Discover名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストEp.731 Nvidiaの「Alpamayo-R1」と「Cosmos」──自動運転開発を加速する“オープンな知能”(2025年12月4日配信)
Ep.731 Nvidiaの「Alpamayo-R1」と「Cosmos」──自動運転開発を加速する“オープンな知能”(2025年12月4日配信)

Ep.731 Nvidiaの「Alpamayo-R1」と「Cosmos」──自動運転開発を加速する“オープンな知能”(2025年12月4日配信)

Update: 2025-12-03
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AI半導体の王者Nvidiaが、自動運転の未来を切り拓くための重要な「武器」を、世界中の研究者に向けて開放しました。12月1日、Nvidiaは自動運転研究に特化した新しいAIモデル「Alpamayo-R1」と、物理シミュレーション基盤「Cosmos」を発表しました。これまで独自の技術をブラックボックス化して囲い込むことが多かった自動運転業界において、Nvidiaがあえて「オープンソース」として最先端モデルを公開した意図はどこにあるのでしょうか。


まず、目玉となるのが「Alpamayo-R1」です。これは単に道路上の車や人を検知するだけのAIではありません。「VLA(Vision-Language-Action)」と呼ばれる新しいタイプのモデルで、人間が運転中に頭の中で行っているような「思考」を再現します。例えば、「前方のトラックがハザードを点灯して停車しているから、対向車が来ないタイミングを見計らって追い越そう」といった複雑な文脈理解と判断(Reasoning)を行い、それを実行動に移すことができます。Nvidiaはこのモデルを公開することで、まだ完全には実現されていない「レベル4自動運転」のブレイクスルーを業界全体で起こそうとしています。


そして、そのAlpamayoを賢く育てるための環境が「Cosmos」です。自動運転AIを鍛えるには、事故が起きそうな危険な状況のデータが大量に必要ですが、実車で事故を起こすわけにはいきません。そこでCosmosの出番です。このモデルは、現実世界の物理法則を深く理解しており、まるでビデオゲームの最高画質を超えるようなリアリティで、雨の日の交差点や飛び出し事故といったシチュエーションを動画として生成できます。開発者はこの仮想世界の中で、AlpamayoのようなAIを安全に、かつ無限に訓練することができるのです。


Nvidiaはこの戦略により、自社のGPUとソフトウェアを、自動運転開発における「共通言語」にしようとしています。Uberなどの大手プレイヤーも既にNvidiaのエコシステム上で開発を進めており、今回のオープン化によって、大学の研究室からスタートアップまで、誰もがNvidiaの基準で自動運転AIを作れるようになります。ハードウェアを売る会社から、知能のインフラを提供する会社へ。Nvidiaの支配力は、道路の上でもさらに強固なものになりそうです。

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ikuo suzuki