「元FC東京ペク・インファンら元Jリーガー3名被害…元仙台MF道渕諒平の古巣給与未払い」　　韓国2部の忠南牙山FCは財政難により、所属選手への給与を支払っていない模様。2025年夏にFC東京から完全移籍により加入した元U18韓国代表DFペク・インファンら複数の元Jリーガーが被害に遭っている。　現地メディア『Xスポーツ』は10月15日、忠南牙山の給与未払い問題を特集。記事では、「忠南牙山は10月から選手に対する給与未払いが発生していることを認めた。クラブ運営のための支出が収入を上回る財政的な不均衡が発生している。1部昇格を目指して運営してきたが、興行不振や忠南地域の豪雨被害などにより、シーズン序盤に想定していたスポンサー収入が当初の計画を下回った」と綴られている。　また、同クラブは今回の財政悪化を受けて、2025シーズン終了後の選手大量放出、支出構造の全面的な見直し、クラブ組織の縮小を計画。2部リーグ戦34試合を終えて10勝13分11敗（勝ち点43）で9位と、昇格プレーオフ圏内の5位に食い込む可能性を残しているが、今回の給与未払い問題が所属選手に動揺を与えているという。　忠南牙山には、かつてMF道渕諒平（元ヴァンフォーレ甲府、ベガルタ仙台）が在籍しており、現在はDFキム・ミンヒョク（元サガン鳥栖）、FWキム・ジョンミン（元徳島ヴォルティス、ファジアーノ岡山）などが所属。2025年1月にFW佐藤岬が加入しているが、同選手は現在天安シティFCへ期限付き移籍中だ。　忠南牙山の給与未払い問題は、単なる一クラブの経営不振にとどまらず、韓国サッカー界全体が抱える構造的な脆弱性を浮き彫りにしている。興行収入や地域支援に依存した経営モデルは、外的要因によって容易に崩れ、選手の生活やキャリアに影響を与えている。　クラブの再建には、財務の透明性確保とともに、リーグ全体での支援体制や経営監査の強化が不可欠だ。選手が安心してプレーできる環境が整ってこそ、健全な競技文化と地域密着型クラブの発展が実現する。忠南牙山の危機は、その制度的課題を見直す契機とすべきだ。