DiscoverWebコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」第573回:Web担当者のための「燃え尽きを防ぐ」タスク管理のポイントとは
第573回:Web担当者のための「燃え尽きを防ぐ」タスク管理のポイントとは

第573回:Web担当者のための「燃え尽きを防ぐ」タスク管理のポイントとは

Update: 2025-10-06
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なぜあなたのタスク管理はうまくいかないのか?多くの人が陥る「一つの誤解」とは


ToDoリスト、GTD、ポモドーロ・テクニック…世の中には数多くのタスク管理術が存在します。しかし、「色々と試したけれど、どうもうまくいかない」と感じている方も多いのではないでしょうか。タスクに追われ、計画通りに進まず、自己嫌悪に陥ってしまう。その根本的な原因は、テクニックの問題ではなく、タスク管理に対する「ある誤解」にあるのかもしれません。


今回は、その誤解を解き、タスク管理を成功に導くための最も重要な考え方についてお話しします。


タスク管理の目的は「自己成長」ではない


結論から言うと、タスク管理が失敗する最大の理由は、「タスク管理」と「自己成長」を混同してしまっているからです。


私たちはタスクリストを作成するとき、無意識のうちに「もっと効率的に、もっと多くのことをこなせる理想の自分」を基準に計画を立てがちです。「これくらいは出来なければいけない」という成長目標を、日々のタスク管理に持ち込んでしまうのです。


しかし、タスク管理の本来の目的は、「今の自分を最大限に活用すること」です。理想の自分ではなく、現実の自分の能力やコンディションを基準に、最もパフォーマンスが高まる方法を見つけ出すためのツールなのです。


この2つを切り離して考えること。それが、あらゆるタスク管理術を機能させるための、最も重要で、最初に行うべきステップです。


「今の自分」を最大限に活用する鍵は「客観視」にある


では、「タスク管理」と「自己成長」を切り離し、「今の自分」を最大限に活用するためにはどうすればよいのでしょうか。その鍵は「自分自身を客観視する」ことにあります。


「これくらいで出来るはずだ」という主観や思い込みを一度捨て、データに基づいて「今の自分」がどのような状態なのかを冷静に把握する必要があります。ここからは、そのための具体的な3つのステップをご紹介します。


ステップ1:作業時間を正確に計測する


まずは、自分が一つの作業にどれくらいの時間をかけているのかを、客観的なデータとして記録することから始めましょう。「提案書作成なら3時間くらいかな」「メール返信は1件5分だろう」といった感覚的な見積もりは、実際の結果と大きくずれていることがほとんどです。


私の場合、デスクトップ上の作業をすべて記録するタイマーアプリを使っていますが、使い始めた当初は、自分の感覚と実際の作業時間の差に驚くことばかりでした。このような客観的なデータを集めることで、初めて現実的な計画を立てるための土台ができます。


ステップ2:自分の「パフォーマンスの波」を受け入れる


次に、自分がどのような時にモチベーションが上がり、どのような時に下がるのかを把握します。「モチベーションは常に高く保つべきだ」と考えがちですが、人間である以上、パフォーマンスに波があるのは当然です。1日の中でも、驚くほど集中できる時間もあれば、どうしても集中力が続かない時間も存在します。


大切なのは、その波を否定せず、受け入れることです。その上で、「どうすればハイパフォーマンスモードに入れるか」という自分だけのスイッチを探しましょう。自分の特性を冷静に理解することが重要です。


ステップ3:パフォーマンスレベルに合わせたタスクを割り振る


作業時間と自分のパフォーマンスの波を把握したら、それに基づいてタスクを割り振ります。ポイントは、パフォーマンスのレベルを「高・中・低」の3段階くらいに分け、それぞれに適したタスクをあらかじめ用意しておくことです。



  • ハイパフォーマンス時:思考力や創造性が求められる、重要なタスク

  • ミドルパフォーマンス時:定型的な業務や、ある程度集中力が必要なタスク

  • ローパフォーマンス時:単純作業や情報収集など、やる気がなくてもできるタスク


特に重要なのが「ローパフォーマンス用のタスク」です。「やる気がない時は何もしない」のではなく、「今の自分でもこれならできる」というタスクを用意しておくことで、自己嫌悪に陥るのを防ぎ、少しでも業務を前に進めることができます。


タスク遂行を後押しする「ルール化」の力


自分を客観視して立てた計画を、さらに確実に実行するための補足的なテクニックが「ルール化」です。



  • 休息のルール化:パフォーマンス維持に不可欠な休息を、「このタスクが終わったら5分休む」のように強制的にスケジュールに組み込みます。

  • 「嫌なこと」のルール化:開きたくないメールなど、後回しにしがちなタスクは「何も考えずに即開封する」といった機械的なルールで処理し、心理的負担が増えるのを防ぎます。


まとめ:自分を受け入れ、タスク管理を本当の武器にする


タスク管理を成功させる秘訣は、高度なテクニックを学ぶことではありません。まずは「タスク管理」と「自己成長」を明確に切り離すこと。そして、そのために「今の自分」を客観的に知り、受け入れることから始めてみてください。


現実の自分を土台にして初めて、GTDやポモドーロ・テクニックといった手法が真価を発揮します。「自分で決めたことを遂行できた」という小さな成功体験の積み重ねは、やがて大きな自信につながるはずです。タスク管理を、自分を縛るものではなく、自分を最大限に活かすための強力な武器にしていきましょう。


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Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問



色々なタスク管理術を試しても、なぜうまくいかないのでしょうか?

多くのタスク管理術は、自分自身を客観的に把握していることが前提になっています。自分の作業ペースや集中力の波を理解しないままテクニックだけを導入しても、計画と現実の間に乖離が生まれ、うまくいかないことが多いのです。

タスク管理を始める上で、まず何から手をつければ良いですか?

まず「自分を知る」ことから始めるのが重要です。具体的には、①自分の作業時間を客観的に記録する、②どういう時に集中できるか・できないかを把握する、③パフォーマンスの波に合わせてタスクを割り振る、という3つのステップが有効です。

どうしてもやる気が出ない時、どうタスクと向き合えば良いですか?

やる気が出ない時間があることを前提に、あらかじめ「低いパフォーマンスの時にやるタスク」を用意しておくことをお勧めします。何もしない状況を避け、少しでも前に進めることで自己嫌悪を防ぎ、生産性を維持できます。

計画通りにタスクが進まず、自己嫌悪に陥ってしまいます。

タスク管理と「自己成長」を一緒に考えてしまうと、理想と現実のギャップから自己嫌悪に陥りがちです。まずは「今の自分を最大限に活かす」という視点でタスク管理を行い、自己成長は別の課題として切り離して考えると、精神的な負担が軽くなります。

タスクを効率的にこなすために、すぐに実践できることはありますか?

「休息」と「嫌なことの処理」をルール化することです。例えば「1時間作業したら5分休む」「開けたくないメールは即時開封する」のように機械的なルールを設けることで、意思決定の負荷を減らし、結果的に全体の生産性を高めることができます。




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代表取締役・コンサルタント 中山陽平


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ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平