい。
まずはGoogle的な品質、ユーザーのニーズに合ったコンテンツ、使いやすさ、といった基本が先です。
いま優先すべきは「従来のSEO」の積み上げ
今の段階で、AIのことだけをひたすら考えて将来に投資する、という考え方自体を否定するつもりはありません。ただ結局、やることは大きく変わらないんですよね。
ROIで考えるなら、まず従来のSEOをきちんとやって、結果としてAIでも出るようになりました、という順番の方が現実的だと思います。
私が「まずここ」と考える土台
ユーザーのニーズに合った、具体性のあるコンテンツを増やす
使いやすいサイトにする(迷わず目的の情報に辿りつける)
内部リンクで関連情報をつなぎ、情報の行き来を作る
取り組みの位置づけを整理する(表)
取り組み
狙い
私の位置づけ
AI対策(FAQ、構造化データ、冒頭要約など)
AIの表示枠で拾われやすくする
土台が整っているサイトの“伸びしろ”を増やす施策
従来のSEO(コンテンツ、UX、内部構造)
Google全体での評価を上げる
最優先。ここが弱いとAI対策は効きにくい
社内の情報吸い上げ・制作体制
独自性のある内容を継続的に出す
結局ここがボトルネックになりやすい“根本”
「コンテンツが作れない」問題は、だいたい「組織」の問題に帰結する
「コンテンツ作れません」「なかなか出せません」という相談は多いです。原因が「ネタがない」よりも、会社の中で外向きに発信する情報が、うまく吸い上がってこない仕組みの問題に帰結するケースが多いと感じています。
結局、SEOは組織論に着地することが多いです。会社全体の理解があるか、現場とマーケ側の関係性がどうか、そこが大きいです。
「作りましょう」は簡単。でも現場は簡単じゃない
世の中の情報を見ると「コンテンツ出しましょう」「FAQ作りましょう」と簡単に書かれています。でも、そんな簡単に作れたら苦労しない、というのが本音だと思います。
担当者の方は特に分かっているはずです。時間を取ってもらえない、協力が得られない、フィードバックが返ってこない。頑張って月に1〜2ページ作っても、それだけでは効果が出にくい、という壁に当たります。
泥臭いけれど、ここが回ると自走できる
私の仕事でも、みんなで集まってミーティングをして、状況を整理して、なんとか動ける形を作る、という場面が増えました。外から来た人間が“悪者”になった方が早いケースもありますし、間に入って理解を深めることで、営業さんなどがメリットを提示して協力が進むケースもあります。
ウェットな人間関係の調整が必要になることも多いです。ただ、ここがうまく走り始めると、会社として自走できるようになっていく感覚があります。
AIで記事は作れる。でも評価されるのは「経験の乗った内容」
AIを使えば記事は作れます。ですが、それだけだと評価されない、というのが私の感覚です。E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)で言うと、特にExperience(経験)にあたる、現場から上がってきた声や言葉遣いをベースにしたコンテンツは、お客さんに響きやすいです。
響きやすいのであれば、結果としてそういったものを評価する方向にアルゴリズムも寄っていくはずです。だからこそ、独自の経験や実務の中身を、きちんとコンテンツに“浄化”していける会社が強い、という話になります。
ChatGPT-5で起きた変化
少し話を広げると、ChatGPT-5に変わったことで、モデルの傾向が変わったと私は感じています。いわゆるLLM(大規模言語モデル)は「大量の知識を中に持って引き出す」方向が強かったわけですが、GPT-5は外部ツールを使って情報を取りに行き、理屈を組み立てる“頭脳”を強化した、という説明がされています。
実際に使っていると、検索機能で外部に情報を取りに行く動きが増えた印象があります。どこに取りに行っているかは分かりませんが、おそらくGoogleでしょう、というのが概ねの推測ではあります(※恐らくここは今後変わっていくでしょう)。
だからこそ「結局Googleで強い」が効く、という考え方
ここまでの話をつなげると、Google上で評価が高いものが、結果的にChatGPT側でも引用される可能性が高い。つまり、ChatGPT対策といっても、今のところは「Googleでの評価を上げること」が間接的に効いてくる、というふうに考えてもいいかなと思っています。
また、プランによってコンテキストの長さが違うなど、使い方によって体感も変わります。私はProプランを使っていますが、そこでの感覚が前提になっている点は正直あります。
AI流入はま少ない、だから優先順位を間違えない
「ChatGPT対策しませんか」という営業は来ますが、私の現場感としては、Web上のトラフィックのうちChatGPTなどAI経由のトラフィックは、出やすそうな商売でも1%もないケースがほとんどです。
もちろん購買意欲が高いお客さんが来ることもあって、無視はできませんが商材によりけりです。
今のところその1%に全力を投じるより、まずやるべきことが多い企業さんが大半。
AI対策は、やることがなくなった人がやるならいいですが、優先順位として最初に手を出す領域ではない、というのが私の体感です。
まとめ:AI対策は「後」。まず土台と仕組みから
新しいものが出てくると、「これで一気に追い抜けるかも」と思いたくなるのは分かります。ただ、AI対策だけやってもどうしようもない、というのが私の結論です。
まずは従来のSEO、つまりユーザーに役立つコンテンツ提供と使いやすいサイトづくりを進める。そのうえで、必要に応じてAI対策のエッセンスを足していく。これが、いま一番コストパフォーマンスが高い進め方だと思います。
お悩みの方へ
もし、いま自分たちがやっていることが正しいのか不安だったり、会社の中の仕組みづくりから整理したい、ということがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせが多く、少しお待ちいただく場合もありますが、先にいただいたものから順にお返事しています。最後までお聞き(お読み)いただき、ありがとうございました。
関連リンク
Google Search’s core updates and your website
AI features and your website
Mark Up FAQs with Structured Data
Creating Helpful, Reliable, People-First Content
Introducing GPT-5
FAQ
AI対策(FAQや構造化データ)だけで、検索やAIで一気に逆転できますか?
私は難しいと考えています。AI OverviewsやAI Modeは“特別な別ルール”というより、Google全体でのサイト評価が土台にあって、その上で見せ方として乗ってくるものだ、という見立てだからです。
コアアルゴリズムアップデートで順位が下がると、AI Overviewsの露出も下がりますか?
外部データの観測として、順位下落とAI Overviews露出低下がセットで起きる傾向が示された、という話があります。Google公式の断言ではありませんが、AIの露出もGoogle全体の評価の影響を受ける、という考え方は押さえておくと良いと思います。
AI Overviews / AI Modeに出るために、特別な最適化は必要ですか?
私の整理では「特別な一発逆転策」より、まず従来のSEOの土台です。役立つコンテンツ、使いやすいサイト、内部リンクで情報をつなぐ、といった基本を整えた上で、必要ならAI向けのエッセンスを足す、という順番になります。
ChatGPT対策は、今すぐ取り組むべきですか?
現場感としてAI経由の流入はまだ小さく、1%未満のケースも多いです。購買意欲の高い流入はあり得るので無視はしませんが、優先順位としては、まず従来のSEOやコンテンツ体制の整備が先だと考えています。
「コンテンツを出せない」問題は、どこから手を付けるべきですか?
ネタ不足というより、社内で情報を吸い上げて形にする流れができていない、という“仕組み(と人間関係)”の問題に落ちることが多いです。現場とマーケ側の連携を作り、継続的に出せる状態にすることが、結局いちばん効きます。
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運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第565回:AI-SEOだけ行っていませんか?AI検索対策で重要なのは今まで通りの土台強化 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、SEO(検索エンジン最適化)業界の「何で儲けているのか」、売上の作り方がどう変わってきているのかを、現場の肌感覚ベースで整理します。
この記事で得られること(要点)を先にまとめます。以下の4点です。
SEO業界の「売上の柱」が、今どう組み替わっているかの全体像
テクニカルSEOやコンテンツSEOだけでは継続売上が作りにくい理由
ローカルSEO(MEO)やAI対応、人材・教育(ツール/研修)へシフトしている構造
外部に依頼するときに、最低限確認しておきたいポイント
結論から言うと、SEO業界は「ストレートなSEO施策を回すだけ」で食べている会社が、体感として相当少なくなっていると思っています。コンテンツ制作やローカルSEO(MEO)、AI対応など“今響きそうなもの”を売りつつ、人材や教育(ツール/研修)など複数の柱を持って利益構造を分散させている会社が増えています。
なお、ここで話す内容は、上場している会社が多い世界でもなく、外部にBSなどの情報が十分に出ている領域でもありません。あくまで私のネットワーク内での情報や、お客さんに出されてくる提案資料を見ての「現場からの肌感覚」として捉えてください。
SEO業界の売上構成は、どう変わってきたのか
「SEO業界は何で売上を立てているのか」と聞くと、多くの方は「SEOのお手伝いをして成果を上げる部分」だと考えると思います。昔はそれで効果が出ましたし、テクニカルな施策で成果が出せた時期も長くありました。
一方で、2014年前後に「コンテンツマーケティング」という言葉が日本でも広まり、インバウンドマーケティングのような“待ち受けて育てていく”考え方が普及していきます。その流れの中で、コンテンツに「SEO」という言葉がくっついて「コンテンツSEO」という形で売られるようになり、テクニカルが通用しにくくなってきた分を、コンテンツ制作が補う構図が長く続きました。
ただ、私の感覚だと、今は「テクニカル+コンテンツ」だけでは、正直もう食えない状態に近いです。ここが今回の話の核心です。
テクニカルSEOは“スポット仕事”としては残るが、月次は成立しにくい
テクニカルの仕事がゼロになったわけではありません。サイト全体の診断(オーディット)や、大規模サイトのメンテナンスのような業務は、四半期に1回、あるいは年1回といったスパンでも需要があり、単価もそれなりにつきます。
ただし「毎月、テクニカルにチューニングして順位を上げ続ける」形の継続業務は、成立しにくくなっています。やることが限られてきますし、提案しても現場が動かないことがボトルネックになりがちです。
さらに、オーディットのような作業もAI(人工知能)で楽になってきた実感があり、単価はもっと下げてもいい、敷居を下げてもいいと感じる場面も増えました。こうなると、テクニカルだけで継続売上を作るのは難しくなっていきます。
コンテンツSEOは“売りやすい”が、単価も成果も厳しくなっている
コンテンツ制作は、成果物(記事など)ができるので売りやすい領域です。だからこそ長くSEO施策の中心にありました。ただ、昔ながらの「サジェスト網羅で量産する」ような作り方は、今は本当に効果が出にくいと感じています。
Search Console(サーチコンソール)で見ても流入がない、というケースは多いですし、サイト全体のトピッククラスターの観点でも評価(Googleからの評価)が押し上がっているかというと、変わっていないように見えることもあります。ここにお金を払っている側も気づき始めていて、「月10万、20万払っているけど意味がない」と感じる流れが出てきています。
その結果、提案でコンテンツを持ってくる会社のページ単価が下がり続けています。高い値段では売れなくなってきた、ということだと思います。
では、どこにシフトしているのか(肌感覚の整理)
ここからは「こうしましょう」というより、状況の共有です。特定の企業を名指しするつもりもありませんし、下品なことはしたくないのでしません。
領域
何を売るか(例)
伸び方(肌感覚)
注意点(話者の所感)
ローカルSEO(MEO)
Googleマップ周りの最適化、運用
営業・参入が増えている
悪い業者も多い。単体の小手先では伸びにくい
AI対応
AI軸のコンテンツ作り、既存サイトの改修
提案が増えている
先は見えにくいが、今やって損は少ない
人材(マッチング/派遣)
担当者の仲介、フリーランスと企業のマッチング
売上インパクトが大きい会社が増えている
手数料や品質は会社・担当者次第
教育(エデュケーション)/ツール
ツール販売、研修、学習コンテンツ
軸にする会社が増えている
対人支援が苦手でも回しやすい。AIで作りやすくなる
ローカルSEO(MEO)に流れている
ローカルSEO(MEO)は、造語的に使われることも多いですし、悪い話が多い領域でもあり、実際に悪い業者もすごく多いと思っています。ただ、それに混じりながらも「サイト上のSEOが通じにくいなら、Googleマップでどうするか」を売る営業は増えている印象です。
一方で私は、ローカルSEO(MEO)を「お金を取って単体でバンバンやるもの」としては、あまり成立しにくいと見ています。結局、サイトの改善になってきますし、情報を100%にしたところで伸びるとは限りません。そうすると、嫌でも「口コミを集めよう」に寄っていきがちですが、本当はサービスの改善や商品の改良の話に戻ってきます。
つまり、もはやSEOだけの話じゃないよね、というところに着地しやすい。ここは、依頼する側が構造として知っておくと損がないポイントだと思います。
AI対応を掲げた提案が増えている
AI対応を謳って「こういうものにしましょう」「既存のサイトを回収(改修)しましょう」という提案も増えているように感じます。日本にも導入されていないものを含め、海外でもGoogleが試行錯誤している段階で、先が見えにくい部分はあります。
ただ、今からやっておいて損はない、という意味では需要が生まれやすい領域でもあります。だからこそ、提案する側も応じる側も増えているのだと思います。
人材(マッチング/派遣)が太い柱になっている
もう一つ大きいのが人材系です。人材マッチングや、間に入って担当者を送り込む、フリーランスと企業を結びつけて手数料を取るモデルは、ウェブマーケティング系の会社全般で、前から種まきをしてきた会社が多いです。
品質はサービスと担当者次第で一概に良し悪しは言えませんが、売上としてインパクトがある会社が増えているのは事実だと思います。ニーズがあるから商売として成立している、という見方です。
教育(エデュケーション)/ツール販売が伸びやすい
さらに増えているのが教育系です。SEO会社だけでなく、制作会社やSEOが分からない代理店、地域の元請けのような立場に対して、SEO系ツールやコンテンツ系ツールを売る、いわば“ツルハシを売る”モデルです。
海外のツールだと特に、トレーニングコースの案内や、最初にどう始めるかのミーティング設定がセットで入ってくることが多いです。うまくやっているところほど、そのツールを使う前提でのSEOの考え方や学習コンテンツが充実しています。
そして、ここにAIを絡めると作りやすくなるので、今後ここをやろうとする会社は増えると思います。加えて、対人の営業や個別サポートが苦手な会社はどうしても多いので、ツール販売や教育はハマりやすい構造だと感じています。
依頼する側が、必ず確認しておきたいこと
SEO業界は、皆さんが思っているような「SEO施策を回して成果を出すだけ」で食っている会社が、相当少なくなっていると思います。いろいろな形で売りながら柱を作り、利益構造を分散している会社が増えている状況です。
だからこそ、お願いするときは「自分が頼みたい分野に関して、その会社が今どれくらい上手なのか」を必ず確認した方がいいです。正直、会社の看板と、実際に強い領域がズレていることは起きます。
特に規模感のある会社だと、人材系とツール/教育で整形を立てているところも多いので、もし自分が「いわゆるSEO」を頼みたいなら、その領域の体制や実績、誰がどこまでやるのかはちゃんと聞いた方がいいと思います。
手数料の話(人材系)
人材系は、うまくハマれば儲かる構造です。手数料は会社によってかなり違いますし、あまりに高いところはどうかなと思うこともあります。
ただ、マッチングは手数が多いですし、保険も含めて“ほどまり良く”しなければいけない事情もあるので、分かる部分もあります。少なくとも「何に対していくら払うのか」は曖昧にせず、納得できる形にした方がいいです。
また、「某動画教材サイト」みたいに、手数料が高い構造が当たり前になっている世界もありますよね。恐ろしいのはその高さであって、仕組みとしては成立しているからこそ、余計に判断が鈍りやすいという話です。
余談:AIモードを巡る業界の温度感と、ゼロクリックの話
ここからは余談のさらに余談です。AIモードがいつ来るのか、どんな見せ方が主流になるのかでドキドキしている人は多いと思いますが、一番ドキドキしているのはこの業界の人々だと思います。
すでにAIモードが入ってきて、それ以外にもいろんな見せ方がテストされている中で、怒っているウェブマスターやSEO会社の人も多い。争いが絶えない状況になってきている、というのは体感としてあります。
日本ほど雑な戦いは、リベートに慣れた国はやらない、という見方もありますが、なかなかこのあたりは燃えそうというか、PVが稼げそうなネタに乗っかっちゃっているような状況もある。ある意味、コンテンツマーケティングの敗北と言えるのかもしれません。
ゼロクリックサーチが増えて、広告に関してはGoogle側がいろいろ調整をかけてくれるし、売上の軸でもあります。速攻性があるからテストもできるし、実際どうなるかのPDCA(Plan-Do-Check-Act)も高速に回せるので、短期でプラスが出やすい面はあると思います。
SEOは「手段」。主従関係を間違えると事故になる
SEOに関して言うと、単体で考えちゃダメだと思っています。SEOは手段でしかない、という前提に立ってください。
会社として、どうやったら自分たちのターゲットエリアの人たちに存在を築いてもらって、ブランドを作っていくのか。そこはSEOでやることではなく、もっとオフラインも含めて会社全体としてやっていって、デジタル/Webの分野でうまくやっていく。その中の手段の1つとしてSEOがあります。
この主従関係を間違えると結構大事故になるので、ここは気をつけましょう、という話です。
SEO専門会社ではなく「右腕」として伴走しています
最後に、うちの立ち位置も補足します。うちはSEOの専門会社ではありません。
端的に言えば、中小企業さん・小規模企業さんで「Webをなかなか活用できない」「やろうと思ったけど失敗してしまって次は失敗したくない」「どこから直したらいいか分からない」というところに寄り添いながら、伴走して右腕になって、計画を立て、戦略を立て、作戦を立てて一緒にやっていく。ノウハウを貯めながら、はみ出るところはワンストップで作業代行する、という仕事をしています。
とはいえ、広告はまだペイする状況にないことも多いので、まずは検索エンジンからアクセスを集められるようにしながら、ホームページ(Webサイト)を良くしていく、という流れが多い。結果としてSEOのノウハウや話題が増えてしまう、という状況はあります。個人的に好き、というのもあります。
お客さんの興味関心も「どうやったら検索順位を上げられますか」「どうやったらアクセスを集められますか」より、「どうやったら反応を取れますか」という、もっと重要な部分にフォーカスしてきている感覚があります。情報の非対称性をうまく利用して案件を取ろうとするやり方もあるので、事業目線で臆せず立ち向かえる状態を作っていけるといいですよね。
ということで今回は、SEO業界は「思っているような商品構成ではなくなっていますよ」という話でした。人材面でも流出があって、事業会社側に流れちゃっているケースも多い、という感覚もあります。
関連リンク
検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド(Google 検索セントラル)
SEO業者(代理店、コンサルタント)とは(Google 検索セントラル)
Search Console の概要(Search Console ヘルプ)
Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
構造化データでよくある質問をマークアップする(Google 検索セントラル)
FAQ
SEO業界は今、何で売上を立てていることが多いのですか?
昔はテクニカル施策やコンテンツ制作が中心でしたが、今はそれだけでは継続売上が作りにくいと感じています。ローカルSEO(MEO)やAI対応を売りつつ、人材(マッチング/派遣)や教育(ツール/研修)を柱にして、利益構造を分散させている会社が増えている印象です。
テクニカルSEOの月次運用が成立しにくいのはなぜですか?
オーディットのようなスポットの需要は残りますが、毎月やるべき“チューニング”は限られてきます。さらに、提案しても現場が動かないことがボトルネックになりやすく、施策を回してPDCAを回す形が継続業務として成立しにくい、という感覚があります。
「サジェスト網羅の量産記事」が効きにくいと感じる理由は何ですか?
Search Consoleで見ても流入がないケースが多く、サイト全体の評価(Googleからの評価)を押し上げているかというと、変わっていないように見えることがあります。その結果、費用対効果に疑問を持つ側が増え、記事単価も下がりやすくなっている、という話です。
ローカルSEO(MEO)を依頼するときに確認した方がいいことは?
ローカル領域は悪い業者も多い印象がありますし、単体の小手先で伸びる話になりにくいと考えています。依頼するなら、その会社がローカルをどれくらい得意としているか、何をどう改善し、何が成果物で、どこまでが運用範囲かを具体的に確認しておくのが安全です。
「SEOは手段」というのは、どういう意味ですか?
会社として、どう認知を作り、どう信頼を積み上げ、どう反応を取るかが先にあって、SEOはそのための手段の1つに過ぎません。主従関係を取り違えて、SEOを目的にしてしまうと大事故になりやすいので気をつけたい、という話です。
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運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第564回:SEO業界の「提供価値」と「収益の柱」はどんどん変わっている…? は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。






















