中国語の「把」の使い方が分かる!オススメの覚え方を紹介
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レキオ
そんな疑問をお持ちの方に、どんな時に介詞「把」を使えばいいのか、すっきり理解できる方法を紹介します。
合言葉は、ビフォー/アフターの把です。どういうことなのか、分かりやすく説明しますね。
「把」は「~を~する」を表す介詞
「把」は、「~を~する」と言いたい時に使う介詞です。
介詞って何?という方は中国語の「介詞」の語順まとめ!副詞や助動詞と一緒に使う場合も解説をご覧ください。
まずは例文を見てみましょう。
普通、「私は宿題をやり終えた」と言いたいときは、次のように表します。
我做完作业了。
Wǒ zuò wán zuòyè le.
私は宿題をやり終えた。
これは、主語+動詞+目的語で構成された、典型的なSVO型の文章ですね。
ところが、同じような意味の文章を、介詞「把」を使って、次のように表すこともできます。
我把作业做完了。
Wǒ bǎ zuòyè zuò wán le.
私は宿題をやり終えた。
この例文では、先程、目的語だった「作业」が、「把」と組み合わさって動詞の前に来ています。
比べてみると、ちょうど動詞と目的語の位置が入れ替わっているのが分かりますね。
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この2つの例文は、日本語に訳すと、どちらも「私は宿題をやり終えた」になります。
同じ意味の文章であれば、わざわざ「把」を使う必要性はないようにも思えます。
「把」構文は、一体どんな時に使えばいいのでしょうか。
「把」は物事に処置を施した時に使う
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介詞「把」は、目的語に何らかの処置を施す時に使います。
先程の例で言うと、
我把作业做完了。
は、「(終わっていなかった)あの宿題を、私が手を加えたことで終わらせた」という意味になります。
一方、SVO型の
我做完作业了。
は、単に「私は宿題をやり終えた」という事実を述べているに過ぎません。
つまり、「把」を使った文章には、動作を「する前」から「した後」へと移り変わる、時間の流れが表現されていることになります。
文の中でbeforeとafterを表現しているから、頭文字を取ってba=把と覚えましょう(こじつけですいません)。
ところで、時間の流れを表現すると、どんないいことがあるのでしょうか?
最大のメリットは、文の中に「わざわざ」「結局」「ようやく」といった、さまざまなニュアンスを含めることができる点にあります。
たとえば例文の場合、文脈によっては「宿題を終わらせてホッとした」という気持ちを込めて使うことができます。
このように、「把」構文には行った動作を強調するという役割があるのです。
「把」を使うときの3つのルール
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「把」を使った文には、次のようなルールがあります。
- 否定副詞は「把」の前
- 目的語は特定のもの
- 動詞+αの形に
一つずつ解説します。
否定副詞は「把」の前
「把」を使った文章の否定形は、「没」「不」「别」などを「把」の前に置きます。
「把」の前に置くことで、「宿題を終える」という文全体を否定します。
我没把作业做完。
Wǒ méi bǎ zuòyè zuò wán.
私は宿題を終えていない。
「没」や「不」は、動詞の前に置いてしまいがちなので気を付けてください。
NG 我把作业没做完。
目的語は特定のもの
例文でも示した通り、「把」の後ろには目的語が置かれます。
この目的語は、不特定のものではなく、基本的には特定のものを指します。
なぜなら、特定のものでないと、処置を施すことができないからです。
例文の「作业」の場合は、世間一般のどこにでもある「宿題」ではなく、「私が今、抱えている宿題」を表していることになります。
そのため、目的語の前には「这个(この)」や「我的(私の)」といった言葉が付くパターンが多くあります。
動詞+αの形に
「把」を使った文章では、動詞は単独では使えません。
なぜなら、「把」構文は、目的語にどんな処理を施したのかを説明する文章だからです。
我把作业做完了。
という文章の場合、動詞は「做(する)」ですが、その後ろに「完(終える)」と「了(新しい状況の実現)」がくっついています。
これが「做」だけだと、結果、宿題がどうなったのかが分かりません。
なぜなら「做」という動詞は、何かを「する」という動作を示しているだけだからです。
この辺りのニュアンスは、これでスッキリ!中国語の「結果補語」の覚え方で具体的に紹介しています。よく分からない人は参考にしてみてください。
「做」だけでは、目的語にどんな処理を施したのかが分かりません。
そのため、 例文では結果補語「完」と、語気助詞「了」という+αを付け加えています。
こうすることで、初めて、宿題を「して、終わらせた」という処理の内容を説明することができるのです。
レキオ
まとめ
介詞「把」を使った文章の作り方、ご理解いただけたでしょうか。
物事にどのような処理を施すかを表現したい時に、使える便利なフレーズでしたね。
「把」を使うときのルールをおさらいしてみましょう。
- 否定副詞は「把」の前
- 目的語は特定のもの
- 動詞+αの形に
このポイントさえ覚えてしまえば、苦手だった「把」構文もススーッと理解できるようになります。
合言葉はビフォー/アフターの把です!
ところで、この「把」構文は、「被」を使った「受け身」構文と、切っても切れない関係にあります。
「把」の役割がうまく理解できないという人は、「受け身」から先に勉強してみてください。きっと、ニュアンスがつかめるはずです。
「受け身」をマスターする方法は、中国語の受け身「被」を使いこなすための3つのポイントで紹介しています。