Discover名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストEp.734 AmazonとAnthropic、深まる亀裂と新たな火種──AWSが準備する「次世代モデル」の正体(2025年12月4日配信)
Ep.734 AmazonとAnthropic、深まる亀裂と新たな火種──AWSが準備する「次世代モデル」の正体(2025年12月4日配信)

Ep.734 AmazonとAnthropic、深まる亀裂と新たな火種──AWSが準備する「次世代モデル」の正体(2025年12月4日配信)

Update: 2025-12-03
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ラスベガスで開催中のAWS re:Invent 2025から、また一つきな臭い、しかしビジネスとしては非常に興味深いニュースが入ってきました。The Informationの報道によると、AWSは提携先であるAnthropicとの関係が複雑化する中で、新たな自社製AIモデルの準備を着々と進めているようです。


状況を整理しましょう。AmazonはAnthropicに対し、総額80億ドル(約1兆2000億円)規模の巨額出資を行っています。本来であれば、Anthropicの最新モデル「Claude 4.5」をAWS上で独占的に提供し、「AWSを使えば最高のAIが使える」とアピールするのが定石です。実際、Claude 4.5はBedrock上で利用可能です。 しかし、Amazonはそれだけでは満足していません。彼らは「家主(プラットフォーム)」であると同時に、「店子(モデル開発者)」としても最強の座を狙っているのです。


報道によれば、AWSは昨年発表した自社モデル「Amazon Nova」シリーズの後継、あるいはさらに上位となる新しいモデル群の開発を加速させています。その狙いは明確で、AnthropicのClaudeに頼らずとも、自社のモデルだけで顧客のあらゆるニーズ──特に高度な推論やエージェントタスク──を満たせるようにすることです。 これには「利益率」という切実な理由があります。顧客がClaudeを使えば、売上の一部はAnthropicに流れますが、Novaを使ってもらえれば、その収益はすべてAmazonのものになります。しかも、自社チップ「Trainium」で自社モデルを動かすのが、原価的にも最も効率が良いのです。


一方のAnthropicにとっては、たまったものではありません。最大の出資者であり、インフラの提供者でもあるAmazonが、同じプラットフォーム上で安価かつ高性能な競合製品をぶつけてくるわけですから、まさに「飼い犬に手を噛まれる」ならぬ「大家に商売を邪魔される」状態です。 MicrosoftとOpenAIの間にも似たような緊張感はありますが、Amazonのアプローチはより露骨に「自前主義」への回帰を示唆しています。この新しいモデルがリリースされたとき、AWSとAnthropicの蜜月関係がどう変化するのか、あるいは維持されるのか。2026年のAI業界を占う大きな試金石となりそうです。

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ikuo suzuki