Discover名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストEp.742 Apple、AI責任者が退任へ──苦戦するSiri刷新と、Google・Microsoft出身の「救世主」(2025年12月4日配信)
Ep.742 Apple、AI責任者が退任へ──苦戦するSiri刷新と、Google・Microsoft出身の「救世主」(2025年12月4日配信)

Ep.742 Apple、AI責任者が退任へ──苦戦するSiri刷新と、Google・Microsoft出身の「救世主」(2025年12月4日配信)

Update: 2025-12-03
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iPhoneの生みの親であるAppleが、AI戦略の抜本的な見直しを迫られています。Bloombergなどの報道によると、長年AI部門を率いてきたジョン・ジャナンドレア氏が退任し、後任としてGoogleとMicrosoftの両社でAI開発の中枢を担ったアマル・スブラマニヤ氏を招聘することが明らかになりました。


この人事の背景にあるのは、Appleが直面している「AI開発の苦戦」です。2024年に華々しく発表された「Apple Intelligence」ですが、市場の反応は芳しいものばかりではありませんでした。特に、目玉機能となるはずだった「新生Siri」の開発は難航を極めています。当初期待されていたような、複雑な文脈を理解しアプリを横断して操作する機能の実装は遅れに遅れ、完全なリリースは2026年の春までずれ込む見通しです。BBCなどのメディアからは、AIが生成したニュース要約に事実誤認が含まれているといった精度の問題も指摘されており、品質に厳格なAppleとしては異例の事態が続いていました。


そこで白羽の矢が立ったのが、スブラマニヤ氏です。彼はGoogleで対話型AI「Gemini」のエンジニアリング責任者を務め、その後Microsoftに移籍してAI戦略を支えた、いわば「ライバルの手の内を知り尽くした人物」です。Appleはこれまで、純粋培養の自社文化を大切にしてきましたが、ここに来て外部の、それも直接的な競合他社のトップエンジニアに舵取りを委ねるという決断は、彼らの危機感の表れと言えるでしょう。


今後は組織構造も変わり、スブラマニヤ氏はソフトウェアエンジニアリング担当のクレイグ・フェデリギ氏の直属となります。これは、AIを単なる研究対象としてではなく、iOSやmacOSといった製品に直結する機能として、よりスピーディーに実装していくための布陣です。「プライバシー重視」というAppleの哲学を守りながら、周回遅れと言われるAI競争でどう巻き返しを図るのか。2026年はAppleにとって、真価が問われる一年になりそうです。

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ikuo suzuki