Discover名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストEp.746 AWS、NVIDIA包囲網を強化──「Trainium3」搭載ウルトラサーバーが始動(2025年12月4日)
Ep.746 AWS、NVIDIA包囲網を強化──「Trainium3」搭載ウルトラサーバーが始動(2025年12月4日)

Ep.746 AWS、NVIDIA包囲網を強化──「Trainium3」搭載ウルトラサーバーが始動(2025年12月4日)

Update: 2025-12-03
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ラスベガスで開催されている「AWS re:Invent 2025」から、AIインフラの勢力図を塗り替えるかもしれない大きなニュースが飛び込んできました。AWSは12月2日、自社開発の最新AIチップ「Trainium3」を搭載した「UltraServer」の一般提供を開始したと発表しました。これは単なる新製品の発表ではなく、AI半導体で独走を続けるNVIDIAに対する、AWSからの明確な挑戦状と言えるでしょう。


今回発表されたTrainium3は、AWSとして初めて最先端の3nmプロセス技術を採用しています。その性能は驚くべきもので、前世代のTrainium2と比較して計算能力は約4倍、電力効率も40%向上しています。しかし、真の驚きはチップ単体ではなく、それらを束ねた「UltraServer」というシステムにあります。1つのサーバー筐体に144個ものチップを詰め込み、それらを専用のネットワークで高速に接続することで、あたかも一つの巨大な脳のように振る舞うことができます。これは、NVIDIAがBlackwell世代で推進している大規模なサーバー構成に真っ向から対抗するスペックです。


この巨大なパワーを誰が使うのかというと、その筆頭が「Claude」でおなじみのAnthropicです。AWSとAnthropicは「Project Rainier」と呼ばれる壮大な計画を進めており、最終的には数十万個規模のTrainiumチップを連結した、世界最大級のAI計算クラスターを構築しようとしています。Anthropicのようなトッププレイヤーが、NVIDIA製GPUだけでなくAWS製チップを主力として採用し始めたことは、市場に「GPU以外の選択肢」が実用的であることを証明する大きな意味を持ちます。


また、技術的な観点で見逃せないのが「液冷」へのシフトです。Trainium3のような高性能チップは発熱量も凄まじく、もはや従来の空調ファンでは冷やしきれません。AWSはデータセンターの設備自体を刷新し、液体を使って効率的に熱を逃がす仕組みを導入しています。これは、AI開発が単なるソフトウェアの戦いから、電気と熱をどう制御するかという物理的なインフラ戦争のフェーズに入ったことを象徴しています。コストと性能のバランスを武器に、AWSがAIインフラの「第2の標準」としての地位を確立できるのか、2026年に向けて目が離せません。

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ikuo suzuki